反貧困にかかわる政策の公開質問

札幌市長選挙 立候補予定者からのご回答

 

2023年3月24日

反貧困ネット北海道

代表 松本伊智朗(北海道大学教授)

 

 

反貧困ネット北海道では、きたる札幌市長選挙に立候補を予定されている方々(3月1日時点で当会で把握できた方々)に、反貧困にかかわる政策の公開質問を行いました。趣旨や公開質問状は下記をご参照ください。

 

■反貧困ネット北海道ウェブサイト

https://hanhinkondo.wixsite.com/website

■反貧困ネット北海道「北海道知事選挙と札幌市長選挙の立候補予定者に公開質問状を送りました」

https://roudou-navi.org/2023/03/03/20230301_hanhinkonnethokkaido/

 

立候補予定者から、3月24日8時の時点で当会に到着していたご回答を公開します。

「引用スタイル」で囲んでいる部分が当会からの質問です。

ご回答の掲載順は、ご回答の到着順によります。

 

 

選挙の準備で大変お忙しいところ、私どもの質問にご回答をいただいたことに心より感謝申し上げます。私どもも、反貧困の取り組みに、より一層力を入れていきます。

なお、時間の都合で回答が困難であるという立候補予定者からも大変丁寧なご返信をいただきました。一部を末尾で紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

 

目次

【1】生活保護制度

(1)2023年は生活保護基準の5年ごとの見直しの年です。2022年12月末に厚生労働省から発表された新基準は、現在の物価高騰をまったく考慮していないものでした。1973年~1974年のオイルショックの時には、生活保護基準の引き上げが年度内で複数回行われました。その頃よりも物価上昇率が高い現状においては、生活保護基準は大幅に引き上げるべきではないでしょうか。どうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

生活保護基準は、国がその責任において適正に定めるものです。国の社会保障審議会での審議等を踏まえ、社会情勢や物価水準などを検証し定められることから、2023年10月に行われる基準改定においては、現下の物価高騰を考慮した措置が講じられるべきと考えます。

 

きばた秀男さんの回答

「新基準」とは、2022年12月に公表された社会保障審議会生活保護基準部会報告書で示された基準を指しているものと思われますが、ご指摘のとおり、これは昨今の異常な物価高を何ら考慮していないものです。過去にも1973~4年の「狂乱物価」と呼ばれた異常な物価高を踏まえ、年度途中で生活保護基準を引き上げたこともあり、同様の措置をとることが切実に求められています。

 

 

(2)生活保護法第1条では、「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」とされています。法律では国の責任ということが明記されていますが、ご承知の通り生活保護を利用する事には未だに抵抗を覚える方がいるのが現実です。どうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

生活保護の申請は、国民の権利です。このことを周知するため、札幌市では全国に先駆けてポスターを作成し、区役所等のほか、ライフライン事業者の協力により掲示してきました。今後も、生活保護を必要とする方が、躊躇することなく相談窓口につながるよう、制度の周知を実施していきます。

 

きばた秀男さんの回答

生活保護を申請することに抵抗を覚える方が多い最大の理由は、生活保護利用者に対するスティグマ(負の烙印)をおそれてのことではないでしょうか。2012年には、人気のお笑い芸人の母親が生活保護を受給しているという週刊誌報道が発端となって、この芸人に対する激しいバッシングが起き、記者会見で謝罪する事態となりました。2017年には、小田原市の福祉事務所職員が過去10年間にわたり、「保護なめんな」と大書されたジャンパーを着用して生活保護受給者の家庭訪問をしていたことが報道されました。メディアでもごく一握りの生活保護不正受給事件が大々的に報道され、あたかも生活保護受給者の多くが働きもせず不正を働いているかのような誤解を生じさせています。その対策としては、まず行政サイドから、生活保護の申請及び受給は権利であるという啓蒙を行うなど、生活保護利用者に対するスティグマの除去に務めることが急務ではないかと考えます。

第2の理由は、福祉事務所が生活保護申請者から親族を聞き出した上、扶養できないかどうかの意向確認(親族照会)をすることが、保護申請そのものを躊躇させているのではないでしょうか。厚生労働省も、DV被害者や高齢者からの保護申請など一定の場合は親族照会を不要とする旨の通達を出していますが、申請者が親族照会を望まないのであれば原則として行わない、という扱いに改めることが必要ではないかと考えます。

 

 

(3)生活保護制度を利用したくてもしないという方々の多くが、自動車保有と使用が出来なくなるため生活保護利用をためらっているのが現状です。国民の7割以上が保有する自動車を、生活保護利用者が日常生活で使用できないのは、(憲法)法の下の平等に違反していると思われます。また、障害者にとっては、自動車は自分の足に相当しています。使用禁止は、移動の自由の侵害ではないでしょうか。どうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

生活保護は、利用し得る資産を活用することが要件となっており、生活用品としての自動車は、維持費がかさみ、自立の妨げになることから、原則として保有が認められず、売却により資産として活用していただくことになります。ただし、障がいのある方が通勤・通院する場合などに限って、保有が認められていますので、国の実施要領に従い、保有の可否を適正に判断すべきと考えます。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。

厚生労働省は、生活保護利用者に原則として自動車の保有や使用を認めない最大の理由として、自動車の普及率が必ずしも高くない点を挙げているようですが、果たしてそれが制限の合理的な理由になるのかどうか疑問があります。

道内ではJRの廃線や路線バスの廃止が相次ぎ、自動車がなければどこにも行けない、という地域が増えています。札幌市内でも、自家用車を使う自営業者の方はもとより、公共交通機関を利用できない早朝や深夜の出退勤が必要になるため、自家用車がなければ仕事を続けられない、という方が少なからずおられます。こうした方々が、一時的にせよ収入減等により困窮して生活保護申請を余儀なくされた場合、自動車の保有や使用が認められないままでは、いつまで経っても稼働収入を増やすことができず、世帯の自立更生ができない、ということになりかねません。

したがって、生活保護利用者に原則として自動車の保有や使用を認めない、という現在の運用はすみやかに改めるべきであり、札幌市としても厚生労働省に働きかけるべきであると考えます。

 

 

【2】生活困窮者の自立支援、野宿者・住まい

 2020年4月「札幌市無料宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例」「北海道無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定める条例」が施行され3年が経過します。貧困ビジネスを排除し生活に困窮されている方々が安全で安心できる住まいをつくるにはどうしたらよいかという観点から以下の質問をさせてください。

 

(1)条例では事業者に対して無料低額宿泊所としての届出をすることを課しておりますが、北海道、札幌市ともに届出件数が非常に少ないのが現状です。この要因をどのように分析し、どのような対策を考えているのか教えてください。

 

秋元克広さんの回答

無料低額宿泊所として届出があった施設は現在市内に7か所あり、届出数は年々増えている状況にあります。まだ届出がない施設の中にも、無料低額宿泊所に該当すると思われる施設が少なくても27か所はあることから、今後も適宜現地調査等を行い、運営実態を把握しながら、制度の趣旨を事業者に説明し、届出の勧奨を行っていきます。

 

きばた秀男さんの回答

現在、札幌市に届け出られた無料定額宿泊所は7か所のようです。これは、届出を義務化して運営に縛りをかけるだけで、札幌市からの補助金等は一切支給されていないからではないかと考えられ、無届出で営業をしている宿泊所もあるやに聞き及んでいます。住居をなくした人たちが、新たな住居を確保するまでの一時的な住まいの場として、安心して利用できるよう、また、そこで働く人たちも安心して働けるよう、札幌市が何らかの財政的支援をすることが必要と考えます。

 

 

(2)届け出のあった無料低額宿泊所のうち一定の要件を満たす場合は日常生活支援住居施設(以下、日住)として認定され、行政が日常生活に支障のある生活保護受給者の支援を委託することができるようになりました。一方、これまでは日常生活に支障がある方には救護施設等の保護施設が対応してきました。お伺いしたいのは、札幌市ではこうした要支援の生活保護受給者に対して、今後日住を拡充して対応するという意向なのか、それとも保護施設における支援を基本に置いて日住はあくまで補助的な位置づけとして考えるのか、方向性とその理由を含めてお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

札幌市が、日常生活支援住居施設として認定した無料低額宿泊所は現在1か所あり、様々な生活課題を抱え、単身での生活が困難な方が、他の社会福祉施設等に入所するまでの間、一時的な居住の場として利用されております。認定に関する事業者からの相談には随時対応しており、施設の運営状況を確認しながら、要件等について説明しています。また、市内には4か所の救護施設があり、いずれの施設も受け入れ可能なことから、当面は既存の5施設を有効活用することで、単身で日常生活を営むことが困難な方への自立に向けた支援が可能であると考えています。

 

きばた秀男さんの回答

現在、札幌市内には4か所の救護施設があります。救護施設は、身体や精神の障がいや、何らかの課題(生きづらさ)を抱えていて、日常生活を営むことが困難な人たちが利用できる福祉施設として、法的に位置づけられています。しかしながら、一定の条件を満たさないと入所できず、また、条件を満たす方も満床のため受け容れてもらえない場合も多いようです、救護施設を利用したい人が利用できるよう、その増設が求められています。

また、何らかの事情で住まいを失った人がすぐに救護施設へ受け容れられるというものではありませんので、まずは無料定額宿泊所が利用できるよう、前項で述べたとおり札幌市が何らかの財政的支援をすることとともに、無料低額宿泊所の存在を広く広報することが必要と考えます。

 

 

【3】女性の貧困(ひとり親家庭、中年・単身世帯)

(1)3年に及ぶコロナ禍とその後の物価高騰により、ひとり親世帯は減収と家計費負担増により大変厳しい状況です。

2018年の北海道のひとり親世帯等実態調査報告で、受診を控えたことがある世帯が母子父子世帯ともに49%と、半数が受診控えがあると回答しています。これは他の都府県と比べて、ひとり親医療費助成が親は入院時のみの助成しかないことが大きく影響しています。札幌市においても、ひとり親の通院についても医療費助成を導入するべきと考えますがいかがでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

人間の生命・健康に関わる医療費の助成については、市町村によって助成の内容に差が生じることは好ましいことではなく、原則的には国が一律に実施すべきです。

しかしながら、経済状況によらず安心して子育てができる環境をつくるという観点から、札幌市独自の支援として、ひとり親家庭に対する医療費助成を拡大することを検討します。

具体的な拡大の範囲は、制度の持続性や財政状況等を勘案した上で、総合的に判断したいと考えています。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。扶養を要する子どもを抱えたひとり親の医療費が払えないため受診控えをせざるを得なくなれば、ひとり親の病状が悪化して就労できなくなり、子どもの生存も脅かされることになりかねず、まさに子どもの貧困そのものにかかわる問題と認識しています。

札幌市では、小学生は入通院にかかる医療費のほぼ全額、中学生は入院にかかる医療費の一部(ただし住民税非課税世帯はほぼ全額)が、医療費助成の対象とされているところ、助成の対象は大幅に拡大し、ひとり親の通院医療費も、所得制限なく助成対象とされるべきと考えます。

 

 

(2)困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が2024年4月から施行されます。その中でも特に見落とされているのが、40代以降の単身女性の支援です。

この国の社会保障、税制は世帯単位のため、そこから外れている単身者、特に非正規雇用が多く収入が低い女性単身者が困窮します。就労支援や職業訓練も年齢が高いと希望をしても受けられないことも多くあります。40代から60代向けの就労支援が必要と考えます。また、子育て世帯への住居費支援などは実施している自治体もありますが、中年単身女性は民間賃貸住宅居住者が多く、収入が低ければ住居費の負担が大きく余裕がありません。住宅支援として民間住宅借り上げなどによる、住居費助成として、みなし公営住宅などを拡充することが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

札幌市においては、女性の働き方支援窓口「ここシェルジュSAPPORO」を設置するなど、女性に対する就労支援に力を入れてきたところであり、今後も取組を強化してまいります。

また、現在は中年単身女性に特化した住宅支援は行っておりませんが、生活面での課題を抱える女性に対し、SNS等を活用した相談対応や声掛け等のアウトリーチから、一時的な居場所の確保、公的機関等による安定的な支援へとつなぐなど、安心して日々の生活を送れるようにするための取組を行ってまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。とりわけ、中高年齢層で就職や住居に困っている女性を主な対象として、低収入の方への家賃補助やワンストップの相談窓口を設置することが必要と考えます。

 

 

【4】保育

(1)職員配置基準の見直しについての世論が高まり、新年度より開始の子ども家庭庁において定員121人以上の保育所で4.5歳児25:1配置とした場合の加算が予算化されました。しかし、基準の引上げではないこと、対象施設が少ないこと、多くの保育現場では0.1.2.3歳児に基準以上の保育士を配置していることから不十分と捉えています。子どもの豊かな育ちを保障するために、どのような措置が必要とお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

乳幼児は、社会性を発達させていく時期であり、安心安全な保育の確保が求められるものと考えており、これまでも充実した保育環境の整備に努めてきました。

札幌市では従前より、基準を超えて保育士を配置している認可保育所等に対し、札幌市独自の補助金(加配保育士等雇用促進補助金)として、保育士人件費の一部を補助し、職員配置の充実をサポートしてきたところです。

職員配置基準については、国に対しさらなる見直しについて求めていくとともに、加配保育士に対する補助をはじめとする札幌市独自の人件費補助総体を再度精査し、保育現場を支えていく必要があると考えております。

 

きばた秀男さんの回答

いわゆる待機児童問題の解決は、子育て支援策の中でも優先度の高い課題であると認識しています。そのためには、何よりもまず、保育士の賃上げや雇用の安定等の待遇改善策が先決ではないでしょうか。また、2018年から、フルタイム労働者でないと子どもを保育園に入れることができないという制度改悪が行われており、これはすみやかに見直されるべきと考えます。

 

 

(2)この間、国は保育労働者の賃上げを実施してきたとしていますが、人件費単価の引上げではなく加算方式でとどまっており、なおかつ物価高騰の影響をふまえると、この間の加算は十分な引上げとはいえません。独自の職員処遇が必要ではないでしょうか。この点についてどうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

平成27年度から実施された子ども・子育て支援新制度において、公定価格に処遇改善加算が設けられ、この間、一定の賃金改善が図られてきたものと認識しています。

札幌市では、3年、6年、9年という勤続の節目に一時金を給付する独自の制度を設けるなど、継続した勤続に報いる形での金銭給付を行っております。

保育士の処遇は、国全体として底上げする形が適切であると考えており、引き続き国に対し処遇改善の要望を継続していきます。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。また、経営基盤の弱い保育園では賃上げもままならないので、札幌市独自に経済的な支援策がとられるべきと考えます。

 

 

(3)国は保育体制強化事業として、保育士資格を持たない「保育支援者」などの配置を予算化しています。保育現場では、本来有資格者の確保・定着で保育労働者の業務軽減や安心安全な保育を行うことが最善と捉えていますが、無資格者の拡大についてのお考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

保育労働者の確保が厳しい状況である中、保育士がその専門性を十分に生かせるよう、保育業務に専念できる環境の整備は喫緊の課題と認識しております。

保育所等における保育士の負担軽減の一助として、ICT化や保育士資格を持たない保育支援者の配置を進めているところです。

このほか、保育分野の就労支援や相談対応、潜在保育士の掘り起こし等を行う「保育人材支援センター(さぽ笑み)」の機能を強化し、保育人材の確保を支援するなどにより、安心して預けられる保育所環境を整えていきます。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。

保育士は、幼稚園教諭と並んで、学齢期に達するまでの子どもの教育を担うという重要な役割を担っており、保育士が足りないからといって無資格者に頼るような政府の予算方針は本末転倒ではないかと思われます。

 

 

【5】学童保育

(1)学童保育は、保育園のように保護者が労働等で不在となる小学生児童の放課後や長期休みを保護者に代わる大人のもと集団で生活する中で適切な育成支援によって子どもの持つ成長発達の権利を保障し保護者の就労等を保障する事業です。児童館、こども食堂、学習支援の場などとは目的を異にし、対象となる児童にとっては必要で欠くべからざる環境です。生活を共にする家庭のように固定された子ども集団のなかでともに遊ぶこと、おやつや昼食をときには調理する主体ともなるような生活経験を育みます。

これまで厚生労働省管轄だった学童保育(放課後児童健全育成事業)は、新年度以降のこども家庭庁の仕組みのなかでは、「こどもの居場所づくり」の範疇で考えられるようですが、そのことについてどうお考えでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

放課後児童健全育成事業については、児童福祉法第6条の3第2項に定めるとおり、保護者が労働等により昼間家庭にいない児童に対し、適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的として行っているものであり、国における所管が厚生労働省からこども家庭庁に移ろうとも、そのことに変わりはないという認識です。

 

きばた秀男さんの回答

学童保育の所管官庁が文部科学省からこども家庭庁に変更されること自体の是非については、にわかに断じることができかねるところです。

 

 

(2)小学生が学校よりも長い時間を過ごす場で、保護者と連携して子どもを育てることで、家庭が困難を抱えた場合の支えになったり適切な支援につなぐソーシャルワークも担うことができますが、学童保育(放課後児童クラブ)は、国の補助基準において算定条件が低く見積もられ現場の指導員の処遇が十分ではないため、慢性的な人材不足という課題を抱えています。

子どもたちを育成支援する人材を確保すると同時に子どもたちの受ける育成支援の質の向上を図るため、どのような政策をお考えでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

札幌市では、学童クラブを行っている民間児童育成会に対し、国の基準に則り、運営費等の助成を行っているところであり、平成27年度の子ども・子育て支援新制度創設以降、賃金改善やキャリアアップへの支援メニューを設けるなどして、処遇の向上を後押ししてまいりました。直近では、令和4年2月から3%程度の賃金引上げへの支援を行っているところです。

今後も、国に対してさらなる拡充を求めながら、民間児童育成会への支援を継続していく考えです。

 

きばた秀男さんの回答

学童保育の指導員の待遇を改善することが急務であると考えます。

 

 

【6】子ども・子育て家族の貧困

現在札幌市では、子どもの貧困対策推進計画(子どもの貧困対策計画)を策定されており、施策の進展が期待されるところです。この推進に関連して、以下の点についてお考えをお聞かせください。

 

(1)子どもの貧困対策推進計画にあげられる施策のうち、札幌市として特に重点的に進めて行くべきことがらは何だとお考えでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

子どもの貧困対策においては、困りごとを抱える子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげることが、取組の基礎になると考えています。

また、ひとり親家庭への医療費助成など、家計が厳しい状況にある子育て家庭を経済面から支えることはもちろんのこと、体験活動を含めた子どもの学びへの支援のほか、子ども食堂などの居場所づくりを進めていくことも重要と考えています。

 

きばた秀男さんの回答

子どもの貧困対策推進計画に掲げられた基本施策は、いずれも必要なものですが、あえて特に重点的に進めるべき事柄を挙げるとすれば、基本施策5の「特に配慮を要する子ども・世帯を支える取組の推進」ではないかと考えます。

 

 

(2)計画の策定、推進に際しては、貧困当事者である子ども、保護者の参画が重要であると思われますが、この点をどのように進めて行くお考えでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

第2次札幌市子どもの貧困対策計画については、事前に「子どもの生活実態調査」を実施し、困難を抱える子ども・世帯の現状や課題とともに、当事者からの声も把握したところであり、現在、それらも踏まえながら検討を進めているところです。

今後、計画を取りまとめ、推進していくに当たっては、子どもの保護者も参画する市の附属機関「札幌市子ども・子育て会議」のほか、15歳以上の子どもを委員に含む「札幌市子どもの権利委員会」においても議論をいただくなど、当事者を含めた子ども・保護者の意見も丁寧に聴いてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、貧困当事者である子どもやその保護者の意見を聴取する機会を設けることが必要と考えます。

 

 

【7】医療・介護

 コロナは、医療・介護現場で働く労働者を疲弊させています。それは、長年の医療・介護政策を反映したものであり、問題の解決には、医療や介護に対する公的な支出の増大が不可欠であると考えます。また、利用者に対して負担をさらに求めていくことは、医療機関の受診抑制や介護の利用抑制がもたらされることが懸念されます。

 

(1)2023年5月より、新型コロナウイルス感染症が2類から5類へ変更されます。このことによる医療現場や介護現場への影響や対策をどうお考えでしょうか。

また、医療現場や介護現場でのクラスターを予防するためには頻回なPCR検査や、受診・入院制限や利用制限による減収補填が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

5類化に伴い、原則すべての医療機関においてコロナの外来・入院等に対応していただくことになることから、札幌市医師会とも連携・協力の上で、感染症対応にかかる医療機関向けのセミナーの開催等を行うなど、医療現場や介護現場の混乱や必要な医療・介護の停滞が生じないよう、体制整備を進めてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、これまでの政府や北海道、札幌市の公衆衛生、感染症対策の脆弱さを露呈させました。保健所の拡充、保健師など関係職員の大幅な増員が求められています。医療、介護、福祉施設に対しては不足している報酬の引き上げを行い新たな感染症に備えることができるようにしなければなりません。たとえ「5類」となっても引き続き財政支援は継続・拡充すべきと考えます。

 

 

(2)新型コロナウイルス感染症により医療供給体制のひっ迫が明らかになりましたが、新興感染症や大規模災害から命をまもる医療政策について、どのようにお考えでしょうか。とくに国は都道府県ごとの医療適正化を名目に、病床を削減する「地域医療構想」を推進していますが、北海道の公立・公的医療機関の縮小統廃合についてどのようにお考えか、お聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

新興感染症や大規模災害等の有事における医療提供体制の確保は重要と認識しています。地域医療構想については、北海道において地域ごとの必要病床数等を定めているところですが、限りある医療資源の適正分配も考慮しつつ、公立・公的医療機関において担うべき役割をしっかりと果たしていけるよう、北海道等との協議を進めてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

道内の公立・公的医療機関は、新型コロナウィルス感染症のパンデミック下においても、地域の基幹病院として重要な役割を果たしてきたのであり、その縮小・統廃合には反対します。

 

 

(3)介護保険財政における国の負担割合を引き上げること。そのための財源は負担能力に応じて国の責任で確保するべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、ケアプランの有料化や、介護保険利用料の原則2割負担、要介護1・2の訪問介護と通所介護(デイサービス)を、介護保険給付から「地域支援事業」に移行することについてどのようにお考えでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

介護保険財政については、制度の持続可能性を確保しうるものとして、将来にわたって地方公共団体の財政負担が過重とならないよう、国には十分な財政措置を講ずるよう要望したいと考えます。

またケアプランは、ケアマネージャーが、高齢者や家族の要望や状況を把握し、より自立した生活が送れるようにするための設計図であり、介護保険制度の根幹をなすものです。有料になると、高齢者や家族がケアマネの相談を控え、本来必要なサービスを受けられなくなる懸念があります。

利用料負担割合の拡大についても、サービスを利用する高齢者の負担が増え、それによる利用控えも懸念されるところです。

さらに、要介護1・2の訪問介護等の地域支援事業への移行については、地域支援事業が、市町村によってサービス内容や担い手などの差異があり、制度そのもののあり方が不安定であるため、利用者とサービス提供者の両方に混乱を招く恐れがある。こうしたことから、これら取扱いの検討にあたっては、国に慎重な議論を求めてまいりたいと思います。

 

きばた秀男さんの回答

そもそも国は、介護保険財政の4分の1しか負担しておらず、その割合を大幅に引き上げるべきと考えます。また、要介護1・2の訪問介護と通所介護が地域支援事業に移行されると、介護保険の適用外になってしまい、自治体の財政力によってサービスに地域間格差が生じることになるので、反対します。

 

 

(4)道内でも医療・介護従事者の不足が深刻で、事業所の閉鎖や事業の縮小、新たな事業ができない地域増えています。その解決のためには大幅な賃上げや労働条件の改善が必要です。札幌市として、独自の施策についてお考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

医療従事者の人材確保に向けた取組として、復職を目指している看護師を対象とした現場復帰のための研修会を開催するなど、支援を行っているところです。

また、介護従事者の人材確保は、特別養護老人ホーム等の介護施設や在宅サービス事業所など、介護の現場において大変厳しい状況であり、処遇改善に関する加算が新たに創設される等、国の介護報酬改定等において対応されてきているところです。そのような中、介護の現場で働く方の職場環境を改善し、働き方を大きく変えていく必要があると考えます。そのために、人材確保に有効な研修事業と介護の魅力発信を継続していくことや、生産性向上に資する介護ロボットの普及や介護現場のICT化をより推進するための本市独自の支援を行う等、介護従事者の負担軽減と人材の確保に向けた取組を進めていく考えです。

 

きばた秀男さんの回答

道内の他の市町村では、介護職員を養成する学校に通う学生に奨学金や奨励金を出しているところや、シングルマザーの学生に家賃を助成しているところもあります。札幌市でも、介護職員の養成学校に通う学生に対する奨学金制度の創設などが検討されて然るべきです。

 

 

(5)道内でも、高すぎる国保料や一部負担金の負担などで、経済的理由による受診抑制が起きています。手遅れで亡くなる方もいます。

協会けんぽと比較しても高すぎ、今後も値上げが予想される国保料について、札幌市として独自の軽減策についてお考えをお聞かせください。

また、保険料を負担できない18歳以下の子どもの均等割の軽減について、札幌市として独自の軽減策をお考えかお聞かせください。

保険料を一定期間滞納すると10割負担となる資格証明書が発行されます。それについてのご意見をお聞かせください。

市町村が行う一部負担金の減免制度の周知や対象拡大が必要です。札幌市としての独自の施策について考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

国民健康保険料につきましては、均等割も含めまして、法令に基づき算出することとなっておりますことから、国からの交付金などをルールに則って活用し、負担軽減を図ってまいります。また、国に対しましては、さらなる財政措置を求めてまいります。

資格証明書につきましては、法制度として定められているものではありますが、医療機関への受診のための申し出があった場合には、緊急的に解除を行うなど丁寧に対応してまいります。

一部負担金減免につきましては、制度をしっかりと周知することが必要と考えており、加入者のみならず、直接患者様と接する医療機関にも周知を図ってまいります。また、対象拡大につきましては、北海道が全道市町村での基準の統一を目指していることから、北海道や他の市町村としっかり協議をしてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

ある試算によれば、国庫から1兆円を拠出すれば、国民健康保険料を協会けんぽ保険料並みに引き下げることができるようです。国に対してはその実現を求めていく必要があります。

また、札幌市では、一般財源からいったん基金に組み入れ、そこから一部負担金の減免に充てていますが、この組入れ額を増やして、減免制度の対象を拡大すべきと考えます。

 

 

(6)介護保険制度当初、基準介護保険料(本人は非課税)は一人当たり月5000円が限界と言われていました。しかし、道内でも6割の市町村が月5000円を超えています。2024年度からの保険料の見直しではさらに値上げが予想されます。札幌市として独自に保険料に軽減することについてお聞かせください。

介護利用料が高いため、経済的理由で必要な介護制度を利用できず制限している方も少なくありません。札幌市として独自に利用料を軽減することについて考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

介護保険制度において、保険料と国・都道府県・市町村の公費負担の割合は、法令で定められており、札幌市独自に保険料を減免することは、健全な介護保険財政の運営の観点を踏まえ、適切ではないと考えます。

なお、既に札幌市においては、収入に応じて保険料を1~13段階に細かく分けた応能負担とし、収入や預貯金などについて一定の要件を満たす方に対しては、第1段階相当の金額まで減額とする低所得者減免の制度を実施しています。

また、経済的理由で介護保険の利用を控えざるを得ない低所得者の方については、利用者負担が高額にならないよう、一定額を超える負担について高額サービス費として払い戻すなど、収入に応じた利用者負担の軽減等、制度上の方策が位置づけられており、札幌市としては、今後もこうした制度を適切に運用してまいります。

 

きばた秀男さんの回答

そもそも国庫負担割合を大幅に増やして介護保険料を軽減すべきことは、前問で述べたとおりです。 札幌市においても、低所得者に対する独自の支援策を検討すべきと考えます。

 

 

【8】障害者福祉

(1)障害者施設、職員による人権侵害の問題について

北海道では昨年12月に西興部村の障害者支援施設で職員による利用者への虐待が発覚し、同じく12月に江差町では利用者の結婚や同棲の条件に不妊手術が提案されていたことが報道されています。こうした福祉施設やその職員による人権侵害ともいえる事案が発生する要因をどのように捉えているのか、そしてどのような対策が必要だと考えているのか、考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

虐待が発生する要因としては、障がいの特性や虐待について職員の理解や意識が十分でないことや、組織内のコミュニケーションが不足していることなどが考えられます。

このため、事業所が研修などにより障がい者虐待の防止について組織的・継続的に取り組むよう指導していくことや、通報・相談窓口の周知、不適切な事案が疑われる場合には、札幌市が速やかに調査を行って適切に対応していくことが大切だと考えています。

 

きばた秀男さんの回答

前者は、全国各地の福祉施設で同様の利用者虐待事件が報じられており、福祉の現場に身を置くものとして心を痛めています。そもそもどうして利用者虐待が起きたのか、第三者委員会による調査等の方法により究明した上で、原因に応じた対応策(職員に対する人権教育の徹底、職員の労働環境の改善等)がとられるべきと考えます。

後者は、より深刻な問題をはらんでいます。すなわち、わが国においては、かねてから「優性思想」に基づくハンセン病患者や精神障がい者、知的障がい者に対する断種・不妊手術の強制が行われ、そのことが最近になってようやく裁判で断罪されました。こうした人権侵害が国策として行われてきたことに影響されて、個々の施設でも同様の人権侵害がまかり通ってきたと思うのです。そこで、対策としては、加害者である国が率先して、こうした方々に対する断種や不妊の強制が人権侵害であって許されないことであるという反省と再発防止を改めて表明し、広く啓蒙活動を行うことに尽きるのではないかと考えます。

 

 

(2)福祉施設事業所職員の慢性的な人材不足について

障害者福祉事業所職員の人手不足は深刻です。職員のなり手不足の原因には、賃金の低さ、労働条件の厳しさ、将来性の不透明感等が挙げられています。国は2012年から処遇改善加算などを創設し対応していますが問題は未だに解消していません。現に起きているこの事態を一刻も早く改善するために、札幌市として独自の財源措置を行う等対応すべきと考えますが、その点についての見解をお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

障がい福祉サービスにおける職員の処遇改善は全国的な課題であり、サービスの質の向上や人材の確保が継続的に可能となるような適正な報酬単価の設定は、国が責任をもって行うべきものと考えています。

そのため、札幌市として、他の政令市と協力しながら国への要望を行ってまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見に賛成いたします。障がい者福祉の現場は、働き甲斐はあれど、働いても働いても食べていけない、という厳しい労働環境にあると思われるので、医療や介護の従事者と同様、すみやかな待遇改善が必要と考えます。

 

 

(3)制度の中に、障害種別による格差が生じている状況について

2006年障害者自立支援法(現在:障害者総合支援法)により、3障害一元化が進められることになりましたが、いまだに制度の中に差別が残されています。これに関わって以下の点について質問させてください。

①重度障害者医療助成制度

現在の制度では、身体障害者や知的障害者は入院にかかる費用も助成の対象であるのに対して精神障害者の場合は入院費用が対象となっていません。障害者差別解消法では国や自治体による差別を禁止していますが、精神障害者に対するこの状況をどう考えているか、自治体独自の財源措置をして対策することについてのお考えをお聞かせください。

②運賃割引制度

札幌市では市営地下鉄と電車については精神障害者にも4年前から半額助成を行っていますが、大手バス会社は運賃割引を行っていません。また、北海道においても各民間交通事業所の判断で運賃割引が行われており、多くは精神障害者を対象としていません。こうした状況をどう考えているか、財政等の支援を行うなどの対策の可能性を含めてお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

①人間の生命・健康に関わる医療費の助成については、市町村によって助成の内容に差が生じることは好ましいことではなく、原則的には国が一律に実施すべきです。

しかしながら、私の重点政策である「誰もが不安なく健やかに暮らせるまちづくり」のため、札幌市独自の支援として、重度障がい者に対する医療費助成を拡大したいと考えています。

具体的な拡大の範囲は、制度の持続性や財政状況等を勘案した上で、総合的に判断してまいります。

②精神障がいのある方の運賃割引に関しては、国も交通事業者による導入の促進を掲げているところであり、身体・知的障がいと同様に、その取組が広がっていくことが望ましいと考えています。札幌市としても、北海道と連携しながら、交通事業者に働きかけてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

①精神障がい者のみ除外されているのは、不合理な差別ではないかと考えます。札幌市として、国と北海道に対し、見直しを働きかけるとともに、当分の間は独自の措置として、精神障がい者に対する入院費用の助成を行うべきと考えます。

②貴見のとおり、民間の路線バス事業者においても、精神障がい者に対する運賃割引がなされることが必要と思われます。札幌市としてどのような支援、助成が可能か、路線バス事業者とも協議しながら検討を進めていくべきと考えます。

 

 

【9】学費・奨学金問題

(1)学費・奨学金問題が深刻です。国公立大学の授業料は年間約53 万円、私立大では100 万円を超えます。新たな奨学金制度を創設する、現在行っている奨学金制度を充実させる(貸与制から給付制への変更、給付制枠の拡大)などの対策や現在返済に苦しんでいる方への支援策(返済の負担を軽減する税制支援など)が必要と考えます。学費の高負担や奨学金返済負担の軽減のため、札幌市としてどのような支援策・対策を実施すべきだとお考えですか。

 

秋元克広さんの回答

学費負担の軽減として、返済不要な奨学金制度の実施が重要と考えており、札幌市では経済的理由で修学困難な高校生・大学生等に対し、給付型奨学金を支給しております。

 

きばた秀男さんの回答

わが国の大学授業料は毎年のように値上げを重ね、いわゆる先進国の中ではトップクラスの高学費となっています。最大の規模となる日本学生支援機構の奨学金も、そのほとんどが貸与制、しかも有利子で、その取り立ても厳しいもので、奨学金とは名ばかりの「教育ローン」化しているとの指摘がされているところです。

政府の少子化対策の一環として、かかる大学授業料の見直しとそのための財政措置、日本学生支援機構の奨学金制度の見直し(給付制の拡大、貸与制の無利子化、返還困難者への救済策など)が必要不可欠と考えます。

 

 

(2)地元企業就職者への返還給付支援策として、たとえば、札幌圏奨学金返還支援事業などが制度化されていますが、対象となる認定企業が少ない状況にあります。この背景には、企業に対して半額の寄付を求める等、企業側の負担の問題も大きいと考えられますが、企業側の負担軽減により対象となる認定企業を拡大するため、札幌市としてどのような対策を実施すべきだとお考えですか。

 

秋元克広さんの回答

札幌圏奨学金返還支援事業の対象となる認定企業ですが、新聞への広告掲載をはじめ、事業周知に向けた広報を継続的に行っており、認定企業数は現在265社(3/15時点)となっております。

企業数の増加に伴い、令和4年度に認定した交付対象者数は定員の100名に達しており、今後も認定企業を増やしていくべく、効果的な事業周知に努めてまいります。

なお、当該事業についてですが、半額の企業負担はあるものの、本寄附金は特定寄附金に該当し、全額損金算入されるため、税の軽減効果が得られる仕組みとなっております。

 

きばた秀男さんの回答

さっぽろ圏奨学金返還支援事業では、認定企業に対し、支援金の半分(年間最大9万円)の寄付が要求されており、このことが認定企業の申請をする上でのハードルとなっていることは否めません。貴見のとおり、認定企業の負担を軽減し、札幌市が奨学金予算を拡充してその分を賄うことが必要と考えます。

 

 

(3)札幌市奨学金等の給付型奨学金制度は、進学に経済的困難を抱える家庭のお子さんにとって、学問の自由や教育を受ける権利を支える貴重な制度となっています。

札幌市は、近年、ふるさと納税による寄付の増加と、子どもの貧困に対する関心の高まりから、特に給付型奨学金事業への寄付額は増加しています。しかしながら、運用収入と市の歳出予算のみを奨学金の支給に充て、寄付金を奨学金には充てていないことから、寄付金の増加にも関わらず、奨学金の支給対象人数は増えていません。札幌市奨学金の充実についての考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

札幌市では、いただいた寄付金が、将来にわたって学生の皆さんを支えてゆけるよう、札幌市奨学基金へ積み立てる運用としております。今後の奨学金制度の拡充等のあり方については、引き続き検討してまいります。

 

きばた秀男さんの回答

現行の札幌市奨学金は、給付制とはいえ、給付額が月に5,000円(国公立高等学校等)から9,000円(私立大学)、対象者数も年に1,500人と、必ずしも多くはありません。給付額や対象者数の拡大を図るとともに、失業や病気などで日本学生支援機構の貸与制奨学金の返済に窮している方々に対する救済策についても検討する必要があるものと考えます。

 

 

【10】雇用・労働(総論)

(1)不安定な雇用で働く人たちが北海道内にも札幌市内にも数多くいます。加えて、最低賃金における都道府県別未満率と影響率(令和3年)では、未満率は全国加重平均が1.7%であるのに対して北海道は2.5%、影響率は全国加重平均16.2%であるのに対して18.0%と、最低賃金に近い賃金水準で働いている労働者が多くなっています。

このような憂慮すべき事態について、現状認識や必要だと考える政策についてお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

最低賃金は確実な履行が必要であるため、札幌市ホームページ等において最低賃金額の周知を行うほか、改定時には厚生労働省作成のポスター・リーフレットを就労相談窓口等に掲示するなど、周知を行っているところです。

併せて、最低賃金引き上げができる環境を整備すべく、国が実施する業務改善助成金や事業再構築補助金について、札幌市ホームページにより企業への周知を行い、中小企業の生産性向上に取り組んでおります。

また、国においては、最低賃金について「経済財政運営と改革の基本方針2022」(令和4年6月7日閣議決定)内で、人への投資のためにも最低賃金の引上げは重要な政策決定事項であるとして、全国加重平均1,000円以上を目指すことが示されているところです。札幌市としても、働く方の生活基盤を安定させるために有益なことから、最低賃金の引き上げに向けた支援策の周知を継続しつつ、今後も国の動向を注視してまいります。

 

きばた秀男さんの回答

ご指摘のとおり、道内には最低賃金並みの低賃金で働く方が少なからずおられ、諸物価の相次ぐ値上げが続いている現状においては、一刻も早い最低賃金の引上げが求められるところです。同時に、賃上げ分の売上げ確保が困難な中小零細業者に対する支援策もとられる必要があると考えます。

 

 

(2)求職中であっても憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するには、国が行っている求職者支援制度の月10万円の生活支援給付金では大幅に不足します。自治体による独自加算を行うことについて、考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

札幌市では、自治体による独自加算を行う予定はございませんが、求職者の支援として、「札幌市就業サポートセンター」において、ハローワークと共同で無料の職業紹介サービスを行っております。当施設では、職業相談・紹介に加え、就職活動に役立つ様々なセミナーや短期間で取得できる資格やパソコン・ビジネススキルなどの仕事に役立つ講座を多数開催し、求職者に対する支援を行っています。

また、新卒からおおむね50歳までの就職氷河期世代を対象とした就職支援事業としてワークトライアル事業を実施しており、この事業では、職場実習期間に研修給付金を給付する内容となっております。

 

きばた秀男さんの回答

ご指摘のとおり、月10万円の生活支援給付金だけでは世帯の生計を維持することは困難であり、生活保護以外の経済的支援策が検討されるべきと考えます。

 

 

(3)北海道も札幌市も、インバウンドを経済の重要な柱に位置づけていますが、そのインバウンドを支える観光、レジャー、宿泊、飲食などのサービス業は、全業種の中でもとくに非正規雇用の割合が高く、最低賃金近傍・連動した求人が多数を占めています。インバウンドを支えているこうした産業や労働者に対する見解と対策をお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

インバウンドは、札幌市にとって経済成長を牽引する極めて重要な産業であると認識しております。

しかし、インバウンドを支えるサービス業は、全般的に賃金が低く、就業構造基本調査によると特に宿泊、飲食サービス業では年間所得150万円未満が半数以上を占めているといった状況にあります。

賃金については、基本的には労使交渉で決定するものでありますが、札幌市では、正規非正規の格差の是正などといった企業の働き方改革を支援するために、令和5年度から「(仮称)働き方改革サポートセンター」を開設し、企業からの相談対応、出前講座、コンサルタント派遣などの事業を実施するほか、新たに労働界や経済界などの関係団体と協議会を設置し、地元企業の経営の安定化と労働者の雇用環境の向上の両立向けて、新たな仕組みの創成に取り組みます。

 

きばた秀男さんの回答

上記(1)に述べたとおり、最低賃金の引上げと、そのための中小零細業者への支援策が急務であると考えます。

 

 

【11】技能実習生

(1)技能実習生への支援の必要性

技能実習生は産業や地域を支える不可欠の存在です。コロナ前は1万人を超える技能実習生が北海道で働いていました。

その一方で、賃金未払い、ハラスメント行為、強制帰国等、技能実習生への権利侵害が指摘されてきました。近年では、技能実習生の妊娠出産問題が社会問題化していることはご承知のことかと思います。

技能実習制度と実態が乖離していることは、周知の事実であり、早急な改善が求められています。政府においても見直しの議論は進められていますが(「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」)、技能実習生への権利保護および多民族・共生社会実現をする上では、彼らが実際に働き生活する場である札幌市が積極的な受け入れ態勢を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 

秋元克広さんの回答

技能実習制度を取り巻く様々な問題が指摘されており、実習生が不当な不利益を被らず、安心して働ける環境づくりが重要であると認識しています。現在、国において制度の見直しが進められており、存廃や再編も含めた議論が行われていることから、実態を十分に踏まえた改善が早期に実現するよう期待しています。

一方、札幌市では、外国人生活者等を対象として、暮らしに関わる情報提供や相談対応を一元的に行う「さっぽろ外国人相談窓口」を令和元年11月に開設しており、技能実習生の方から相談が寄せられることもあります。内容に応じて、弁護士・行政書士等の専門家や、技能実習機構・監理団体などの関係機関とも連携しながら、相談者に寄り添った支援を行っています。同窓口には、技能実習生の多いベトナム出身のスタッフも配置しており、今後も相談しやすい体制づくりに努めてまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、技能実習生の権利保護および多民族・共生社会を実現するために、札幌市が積極的な受入れ態勢を図るべきです。技能実習生の人権侵害事案には警察や技能実習機構と積極的に連携と図るべきであり、行政サービスの母国語対応の拡充や日本語教育の積極的な支援も必要であると考えます。

 

 

(2)債務奴隷化を撲滅するために

技能実習生のほとんどは、母国で多額の借金(母国での年収の3倍~5倍)をして日本に訪れます。その結果、職場で深刻な人権侵害に遭遇しても、強制帰国を恐れて声をあげることができない状況にあります。このことは国際的にも非難されており、政府も一部問題事例を把握しているものの、抜本的な改善は行われておりません。

こうした技能実習生の債務奴隷化をどうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

令和4年7月に出入国在留管理庁が公表した技能実習生の支払い費用に関する実態調査によれば、多くの技能実習生が来日前に母国で多額の借金をしていることが明らかになっています。出身国によって状況は異なりますが、厚生労働省が令和5年度に送り出し機関の実態調査を行うとの報道もあることから、(1)の問題と合わせて、必要な改善が図られるよう期待します。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、技能実習生の債務による拘束が人権侵害の表面化を妨げており、政府が抜本的な改善策を講じていないことは問題です。根本的には技能実習制度を廃止し、新たな枠組みの受入れ制度を創設するべきと考えます。たとえ現在の技能実習制度を前提にするとしても、技能実習生の相談窓口を拡充し、人権侵害事案を把握した場合には、技能実習機構等への通報及び同機構と連携して、本人の転籍等の支援を行うべきと考えます。

 

 

(3)技能実習生の妊娠・出産・育児に関する権利等の周知について

技能実習生に対する、妊娠・出産・育児に関する権利等の周知が徹底されておらず、技能実習生は出産費用や産休時の収入等に不安を持っています。政府による啓発活動等では対応が不十分で、ほとんどの実習生は、権利等を認識しておりません。

札幌市においては、「さっぽろ子育て情報サイト」にて、妊娠・出産・育児に関する情報発信が行われていますが、実習生が母国語で情報にアクセスすることはできません。今後、実習生をはじめ、各在留資格で働く外国人労働者が増加することが想定され、それに伴い妊娠・出産・育児をめぐる問題も増加するものと考えられます。

このような問題をどうお考えかお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

妊娠・出産はライフステージにおける一大イベントであり、喜びと同時に様々な面で不安を感じる方もいらっしゃるため、国籍にかかわらず全ての市民が必要な情報を得られる体制づくりが必要と考えます。

現在「さっぽろ外国人相談窓口」では、技能実習生に限らず外国人市民の方から「出産・子育て」に関する相談が多く寄せられており、保健センターや保育所などと連携して支援しているほか、同窓口のホームページで出産時に必要な手続きや、子育て・教育に関する各種制度の情報を多言語で発信しています。

「さっぽろ子育て情報サイト」や「さっぽろ子育てアプリ」については、今後、システムの見直しにあわせて、多言語化も含めて検討していく予定であることから、両者を効果的に連携させながら、わかりやすい情報発信に取り組んでまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、「さっぽろ子育て情報サイト」に実習生が母国語でアクセスすることができないため、母国語でアクセスできるよう改善が必要です。また、技能実習生には妊娠しても技能実習を中止する必要がないことや、妊娠・出産の支援制度を周知する必要があると考えます。

なお、入国管理庁は、技能実習生の妊娠・出産について、特設ページを設けています。

技能実習生の妊娠・出産について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)

 

 

(4)公共工事における暴力事案について

全国的に技能実習生への暴力事案が多発しています。とりわけ土木・建設現場で働く実習生に対する暴力事案に関する相談が後を絶ちません。公共工事においても、多くの技能実習生が働いており、暴力事案の潜在化していることが懸念されます。

札幌市が発注する公共工事で起こり得る、技能実習生への暴力事案に関し、どのような見解をお持ちか、また、暴力事案の防止策についてどのような具体的な施策をお考えか、お聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

工事の性質や労働者の国籍等にかかわらず、工事現場における暴力事案はあってはならないことです。

札幌市においては、毎年文書により事業者への通知を行うなど、これまでも適正な労働環境の確保に取り組んでまいりましたが、今後は、新たに設置する経済界・労働界との協議会における議論等も踏まえて、労働環境のより一層の向上に取り組んでまいります。

 

きばた秀男さんの回答

【回答】  公共工事で暴力事案が生じた場合には、警察や技能実習機構への通報など毅然とした対応をとるべきです。また、暴力事案を生じさせた企業には指名停止等の措置を講じることが必要と考えます。

 

 

(5)行政サービスへのアクセスについて

技能実習生は、労働者であると同時に市民・生活者でもあります。しかしながら、実習生が各種行政サービスに容易にアクセスする体制が整っていません。各種行政サービスの通訳の配置やネット上の情報への母国語でのアクセス体制は、不十分です。

多文化共生を推進する札幌市として、今後どのような方法でこうした行政サービス・情報にアクセスできるようにするのか、また、多文化共生を実現するための街づくり・インフラ整備について、お考えのところをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

外国人の方々は、言葉の壁により情報格差が生じがちであるため、わかりやすい情報発信や、コミュニケーションを支援する仕組みが必要と考えます。

「さっぽろ外国人相談窓口」では、多言語に対応可能な相談員を配置しているほか、22言語の電話通訳サービスを導入しており、電話通訳は市役所・区役所などの窓口における外国人市民との意思疎通にも活用しています。また、札幌市と公益財団法人札幌国際プラザでは、一定の研修を積んだボランティアを「コミュニティ通訳」として登録し、学校や保育所、区役所等に派遣する事業も行っているところです。

インターネット上の情報へのアクセスに関しては、札幌市公式ホームページに自動翻訳機能を導入しているほか、外国人相談窓口のホームページでも、多言語で行政情報や暮らしにかかわる様々な情報を発信しています。

一方で、これらの取組が十分認知されているとは言えないことから、引き続き周知を進め、外国人市民が必要な情報に容易にアクセスし、サービスを受けられるよう取り組んでまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、行政サービスでの通訳の配置や情報への母国語へのアクセス体制は不十分であり、改善が必要です。たとえば、札幌市には「さっぽろ外国人相談窓口」があるものの、平日で対応時間も限られ、相談員による相談も対応言語が不十分であるため、これらを拡充することが必要と考えます。

※「さっぽろ外国人相談窓口」のホームページ

相談する | 相談・通訳 | さっぽろ外国人相談窓口 (sapporolife.info)

 

 

【12】公共サービスの担い手の雇用

コロナで浮き彫りになったエッセンシャルワーカーの主な一つが、非正規公務員や、自治体発注の仕事で働く民間労働者など、公共サービスに従事する人たちです。公共サービスの質を維持・改善するためにも、自治体は、使用者として、また、発注者として、この官製ワーキングプア問題にどう向き合うのか問われています。

 

(1)自治体が任用する非正規公務員問題への対応

新たな非正規公務員制度として2020年度から始まった会計年度任用職員制度には、雇用安定に逆行するほか、勤務時間数による賃金・処遇格差の法認など、多くの問題がみられます。

なかでも、現在働いている者が一定期間ごとに雇い止めされて、働き続けることを希望する場合には公募に応じなければならないのは、「パワハラ公募」などと批判されています。公募制は義務づけられたものではなく、総務省も、「地域の実情等に応じつつ、適切に対応されたい。」と2022年12月23日の通知で伝えています。

会計年度任用職員制度をめぐる問題にどう対応するのか、また、公募制は今後も続けるのか、考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

任用については、会計年度任用職員制度導入時に任用限度を3年とするなど、任用限度が1年だった臨時的任用職員制度などに比べ、雇用の安定面でも改善されたものと認識しています。

しかしながら、同一の職場に長期間在籍することによるマンネリ化や士気の低下を防ぐ必要があることなどから、公募によらない再度の任用については一定の限度が必要と考えています。

また、地方公務員法第13条の平等取扱いの原則を考慮し、任用を希望する方々に均等な機会を与える必要があると考えるため、公募は引き続き行ってまいります。

給与制度については、令和5年度から給料表の増額改正と期末手当の0.1月分の引上げを行うなど適宜改善しております。

なお、国会で審議中の会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給を可能とする地方自治法の改正案が成立した際には、本市も速やかに会計年度任用職員に対する勤勉手当の措置を検討いたします。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、会計年度任用職員制度には数多くの問題が指摘されています。とりわけ、契約期間が1年と短いのみならず、雇用ではなく任用という名目により、憲法が定める労働基本権の対象外とされているため、会計年度任用職員が加盟する労働組合が使用者に団体交渉を求めても拒否され、しかも労働委員会がこれを是認する、という事態が発生しています。

かかる会計年度任用職員制度は、すみやかに廃止されるべきと考えます。

 

 

(2)自治体が発注する仕事で働く民間労働者への対応

競争入札の過度な促進などを背景に、公共工事や委託事業、指定管理の発注価格が抑制され、結果として現場の低賃金・労働条件につながっています。

国も、問題解決のための取り組み(例えば、いわゆる「担い手三法」の制定・改定や公共工事設計労務の引き上げ)を進めていますが、自治体においても、公契約(の適正化)条例を制定するなど、「先導的にこの問題に取り組んでいくことで、地方公共団体の締結する契約が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することができるよう貢献」(公契約条例を初めて制定した千葉県野田市の同条例の前文)することが求められているのではないでしょうか。

こうした問題への認識と対応策をどうお考えか、また、公契約条例を制定する意思はあるかどうか、考えをお聞かせください。

 

秋元克広さんの回答

札幌市においては、これまで、労働者賃金実態調査を実施するなど、市が発注する公共事業の現場で働く方が公正な雇用・労働条件の下で働くことができるよう取り組んできました。

民間を含め、適正な雇用環境を確保することは、労働者の生活の安定はもちろんのこと、成果物の質の確保や企業経営の安定を図るためにも、不可欠なものであり、改めて、労働者側と経営者側双方とも連携して、より良い雇用環境を目指して制度を検討する時期に来ていると考えます。

今後は、市が発注する事業の現場で働く労働者が、より良い雇用・労働条件の下で働くことができる仕組みづくりを進めるとともに、賃金水準の上昇に応じて、指定管理者制度の下で働く労働者の賃上げを支援する仕組みを導入します。また、労働界や経済界などの関係団体と協議会を設置し、労働者の雇用環境の向上と地元企業の経営の安定化を両立させるため、条例の検討を含め、新たな仕組みの創設に取り組んでまいります。

 

きばた秀男さんの回答

貴見のとおり、札幌市においても公契約条例が制定されるべきであり、そのために私も全力を尽くす所存です。

 

 

 

 

 

高野かおるさんからのご返信

この度は文書による公開質問を送っていただき、誠にありがとうございました。

内容を拝見し、非常に学際的アプローチによる問題提起で、自分としては細やかに分析出来ていない事柄であり、正に今の時代にクローズアップされなければならない内容であると思いました。

反貧困ネットワークの皆様が2009年の結成以来、長年にわたり様々な研究をしてこられたご努力に、あらためて敬意を表します。

〔略〕

なお、私の公約では、反貧困という主張を網羅した内容として、

○ 子ども医療費の高校生までの無料化(所得制限無し)

○ 小学校・中学校の給食費を無償化(所得制限無し)

○ 給付型の奨学金の拡大

○ 保育士の待遇改善に資する関係予算の20%増額

○ 高齢者や障がい者などの社会的弱者に対するアウトリーチの徹底

○ 町内会やNPO、ボランティアに対する大幅な支援の拡大

○ 福祉灯油の実施

○ 個人市民税の均等割の50%減税

など、市民の暮らしを最優先とした公約を掲げておりますので、是非一度お目通しいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

(参考)反貧困ネット北海道で準備した参考資料

【1】生活保護制度

細川久美子「新型コロナウィルスによる生活の困窮と私たちの活動」

https://roudou-navi.org/2021/04/08/20200616_hanhinkonnethokkaido/

【2】生活困窮者の自立支援、野宿者・住まい

近藤紘世「コロナ禍の路上生活者と労福会の支援活動」

https://roudou-navi.org/2021/04/11/20200818_hanhinkonnethokkaido/

小川遼「新型コロナによる住居喪失者への影響と対応の現在」

https://roudou-navi.org/2021/04/13/20200818_hanhinkonnethokkaido-2/

【3】女性の貧困(ひとり親家庭、中年・単身世帯)

平井照枝「新型コロナウイルス感染症の影響による収入とくらしについて」

https://roudou-navi.org/2021/04/03/20200616_hanhinkonnethokkaido-2/

シングルマザー調査プロジェクトチーム「シングルマザーの居住貧困―コロナ禍の「ステイホーム」の現実」

https://note.com/single_mama_pj/n/n314829c3dbe6

わくわくシニアシングルズ「2022年 中高年シングル女性の生活状況実態調査結果」

https://seniorsingles.webnode.jp/

シングルマザーサポート団体全国協議会「ひとり親家庭の物価高による影響調査(2022年11月)」

https://www.single-mama.com/wp/wp-content/uploads/2022/11/bukkadakachosa.pdf

【4】保育

岡秀子「緊急事態宣言からこれまでの保育現場のこと」

https://roudou-navi.org/2021/04/06/20200917_hanhinkonnethokkaido-2/

【5】学童保育

林亜紀子「コロナで学童保育の現場 指導員の仕事・働きはどうなった」

https://roudou-navi.org/2021/04/05/20201124__hanhinkonnethokkaido-2/

【7】医療・介護

川村雅則ゼミナール「大学生が学んだ、新型コロナウイルス感染拡大の下での看護労働の現状」

https://roudou-navi.org/2022/01/20/20220120_kawamuramasanori/

田村優実「コロナ禍における介護事業者・労働の実態と取り組み」

https://roudou-navi.org/2021/04/15/20201020_hanhinkonnethokkaido/

【8】障害者福祉

片山和恵「障害者福祉における新型コロナウィルス感染症の影響」

https://roudou-navi.org/2021/04/16/20201020_hanhinkonnethokkaido-2/

【9】学費・奨学金問題

北海道労働者福祉協議会「「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査の結果・電話相談の概要」の報告」

http://hokkaido-roufukukyo.net/report/?p=1386

【10】雇用・労働(総論)

出口憲次「コロナ禍の労働相談と課題」

https://roudou-navi.org/2021/04/02/20200714__hanhinkonnethokkaido/ 

【11】技能実習生

鈴木一「ベトナム人技能実習生への解雇争議を闘って」

https://roudou-navi.org/2021/04/07/20201124__hanhinkonnethokkaido/

三苫文靖「花畑牧場ベトナム人労働者ストライキ報復事件」『季刊労働者の権利』第346号(2022年夏号)pp.121-128

【12】公共サービスの担い手の雇用

川村雅則「自治体の新たな非正規公務員制度問題(2022年度反貧困ネット北海道連続学習会)」

https://roudou-navi.org/2022/07/31/20220707_hanhinkonnethokkaido/

川村雅則「公契約条例の制定で自治体を変える」

https://roudou-navi.org/2022/12/22/20230115_kawamuramasanori/

 

 

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