川村雅則ゼミナール「大学生が学んだ、新型コロナウイルス感染拡大の下での看護労働の現状」

看護師さん(労働組合組合員)からの聞き取りと労働組合からご提供いただいた資料で調査報告書をまとめました。2021年度におけるゼミナールでの調査・研究成果です。下のイラストは、「いらすとや」さんが作成された、プラカードをもって訴える看護師さんです。プラカードには果たしてどんな訴えが入るでしょうか。本報告書からお考えいただけると幸いです。どうぞお読みください。/なお、誤字脱字などケアレスミスは見つかり次第、訂正をしていきます。大きな訂正を行いましたら注記します(2022年1月20日記)

大学生が学んだ、新型コロナウイルス感染拡大の下での看護労働の現状

──労働組合からの聞き取り調査と提供資料に基づき

 

川村雅則ゼミナール

はじめに

本稿は、北海道医療労働組合連合会(略称、道医労連。鈴木緑委員長)のご協力で2021年夏に行った聞き取り調査の結果と提供資料に基づく、新型コロナウイルス感染拡大の下(以下、コロナ下、コロナ禍)での看護師の労働実態をまとめたものである。データは調査当時のものである。本稿は、2021年12月4日にオンラインで開催されたインターゼミナール大会で報告[1]されたものに大幅に加筆修正を行い、まとめた。

 

パンデミックの発生で経済・社会に様々な問題が発生している中、労働問題を学ぶ私たちは、働く人たちにコロナがどのような影響を及ぼしているのか明らかにしたいと考えた。当初は、コロナの影響が大きいとされる幾つかの業種にしぼって情報収集を進めていたが、その中から、とりわけ私たちのいのちや日常生活を維持するのに不可欠な医療現場で働く人たちの現状を知りたいと考えるに至った。端的に言えば、「医療崩壊」とも言われるような事態に陥った医療の現場で何が起きているのか、コロナ下での医療従事者の労働実態とはどのようなものなのか、医療や医療従事者に何が必要とされているのか、などを具体的に明らかにしたいと考えたのである。

なお、本来は医療制度や医療技術などを十分に理解して調査にのぞむべきであったが、我々にそこまでの力はなかったことをはじめにお断りしておく。本稿では、コロナ下で医療従事者の働き方・仕事内容や負担にどのような変化が生じているかに焦点をあてた。また、医療従事者のうち、人数的にも多く、道医労連ルートでアプローチが可能であった「看護師」に焦点をしぼった。

 

 

第1章 報道等にみるコロナ禍の医療現場

 

まず、⽇本の医療現場では、新型コロナウイルス感染症の発⽣以前から、人手不足を背景とする過重労働が常態化している[2]ことをおさえておく必要がある。

例えば、2人の看護師の「過労死」認定が相次いだことを受けて社団法人(当時。現在は公益社団法人)日本看護協会によって行われた「時間外勤務、夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」の結果によれば、過労死水準と同程度の勤務に相当する月60時間超の時間外勤務をしている看護師は、全国で約2万人に及ぶと推計された[3]

平時からのこうした過重労働の下で、さらに、急増するコロナ感染者への対応を看護師は余儀なくされた。しかも、自らもコロナ感染のリスクにさらされながらである。とりわけ初期の頃はマスクや防護服などの医療物資が医療現場にも行き届いていない状況にあった。コロナ感染による労災補償状況をみると[4]、請求件数でも認定件数でも、医療従事者によるものが圧倒的に多いことが分かる(図表1-1)。

 

図表1-1 新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等(2021年11月30日現在)

請求件数 決定件数 うち支給件数
1.医療従事者等 14,822 13,287 13,092
医療業 9,531 8,610 8,439
社会保険・社会福祉・介護事業 4,900 4,331 4,309
その他 391 346 344
2.医療従事者等以外 7,647 4,907 4,812
3.海外出張者 40 30 30

注:「医療従事者等」とは、患者の診療若しくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務に従事する者。
出所:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等」より作成。

 

看護師のこうした負担の増加に反して、賃金・処遇の引き下げが行われている。背景には、病院経営の悪化がある。感染を懸念した受診控えで外来患者が減少しているのである。また、コロナ感染者を受け入れた病院では、通常診療が困難となり、そのことが病院経営に影響を与えている。

昨年(2020年)夏には、賞与を出さないという病院側の方針に対し看護師ら数百人が退職の意向を示すといった事態の発生が報道された[5](その後、例年の半額の1か月分の支給で決着)。また同時期に報道された、病院関連3団体が行った調査でも、4~6月の利益率は、すべての月でマイナス10%前後で、調査に回答した3割弱の医療機関が夏の賞与を減額していた[6]

コロナの感染拡⼤が続く中で、治療にあたる看護師の疲弊が伝えられている[7]。さらには、看護師など医療従事者に対してコロナ感染を理由とする嫌がらせや誹謗中傷さえ発生している状況にある。

平時からの労働負担にコロナが追い打ちをかけたという、以上のような基本的な構図を念頭におきながら、コロナ禍での看護師の労働実態を具体的に把握することにつとめた。

 

 

第2章 調査の概要

 

聞き取り調査

 

図表2-1 北海道におけるコロナ感染者数の推移(1日ごとの発表数)

出所:NHK「特設サイト新型コロナウイルス」からダウンロードしたデータ(北海道の感染者数データ)より作成。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/pref/hokkaido.html

 

2021年8月10日、4人の看護師からお話を聞いた。図表2-1は、調査を行った日(時期)との関係で整理した北海道の感染者数の推移である。

4人は、いずれも北海道医労連の組合員である。そのうち1人は専従職員(委員長)で、残りの3人は現役の看護師である。zoomを用いて約3時間(18時~21時過ぎまで)の聞き取り調査を行った。

4人の簡単な職歴・職場は以下のとおりである。

 

Aさん:道医労連委員長。専門学校で学び1988年より看護師として働いている。整形外科や内科での勤務を経験して2012年4月から労働組合の専従職員。

Bさん:看護師になり16年目。内科や整形外科を混合した急性期病棟で9年ほど働き、現在は慢性期病棟(呼吸器内科)で勤務。

Cさん:30年ほど看護師として勤務(専業主婦・離職期間を含む)。現在の病院に移って10年ほど。急性期の外科で働いている。

Dさん:看護師になって8年目。内科、神経内科のほか複数の科からなる病棟で勤務。今年の夏から専従職員となる。

 

あらかじめ言えば、今回お話を聞いた4人はコロナ感染者に直接対応している看護師ではない。

当日の聞き取りでは、委員長から大局的な話を聞いた後に残りの3人から具体的な話を聞いた。本稿では、聞き取った内容を再構成している。ただし、構成上の問題や表現などを含め本稿の残りうる誤りは、私たちゼミナールの責任であることをここで明記しておく。

聞きたい内容を事前に整理してお渡ししていたが、時間の都合上、全てを聞くことはできなかった。また、一部、不要な質問──例えば、コロナ感染者に直接対応している看護師向けの質問は、今回は不要と判断した。質問内容の詳細は、各節の冒頭に整理をする。概略は次のとおりである。

 

  • 平時における看護師の働き方・夜勤
  • コロナ下での心身の負担とストレス解消法
  • コロナ感染者・患者の状態、看護のご苦労
  • コロナ下での病院経営、賃金・労働条件(悪化)の現状
  • コロナ下における新人看護師の入職
  • 看護師自身の感染不安、誹謗中傷の有無など
  • コロナ下による医療逼迫の状況
  • 感染防止のための必要な対策、自治体への要望と問題意識
  • いち看護師として訴えたいことなど

 

 

提供いただいた資料

 

聞き取り調査のほか、道医労連が発行している組合ニュースと下記の各種調査結果をご提供いただいた。本稿(本文中)では、冒頭の調査名を使う。

①「道医労連調査」 道医労連によって行われた「コロナ禍で働く看護師への緊急アンケート調査」である。2020年11月16日から12月3日にかけて実施された。調査の対象は病院、訪問看護、介護老人保健施設、デイサービスで働く看護師で、計305人から回答が得られている(道医労連加盟の看護師は2660人)。
②「道医労連・道社保協調査」 道医労連と、北海道社会保障推進協議会(道社保協)によって行われた「医療機関における新型コロナに関わる経営影響アンケート調査」である。2020年7月17日から8月17日にかけて実施された。調査の目的は、①新型コロナ感染の影響による医療機関の経営実態を明らかにすること、②必要な衛生資材の確保や財政支援等、国や行政に支援を求める必要性を明らかにすること、③アンケート結果を公表し、国や自治体等への要望を行い、医療機関への支援を広げていくことである。北海道内の医科医療機関3300施設に対してアンケート調査票を郵送し、FAXで回収。619か所からの回答があった。
③「医労連調査」 医労連によって行われた「第4次「新型コロナ感染症」に関する緊急実態調査(医療)」である。2021年2月15日~3月5日にかけて実施。調査票は加盟組織(7全国組合・47都道府県)を経由して各単組・支部(病院ごとの労働組合)に送付後回収し、日本医労連で集約。回収組織数は、34都道府県の合計127施設から回収。
④「全医労調査」 全日本国立医療労働組合(略称:全医労)がコロナ禍の国立病院の現場実態を明らかにするために行った「新型コロナ緊急実態調査」である。調査の対象は国立病院機構と国立高度専門医療研究センターで、全医労の支部を通じて調査票を配布・回収された(取り組み期間は2021年1月21日から2月末日)。回収は、個人調査では2149人(76支部)から、支部調査では75支部から行われた。

 

補足すると、第一に、①「道医労連調査」と②「道医労連・道社保協調査」で得られたのは、北海道の医療機関、医療従事者(道医労連組合員)からの回答データで、③「医労連調査」と④全医労調査」で得られたのは、全国の医療機関、医療従事者(医労連組合員)からの回答データである。

第二に、調査結果をみる際には、調査の実施時期に留意されたい。例えば、②「道医労連・道社保協調査」は、2020年夏という、上記の4調査の中で最も古い時期に行われた調査である。

第三に、④「全医労調査」の調査対象である国立病院等は、コロナ感染者の主な受け入れ先である。具体的には、回答者が勤務する病院75施設中、重点医療機関が35施設、協力医療機関が14施設。調査時点で、コロナ患者の受け入れは、51施設で、うち重症者含め受け入れ14施設であった。また、(2149人中)看護師2,032人のうちコロナ病棟の看護師は230人となっていた。結果をみる際に留意されたい。

 

本章の最後に、病床機能の説明をしておくことが調査結果を読む際に有効かと思われたので、北海道のウェブサイトから以下のとおり転載する。

 

資料 病床機能の説明

高度急性期:急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能。

急性期:急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能。

回復期:急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)。

慢性期:長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能。長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能。

出所:北海道「北海道における医療機能ごとの病床の現状」より。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/iyk/iry/imu/byousyoukinou.html

 

 

第3章 調査の結果

第3章では、聞き取り調査の結果と提供された資料に基づいて、医療現場における実態を報告する。具体的には、以下のことを報告する。

平時における看護師の働き方を第1節でまずはみた後に、コロナ禍における看護労働(第2節)と看護師の身体的・精神的負担(第3節)を確認する。この第2節、第3節がメインである。続く第4節では、コロナ下における病院経営と看護師の賃金・処遇をみる。最後に第5節で、自治体や国に道医労連が求めていることをみていく。

 

第1節 平時の看護師の働き方

まず、看護師の具体的な仕事内容や働き方の把握につとめた。看護師の働き方の特徴である夜勤交代制についても焦点をあてたほか、離職者の動向を尋ねた。

聞き取り調査結果に入る前に、日本看護協会の調査[8]で看護師の離職率を確認しておく。図表3-1のとおり「既卒」は減少しているのに対して「正規雇用」と「新卒」の2019年度の離職率が増加している。調査データは年度単位でまとめられており、最新の値である2019年度値にはコロナの影響が及んだ可能性もある、と同協会では推認している。離職率の今後の動向に留意する必要がある。

 

図表3-1 病院看護職員(正規雇用、新卒、既卒)の離職率の推移

出所:日本看護協会「2020年病院看護実態調査」より作成。

 

さて、看護師の働き方は、日勤と夜勤からなる2交代制と、日勤・準夜勤・深夜勤からなる3交代制の2つに大きくは分類される。前者では、16時間にも及ぶ長い時間数の夜勤が行われており、国際的にも異常な時間数とされている[9]。もちろん3交代制の場合にも苦労はある。準夜勤の退勤時刻や深夜勤務の出勤時刻が深夜になるという点だ。

聞き取り調査によれば、Cさんが現在の病院に移った理由は16時間夜勤のつらさである。曰く、「私はとにかく、前の病院でやった2交代が〔時間が〕長くて長くてもうだめでした。長いのがとにかく耐えられず、3交代のほうがいいなと思って、現在の病院に移りました。」一方で「確かに、〔3交代の場合〕夜中に出て行かなければならないので、そういうところで苦痛に感じている人もいるのは事実」だという。

ところで、コロナ下の看護労働を把握する以前に、平時における看護師の仕事内容や働き方を理解することが我々には必要である。そのように考えて、時間をかけてお話を聞いた。ここではそのうちBさんの働き方を取り上げる(Cさん、Dさんについては、次の節でみる)。

Bさんの働く病棟(慢性期、呼吸器内科)では、意思疎通ができない患者もいる。そのような患者の看護にあたる場合には、呼吸状態のわずかの変化も見逃すことができない。しかも少ない人数の看護師で対応しなければならないため、疲労やストレスがたまるという。

 

〔Bさん〕私のところは2交代制で、日勤は8時半から17時まで、夜勤は16時間以上です。具体的には、16時半から次の日の朝9時までです。

慢性期の呼吸器内科ですから、症状の重い方が多いです。ALS、筋萎縮性側索硬化症の患者さんの場合、機械のリズムに合わせて呼吸をしている寝たきりの状態で、目は動くけれども声を発することはできません。それで意思疎通を図らなければなりません。栄養も口からとれませんので経管栄養といって鼻から管を入れたり、お腹に穴を開けてそこから栄養をとることになります。そういう処置を、一般の方と同じく朝昼夕の三回とったり、排泄の処置をします。排泄はその都度の処置になります。ほかには、点滴とか、痰を取ったりの仕事があります。看護師の仕事のイメージはわくでしょうか?

病棟には看護師が30人ほどです。でも看護師だけでは人手は足りませんから、看護師免許はもっていない看護助手さんにも5人ほど入ってもらっています。

 

────非常に重篤な患者さんを看ておられるのですね。ちなみにBさんの病院では、コロナ患者の受け入れはしておられないのですよね。

 

はい。ただPCR検査は行っています。というのも、実は濃厚接触患者さんだったというのが入院してから分かることがあるように、やはり、いつどうなってもおかしくない状況、もしかしたらコロナの陽性患者かもしれないというような状況を見越して、厳重な対応はしています。症状はもっていなくても潜伏している可能性があって、下手をするとクラスターになってしまい、そこはとてもリスキーですから、個室の感染対策を徹底しています。

うちの場合は、個別的な看護をしなければなりません。患者さんとの意思疎通ができませんから、じゃあどうキャッチするかっていうと、ちっちゃい反応とかも見逃さなかったりとか、同じ人工呼吸器をしていても、呼吸状態が浅い人、早い人などリズムがあります。この状態なら早めに痰をとってあげないと苦しくなるとか、なんか今日は呼吸状態がおかしい、熱が出るかもとか、そういう感じで体の変化をキャッチして対応するという感じです。

 

 

 

第2節 コロナ下における看護労働

コロナで看護師の仕事内容や働き方はどうなっているのだろうか。冒頭に述べたとおり、今回聞き取りをした4人の方々は、コロナ患者を直接看ているわけではない。しかしながらCさん、Dさんの病院ではコロナ患者の受け入れをしている。

まずCさんの職場では、5人ほど患者を受け入れている。受け入れの場所を急遽設置して、混成チームをつくって対応している。各病棟から1,2名ずつ看護師を出して、合計12,13人の看護師で対応している。

それに対してDさんの病院では、一つのある病棟(呼吸器科ではない)をコロナ患者に対応する病棟にして、当該病棟で働いていた看護師で対応することになった。しかしそれだけでは人数が足りないので、各病棟からも看護師を応援で出すことで対応している。では、Cさん、Dさんの順に聞き取り結果をみていこう。

 

〔Cさん〕面会が禁止になりましたから、荷物の受け渡しがあったりとか、守衛さんのいるところで一括して荷物を受けて、誰々さんの荷物が来ましたよと連絡が来て私たちが取りに行くということをしています。そういう意味で電話の応対とか、これを持ってきて欲しい/先生からお話があるのでいつがいいですか/患者さんの状態でちょっと話をしたいのですがなど、ご家族への連絡、電話対応する時間が増えました。感染対策にしても、フェイスガードをしながら仕事をしたりとかなので〔思わぬ拍子に〕患者さんとポンとぶつかってしまったりとか、細かいところが今までとは違います。

患者さんの特性としては、高齢者が増えており、ちょっとした環境の変化に高齢者は弱いので、入院しても場所が分からなくなったり、「術後せん妄」というのですが、麻酔をかけて手術をした後に自分の状況が分からなくなってしまって点滴の管を抜いたりとか、安静にしていなきゃいけないのに、場所が分からないので勝手にベットからおりて歩き回ったりとか、そういう行動をする患者さんもたまにいますので、そういう意味での患者さんの安全を守る大変さは急性期病棟にはあります。

認知症がひどい患者さんは今まででしたらご家族に来てもらったりとか、付き添いとかもお願いしていたことがあるんですけど、小児を除き今は無理ですから大変ですね。本当にどうしようもないときにはご家族に来てもらうこともあるんですけど、そういう場合も、ご家族の協力を得て抗原検査をして、コロナにかかっていないことを確認してから病棟に上がってきてもらう。今はそういう状況です。

 

────コロナ患者への対応はどのようにされているのでしょうか。

 

一つの病棟の一部をゾーニングして、各病棟からそこに応援を出しています。だいたい1病棟につき1名から2名くらいずつ出しています。だからといってそこの病棟の患者さんの人数を減らしているわけではありませんので、各病棟とも常に欠員の状態で働いています。

病棟の作りはほとんどどこの階も一緒で、一つの階の一部をゾーニングしました。なぜそこの階が選ばれたのかはよく分かりません。〔看護師も専門性で選ばれたのではなく〕1か月、2か月とかって期間を区切って応援の人が専門に看ているという感じですね。医師に関しては、呼吸器科の先生が専門で主治医となってみています。

コロナの専門病床を作るとなった段階で、看護部・管理者のほうから希望をとられました。希望する/行かない/行く人がいなければ行くという3択です。やはりコロナ感染というおそれもありますので、「行く」と積極的に希望を出した人はいなかったと聞いています。行く人がいなければ、という人がほぼ大半で、その人たちで回っていますので、年に2回とか3回とか、1か月ないし2か月というのを繰り返している人がいます。私自身は、両親の関係で行けないと回答したので一度も行っていません。

 

 

〔Dさん〕コロナ病棟を一つ作っています。結核病床が元々うちにはありまして、そこで受け入れをしていたのですが、北海道からの要請があり、結核患者さんの受け入れをすることになりました。そこで、コロナの患者さんは別の病棟(A病棟)で受け入れることになりました。30人弱の受け入れです。ほかに、いっときは重症患者さんも増えましたので、先ほどの病棟とは別に、ICU病床を使ったり別の病棟を使ったりしました。一時は10名位の重症患者さんを看ていました。

A病棟は3交代勤務で、準夜帯が2人、深夜帯が2人で働いていたのですけど、コロナ病棟として運用してからは準夜帯が3人、深夜帯が3人となり、コロナの患者さんが増えたときには、準夜帯が5人、深夜帯が5人の体制となりました。そして、コロナ対応ではない病棟からも1か月から2か月くらいのスパンで1病棟につき1,2人が応援に入りました。Cさんとの違いは、元々病棟にいたスタッフプラス応援者で運営している点です。

労働組合で独自にアンケートを取りましたところ〔「全医労調査」〕、コロナの患者さんを受け入れている病棟の看護師さんは、5割強が「いつも」仕事を辞めたいと考えていると回答していました[10]。私の病院でも夏に、看護部・管理職の人たちがコロナ病棟で働く人たちを呼んで、これからこの病棟でやっていけるのかとか聞き取りをしました。これ以上は厳しいと回答した人などは病棟を変えたりしていくみたいです。

応援を出す側であった私のいた病棟は、もともと人員が少ない中で動いていたんですけど、そこから1人2人が抜けていくとやっぱり手も回らなくなるし、それにプラスして、感染対策の負担が生じています。PCRの結果が出ない患者さんも病棟に上がってきてしまいますから、結果が出るまでは防護具を着て対応をしたりとか、それこそ、認知症患者さんが勝手に一人で動いちゃうというようなこともあって、結構頻回に訪室しなければならないのですが、防護具をつけて駆けつけるまでの間に患者さんが転倒したらどうしよう、とか、そういう負担がコロナで生じましたね。

コロナを受け入れることになったA病棟で働いていたのが22,23名で、そこに応援がプラスして30何名で回しています。応援者以外はずっと同じです。今の病棟で受け入れになったときから、ちょうど1年になるこのタイミングで、聞き取り・面談をして、これから人事も動くという感じですね。〔最初のタイミングで断る自由は〕ありました。それこそ妊娠している方とか家庭の事情がある方とかは免除してもらうことは出来ました。

 

報道によれば、コロナ患者の受け入れが各医療機関に対して繰り返し要請されていた。しかし、聞き取りでも示唆されたとおり、コロナ患者の受け入れは、単に減収につながるだけでなく、そもそも要員上の問題や病院機能上の問題から容易なことではない。

Cさん、Dさんの聞き取り結果からも分かるとおり、コロナ患者に対応できるだけの看護師が余分に働いているわけではないので、すでにある「医療資源(病床や医療従事者など)」をあてなければならない。知識の面でも、万全の体制にあるわけではなかった。医師に関しては呼吸器科の医師がコロナ患者を診ているが、看護師に関しては、必ずしもそうではなかった。とくに初期の頃には、十分な情報もない中でコロナに対応せざるを得ない状況にあった。

この点に関連して、そもそも、看護師はコロナに関する情報・知識をどのように得ているのかを後日に道医労連に対して尋ねた。

回答は、コロナに関する知識が不確かであるという事情もあって、医療機関で体系的に教わっているわけではなく、大多数の職員は報道・インターネット情報や、職場で配布される資料などでの学習にとどまっているのではないかとのことであった。また、コロナ感染者を受け入れている病院では学習の機会も多いが、受け入れを行っていない病院では、看護師任せになっているところもあるようである。加えて、外部の学習会・研修が開催されても、参加するのは管理職クラスであって、とくにコロナ禍の人手不足の中では、看護師が参加するのはあまりないのではないか、とのことであった。

なお、参考までに「全医労調査」から、コロナにともなう職員の配置や働き方に関する変化をあげておく。(1)コロナ対応のための体制変更は、「コロナ病棟への職員の異動」15.2%、「病棟集約」14.6%、「コロナ病棟への応援体制」12.0%、「夜勤体制の変更」6.1%等となっている。(2)コロナ以前と比べて、時間外労働が「増えた」という回答が24.0%、年休が「取得しにくくなった」が19.3%、夜勤回数が「増えた」が6.0%となっている。(3)人員体制については、「非常に不足」が29.4%、「少し不足」が45.3%で、全体の4分の3が人員不足を感じている。

ところで、コロナ病棟・病床で働く看護師の負担については報道で知られてきているが、聞き取りでも示されたとおり、コロナ感染者に直接対応するわけではない看護師でも様々な負担が増している。例えば、新規入院患者へのPCR検査や防護服着用でのコロナ感染対策、入院患者への家族の面会が禁止されたことにともなう業務(荷物の受け渡し、医師と家族の間のメッセンジャー対応・電話対応)などである。この点を次節でもう少し詳しくみていこう。

 

 

 

第3節 コロナ下の看護師の労働負担

コロナで看護師の労働負担はどうなっているか。聞き取り調査結果の紹介に先立ち、「道医労連調査」の結果をみておこう。

第一に、今働いていて辛いことを選択してもらったところ(複数回答可)、精神的な負担が非常に大きい。すなわち、「精神的負担」73.4%、「身体的負担」65.2%、賃金・労働条件」54.4%、「誹謗・中傷・拒否」12.8%である。

第二に、身体的負担、精神的負担それぞれの内容(記述)が整理された結果は次のとおりである(身体的負担、精神的負担に必ずしも該当しない結果も含む)。

身体的負担(記述式の整理)では、人員不足22.5%、業務量増加13.2%、感染不安・恐怖6.6%、他科の患者受け入れ5.7%、賃金低さ4.0%、労働時間の長さ3.5%、介護度UP2.6%、無回答28.6%、その他13.2%である。

精神的負担(同上)では、感染不安恐怖35.0%、行動制限8.2%、業務の多さ8.2%、面会制限による負担2.7%、他科などの入院増2.3%、無回答33.2%、その他10.9%である。

第三に、「誹謗・中傷・拒否」も無視できない。具体例として次の内容があげられている。

*周りの人から距離を取られる(外来)

*夜中に「コロナいますか?」のいたずら(嫌がらせ)電話(外来)

*医療者だからと過度の自粛を求めるネットの声をみるとつらい(外来)

*事実と違うSNS の情報。デマがつらい。規制できないものか(NA)

*医療や介護関係で働いているのかといろいろな所で聞かれる(老健)

 

さて、以上をふまえて聞き取りの結果をみていこう。Bさん、Cさんの順である。

 

〔Bさん〕身体的負担では、看護師が判断する機会が増えたと思います。慢性期病院なので、日勤を除けば、患者さんの主治医が常時いるわけではなく、夜勤時には、「バイト」と呼ばれる他の病院の医者が対応します。うちの患者さんと日常的に接しているわけではありません。結果、看護師に頼らざるを得ません。ですから、コロナの濃厚接触者なのかどうなのか、普段の疾患からくる症状なのか、それとも、別の疾患が新たに併発しているのかなどを看護師がある程度予測した上で、患者さんに対するケアを医師に委ねることが増えました。

面会がもうかれこれ1年半以上は禁止になっているので、患者さんへの対応がとても大変ですね。電話対応もありますし、急に1階の事務まで来られて患者さんの状態がどうなっているかをご家族に聞かれもします。医者は常駐しているわけではありませんので、もうかれこれ一年会っていない患者さんの全体像を、「看護師さんの目線で教えてください」という要望に応える必要があります。

外来の患者さんからの電話対応も増えました。やっぱり患者さんの側も、熱や症状がちょっとでも出たら、今までなら電話をされなかったと思うのですが、やはり不安になるのでしょう、電話対応が結構大変です。しかも「バイト」の医師は患者さんを全くみたことがないわけですから、電話のやりとりを看護師がうまく伝えなければなりません。

精神的負担は、いつ何が来るか分からない、予測できないことが増えて、緊張感がずっと続いているような感じでしょうかね。心が休まらない。家に帰っても、自分のケアが万が一にも誤って患者さんの容体が悪くならないだろうかという夢を見てしまったり、ナースコールの音が頭の中で鳴り止まないのがそもそも普通なんですよね。

うちは2交代夜勤で、夜中に2時間くらい仮眠できる時間帯はあるのですが、仮眠していてもナースコールの音は全部聞こえますから、患者さんが悪くなったのかなと考えると全然眠れなくって、ずっと起きて仕事をしたりしています。そうすると精神的、身体的な疲労感が大きいです。

 

────先ほど伺いましたが、Bさんの病院はコロナ感染者を受け入れているわけではありません。でもいろいろと影響が出ているのですね。

 

慢性期だからとか急性期だからってもう関係ないんですよね。初期の段階だったら急性期だけで、CCUの集中治療室で対応するのが主だったんですけども、こんなにコロナが莫大に増えている状況で、はっきりとそこの病院だけで対応することができなくて、慢性期の病院にも影響が出ています。例えば、急性期患者さんを慢性期で療養させてくださいっていうふうに急性期の病院から慢性期の病院にドクタートゥードクターでお願いされるんですよね。それを受け入れるので、急性期で対応していた、いつまた病気が悪化するか分からない患者さんでも受け入れる負担が慢性期の病院にものしかかっているような状態です。

ですからうちも、北大の患者さんも受け入れていますし、医療センターの患者さんも受け入れてますし、札医の患者さんも受け入れてます。そういう大きい大学病院や総合病院の患者さんを慢性期で受け入れる。その後、さきほど言ったように、判断することがとても増えました。急性期の病院で働いていたこともあるので、ある程度のことは分かるかなと思うんですけど、それでもやっぱり、科が違うと分からないこともありますから、そういう面では看護師だから全部の治療、ケアができますというわけではなくて、日々勉強をしながら対応をしなければならない。それにプラスして、コロナのことですね。この患者さんは本当にコロナなのかどうなのか、ここで本当に対応できる疾患なのか、急性期の病院に搬送しなきゃいけないんじゃないかとか、そういうことを色々と考えながら仕事をしているイメージですね。

 

 

〔Cさん〕コロナ対応で看護師を応援に出しているので、病棟の人数が常に2人の欠員状態です。だけど病棟の患者さんの人数が減っているわけではないので、単純に考えても、一人で看る患者さんの数は増えています。

あとは、ご家族への対応です。患者さんを目の前にしているとご家族もなんとなく状態を察することが出来るんですけど、面会禁止でそれが今は全く出来ないから、細かく説明をするのですが、とはいえ、患者さんが目の前にいるわけではないので、イメージが全然わかないんですよね。ちょうど今、私たちが病院の話をしていても皆さんがなかなかイメージができないのと多分おんなじ状態なんですよね。ですから、説明をした数日後に、「看護師さんからちょっとお話を聞きたいのですが」とあらためて電話がかかってくることもあります。

荷物の受け渡しは基本的には助手さんに行ってもらっているんですけど、助手さんは助手さんで仕事がありますので、どうしても早く荷物を持っていかなければならないなどのときは看護師が対応します。でも、相手が看護師だと分かると、「うちの〇〇〔家族〕の状態はどうなんですか」とか、どうしても聞きたくなりますよね。ですから、そういうところで思ったよりも時間が取られてしまいます。自分の家族の状態を聞きたいからと担当の看護師を指名してこられる方もおられます。コロナ禍でのそういう業務負担が増えています。

仕事以外では、自分が感染源にならないように常に気を配っているのが一番大きな負担です。病院の中だけで生活しているわけではありませんし、自分もやっぱり社会で生活しているので、皆さんたちと同じで、スーパーに買い物にも行きますし、通勤もします。コンビニにも行きます。感染経路が分からない患者さんが増えていますから、自分もどこで感染するか分かりません。もしそれを病院に持ち込んでしまったらという不安というか、気持ちが常に緊張した部分があります。

 

我々は、事前学習に使った報道(新聞記事、テレビ)の影響もあって、コロナ感染者に直接対応している看護師の労働負担を念頭においていたのだが、看護労働全般に影響が生じていることが明らかになった。

コロナ感染への対応(心構えを含む)に加えて、看護師自身の判断にゆだねられることが増えたこと、「玉突き」により、急性期や慢性期など「医療機能」や、呼吸器内科や循環器科など「診療科目」の異なる患者への対応、さらには、面会禁止になったことにともなう患者・家族への対応負担の増大などがあげられる。Cさん、Dさんの聞き取りで確認されたとおり、コロナ病棟への派遣(応援)によって各病棟では看護師の人数が減り、看護師1人あたりの受け持ち患者数が増大している。

また仕事以外でも、自分自身がコロナの感染源にならないように常に神経を張り詰めた状況にある。例えばBさんは、コロナ初期の頃は、医療従事者ではない家族にそのことの理解を求める苦労があったほか、誹謗中傷のおそれから、自分の職業を周囲に言わないよう家族に伝えていたという。それぞれ、ストレス解消につとめているとはいえ、従来のように旅行をしたり職場の同僚と食事に行くことができないため、ストレス解消が難しくなっているようである。

 

コロナ感染の拡大は医療現場にどのような影響をもたらすのか。すでに書いた内容との重複もあるが、この節の最後に、コロナ対応から派生する医療の逼迫の状況をまとめておく。Cさん、Bさんから聞き取った内容である。

 

〔Cさん〕急性期の病院ですと、自宅に帰れる人ももちろんいるんですけれども、リハビリが必要だったりとか、家に帰るまでの体力がまだありませんので、その間療養病棟とかで一回転院をして、自宅に戻るまでの体力を養うとか、あとは家が無理なのであれば、老人ホームとかグループホームとか、そういうリハビリをしながら実際に今後生活していく場所をまた考えていくことになります。

ところが今は、病院のすみ分けがされちゃっていますから、昔みたいに、病院に入って家に帰るまで長期で入院することができません。急性期の病院はとにかく、保険で決められた期間内で患者さんをなんとか治療して次のリハビリ病院に送って空いたところにまた新しい患者さんを入れるというように、患者さんを回していかなければ利益が出ない仕組みになってしまっています。ですから、受け入れ先のリハビリ病院とか介護施設とかでクラスターが発生してしまうと、受け入れができませんとストップされてしまいます。すると、どこにも患者さんが移せず、なおかつ、新規で入院予定の患者さんも入れないということになっています。

患者が増えたらまた新しくコロナの病床を作ってと国は言いますが、作ることは確かに簡単です。一つの病棟をコロナ専用にすればいいわけですから。ただ、そうすると元々そこに入る予定だった患者さんはどうなるのか。

あとは、平時であれば受け入れられる患者を受け入れられない。例えば、骨折した患者さんってほぼ熱が出るんですよ。救急車内で熱を測ったら37度8分ありました、平時であれば、救急患者さんを受けている個人病院でも、搬送させていいですよ、今診ますよ、というところを、今は、熱があるようでしたらうちは受け入れられないですと断られてしまう。搬送される病院が見つかるまで非常に時間がかかってしまうことになります。実際、1回断ったのに10数件断られたからとあらためてまた依頼が来て、どうしようもないから受けたという話もあるぐらいです。患者さんのたらい回しというか、搬送先が見つからない。搬送先を探す救急隊員の人もすごい大変だと思います。

 

 

〔Bさん〕クラスターのときにはどこも受け入れられなくって本当に大変でした。去年の秋、冬が一番大変でしたね。

ちょっと余談にもなりますが、同じ日に夜勤をしていた看護師がその夜勤中に脳出血で倒れてしまいました。ところが、脳神経外科がどこも引き取ってくれないという事態に陥りました。脳神経系は文字通り一刻を争うのですが、4、5件断られ続けました。クラスターで患者さんの受け入れが断られているときでした。このときは倒れたのがスタッフでしたが、患者さんでも同じです。うちみたいに、慢性期で急に病気が悪化して救急搬送しなければいけないときに断られる事態が生じるわけです。

他の病院の経験でも、救える命も救えない切迫した状況は結構あって、本当はもうちょっと治療したら救えたかもしれないけどもどこも受け入れてもらえなくってお亡くなりになりました、という話は結構聞きましたね。

 

 

 

第4節 病院経営と看護師の賃金・処遇

冒頭に述べたとおり、病院経営の悪化により、医療現場では賃金・労働条件の悪化が伝えられていた。まず、「道医労連・道社保協調査」で確認しておこう。なお、すでに説明したとおり、この調査は2020年夏に行われたものであって、その後、状況は変化している可能性も念頭におかれたい。

第一に、経営への影響として、外来収入の減少した施設は59.5%(減収の平均値はマイナス11.2%)、入院収入では52.4%の施設で減収(同じく減収の平均値はマイナス16.9%)だった。

第二に、経営対策(複数回答可)としてあげられた「賞与停止・削減」の実施や検討が24.6%、「昇給停止」と「賃金削減」をあわせると2割弱(18.0%)に及んでいる。

 

図表3-2 今後の経営対策として実施・予定・検討していること(複数回答)

単位:件、%

賞与停止・削減 152 24.6%
昇給停止 84 13.6%
人員削減 53 8.6%
賃金削減 27 4.4%
非正規化・委託化 18 2.9%
その他人件費対策 50 8.1%
国・自治体への助成要請 138 22.3%
診療制限を通常に戻す 52 8.4%
診療の縮小・廃止 36 5.8%
その他経営対策 90 14.5%
特に対策はない 236 38.1%

出所:「道医労連・道社保協調査」より作成。

 

今回の聞き取り調査対象となった方々の職場ではそのような状況には至っていなかったが、病院の経営自体は悪化している。Aさんは次のとおり述べる。

 

コロナ患者を受け入れたりコロナ病棟を作るために空床を作って減収になった場合には、報酬を高く設定したり減収分の補填はありますが、それ以外の受診控えに対する補填などは何もありません。患者さんの入院日数が伸びることで収益が減ったとか、外来の患者が減ったとか、クラスターが起きて外来を閉鎖したとか、そういうことへの補填は今のところは何も出されていません。ほかは感染対策への補助金が国から出されたぐらいです。

私の職場の法人では、昨年だけで10億円の減収と聞きました。このたび、減収になった医療機関に対しては無利子で5年間は返さなくてよいという融資制度[11]ができたんです。あくまでも、借りるという制度ですが。借りてなんとか運転資金を保っています。多くの医療機関がそこからお金を借りて運営をしているのではないかと思います。

日赤とか厚生病院で赤字の被害を受けているところが多いようです。なぜかというと、日赤も厚生病院も、過疎地に病院が建っているところが多い。つまり、地域の住民のために医療を行っていて、いつも満床で運営しているというわけではないわけです。ここでさらにコロナにも対応することになると、患者数がさらに減ってしまい、それが一時期の減少に繋がっているようです。

 

病院経営の困難は、外来や入院など病院利用の減少によるだけではない。先にみたとおり、転院などの困難から生じる問題、すなわち、診療報酬の構造[12]によって、国の指定した平均入院日数を過ぎると診療報酬が減ってしまうことによる。病院側としては診療報酬がピークを過ぎる時点で患者を転院させたいものの、それができずに診療報酬が減少してしまうのである。

第二に、コロナ病棟を作るために空床にした分の収入補償や、感染対策のための防護服やゾーニング材料費は支給されるが、入院や手術の減少による収入減や、外来の患者の減少、クラスターによる減収など、そういうものに対する補填保証は一切行われていない。

ところで、皆保険制度・医療供給を維持する役割を果たしてきた過疎地の病院が大きな被害を受けたとAさんはいう。このことに関わって聞き取りでは、地域医療構想による公立・公的病院の再編統合問題が紹介された[13]。一見すると本稿テーマと直接関わる話ではないように思われるかもしれないが、医療の逼迫の背景を考える際に、医療・医療供給に関わる政策の理解が必要であると感じた。

では最後に、以上のような医療現場の状況を踏まえて、国や自治体に対して、道医労連はどのようなことを求めているのかをみていこう。

 

 

 

第5節 道医労連が自治体や国に対して要望していること

まず、「道医労連・道社保協調査」の結果から、各医療機関が求めているものをみていこう(同調査は2020年夏に実施されている点に留意)。図表3-3のとおり、「衛生資材の確保」が58.0%と多く、次いで「診療報酬引き上げ」が53.6%、「PCR検査体制の拡充」が42.5%と続いた。

 

図表3-3 国・自治体へ要望したいこと(複数回答)

単位:件、%

衛生資材の確保 359 58.0%
診療報酬引き上げ 332 53.6%
PCR検査体制の拡充 263 42.5%
職員への継続的な手当支給 250 40.4%
前年収入差額の補填 230 37.2%
職員確保対策 71 11.5%
その他 36 5.8%
無回答 17 2.7%

出所:「道医労連・道社保協調査」より作成。

 

次に、「道医労連調査」から関連する結果を紹介する。第一に、看護師が国・自治体に要求したいこと(自由記述を整理)は、「賃金・手当・給付金増」が55.4%と最も多く、「増員」が34.6%であった。第二に、PCR検査の希望は、「検査を受けたい」が88.5%と多数であった(残りは「受けたくない」が6.9%、「無回答・その他」が4.3%)。そのうち、「自費でも受けたい」に回答したのは4割を超えた(42.6%)。

以上のような状況をふまえて、道医労連等で作る「地域医療と公立病院を守る北海道連絡会」では、「緊急事態宣言下での新型コロナウイルス感染症対策についての緊急要請書」を北海道に対して提出している(要請を行ったのは、2021年5月31日)。5項目に及ぶ要請事項を資料として以下に掲載する。

 

資料 緊急事態宣言下での新型コロナウイルス感染症対策についての緊急要請書

1.ワクチン接種について

市町村とも連携して、希望するすべての医療従事者等、高齢者とともに、高齢者施設だけでなく、デイサービスや訪問介護事業所などすべての福祉・介護現場で働く従事者、患者、利用者とその家族に、ワクチン接種を早期に行ってください。

また、ワクチン接種について、医療機関などへの予約電話対応をはじめ混乱が生じています。ワクチン接種に混乱を生じることがないように、市町村や医療機関と連携して、接種の日時・会場や方法を決め、従事する医療従事者などの体制を確保し、道民に、接種の見通しなどわかりやすい説明をしてください。

今後、現役労働者や若年層の接種を滞りなく進めるために、集団接種会場を拡充してください。

そのため、総務省に以下の点を要請してください。

①ワクチンの確保状況や自治体への配分をはじめ、的確な情報提供と周知をはかること。

②自治体の体制確保及び感染防止対策等に必要な財政と医療従事者等を確保すること。

 

2.必要な療養ができる体制について

変異株によって入院期間が長期化しています。必要な医療が受けられるように、さらに入院体制の拡充、ホテルなど療養施設の拡大、やむを得ず施設や在宅で療養せざるを得ない方への療養環境の整備を確保してください。そのための必要な予算措置を国に求めてください。札幌など、医療が危機に瀕している地域への医師・看護師等の応援派遣要請を行ってください。

また、病床数の不足による医療崩壊を招かないように、医療機関や病床数、診療科の削減、統廃合を行わないでください。

 

3.PCR検査の定期的実施と対象拡大について

貴職から、「検査体制の拡充を図るとともに、感染状況を踏まえ、検査対象をさらに拡大するなど、医療施設や高齢施設等における感染拡大防止に、より一層、積極的に取り組んでまいります」と回答をいただきました。

すべての医療・介護・福祉事業所従事者、患者、利用者、その家族に対して、全額公費で定期的にPCR 検査を実施してください。保育所・学校にも広げてください。 市中感染の広がりを防ぐためにも、無症状者に焦点を当てたモニタリング検査を大規模に実施してください。

 

4.すべての医療機関、介護事業所の財政措置について

貴職から「〈医療機関〉新型コロナウイルス感染症対策の長期化も見据え、次年度以降の十分な財政措置について、国に要望していく考えです」「〈介護事業所〉更なる財政支援として、事業所などの運営費についても支援対象とするよう国に要望しているところです」と回答をいただきました。

すべての医療機関・介護事業所に、減収補填の財政措置を国に要望してください。また、貴職が行った国に対する要望内容について提供願います。

さらに、貴職においても減収補填を助成できる財政措置を行うよう要望いたします。

 

5.オリンピック・パラリンピックについて

オリンピック・パラリンピックへの医師、看護師の派遣は、特別な病床の確保などひっ迫している医療体制を、さらに危機的状況へ追い込みます。道として、国民の命最優先の立場から、オリンピック・パラリンピックよりも、自粛による労働者や自営業者の減収を保障する財源を優先して予算化するよう国に要請してください。

 

以上の要請内容の趣旨をAさんに説明してもらった。内容は重複するが、以下のとおりである。

 

とにかく医療機関自体で感染を起こさない、院内感染を起こさずに自らの役割を果たすことが一番に必要なことなんです。

ですから医労連として要請しているのは、医療介護現場・福祉現場で働く労働者だとか、患者さんや介護の利用者さん、その家族にワクチン接種を早期に行ってくださいということです。現実、医療従事者はほぼ終わっているのですが、例えば、派遣で働いている看護師さんはまだワクチンを受けていないなど、非正規の職員が取り残されているという問題もあります。また、介護労働者はご自宅を訪問してケアをしているにもかかわらず、ワクチンが終わってない、優先されていません。

それから2つ目には、病院がこれほど足りないと言われているにもかかわらず、国は、病院や病床を減らそうとしています。そういうことをしないでくださいと要請しています。

3つ目にはPCR検査を定期的に実施してくださいということです。最初は医療介護を想定して要請していたんですけども、保育所や学校の労働者にも拡大して、優先でPCR検査を定期的に行って欲しいと要請しています。札幌市はようやく少し範囲を広げて行うようになったのですが、北海道全体ではまだ遅れています。

それと4つ目にはすべての医療機関、介護事業所に財政措置をしてください。減収補填をしてください、と道に対して要求しています。それから要請が5月の末だったこともあって、オリンピックをやるよりも労働者とか自営業者の減収保障の財源を予算化してくださいと要請しています。

これらすべてが感染対策につながると考えて要請をしています。

もともと日本では、患者さんをとにかく一生懸命回す、満床に近い状態で常に回していないと、黒字にならないのが医療機関の宿命なわけですから、クラスターを起こさないでちゃんと患者さんを看る体制が求められています。

初期の頃からみれば、回答内容にも改善はみられます。ただ、それがちゃんと遂行されているかまでは分からないです。

それから、国の地域医療構想は撤回されていません。今年も国会の最中だったか、地域医療構想は撤回しないで進める、と国はあらためて言っていました。とにかく減らすつもりは変わらないようですね。北海道は54の病院が名指しされています。そのうち感染症対応をしている医療機関が2つ入っています。旭川市立病院と国立函館病院です。感染症指定医療機関にも関わらず名指しをされた病院です。

 

以上の聞き取りでも述べられているとおり、院内感染を起こさずに医療機関としての役割を果たすことが最重要であること、そのためにも、医療従事者などエッセンシャルワーカーのワクチン接種やPCR検査体制の構築があげられている。また、医療供給体制を維持するためにも、財政上の措置が求められているほか、地域医療構想に基づく病院の統廃合の撤回が求められている。

 

 

 

第4章 まとめに代えて

 

道医労連組合員から聞き取りを行ったほか、提供資料(各種の調査結果)を通じてコロナ下の看護(医療)労働の現状を学んだ。これらの作業から明らかになった主な特徴をまとめる。

第一に、看護師の仕事は、患者のいのちを左右するという点で精神的に負担が大きい。働き方についても、夜勤(2交代夜勤の場合には16時間にも及ぶ夜勤)をともなうほか、そもそもの人員不足によって労働負担が大きい。医療機関・看護師のコロナ感染への対応を考える上で、平時からのこうした状況を念頭におく必要がある。

第二に、今回の調査対象者にはコロナ患者に直接対応している者はいなかった。しかし、コロナ感染の拡大は、看護師の働き方や仕事内容に大きな影響を与えていることが示唆された。コロナ患者を受け入れることで平時よりも看護師の人手不足・労働負担が増加するという事態は言うまでもなく、コロナ患者を受け入れていなくても、コロナ対応やコロナ感染を予測した判断が求められること、医療現場の逼迫にともない負担が増えること(通常の医療機能や診療科目をこえた対応が求められることを含む)、家族の面会禁止に伴う新たな業務負担などがあげられる。

第三に、精神的な負担が増大している。コロナ感染のリスクが高い職種でありながらコロナ感染が許されず、仕事以外でも気を張った生活を余儀なくされている。家族への感染も考え、ホテルなどで生活する看護師の存在も今回の調査では聞かれた。休養・リフレッシュがいつも以上に必要であるが、コロナ下で思うようにそれができない状況にある。

第四に、労働負担の増大に反して、受診控え・外来患者の減少などによる病院の経営悪化を背景に、看護師の賃金・処遇を引き下げるケースが広がっている。聞き取り対象者の職場ではそのような事態にまでは至っていなかったものの、病院の経営自体は悪化している。コロナ感染が今後も拡大する中で適切な対応がとられなければ、賃金・処遇の引き下げに踏み切る事例が増えることが懸念される。

 

ところで、今回の調査におけるメインテーマではなかったのだが、調査の最後で、看護師の仕事のやりがいなどをめぐって次のようなやりとりが交わされた。

 

曰く、患者さんとの関係を築き、深める中で、看護師の仕事のやりがいを感じる。しかしコロナはそれを困難にする。しかもPCRの検査結果が出るまでは防護具の着用が必要となるため、頻繁な対応が困難である。/患者さんに寄り添う看護がしたい──新人のときからそのようにずっと思っているが、コロナで寄り添うことができない。/苦しそうに入院してきた患者さんが笑顔で退院していくとこちらも幸せになる。家族を含めた患者さんの日常の生活まで理解することがよい看護をする上で大事。コロナによる家族との面会禁止はそれを難しくした。コロナが収束し、家族も含めた入院生活を支えられるように早くなればいいなと思う。/コロナ下で離職者が増大している背景は、人手が足りない、看護以外の仕事が増大している、超勤が減らない、コロナ病棟の仕事の大変さが理解してもらえない、それから、一番は気分転換ができないことがあげられると思う。

 

ここに書かれたことは確かにコロナ下で起きている問題である。しかしながら、患者に寄り添う余裕や、家族を含めた患者の生活を理解する余裕がないなどの事態は、看護師の献身的な努力にもかかわらず、コロナ以前からみられたことでもあるのではないか。となれば、我々がよりよい看護を受けられるようにするためには、そこまでを見越した対応が求められているのではないか。

医療機関の減収に対する補填・財政支援という短期的な対応はもちろんのことであるが、長期にわたって続けられてきた医療費抑制の政策転換を図る必要があるのではないか。ましてや、コロナ下においても推進されようとしている地域医療構想、公立・公的病院の再編統合計画は見直しが必要ではないか[14]

看護師など医療従事者のよりよい働き方の実現のために何が求められているのか、私たちも引き続き考えていきたい。

 

 

 

(謝辞)

このたびは、仕事でお疲れのところを道医労連の皆さまに大変にお世話になりました。医療現場や看護(医療)労働の実態を理解する機会に恵まれました。記して深く感謝申し上げます。ただし、繰り返しになりますが、本稿に残りうる一切の誤りは私たちゼミナールの責任です。

 

(追記)

この原稿を仕上げた年明け時点で、第6波に突入したという日本医師会会長の指摘が報道され、その後、コロナ感染は急速に拡大している。私たちのいのちや暮らしを守るためにも看護師など医療従事者を守る環境整備が急がれる。

 

 

 

[1] 報告者は、奥山翔、木下潤一、熊谷勇人、成田卓哉、山田琉偉の5名である。

[2] 小林(2011)、小林(2016)などを参照。

[3] 日本看護協会「看護職の働き方改革の推進」→「ナースのかえるプロジェクト」より。

https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/jikan/kaeru.html

[4] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等(2021年11月30日現在)」より。

https://www.mhlw.go.jp/content/000627234.pdf

[5] 「コロナ禍、医療者の待遇悪化 東京女子医大病院、数百人が退職意向か」『朝日新聞』朝刊2020年7月15日付。

[6] 調査は日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会に加盟する4496病院を対象に実施され、1459病院から回答が得られた。「病院の夏賞与、減額27.2%・支給なし0.8% 4~6月、赤字続く」『朝日新聞』朝刊2020年8月7日付。なおその後、冬の賞与が4割の病院で減額されたことも報じられている。「4割超、冬賞与カット コロナ患者受け入れの病院」『朝日新聞』朝刊2021年2月17日付。

[7] 「看護師たちの限界線〜密着 新型コロナ集中治療室〜」『NHKスペシャル』2021年4月17日放送より。

[8] 公益社団法人日本看護協会「2020年病院看護実態調査」。広報資料(2021年3月26日)として整理されたものが下記よりダウンロード可

https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20210326145700_f.pdf

[9] 佐々木司(公益財団法人 大原記念労働科学研究所)の研究を参照。なお、先に取り上げた日本看護協会の調査では、夜勤形態別にみた正規雇用看護職員の離職率は、「三交代制のみ」で8.8%であるのに対して、「二交代制(夜勤1回あたり16時間以上)のみ」で13.7%、「二交代制(夜勤1回あたり16時間未満)のみ」で12.5%となっている。なお、後二者においては、「20%以上」の離職率の病院がそれぞれ4分の1強(27.5%、26.5%)を占めている。

[10] 「全医労調査」によれば、辞めたいと思う頻度は、回答者全体では「いつも思う」が8.2%、「時々思う」が31.3%であるのに対して、コロナ病棟看護師に限ると、「いつも思う」が10.9%、「時々思う」が40.4%と全体を上回る数値であった。

[11] 独立行政法人福祉医療機構「無担保・無利子の新型コロナウイルス対応支援資金の融資を行っています」を参照。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618844.pdf

[12] Diagnosis Procedure Combination の略。厚生労働省の説明によれば、閣議決定に基づき、平成15年4月より82の特定機能病院を対象に導入された急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度である。医療の質的改善を目指して開発された診断群分類の一種であり、1日あたり、1入院あたりの支払制度を意味するものではない。以上は、厚生労働省保険局医療課「平成30(2018)年度診療報酬改定の概要DPC/PDPS」より。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197983.pdf

[13] 厚生労働省は、地域医療構想の一環として、診療実績に基づき、公立・公的病院の再編統合を促すリストを公表した(2019年9月26日)。その数は全国で424に及ぶ(2017年時点のデータ。再編統合済みの病院も含む)。コロナ下で病床が足りず「医療崩壊」が指摘されるようになった今でもこの方針は撤回されていない。再編統合が打ち出された当時の報道は、例えば「(時時刻刻)地域病院、迫られる再編 公立・公的424施設名指し 厚労省」『朝日新聞』朝刊2019年11月5日付などによる。

[14] 参考文献のうち伊藤周平、長友薫輝などを参考。

 

 

参考文献

アジア・パシフィック・イニシアティブ(2020)「第3部ベストプラクティスと課題 第4章医療・介護提供体制」『新型コロナ対応・民間臨時調査会調査・検証報告書』ディスカヴァー・トゥエンティワン

伊藤周平(2020a)「可視化された医療崩壊」『世界』第934号(2020年7⽉号)

伊藤周平(2020b)『消費税増税と社会保障改革』筑摩書房

伊藤周平(2021)「コロナ禍で明らかになった社会保障の脆弱さと今後の課題──コロナ後の社会保障の再構築に向けて」『⽉刊全労連』第288号(2021年2⽉号)

植山直人、佐々木司(2019)『安全な医療のための「働き方改革」』岩波書店

小林美希(2011)『看護崩壊──病院から看護師が消えてゆく』アスキー・メディアワークス

小林美希(2016)『ルポ看護の質──患者の命は守られるのか』岩波書店

佐々木司(2011)『ルールがわかれば変わる看護師の交代勤務』看護の科学社

長友薫輝(2020)「医療保障の充実に向けて~地域医療構想、公立・公的病院の再編・統合など~」『月刊全労連』第281号(2020年7月号)

長友薫輝編著(2021)『感染症に備える医療・公衆衛生(コロナと自治体 2)』自治体研究社

藤田和恵(2011)『ルポ 患者を守る人びと』旬報社

 

「看護師たちの限界線〜密着新型コロナ集中治療室〜」『NHKスペシャル』2021年4⽉17⽇放送

「パンデミック激動の世界(11)検証“医療先進国”(前編)なぜ保健所は追い込まれたか」『NHKスペシャル』2021年6⽉20⽇放送

「パンデミック激動の世界(12)検証“医療先進国”(後編)なぜ危機は繰り返されるのか」『NHKスペシャル』2021年6⽉27⽇放送

 

 

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