川村雅則「なくそう!官製ワーキングプア──あなたのマチの非正規公務員問題を調べる」

熊本大学にある「雇用構築学研究所」(紺屋博昭さん主幹)のニューズレター第67号(2023年5月号)に書いた原稿の転載です。熊本大学の皆さんとの研究交流の機会になれば、と思い書きました。本文にも書きましたが、「熊本」以外に在住の方におかれましては、本稿の「熊本」をご自身の住むマチに置き換えて作業していただけると幸いです。どうぞお読みください。

PDF版のダウンロードはこちらから。

 

出所:熊本市「自治基本条例とは」より転載。 https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=918&class_set_id=2&class_id=125

 

特別寄稿

なくそう!官製ワーキングプア──あなたのマチの非正規公務員問題を調べる[1]

川村 雅則   北海学園大学

 

 

 

Ⅰ 問題意識と本稿の目指すもの

 

ひょんなご縁から雇用構築学研究所のニューズレターに原稿を書くことになった。何を書けばよいか考えた。拙い研究の単なる紹介に終わらせることなく、研究所が設置されている熊本大学の皆さんたちと私たちとの間で具体的な研究交流に発展するような、そのような内容の原稿を書いてみる。

扱うテーマは、地方自治体の非正規公務員問題である。新型コロナウイルスは、私たちの暮らしを守る労働者(エッセンシャルワーカー)が不安定な雇用、低賃金で働いているその姿を浮き彫りにした。このエッセンシャルワーカーの一群が非正規公務員である。私の住む札幌市・北海道にも存在するように、熊本市・熊本県にも非正規公務員問題は存在する。その「発見」がまずは急がれる課題である[2]

 

図表Ⅰ-1 地方公共団体における正職員数及び非正規職員数の推移

注1:各年4月1日現在。
注2:非正規職員は、臨時・非常勤職員。任用期間が6か月以上、かつ1週間当たりの勤務時間が19時間25分(常勤職員の半分)以上の職員が対象(色の薄い棒)。2020年度調査では短期間・短時間勤務者も別枠でカウントされている(色の濃い棒)。
資料:総務省「2020年地方公共団体定員管理調査結果の概要」及び各年度の「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」より作成。
出所:川村(2021b)より転載。

 

図表Ⅰ-1は、自治体に雇われて働く正職員(正規公務員)と非正規職員(非正規公務員)の人数の推移を示したものだ。地方行政改革を背景に正職員がピーク時から50万人も減っているその一方で、非正規職員が増大している。非正規職員の全数が明らかにされたのは2020年の調査が初めてのことだが、100万人を超える。短期間・短時間勤務者を除いてもおよそ69.4万人に及ぶ(この説明は後述)。

公務員の世界にも非正規が? と初めて知った人もいるかもしれない。そうなのだ。そもそも公務員には多様な職種が存在するのだが、そこで非正規の公務員が拡大しているのだ。ぜひ熊本の現状を調べていただきたい。本稿では、その作業をするための基本的な情報と基礎的なデータを提供してみたい(熊本以外に在住の読者の皆さんにおかれては、本稿の「熊本」をご自身の住むマチに置き換えて作業していただきたい)。

さて、そのようなわけで本稿は、読み手には、大学生を想定している。ぜひこのテーマで卒論に取り組むなり、ゼミの調査・研究活動に取り組むなりしていただけると嬉しく思う。もちろん、指導教員(研究者)の強力な支援が不可欠である。

あわせて、自治体の議員や労働組合の方々にも読んで役立てていただきたい。学生・研究者(教育・研究機関)と皆さんとが連携して、熊本の非正規公務員問題の解決に取り組むプロジェクトチームが発足──そのようなことも夢想している。

なお、第一に、本稿は、筆者らが運営している情報発信・交流サイト(「北海道労働情報NAVI」 https://roudou-navi.org/。以下、NAVI)で配信している。紙幅の都合で本稿に掲載できなかった図表データも掲載している。参考にされたい[3]

第二に、このテーマで様々な雑誌等に原稿を書いてきた。内容上の重複があることをご了解いただきたい。

 

 

[1] 『なくそう!官製ワーキングプア──あなたのマチの非正規公務員(自治体で働く臨時・非常勤職員)問題の解決『手引き』其の壱』なる教材を以前(2018年4月)にインターネット上で配信した。少し間が空いたが、本稿は『其の弐』に位置づけられる。

[2] 私自身が非正規雇用(非正規公務員を含む)の問題に本格的に取り組むことになった契機は、地元の労働組合である「連合北海道」(ナショナルセンター「連合」のローカルセンター)や加盟産別と2009年に非正規労働者の調査・研究活動に取り組んだことによる。民間だけでなく、公務の世界にも非正規雇用者が基幹的な労働力として働いているその一方で、雇用は不安定で処遇は低いことを知る機会となった。当時の調査結果などは川村(2010)を参照。

[3] 拙稿以外にも、「NAVI」には多くの執筆者の原稿が掲載されている。「非正規公務員」カテゴリー所収の原稿を参照されたい。

 

 

Ⅱ 非正規雇用、非正規公務員問題とは

 

Ⅱでは、非正規雇用問題及び非正規公務員問題について簡単に整理をしておく。読み飛ばしてⅢへ移っていただいても構わない。

1.拡大する非正規雇用

 

図表Ⅱ-1 男女×雇用形態別にみた、熊本県及び熊本市の雇用者数

注:対象は、会社などの役員を除く雇用者。
出所:総務省「2017年就業構造基本調査(都道府県結果)」第8-1表より作成。

 

図表Ⅱ-1は、5年に1度実施される「就業構造基本調査」から作成した、熊本県と熊本市の男女×雇用形態別にみた雇用者数だ。

周知のとおり、非正規雇用は今や3人に1人の割合になっている。中でも女性は、非正規雇用が半数を超えている。「非正規」の側が半数を超えているのだ。

ところで、女性にこうして非正規が偏っていることは、「男は仕事、女は家事・育児」といった男女の性別役割分業という考えや仕組みからの脱却が難しいことを示す。逆に言えば、男性には、子どもや家族(や自分自身さえ)のケア責任の放棄が求められ、女性には、バリバリと働き続けることを断念させる圧力が強く働いていることになる。このような状況について皆さんはどう考えるか[4]

 

2.非正規雇用・公務員をめぐる問題

1)非正規雇用の何が問題か

非正規雇用問題の何が問題か。上でもふれたが、(1)雇用が不安定であること、(2)賃金が低いこと、の2点をここでは強調したい。

前者ではとくに、仕事は恒常的であるにもかかわらず、半年や1年など有期で労働者を採用し、更新を繰り返すような雇い方を問題視したい。仕事が恒常的なのに、なぜ無期で雇わないのか。有期雇用の濫用と呼ばれる問題だ。

後者は、ワーキングプアという言葉に象徴されるとおり、働いていながら生活していくことが困難であるという問題だ。賃金の水準が、生計費を満たすものでもなければ、仕事に見合ったものでもない。そもそも賃金の決定基準がおかしいのではないか、という問題だ。

 

図表Ⅱ-2 男女×雇用形態別にみた熊本県及び熊本市の年収200万円未満の規模

注:年収は、「主な仕事からの年間収入・収益」。
出所:総務省「2017年就業構造基本調査(都道府県結果)」第23表より作成。

 

 

図表Ⅱ-2は、同じく「就業構造基本調査」から作成したものだ。熊本県でも熊本市でも、女性雇用者の半数を超える非正規雇用者では、9割が年収200万円に満たないことが示されている(ちなみに、女性より割合は低いとはいえ、男性の非正規雇用者でも、6割超が年収200万円未満である)。

9割が年収200万円未満といっても、彼女たちは扶養されているから問題ないのでは? ─そのような説明がされる。しかし、女性の非正規雇用者は本当に扶養されているのだろうか。また、仮に扶養されているとして、扶養されていれば賃金は低くてよいという考えは、賃金の決定基準は、扶養されているかどうか(世帯内における位置づけ)で決められるものである、ということなのだろうか。皆さんにもぜひ考えて欲しい論点だ。

さて、非正規雇用者に関する以上の特徴を踏まえた上で、非正規公務員問題を取り上げる際には、民間の非正規雇用との差を意識しなければならない。同じ非正規なのだけれども、端的に言えば、公務員の非正規のほうが民間非正規よりも制度面で不利な立場におかれているのだ。この点を簡単に説明する[5]

 

2)対等ではない任用関係、労働基本権の制約

一つは、民間の雇用関係と異なり、公務員は、公法上の任用関係とされていることだ。

何が違うかと言えば、前者では、法制度上、労使は対等な関係とされているのに対して、後者では、任命権者の意思が優先される、と解されていることだ。

こう書くと、え? 労使が対等? ウチのアルバイト先、労使は対等では全然ないんだけれども、と学生の皆さんは思うだろう。ここで述べたのは、あくまでも法制度上のことである。しかし、法制度上、どのような設計になっているかということは、問題に直面した人がその解決のために立ち上がったときに決定的に重要なのだ。

例をあげると、使用者から雇い止めをされた際に、民間の雇用関係であれば、一定の条件を満たしていればその雇い止めを無効にできるのに対して、非正規公務員の世界ではそれを覆すことはできない。

もう一つは、こちらは聞いたことがあるかもしれないが、公務員は労働基本権が制約をされていることだ。職場の問題を解決するのに労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)が欠かせないのだが、公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために働く、という理由で労働基本権に制約が課されているのだ。

正規の公務員に対してであっても、そのような制約を課すことはおかしいという批判があるのに、ましてや、弱い立場の非正規の公務員にもそのような制約が課されたら、職場の不安や不満をいったいどのように解決していけばよいのか、ということが問題になっている。

以上のように、あるときは「公務員だから(非正規だけれども公務員だから)」と言われ、あるときは「非正規だから(公務員だけれども非正規だから)」と言われ、「非正規」の「公務員」とは、法の狭間に落ちた存在とされてきた。そのような存在が私たち住民の暮らしを守り、支えている。

3.会計年度任用職員制度──新たに始まった非正規公務員制度

本稿で中心的に取り上げるのは、地方自治体の非正規公務員のうち、2020年度から始まった新しい非正規公務員制度(以下、新制度)に位置づけられた会計年度任用職員である。非正規公務員は、会計年度任用職員(一般職非常勤職員)、特別職非常勤職員、臨時的任用職員に分類される。

非正規公務員は、地方公務員法上の臨時・非常勤職員に位置づけられていたものの、かつては、法的な根拠が明確ではなく、その任用のあり方も、自治体によってはずさんであった。

図表Ⅱ-3 新制度で再編された非正規公務員

出所:「会計年度任用職員、待遇改善のはずが 非正規公務員の新制度、移行2年目」『朝日新聞』朝刊2021年5月24日付より。

 

それが、図表Ⅱ-3のとおり、新制度の導入にあたり、特別職非常勤職員と臨時的任用職員は、要件が厳格化され、制度の趣旨に沿った者に限定された。前者は、専門的な知識や経験を有するものに、後者は、常勤職員に欠員が生じた場合の代替に、それぞれ限定された。残りの一般職非常勤職員には、会計年度任用職員という地位が与えられた。このグループの人数が最も多い。

法改定・新制度は、任用根拠が不明確であった臨時・非常勤職員の法制度上の位置づけを明確にした。ただ問題は、就業の実態にあわせて適正な雇われ方になったのかどうか、である。

例えば、この会計年度任用職員とは、一会計年度を超えない範囲内で任用されることが強調された職名である。では、仕事は一会計年度で終わるのかと言えば、否である。多くは、恒常的に存在する仕事である。結果として、民間で言う「更新」扱いで働く者が多い。しかし、民間で言う「更新」とは異なり、同じ仕事に再度就いても、新たな仕事に就く、と解されるのだ。

しかも、話がややこしくなる[6] ので簡単な説明にとどめるが、こうした有期雇用の濫用問題について、民間では、制度上の前進・改善があった。2012年の労働契約法改定による無期雇用転換制度の創設である(第18条。施行は13年4月)。雇用安定の道が切り開かれたことになる。

それに対して、公務の非正規では、むしろ逆だ。これでもか、と言わんばかりに有期の雇用であることが強調されている。それをまとめたのが図表Ⅱ-4だ。

 

図表Ⅱ-4 公務と民間の非正規制度の比較

注1:公務におけるaの墨塗箇所は、条件付採用期間(試用期間)。
注2:bの点線は勤務実績に基づく能力実証が認められた箇所。
注3:cの実線は、公募制による能力実証が必要とされる箇所。
出所:筆者作成。

 

一年ごとの任用であることが強調され、新たな職に就くのだからと条件付採用期間(試用期間)が毎年設けられ、そして、総務省の助言に従い、現在働いている職員にも、一定の期間ごとに公募に応じることが求められる─そのような制度が新しく導入された制度なのだ。総務省の助言に従い3年ごとの公募を導入している自治体が多く、3年公募制問題と言われている。熊本では、この点はどうなっているだろうか[7]

 

 

[4] 男らしさ、女らしさなど社会的、文化的につくられた性差(ジェンダー)をめぐる問題については、参考文献のうち、例えば、佐藤ら(2019)を参照。

[5] 非正規公務員制度の詳細は、この分野の第一人者である上林陽治さん(現在、立教大学特任教授)の著作のうち、上林(2013)がブックレットで読みやすい。竹信ら(2020)も同じくブックレットで読みやすい。熊本大学の図書館にも、非正規公務員問題や官製ワーキングプアに関する本が所蔵されていることを確認した。

[6] 話がややこしくなるのは、民間では、制度は改善されたが、その新設された制度から逃れる行為(無期転換逃れ)が横行しているからだ。さらに補足しておくと、この無期転換逃れは、私たちが働く大学という業界でとくに問題になっている。国立大学法人の非正規雇用者の就業規則を調べてみたことがあるが、通算で5年を超えて労働契約の更新はしないという、更新限度条項が多くの大学で入れられていた。無期転換逃れである。川村(2022a)を参照。なお、熊本大学も複雑な制度設計になっているようだ。「国立大学法人熊本大学有期雇用職員就業規則」http://kokai.jimu.kumamoto-u.ac.jp/~kisoku/act/frame/frame110000064.htmや熊本大学教職員組合のウェブサイトhttp://union.kumamoto-u.ac.jp/を参照されたい。

 

 

Ⅲ  調べてみよう

1.様々な調査の方法

熊本大学のある熊本市をはじめ、熊本県及び県内市町村では、どの位の人数の非正規公務員が働いているのだろうか。また彼ら[8]は、どのような職種・仕事に就いているのだろうか。彼らの基本的な任用・労働条件はどうなっているのか。日々の仕事や自らの任用・労働条件に対する彼らの思いや評価はどのようなものだろうか、などなど。

これらのうちまず制度面のことを知るためには、第一に、当該自治体の担当部署に照会をするとよい。必要に応じて、情報開示請求の手続きをとるかもしれないが、多くの情報が得られると思う。人数や任用・労働条件に関するデータだけでなく、会計年度任用職員制度に関する規程なども受け取って、説明を受けるとよい。加えて、可能であれば、問題意識を整理して、担当職員から聞き取り調査を行うことにも挑戦してみよう[9]

第二に、自治体の労働組合の協力が得られる可能性がある。可能性がある、と書いたのは、非正規問題にあまり関心をもっていない労働組合もあるからだ。これは労働界の課題となって久しいのだが、非正規雇用者を迎え入れる準備ができていない労働組合(正規雇用者だけで組織された労働組合)も残念ながらあるのだ。一方で、逆に、非正規問題の解決に熱心に取り組み、雇用安定や格差是正などで実績をあげている労働組合もある[10]

そのような労働組合ならば、当事者の紹介もしてもらえると思う。聞き取りのほか、可能であれば、広くアンケート調査にも取り組んでみるとよい。当事者への聞き取り調査やアンケート調査の内容については、先行する調査を参考にされたい[11]

さて、第三に、既存の調査データを活用するという方法がある。本稿では、総務省が2020年に行った調査データを紹介する。これが本稿のメインである。

熊本県下には40を超える市町村がある。熊本県とこれらの全ての市町村で足を使って調査をするのは容易ではないだろう。そこで、この総務省データが役立つ。私も、北海道分のデータを使って川村(2021a)を書いた。これと同じような作業をしてみて欲しい。上記の自治体・労働組合からの調査の下準備にもなる。

 

  • 熊本県
  • 熊本市(政令市)
  • 市群(熊本市を除く13市):八代市、人吉市、荒尾市、水俣市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、阿蘇市、天草市、合志市
  • 町村群(31町村):美里町、玉東町、南関町、長洲町、和水町、大津町、菊陽町、南小国町、小国町、高森町、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町、氷川町、芦北町、津奈木町、錦町、多良木町、湯前町、あさぎり町、苓北町、産山村、西原村、南阿蘇村、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村

 

なお、以下では、熊本県及び県内市町村の合計を指すときには「熊本全県」ないし「熊本県下」と呼ぶ(図表では「熊本全県」と表記)。

では、項を改めて紹介する。

 

[7] 後で紹介する総務省の調査でそれを調べることもできる。なお、北海道と道内35市の状況を調べた川村(2022b)を参照。

[8] 後でみるとおり、非正規公務員には女性が多い。本稿では、三人称の意味で「彼ら」の表記を使う。

[9] 私も、数多くの自治体(行政)からお話しを聞いてきたが、新制度導入後は、札幌市の制度に注目をし、聞き取りを重ねている。川村(2014)、川村(2021c)などを参照。

[10] 北海道は根室市という自治体の労働組合の取り組みについてまとめた坂本(2022)を参照。あわせて、新制度導入後の全体状況について、吉田(2022)を参照。

[11] 会計年度任用職員を直接の対象に行われた調査としては、(1)労働組合「自治労連」による「2022会計年度任用職員の実態アンケート(最終報告)」、(2)当事者団体である通称「はむねっと」による調査があげられる。(3)筆者も、労働組合のご協力を得て、非正規公務員当事者を対象としたウェブアンケート調査を実施している。川村(2023a)を参照。(4)加盟組織を対象に会計年度任用職員の任用・労働条件を明らかにした、労働組合「自治労」による大規模な調査(「2020年度自治体会計年度任用職員の賃金・労働条件制度調査結果(最終報告)」)も必見。

 

2.総務省による調査データを活用する

総務省が全国の自治体等に対して調査・情報照会を2020年に行っている。当然、熊本県及び県内の市町村も回答をしている。調査名は、「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」と「会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査」(以下、調査の基準日である2020年4月1日にあわせて、2020総務省調査と呼ぶ)である。

熊本県では、県下の市町村の分も取りまとめているので、調査データの請求は熊本県に行えばよい。政令市である熊本市の分は熊本市に請求することになると思う。

2020総務省調査データの一部がインターネット上で公開されている[12] ので、これを使って熊本全県のデータを整理してみた。

なお、稿末《資料》には、個別の自治体ごとの情報をまとめているので参照されたい。

 

1)熊本県下の非正規公務員の規模

 

図表Ⅲ-1 任用根拠別にみた、熊本県下の正規公務員及び非正規公務員の人数・割合

注:非正規職員の数値Aは、任用期間が6か月以上又は6か月以上となることが明らかであり、かつ1週間当たりの勤務時間が19時間25分以上の職員。数値Bは、全職員である。

出所:正規公務員は総務省「地方公共団体定員管理調査」令和2年4月1日現在より。非正規公務員は、2020総務省調査による。

 

図表Ⅲ-1は、総務省による調査データで作成した熊本県下の非正規公務員のデータである。非正規職員の数値には2種類があり、数値Bは全職員が対象の数値で、数値Aは、短期間・短時間勤務者が除かれた数値である。数値Aと数値Bの説明を図表Ⅲ-2に整理した。

 

図表Ⅲ-2 任用根拠別にみた数値Aと数値B

出所:2020総務省調査の説明より作成。

 

会計年度任用職員においては、フルタイムとパートタイムとに分かれている。しかし、熊本県下ではフルタイム型は合計で293人と、全体12774人の2.3%を占めるに過ぎない(付け加えると、熊本のフルタイム型は、2つの自治体の「公営企業部門」に集中しており、両者だけで計200人を超える)。圧倒的多数はパートタイム型である。よって本稿では、フルタイム型かパートタイム型の分析はとくに行わない。

但し、留意すべきは、ここでのパートタイムとは、呼称のパートタイムであることだ。新制度では、フルタイムよりも1分でも短ければ、パートタイムに位置づけられる仕組みになっている。フルタイムに位置づけると、制度上、退職手当等の支給が可能になる。よって逆に、そのことを回避するために新制度導入時にパートタイム化が進められた[13] 。熊本ではこの点はどうだったろうか。新制度導入の影響やパートタイム職員の就業実態などを調べてみよう。

さて、図表Ⅲ-1に戻って、順番にみていこう。正規の公務員数は、「熊本全県」でおよそ4万人であるのに対して、非正規公務員(数値B)はおよそ1万8千人。その割合は31.1%になる。短期間・短時間勤務者を除いても(数値A)、およそ1万2千人、割合は22.8%である。

「熊本県」や「熊本市」では、非正規割合が相対的に低い。県や政令市は、正規職割合の高い部門や職種を抱えていること(例えば、警察部門や教育職)や、非正規公務員の直営ではなく、民営化が進んでいることなども、非正規割合の相対的な低さの理由として考えられる。

それに対して「市群」や「町村群」の非正規割合は、数値Bでは45%前後であり、数値Aでみても、3人に1人の割合である。

非正規公務員の多くを占めるのは会計年度任用職員である。数値Aでは83.8%、数値Bでも70.1%を占める。後者で値が下がるのは、数値Bでは、特別職非常勤職員が多いことによる。

その人数は3518人であるが、そのほとんどが短期間・短時間勤務者(「任用期間が6月未満又は1週間当たり19時間25分未満」の者)である。後でみるとおり、職種は、「医師」が多い。

臨時的任用職員は、「熊本全県」で1928人である(数値B)。数値Aでも1883人に及ぶ。つまり、多くは、任用期間が6か月以上の者ということである。臨時的任用職員は、数値Aでも数値Bでも、「熊本県」と「熊本市」でほぼ全員を占める。なお、後でみるが、臨時的任用職員の職種には、「教員・講師」が多い(1721人)。

図表Ⅲ-3 自治体別にみた非正規公務員割合

出所:図表Ⅲ-1に同じ。

図表Ⅲ-3は、熊本県を含む46の自治体それぞれの非正規公務員割合を単純に計算して、整理をしたものである。先にも紹介したが、自治体ごとの結果も《資料》で参照されたい。

数値Aでみると、割合が「30%台」の自治体が最も多く50.0%で、全体の平均値は33.6%である。数値Bでみると、「40%台」が最多となり(39.1%)、平均値も44.1%にまで増加する。

2)熊本県下の女性・非正規公務員の規模

では、女性の人数・割合に注目して非正規公務員の規模をみていこう。任用根拠別に整理したものが図表Ⅲ-4である。

なお、あらかじめ言えば、ここでの女性割合には、この後でみる職種構成の違いが反映されている。

まず先に特別職非常勤職員と臨時的任用職員をみておこう。

「医師」や「その他」が多い特別職非常勤職員の女性割合(数値B)をみると、「熊本全県」でわずか13.3%にとどまる。「医師」などには男性が多いということになる。数値Aはそもそも人数が少ないので省略する。

 

図表Ⅲ-4 男女×任用根拠別にみた熊本県下の非正規公務員数

出所:図表Ⅲ-1に同じ。

 

臨時的任用職員の女性割合を数値Bでみると、「熊本全県」で62.9%である。数値Aでみても62.8%である。

では次に、会計年度任用職員の女性割合に焦点をあてる。

結果は(数値B)、「熊本全県」でみると、女性割合は全体の4分の3(73.0%)である。

「熊本県」に限ると、全体では53.4%と低くなる。人数の多い職種についてみると、「一般事務職員」の女性割合が59.2%にとどまるほか、「教員・講師」も54.7%にとどまる。「その他」は37.7%である。

それに対して「熊本市」、「市群」、「町村群」の全体では、7,8割が女性である。

 

3)熊本県下の職種別にみた非正規公務員の規模

職種についてみていこう。内容は一部重複する。

2020総務省調査で分類された職種(大分類)は、「その他」を含めて11種類である。業務内容とあわせて例示されているので、参考までに示しておく(図表Ⅲ-5)。非正規公務員と一口に言っても、多岐にわたる職種・仕事内容が存在することを確認されたい。

 

図表Ⅲ-5 総務省調査における職種分類と業務内容例

出所:2020総務省調査より転載。

 

図表Ⅲ-6① 男女×職種別にみた熊本県下の特別職非常勤職員

出所:図表Ⅲ-1に同じ。

図表Ⅲ-6② 男女×職種別にみた熊本県下の臨時的任用職員

出所:図表Ⅲ-1に同じ。

 

まず先に、特別職非常勤職員や臨時的任用職員についてみていこう(図表Ⅲ-6①、図表Ⅲ-6②)。両者では、職種は限られている。

すなわち、前者においては、職種は、「医師」、「医療技術員」、「その他」のみで、人数は、「医師」で最も多く、1772人である(「医療技術員」は298人、「その他」は1448人)。また、「その他」の一部を除き、短期間・短時間勤務者である。

後者においては、「教員・講師」が最多で、1721人である。2桁以上の人数を占めるその他の職種としては、「一般事務職員」(177人)と「図書館職員」(20人)のみである。特別職非常勤職員と異なり、臨時的任用職員は、長期の任用(6か月以上)が多い。上記の3職種について、数値Aにおいても、順に、1691人、164人、20人となっている。

なお、以上に取り上げた、特別職非常勤職員と臨時的任用職員のうち人数が多い職種における女性の割合を参考までに述べておく。

特別職非常勤職員をみると(数値B)、「医師」では女性割合は10.0%にとどまる。「医療技術員」では28.5%、「その他」では14.2%である。

臨時的任用職員における女性割合をみると(数値B)、「教員・講師」の女性割合は60.3%で、「うち義務教育」で高く66.0%、「うち義務教育以外」では47.2%である。なお、「一般事務職員」の女性割合は高く、84.7%を占める。

次に会計年度任用職員をみていこう。数値Bを基本にみていく。

「熊本全県」の全体12774人のうち、「その他」(3645人)を除くと、最も多いのは「一般事務職員」で、人数は3424人、女性割合は77.7%である(「熊本県」の「一般事務職員」に限ると59.2%とやや低い)。

次いで人数が多いのは、「技能労務職員」と「教員・講師」で、それぞれ1千人を超えている(1318人、1216人)。女性割合は、「技能労務職員」では低く、50.5%にとどまる。「教員・講師」では72.2%と高い(「教員・講師」のほとんどが「うち義務教育」である)。

さて、1千人には満たないとはいえ、「看護師等」、「保育士等」、「給食調理員」では、人数は700,800人台と多い。ほかにも、「その他」のうちの「うち放課後児童支援員」が495人、「図書館職員」が333人と続いている。これらの職種では女性割合が高く、いずれの職種においても、90%を超えている。

なお、人数は少ないが、「その他」のうちの「うち消費生活相談員」も女性割合が8割超である。

職種ごとにおける非正規割合(非正規化の度合い)を明らかにする作業は別に行う必要があるが、ここでみたような職種における非正規の多さや女性への偏りをどう評価するかについても、検討をしていただきたい。

 

図表Ⅲ-6③ 男女×職種別にみた熊本県下の会計年度任用職員数

出所:図表Ⅲ-1に同じ。

 

 

[12] 総務省統計局「e-Stat(統計で見る日本)」(https://www.e-stat.go.jp/)上で検索をされたい。

[13] 前掲・上林(2021b)のほか、「15分時短のパート公務員 自治体の4割に 総務省が見直し求める」『NHK政治マガジン』https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/77142.html 2022年2月6日など参照。

 

3.賃金・労働条件を調べる

2.では、人数データを整理してきた。川村(2021a)をみれば分かるとおり、2020総務省調査の結果を使えば、非正規公務員の賃金や休暇制度のことなども明らかになる。また、2020総務省調査の後も、総務省は、自治体への照会を行っており、その結果が公表されている。これらも活用できる[14]

3.では、まず1)で、北海道のデータとなるが、2020総務省調査の結果を紹介し、次に2)で、熊本市のウェブサイト[15]に掲載されていた熊本市の会計年度任用職員の求人情報から、彼らの賃金・労働条件などをみてみる。

 

1)北海道データにみる会計年度任用職員の賃金

図表Ⅲ-7は、北海道(道、市町村)の会計年度任用職員の賃金を整理したものである。

 

図表Ⅲ-7 職種別にみた、会計年度任用職員の1時間当たり換算額及び年収(試算)

注:対象には、自治体のほか一部事務組合が含まれている。
出所:川村(2021a)の表3-10、表3-13の一部を転載。

 

具体的には、会計年度任用職員の賃金について、1時間当たり換算額が1000円未満の自治体等の割合と換算額の中央値、年収(試算)が200万円未満の自治体等の割合と年収の中央値を、職種別に整理した。

1時間当たり換算額が1000円未満の割合が高い職種は、「清掃作業員」(67.3%)、「事務補助職員」(66.0%)、「図書館職員」(56.5%)、「給食調理員」(51.8%)である。以上の職種では、1000円未満が半数を超えている。

次いで割合が高い職種は、「放課後児童支援員」(32.4%)である。

年収(試算)をみると、年収200万円未満の割合が高いのは、「清掃作業員」(73.3%)、「事務補助職員」(57.7%)、「放課後児童支援員」(52.9%)、「図書館職員」(48.4%)、「給食調理員」(46.1%)である。

 

図表Ⅲ-8 時給・月収・年収の関係

時給853円の場合、月14.8万円、年177.9万円
同1000円の場合、月17.4万円、年208.6万円
同1250円の場合、月21.7万円、年260.7万円
同1500円の場合、月26.7万円、年312.9万円

注:時間数は、365日÷7日×40時間÷12か月=月173.8時間、年2085.7時間で計算。

ところで、本来は、労働者の生活を守るために設けられている最低賃金制度が、機能不全の状態にあると指摘されて久しい。低すぎるのだ。熊本県の最低賃金(2022年10月1日~)である853円(北海道は920円)で、完全週休2日制で、祝日は関係なく、フルタイムで働いたと仮定しても、年収は200万円に満たない。時給1500円程度が支給されてようやく年収300万円に達する。

暮らしていくのに必要な最低生計費はいくらだろうか。それを実証的に明らかにする作業を通じて、最低賃金の必要額を導き出している静岡県立大学短期大学部の中澤秀一さんたちの調査・研究によれば、全国どこの地域でも、若年単身世帯では、時給1500円程度は必要であるという[16]。先にみたとおり(図表Ⅲ-7)、北海道では、中央値が1500円に達している職種は、「医師」だけであった。

以上のことも念頭において熊本の非正規公務員の賃金(水準、昇給制度など)を調べてみて欲しい[17]

 

2)熊本市の求人情報にみる会計年度任用職員の任用

以下では、熊本市のウェブサイトに掲載されていた会計年度任用職員の求人情報から、幾つかを取り上げてみる。

なお、第一に、ここで紹介する求人が当該職種を代表するものとは限らない。あくまでも例示するだけであって、詳細な調査は別途行う必要がある。ここでは、業務内容、勤務時間等、基本的な賃金のみを取り上げる。

第二に、脚注14で紹介した情報によれば、(1)熊本市の一般行政部門では、取り上げられている5つの職種(一般事務職員/保育所保育士/技能労務職員/放課後支援員/給食調理員)のいずれにおいても、公募を行わない回数等の基準が設けられており、その基準は「4年以上5年未満」である。つまり5年ごとの公募制が基本とされていると思われる。

また、(2)期末手当の支給の有無については、支給対象となる任期の要件が「任期が6月以上の場合に支給」で、支給対象となる勤務時間の要件は「週の勤務時間が15時間30分以上勤務又はこれより広い対象範囲」で、年間支給額が「2.55(か月)」と回答されている。

 

図表Ⅲ-9 本稿で取り上げる熊本市の求人職種名等

注:求人職種名は、熊本市のウェブサイトより。職種分類(大分類)は、2020総務省調査より。

 

(1)業務補助嘱託員(病棟事務)

業務内容は、(a)病棟における窓口・電話対応、入院時オリエンテーション、書類の準備・回収・確認等、(b)その他所属長が必要と認める業務。

勤務日は、原則、毎週月曜日から金曜日の週5日(土日の業務については、相談の上決定)で、勤務時間は、8:30~17:00(休憩時間は、勤務時間内に60分)。

給料月額は134,419円で、月額手当が8,709円支給。年収額は、約210万円と記載されている。

 

(2)看護師

業務内容は、(a)看護業務、(b)その他所属長が必要と認める業務。

応募資格は、看護師の資格を有する者(夜勤が可能な方で急性期病院での経験が3年以上又は手術室での経験が3年以上ある者)。

勤務は、変形労働時間制(1ヶ月)で、主なシフトは、日勤8:30~17:15(休憩60分)/夜勤19:00~9:00(休憩60分)/ロング日勤8:30~19:45(休憩60分)。週休日は、対象期間前に通知するシフト表による。

給料・手当は、月額163,548円~187,645円、月額手当18,709円、その他実績に応じて、夜勤手当(19,000円/回)等の支給がある。

年収は約390万円~430万円(夜勤4回/月、時間外勤務15時間/月を想定して積算。令和4年度実績)とのことである。

 

(3)管理栄養士

業務内容は、(a)管理栄養士業務(病棟栄養管理業務、栄養指導業務(入院・外来)、献立作成業務等)、(b)その他所属長が必要と認める業務。

応募資格は、管理栄養士資格を有する者、病院勤務経験のある者。

勤務日は、毎週月曜日から金曜日の週5日。勤務時間は、8:30~17:00(休憩時間は、勤務時間内に60分)。休日は、土日、祝日及び年末年始(12月29日~1月3日)。

給与は、(1)給料・手当が月額165,870円~188,806円、月額手当が8,709円。(2)年収は約250万円~290万円である。

 

(4)保育士

業務内容は、(a)熊本市立保育所での保育業務、(b)前号に関連して必要な業務、(c)その他、所属長が指示するもの。

応募資格は、保育士の資格を有する者。

勤務時間は、1日7時間30分勤務/1日6時間勤務/1日4時間勤務/週15時間30分未満勤務。応募資格は、保育士の資格を有する者。

勤務日は、毎週月曜日から土曜日のうち週5日間(日・祝日、年末年始を除く。) 募集園によっても勤務日は異なるようだが、週当たりの勤務時間は、37時間30分/30時間/20時間/15時間30分未満(休憩時間1時間を除く)。

給与は、37時間30分/週勤務の場合には、月額で167,806~199,838円。1日3時間以上、直接従事した場合、日額150円の手当支給がある。

 

(5)給食調理員

業務内容は、(a)熊本市立小学校における学校給食調理等に係る業務、(b)その他所属長が指示する業務。

応募要件は、次のうち、いずれかの要件を満たすことが必要。(a)栄養士免許もしくは調理師免許を有する者。(b)3ヶ月以上の学校給食調理業務に従事経験のある者。

毎週月曜日から金曜日までの週5日(勤務場所の学校行事等により、土・日・祝日の勤務が必要な場合あり)で、1週間あたり37時間30分、1日あたり7時間30分(休憩時間45分)である。但し、8月の勤務時間は、1週間あたり22時間30分となる。

給与は、月額報酬で148,161円~163,161円。但し8月は、88,897円~97,896円である。

ところで、給食調理員に関しては「補助」も募集されていた。補助は、「学期ごとの任用」である点や、「職員の指示のもと」働く点が異なるようである。勤務時間数も短いようである。賃金は、時給894円~970円で、期末手当は年1回の支給となっていた。

 

(6)学校図書館司書業務補助

業務内容は、図書の貸出、整理、図書館だよりの作成、パソコンを使った図書システム操作(データ入力、利用統計の作成)など。

応募資格は、司書、司書補、司書教諭の資格を有する者、もしくは学校図書館での仕事に意欲のある者(資格は必須でない)。

雇用は学期毎の雇用。

勤務日は月曜日から金曜日までの週5日。土曜・日曜・祝日は休みとなるが、学校行事等で土曜日又は日曜日に勤務を振り替えることがあり。賃金は、日額4,894円~5,434円。

勤務時間は1日5時間。始業及び終業時刻は学校によって異なる。また、学校行事等により適宜変更になる場合がある。年次有給休暇はなし。

 

(7)熊本市児童育成クラブ支援員

業務内容は、熊本市内に設置されている児童育成クラブでの児童の遊びや生活の見守り。

勤務時間帯は、月曜日から金曜日が児童の下校時刻から19:00の間で、土曜日と長期休業中は8:00~19:00の間。月~土のうち、週5日勤務のシフト制である。

勤務時間数等によって、特別加配専門支援員、支援員A、支援員Bの三種が募集されている。

このうち特別加配専門支援員の任用条件をみると、(a)給与が月給116,998円~128,843円、(b)仕事内容は、熊本市内に設置されている児童育成クラブでの配慮を要する児童の遊びや生活の見守り及び簡易的な事務。(c)勤務時間は、週28.75時間(長期休業期間中は週35時間程度)、(d)資格は、有資格者(教諭・養護教諭・保育士・社会福祉等)もしくは、長年学校教育等に携わった者(スポーツインストラクター等可)。

なお、支援員Aの給与は、月給92,819円~120,666円、支援員Bは、時給879円~999円である。

 

会計年度任用職員の仕事内容や働き方、賃金・労働条件などを求人情報でみることによって、彼らが私たちの暮らしをどのような場所/条件で支えているか、イメージができただろうか。

なお、看護師、保育士、給食調理員など、職種を限定して調査にのぞむのも、現状や問題を掘り下げて理解する上で有益である。私自身はその昔、保育所・保育士に限定して(期せずして私立の保育所と公立の保育所を比較するかたちで)、調査を行っていた。

 

 

[14] 例えば、総務省「会計年度任用職員制度の適正な運用等について(通知)(令和4年12月23日総行公第151号・総行給第84号)」とあわせて公開されている「集計表」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/koumuin_seido/ kaikeinendo _ninyou.html では、会計年度任用職員の募集・再度任用等、空白期間〔の有無〕、休暇〔制度の有無及び有給・無給の取扱い〕、給与〔制度〕に関する情報が自治体ごとに整理されている。参照されたい。

[15] 熊本市「会計年度任用職員募集」https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=5&class_set_id=2&class_id =1876(参照日は2023年5月28日)。

[16] 「NAVI」https://roudou-navi.org/author/nakazawa-shuichi/ にも中澤秀一さんの論文が多数掲載されているので参照されたい。

[17] 「熊本市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」、「熊本市会計年度任用職員の給与の決定及び支給等に関する規則」なども参照。

 

Ⅳ  政治・地方自治に参加しよう

 

やや大仰な見出しをつけてしまったが、Ⅳで具体的に提案したいのは、以下のことである。

すなわち、皆さんが調べた非正規公務員の制度や任用実態を、自治体議員・議会に届けて欲しい。あわせて、議員や議会はこの問題をどう考え、どのような対応をしているのか尋ねるなど、この問題をテーマに議員と交流をしてみて欲しい。

以上の作業を通じて、政治や地方自治への皆さんの関心が高まっていくのではないかと期待している。

 

1.問題に議員・議会はどう向き合っているのか

熊本の自治体議員・議会は、皆さんたちが調べた非正規公務員問題について、そもそもどのような認識をもって、どのような取り組みをしているのだろうか。

 

図表Ⅳ-1 市長と市議会の関係(左)、請願と陳情の仕組み(右)

出所:熊本市議会「市議会を知ろう!」より転載。

 

確かに、地方行財政改革が進められてきたこと、雇用安定に逆行する会計年度任用職員制度が設計されたことなど、この問題に対する国・総務省の責任は大きい。しかしながら、自治体の首長や議会にも責任はあるし、できることもある。この非正規公務員問題は議会でどう議論されてきたのだろうか。

教科書的に言えば、議院内閣制である国政選挙と異なり、自治体選挙では、住民は首長と議会議員を自らの代表者として直接選ぶ。二元代表制とこれは言われる。首長と議会は緊張感をもって政治にあたり、議会には首長の監視機能や政策立案機能が期待されている。

では、住民の福祉を増進するために様々な仕事で働く非正規公務員の任用のあり方や賃金・労働条件に対して、議員・議会はどう向き合っているだろうか。

まずは、皆さんが調べた結果を議員に届けて、議員に質問をしてみたり、全員と直接会うことが難しければ、調査結果に対して何らかの意見や感想を求める公開質問という手法を使う[18] など、スタイルにはこだわらず、対話・交流を始めてみて欲しい。

 

2.政治参加の新しい動き

各種の世論調査の結果によれば、議員・議会への批判や不信を持っている有権者は少なくない。むしろ、多いと言っても過言ではない。執行機関の首長に対して議事機関である議会の活動は見えづらいだけでなく、逆に、時々の議員の不祥事(例えば、お金にまつわる不祥事)報道が強く印象に残っていることによるのではないか。

また、私たちの「代表」の「偏り」が大きいことも、この間指摘されているとおりである。日本の議員は男性、とりわけ高齢の男性に偏りが大きい。

 

図表Ⅳ-2 男女別にみた、熊本県下の自治体の首長及び議会議員の人数

出所:総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調(令和4年12月31日)」より筆者作成。

 

図表Ⅳ-2は、熊本県及び県下の市町村の首長と議会議員について、人数を男女別に整理したものである。首長は全員が男性で、議員についても、女性は、合計でなんとか1割程度を占めるに過ぎない[19]

我々の「代表」であり、政治・政策を審議・決定する人たちがここまで偏っていて問題はないだろうか。例えば、本稿でみてきた非正規公務員問題についても、制度や実態は正しく理解されているだろうか。性別役割分業的な発想をもって非正規公務員制度が設計されているなどのことはないだろうか。懸念がある。

もっとも、近年の政治動向に目を向けると、自分たちの暮らすマチをなんとかしたいと若い人たちや女性が議員に立候補をしたり、彼らのそうした動きを応援したり、という動きも生まれている[20] 。また、自らが非正規雇用(非正規公務員)で働いてきた経験を有していたり、女性の非正規雇用問題に関心をもって議員活動をしたりしている人たちもいる[21]

 

図表Ⅳ-3 自治基本条例とは

出所:熊本市「自治基本条例とは」より転載。

 

楽観視はできないものの、自分たちのマチを自分たちで作っていこうという気運が生まれている。熊本市においても、自治基本条例[22] が制定されている。サイトの説明によれば、「自治基本条例とは、市民と議会と行政がお互いに情報を共有して、協力しながら、魅力ある熊本市の市政・まちづくりを進めるための、三者共通のルールとなるもの」で、「市民・議会・行政それぞれの役割と責務、市民参画や協働の仕組み、市政・まちづくりのルールなどが定められ」たものである。

本稿で皆さんに提起してきた取り組みは、こうした条例が条文通りに運用されているかどうか検証する機会となり、なおかつ、政治や地方自治に皆さんが関心を持つ機会となるのではないだろうか。そうなることを願っている。

 

 

[18] 私たちもこの間、私たちが行った調査結果に基づきながら、首長や議員に対して公開質問を行ってきた。2023年の統一地方選挙でも、3つの団体で公開質問を行っているが、そのうち札幌市議会議員の立候補予定者に対して、非正規公務員問題等への公開質問を行った。詳しくは川村(2023c)を参照。

[19] 2023年の統一地方選挙にあわせて行われた朝日新聞による全国の地方議会アンケート調査によれば、熊本県下の議会は、女性が1人以下の「女性ゼロワン議会」が58.7%と全国で上位5番目である。「老老男男、壁越えたい 女性議員増へ、政治塾や養成講座 統一地方選」『朝日新聞』朝刊2023年2月18日付より。なお、全国の数値となるが、同じく朝日新聞の調査結果によれば、議員の性×年齢構成は、60歳以上の男性で半数を超える(「男性・60代」29.3%、「男性・70代」23.8%、「男性・80代以上」2.1%)。「いびつな議会、変われるか 全国1788自治体議会アンケート 統一地方選」『朝日新聞』朝刊2023年2月18日付より。この問題を考える上で、前田(2019)を参照。

[20] NO YOUTH NO JAPAN(2021)や三浦(2023)など参照。インターネットで配信されている情報としては、Choose Life Projectによる「地方自治から変える政治 #統一地方選2023」シリーズのうち、「Vol.3 希望のはなし」https://www. youtube.com/watch?v=xbf5mdJPLPQ 2023年5月28日配信 を興味深く視聴した。

[21]例えば北海道では、2023年から石狩市で議員3期目をつとめる神代知花子(くましろちかこ)さんの取り組みを紹介したい。神代(2022)を参照。

[22] 熊本市ウェブサイト「自治基本条例とは」https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id =5&id=918より。

 

 

Ⅴ.働きがいのある人間らしい仕事の実現を目指して

 

非正規公務員のおかれた不安定な立場は、ハラスメントの温床になっている。皆さんは、九州で起きた、非正規公務員の次のような事件を知っているだろうか。

北九州市で非常勤職員として働いていた女性(森下佳奈さん)が上司からのパワハラや不適切な労務管理・過度な業務によってうつ病に罹患し、退職後の2015年に自ら命を絶たれた。享年27歳であった。当初、彼女の公務災害は、家族が申請することさえできなかった。北九州市では、非正規公務員(非常勤職員)本人や家族には、公務災害の請求が認められない状況にあった。正規と非正規とで命の扱いさえ違ったのだ。家族や支援者の取り組みで総務省から通知が出され、この状況は見直され、請求権自体は認められることとなったものの、彼女の、仕事と自殺との因果関係自体は一審では認められず、控訴審が2023年6月に開始されるところである[23]

彼女の受けた経験は、例外的なものではない。非正規公務員に対するハラスメントの実態を明らかにするための調査活動が当事者団体によって始まっている[24]

このような問題が放置されていてよいだろうか。自治体が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)やディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)という言葉がどこか嘘っぽく聞こえないだろうか。調査活動を問題発見・解決の契機にしていこう。

 

この原稿がきっかけで、熊本を訪問し、皆さんと一緒に熊本で調査・研究活動に取り組める日がくることを心待ちにしています。

 

 

[23] NHK「命の重さも違うんですか」『NHK生活情報ブログ』https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/1300/368167.html 2019年5月28日を参照。森下佳奈さんの裁判を支援する会の動きについては、NPO法人官製ワーキングプア研究会レポート第42号(2023年6月発行予定)の「森下佳奈さんの控訴審を支える会を開催」https://www.kwpk.net/のほか、ライター・有馬知子さんによる「上司からのパワハラ自殺訴える訴訟、背景に「非正規公務員」が追い詰められる構造」『弁護士ドットコム』https://www.bengo4.com/c_5/n_16017/ 2023年5月18日配信などを参照。

[24] 当事者団体「VOICES」https://f.2-d.jp/voices/ による非正規公務員ハラスメント調査を参照されたい。川村(2023a)にまとめた当事者の自由記述もぜひ参照されたい。

 

 

《参考文献》

NO YOUTH NO JAPAN(2021)『YOUTHQUAKE──U30世代がつくる政治と社会の教科書』よはく舎

浅倉むつ子(2022)『新しい労働世界とジェンダー平等』かもがわ出版

大森彌(2021)『自治体議員入門──有権者の期待と議会の現実、住民自治の要となるために』第一法規出版

川村雅則(2010)「非正規労働問題とその解決に向けて」『日本の科学者』第45巻5号(2010年5月号)

────(2014)「札幌市における臨時・非常勤職員の任用──札幌市からの聞き取りと提供資料にもとづき」『北海道自治研究』第550号(2014年11月号)

────(2020)「地方自治体における官製ワーキングプア問題と、労働組合に期待される取り組み」『POSSE』第44号(2020年4月号)

────(2021a)「道内の会計年度任用職員等の臨時・非常勤職員の任用実態──総務省2020年調査の集計結果に基づき」『北海道自治研究』第626号(2021年3月号)

────(2021b)「地方自治体における公共サービスの提供に従事する非正規労働者のおかれた現状」『生活経済政策』第296号(2021年9月号)

────(2021c)「札幌市の会計年度任用職員制度の現状──2021年調査に基づき」『北海道自治研究』第634号(2021年11月号)

────(2021d)「公務非正規運動の前進のための労働者調査活動」『住民と自治』通巻第704号(2021年12月号)

────(2022a)「国立大学法人の就業規則等にみる労働契約の更新限度条項・無期雇用転換回避問題(暫定版)」『NAVI』2022年3月8日配信

────(2022b)「会計年度任用職員制度の公募制問題と、総務省調査にみる北海道及び道内35市の公募制導入状況(反貧困ネット北海道連続学習会記録)」『NAVI』2022年11月23日配信

────(2023a)「北海道及び道内市町村で働く624人の会計年度任用職員の声(2022年度 北海道・非正規公務員調査 中間報告)」『NAVI』2023年1月5日配信

────(2023b)「会計年度任用職員の雇用安定に向けた取り組みの強化を──北海道での調査・研究から」『NPO法人官製ワーキングプア研究会レポート』第41号(2023年3月号)

────(2023c)「自治体議員との交流・連携強化を進めていきましょう」『NPO法人官製ワーキングプア研究会レポート』第42号(2023年6月号)

上林陽治(2013)『非正規公務員という問題──問われる公共サービスのあり方』岩波書店

────(2021a)『非正規公務員のリアル──欺瞞の会計年度任用職員制度』日本評論社

────(2021b)「会計年度任用職員白書 2020」『自治総研』通巻514号(2021年8月号)

神代知花子(2022)「石狩市の非正規公務員問題と問題解決に向けた議員活動(反貧困ネット北海道連続学習会記録)」『NAVI』2022年7月31日配信

坂本勇治(2022)「根室市の会計年度任用職員制度と労働組合の取り組み(反貧困ネット北海道連続学習会記録)」『NAVI』2022年11月26日配信

佐藤文香、一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同(2019)『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた──あなたがあなたらしくいられるための29問』明石書店

全国町村議会議長会編(2023)『議員必携 第12次改訂新版』学陽書房

曽我謙悟(2019)『日本の地方政府──1700自治体の実態と課題』中央公論新社

竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編著(2020)『官製ワーキングプアの女性たち──あなたを支える人たちのリアル』岩波書店

辻陽(2019)『日本の地方議会』中央公論新社

前田健太郎(2019)『女性のいない民主主義』岩波書店

三浦まり(2023)『さらば、男性政治』岩波書店

村林守(2016)『地方自治のしくみがわかる本』岩波書店

山下泰子・矢澤澄子監修、国際女性の地位協会編(2018)『男女平等はどこまで進んだか──女性差別撤廃条約から考える』岩波書店

吉田雅人(2022)「会計年度任用職員制度導入後の実態(反貧困ネット北海道連続学習会記録)」『NAVI』2022年10月14日配信

 

 

 

 

《資料》

資料 熊本県下の自治体別にみた正規公務員及び非正規公務員の人数・割合

単位:人、%

正規公務員 非正規公務員全体 会計年度任用職員 特別職非常勤職員 臨時的任用職員 非正規公務員割合
数値A 数値B 数値A 数値B 数値A 数値B 数値A 数値B 数値A 数値B
熊本全県 40352 11884 18220 9959 12774 42 3518 1883 1928 22.8 31.1
熊本県 18630 2828 4333 1333 2249 39 590 1456 1494 13.2 18.9
熊本市 9864 2983 4111 2559 3620 0 61 424 430 23.2 29.4
八代市 1078 420 844 419 465 0 378 1 1 28.0 43.9
人吉市 327 135 294 135 154 0 140 0 0 29.2 47.3
荒尾市 814 287 499 287 357 0 142 0 0 26.1 38.0
水俣市 707 384 514 384 416 0 98 0 0 35.2 42.1
玉名市 528 260 491 260 282 0 209 0 0 33.0 48.2
山鹿市 771 312 484 312 360 0 124 0 0 28.8 38.6
菊池市 474 291 387 290 328 1 59 0 0 38.0 44.9
宇土市 261 193 264 193 214 0 49 0 1 42.5 50.3
上天草市 560 318 371 318 341 0 30 0 0 36.2 39.8
宇城市 496 252 383 252 272 0 111 0 0 33.7 43.6
阿蘇市 441 121 254 121 129 0 125 0 0 21.5 36.5
天草市 988 612 1004 610 674 2 330 0 0 38.3 50.4
合志市 338 283 422 281 289 0 131 2 2 45.6 55.5
美里町 137 47 47 47 47 0 0 0 0 25.5 25.5
玉東町 64 41 71 41 68 0 3 0 0 39.0 52.6
南関町 109 47 56 47 49 0 7 0 0 30.1 33.9
長洲町 136 54 72 54 57 0 15 0 0 28.4 34.6
和水町 254 101 151 101 107 0 44 0 0 28.5 37.3
大津町 221 218 355 218 256 0 99 0 0 49.7 61.6
菊陽町 235 212 284 212 246 0 38 0 0 47.4 54.7
南小国町 80 66 75 66 71 0 4 0 0 45.2 48.4
小国町 121 58 74 58 66 0 8 0 0 32.4 37.9
高森町 90 59 66 59 66 0 0 0 0 39.6 42.3
御船町 198 100 137 100 116 0 21 0 0 33.6 40.9
嘉島町 92 44 64 44 55 0 9 0 0 32.4 41.0
益城町 332 163 298 163 264 0 34 0 0 32.9 47.3
甲佐町 129 57 87 57 78 0 9 0 0 30.6 40.3
山都町 305 120 297 120 178 0 119 0 0 28.2 49.3
氷川町 127 62 124 62 65 0 59 0 0 32.8 49.4
芦北町 213 135 157 135 139 0 18 0 0 38.8 42.4
津奈木町 72 65 80 65 66 0 14 0 0 47.4 52.6
錦町 94 53 106 53 54 0 52 0 0 36.1 53.0
多良木町 115 49 105 49 49 0 56 0 0 29.9 47.7
湯前町 66 24 30 24 24 0 6 0 0 26.7 31.3
あさぎり町 180 52 115 52 54 0 61 0 0 22.4 39.0
苓北町 92 43 66 43 54 0 12 0 0 31.9 41.8
産山村 42 34 74 34 36 0 38 0 0 44.7 63.8
西原村 92 42 105 42 70 0 35 0 0 31.3 53.3
南阿蘇村 177 97 209 97 116 0 93 0 0 35.4 54.1
水上村 56 42 54 42 51 0 3 0 0 42.9 49.1
相良村 67 20 42 20 20 0 22 0 0 23.0 38.5
五木村 46 28 90 28 29 0 61 0 0 37.8 66.2
山江村 62 33 34 33 33 0 1 0 0 34.7 35.4
球磨村 71 39 40 39 40 0 0 0 0 35.5 36.0

 

 

かわむら まさのり 北海道で労働問題の調査・研究活動に取り組んでいます。自動車運転職の過労死問題から研究者の道を歩み始めましたが、自治体の仕事に従事する非正規公務員や民間労働者が直面している問題の解決に力を入れ始めてからであっても、ずいぶんな年数が経ちます。本稿でも少し書きましたが、議会への働きかけを行ったり、条例づくりにも力を入れるなど、政治や地方自治の世界にも足を踏み入れています。フットワークは軽いほうです。熊本にお邪魔して皆さんと研究交流ができる日を楽しみにしています。

 

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