「不定期便」は、お世話になっている方々に不定期で配信しているメール情報です。
過去の不定期便も掲載しておきます。
ご活用ください。
川村雅則「不定期便(最終更新2025年10月5日)」
※下記の論文を追加しました〔2025年10月6日記〕。
川村雅則「「動き出した非正規公務員制度~先進自治体の紹介」での話題提供・問題提起」『NAVI』2025年10月6日配信
- 1 2025年10月5日:非正規公務員(会計年度任用職員)、署名ご協力のお願い、鳥取方式短時間勤務制度、反貧困ネット学習会(日本語教師・日本語教育)、全国地方議員交流研修会、過労死等防止対策推進シンポジウム
- 2 2025年6月13日:書籍(雇用・労働、非正規公務員)、調査報告・集会報告・論文等(非正規公務員、無期転換、公契約条例)、反貧困連続学習会(ジェンダー)などなど
- 3 2025年3月11日:緊急アンケート、会計年度任用職員、公契約条例、なくそう官製ワーキングプア集会、編著「非正規4割時代」の紹介、その他の関連情報
2025年10月5日:非正規公務員(会計年度任用職員)、署名ご協力のお願い、鳥取方式短時間勤務制度、反貧困ネット学習会(日本語教師・日本語教育)、全国地方議員交流研修会、過労死等防止対策推進シンポジウム
※STOP雇止め!に関する署名のお願いを、記事の途中(【1】の(3))でしています。ぜひご協力をお願いします。
【1】非正規公務員(会計年度任用職員)制度をめぐる問題
(1)なくそう!官製ワーキングプア集会
なくそう!官製ワーキングプア東京集会、大阪集会に参加しました。
総裁選報道でにぎやかですが、私たちの社会では、安心して働くこと、まともに暮らすことができない現実があります。
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両集会で私は、公務非正規問題議員ネット(議員ネット)の総会(8月1日)で発言した以下のことと、鳥取県における短時間勤務制度の調査結果(後述)を報告しました。
■川村雅則「会計年度任用職員制度をめぐる問題といま取り組むべき課題──議員ネットへの期待とあわせて」『NAVI』2025年8月21日配信
よりコンパクトにした以下のものを大阪集会で配布。
■川村雅則「第13回なくそう!官製ワーキングプア大阪集会(2025年10月4日) 第1分科会「会計年度任用職員制度 総ざらい」配付資料」『NAVI』2025年9月29日配信
(2)会計年度任用職員の公募等調査
会計年度任用職員の(再度任用時における)公募の継続等に関する調査の結果を9月30日付の『北海道新聞』に掲載していただきました。
道新購読者以外の方も、おそらくですが、無料会員登録で読めるのではないかと思います。ご覧ください/広めてください。
■道内17市 非正規公務員公募試験行わず 北海学園・川村教授調査 昨年の3倍に/高橋毅 有料記事 2025年9月30日 4:00(9月30日 8:00更新)
元の調査データはこちらです。
■川村雅則「会計年度任用職員の公募制と離職に関する調査報告(中間報告)」『NAVI』2025年7月31日配信
(3)STOP!雇い止めに関する署名のお願い
関連して、安心して働くことのできない現状を変えるための署名活動にぜひご協力をお願いします。
当事者からの訴えとあわせてお読みください。
【署名拡散のお願い】STOP雇止め!京都府の「3年公募」を廃止してください。私たち会計年度任用職員を「使い捨てできる存在」にしないでください!
なお、民間部門における「無期転換逃れの問題」も忘れてはなりません。
パタゴニア事件の事件報告を日本労働弁護団北海道ブロック団員の竹信航介さんにご執筆いただきました。
■竹信航介「パタゴニア・権利闘争の焦点」『NAVI』2025年9月27日配信
(4)首都圏106自治体を対象とした調査結果
上で示した、公募等に関する筆者調査。
東京ではより詳細にこの問題が調査されています。データをいただきましたのでご覧ください。
■東京集会実行委員会「首都圏106自治体情報公開請求(2024年度離職状況)の報告」『NAVI』2025年10月1日配信
(関連報道)
非正規職員の再任用制限、首都圏自治体4割が「撤廃」 市民団体調査/日本経済新聞2025年10月3日 5:00
非正規公務員の再任用上限、都内では30自治体が撤廃 昨年から急増/毎日新聞2025/9/22 15:52(最終更新 9/22 15:52)
あわせて、この報告の下記の部分・内容をご確認いただきたいと思います。
会計年度任用職員当事者からのご相談に対して、活用できる制度がなかなかなくて対応に苦慮されていることではないかと存じます。
そのようななかで、まずは現行の法制度はどうなっているのかのご確認と、また、ご自身のマチのこうした制度・組織は果たしてどこまで機能するものなのかの確認をしてみる、という作業も意味があることではないか──そのようなことを思いまして、とくに上記の部分について情報を紹介する次第です。
会計年度任用職員制度に関する、地域でのこうした調査。
沖縄でも同様の調査が行われています。
■沖縄県労連・沖縄県公務公共一般労組「2025年県内市町村に働く会計年度任用職員アンケート結果について」『NAVI』2025年8月28日配信
各地におかれましても、安定雇用を実現するための基礎資料となる、同様の調査の実施を。
(5)最低賃金等
まともに暮らすことができない賃金に関連して、最低賃金問題の第一人者である中澤秀一さん(静岡県立大学短期大学部准教授)が今年度の最賃改定について見解を配信していました。
■中澤秀一「2025年度最低賃金改定について~後退・前進の両側面がある~」『労働総研ニュース』第423号(2025年9月号)pp.1-2
「事務補助職員」を中心に、最賃とほぼ同額の賃金で働く会計年度任用職員は少なくないと思います。
最賃が改定された後には、適切に対応はなされるでしょうか。最賃割れが放置されるような状況はないでしょうか。2023年の総務省調査データからは、北海道内の市町村において、4市12町村で最賃割れが発生していること、しかも、その状況がしばらくのあいだ放置されていたケースもみられること、が明らかになっています。
■川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信
近年は、最賃の引き上げ額が以前に比べれば大きくなっています。
今年度の最賃改定への対応が適切になされるかの念のための確認が必要です。
(中澤さんの関連投稿)
■中澤秀一「「年収の壁」から考える税と社会保障の関係」『月刊全労連』第339号(2025年5月号)pp.25-34
(6)ジェンダーギャップ問題
こうした非正規雇用をめぐる問題は女性に大きく偏っています。
『月刊 ガバナンス』第294号(2025年10月号)の「特集1:ジェンダーギャップを乗り越える──誰もが活躍できる公務職場へ」に投稿しました。
拙稿「ディーセントワークをどう実現するか──非正規公務員をめぐる課題から」『月刊 ガバナンス』第294号(2025年10月号)pp.18-21
機会があれば手に取っていただければ幸いです。
(7)『お隣の非正規公務員』
理事をつとめるNPO建設政策研究所から発行されている雑誌『建設政策』に編著『お隣の非正規公務員』の紹介文を書きました。
紹介文というには少々長いですが、ご笑覧ください。
■川村雅則「非正規公務員問題に関する編著を出版して 『お隣の非正規公務員──地域を変える、北海道から変える』」『建設政策』第223号(2025年9月号)pp.38-42
非正規公務員問題をなんで建設の雑誌に? と思われる方は、まさに雑文をお読みください。
ところで、編著『お隣の非正規公務員』の出版社である北海道新聞社からの連絡によれば、編著は公立図書館にも随分と入れていただいているようで、その数は、同社から発行される本の中では多い部類に入るとか。
選定にかかわる図書館司書さんの意向が少なからず働いているのではないか、というのが担当者の読みです。
各地・調査で出会った図書館司書の方々も、もしかしたら本書を選定してくださっているのでしょうか。
心より感謝申し上げます。
図書館・図書館雇用をめぐる問題については、データの整理程度しかできていませんが、下記をご参照ください。
■川村雅則「図書館雇用・図書館問題に関する教材庫(2025年9月4日)」
道内市町村の図書館雇用データも掲載していますので、関係者の皆さんはご活用ください。
もう一冊の書籍『雇用・労働はいまどうなっているか』についても紹介文を書きました。
■川村雅則「『雇用・労働はいまどうなっているか』をまとめて」『NPO官製ワーキングプア研究会レポート』第50号(2025年7月号)pp.6-8
こちらの本も手に取っていただけると幸いです。
(8)鳥取方式短時間勤務制度等
鳥取方式短時間勤務制度が注目を集めています。
現地での聞き取り調査に基づき以下のものをまとめましたので、ご笑覧ください。
■川村雅則「鳥取方式短時間勤務制度に関する調査報告(第一次報告)」『NAVI』2025年9月22日配信
この制度そのものは評価するものですし、自治体の創意工夫を私も応援するものです。
その上で、なのですが、この制度で実現できることなどは、正確に理解する必要があると思います。
冒頭の要点に書きましたとおり「短時間勤務制度は、本調査で把握した範囲や現時点の理解では、会計年度任用職員制度に代わる制度とは言えず、常勤職員の多様な働き方を実現する制度として始まった側面が強いと思われる[5]。会計年度任用職員制度は、鳥取県でも継続される(そもそも、採用の人数規模は、両者の間で大きく異なる)。よって、会計年度任用職員制度をめぐる問題は引き続き注視していく必要があることを強調したい。」
関連して、総務省がこの間、「会計年度任用職員の経験を活かす採用試験等の取組事例集」や「会計年度任用職員の職務経験を有する者が受験可能な中途採用試験の取組事例」を紹介しています。
○会計年度任用職員の経験を活かす採用試験等の取組事例集(令和7年度)
○会計年度任用職員の職務経験を有する者が受験可能な中途採用試験の取組事例(令和6年度)
学べる制度・取り組みには学べばよいと思いますが、一方で、会計年度任用職員制度という差別的な雇用制度は相変わらず残ります。
ですから、当然のことながら、この問題には引き続き取り組んでいく必要があります。
関連して、改訂総務省マニュアルも紹介しておきます。
○会計年度任用職員制度に係る事務処理マニュアルの改訂について(通知)(令和7年8月28日総行公第98号・総行給第46号・総行女第33号・総行福第221号・総行安第48号)
○別紙1(会計年度任用職員制度の運用に係る事務処理マニュアル)
総務省による事例紹介に対して、労働組合のすぐれた実践例を取り上げて配信していくことも、私たちの課題ではないでしょうか。
■川村雅則「広島市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(2)労働組合からの聞き取り調査に基づき」『北海学園大学経済論』第73巻第1号(2025年7月号)pp.47-88
(川村雅則「非正規公務員(会計年度任用職員)に関する調査・研究(高松市、広島市)」より)
労働組合といえば、連合総研の『月刊DIO』最新号の特集は「労働組合はソーシャル・キャピタル!」でした。
(9)公務非正規問題自治体議員ネットへのお誘い
非正規公務員問題という手強い問題にはみんなで取り組みましょう。
公務非正規問題自治体議員ネットへのご参加をご検討ください。
■公務非正規問題自治体議員ネット「公務非正規問題自治体議員ネット活動の記録」
【2】「知っていますか? 日本語教育・教師のこと」/反貧困ネット北海道主催
反貧困ネット北海道主催の 2025ジェンダー連続学習会の第3回学習会が確定しましたので、ご案内します。
■10月16日(木)「知っていますか? 日本語教育・教師のこと」
・講 師:藤原安佐さん(札幌の地域日本語教育を考える会代表、北大・学園大・北星大・札大 非常勤講師)
・日 時:2025年10月16日(木)18時30分~
・場 所:札幌市男女共同参画センター4階 大研修室A・B(北8条西3丁目 札幌エルプラザ内)
・資料代:一般1000円、会員500円、学生無料
・主 催:反貧困ネット北海道
・共 催:札幌の地域日本語教育を考える会
なお、第4回学習会は、11月18日(火)で、テーマは、「ひとり親家庭の実態と支援政策(仮)」で、講師は平井照枝さんです。こちらもぜひ手帳にメモを。
【3】全国地方議員交流研修会in札幌
全国地方議員交流研修会in札幌(10/27~10/29)の2日目に開催される分科会の一つに助言者として参加する機会をいただきました。
当日の資料として下記の雑文を書きました。ご笑覧ください。
■川村雅則「自治体が生み出す貧困問題と自治体議員の役割」『日本の進路』第397号(2025年10月号)pp.20-21
上記の短文でふれた公契約条例に関連して、二つの記事を紹介します。
一つは、越谷市の公契約条例についてコンパクトにまとめたものです。
■川村雅則(2025)「越谷市公契約条例に関する調査・研究~条例の特徴と労働組合の取り組みを中心に~」『建設政策』第222号(2025年7月号)pp.38-42
もう一つは、前札幌市長である上田文雄氏の、公契約条例に関する講演録です。
■「なくそう!官製ワーキングプア 公契約条例 学習集会 講演録(2012年1月26日)」
公契約条例案が札幌市で議会にかけられることがなければ、私自身、公共民間の問題や公契約条例をここまで調査・研究することも運動に取り組むこともなかったでしょうし(札幌市公契約条例の制定を求める会)、一介の労働問題研究者ですから、「地方自治」についてここまで考えることもなかっただろうと思います。
公共工事・サービスに従事する事業者・労働者を守る公契約条例という条例があること、その条例制定を目指した市長が私たちの住む札幌市におられたこと、加えて、この条例制定運動はまだ終わっていないことを、学生たちに伝えていきたいと思います。
ご冥福をお祈り申し上げます。
労働組合による下記のコンテンツもご紹介します。
【4】過労死等防止対策推進シンポジウム
厚生労働省の主催する過労死等防止対策推進シンポジウム【北海道会場/11月10日】の受付が開始されています。
今年(2025年)の過労死防止学会大会での特別企画テーマと同様に、「過労死はなぜなくならないのか─ 過労死等防止対策推進法の意義と限界、そして課題」をパネルディスカッションでは考えたいと思います。
基調講演では、清山玲・茨城大学教授(過労死等防止対策推進協議会委員)に「過労死等防止対策と働き方改革のいまを問う──大綱改訂の意義と課題」をお話いただきます。ご参加ください。
https://www.mhlw.go.jp/karoshi-symposium/page_hokkaidou.html
おなじく過労死等防止対策推進シンポジウムの【福岡会場/10月31日】に講師に呼んでいただきました。
福岡・九州方面の皆さま、もしご都合があえばご参加ください。
https://www.mhlw.go.jp/karoshi-symposium/page_fukuoka.html
今年も残り3か月。
健康、ワークライフバランスに留意して頑張りましょう。
2025年6月13日:書籍(雇用・労働、非正規公務員)、調査報告・集会報告・論文等(非正規公務員、無期転換、公契約条例)、反貧困連続学習会(ジェンダー)などなど
【1】本を書きました
2024年度の研究専念期間を使って本を書きました。
(1)川村雅則(2025)『雇用・労働はいまどうなっているか──ディーセント・ワークを実現するために』日本経済評論社
「非正規」「過労死」「男女格差」など、多くの問題が労働現場では起きている。広い視野で「日本はなぜこうなったのか」を読みとき、「ディーセント」な仕事について考えてみよう。
(2)川村雅則編著(2025)『お隣の非正規公務員──地域を変える、北海道から変える』北海道新聞社
全国で約100万人、道内では4万人に上る非正規公務員(会計年度任用職員)。民間の非正規労働者よりさらに低劣な労働条件の改善を目指し、労働組合、弁護士、自治体議員、研究者ら14人の筆者が現状と問題解決への道筋を解き明かす。
とりわけ年明け(2025年)は、息絶え絶えの2024年度でした。
どちらも編集担当者に、そして(2)はともに執筆をしてくださった方々に、心から感謝を申し上げます。
それぞれの本に込めた思いや関連教材、今後の実践などをNAVIで随時配信していきます。
(1)は、学生時代の学びなど自分の来し方、そして、指導教員の存在や仕事を思いながらまとめました。
■川村雅則「(書籍)『雇用・労働はいまどうなっているか』関連教材」
■川村雅則「福地保馬先生(北海道大学名誉教授)に学んだこと」
■労働者の健康守る活動に尽力 福地・北海道大名誉教授が死去 関係者「戦う学者だった」/北海道新聞デジタル
竹中達哉 有料記事/2025年3月6日 11:30(3月6日 13:09更新)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1131484/
(2)は、出版後の取り組みが問われます。執筆した「仲間」「同志」とともに「地域を変える、北海道から変える」研究・実践に注力します。
■川村雅則「『(書籍)お隣の非正規公務員』プラットフォーム(2025年6月3日)」
【2】調査報告、集会報告、論文等をまとめました
■川村雅則「【未定稿】江別市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告」『北海学園大学経済論集』第73巻第2号(2025年11月号)掲載予定
■川村雅則「安心して働き続けることが相変わらずできない社会で、当事者の訴えに私たちはどう応えるのか」『NAVI』2025年6月4日配信(札幌地域労組主催 パタゴニア無期転換逃れ裁判和解報告集会にて)
■川村雅則「公契約条例の制定、公契約適正化の取り組みを広げるために――北海道での実践、調査・研究に基づく試論」『大原社会問題研究所雑誌』第800号(2025年6月号)pp.3-21
大原社会問題研究所雑誌 800号 2025年6月号
【特集】公契約をめぐる理念と実践―日本と英国の事例から
https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/oz/contents/
■川村雅則「[資料紹介]札幌市総合評価落札方式に係る入札参加者アンケート(工事)」『建設政策』第221号(2025年5月号)pp.38-41
【3】反貧困ネット北海道主催で連続学習会(ジェンダー)を開催します
今年度はジェンダーを軸にした連続学習会を開催します。
初回は7月10日(木)。講演テーマは、「ジェンダー課題の現在地」。
6月26日(木)のミニ学習会もあわせてご参加を。
いずれも、申込は以下より。
■6月26日(木)「(ミニ学習会)生活保護基準引き下げ訴訟の現在地 等」、7月10日(木)「ジェンダー課題の現在地」/反貧困ネット北海道
6月26日(木)「(ミニ学習会)生活保護基準引き下げ訴訟の現在地 等」、7月10日(木)「ジェンダー課題の現在地」/反貧困ネット北海道
【4】関連情報あれこれ
(1)ご恵投いただきました(深謝)
■雇用と働き方から見た現代貧困論/学習の友社
伍賀一道著
https://roukyoukyou.wixsite.com/gakutomo/aitemu-1/k011
貧困研究に「労働」をとりもどす!
貧困を議論する際には、<所得―失業・半失業―労働時間・自由時間>の3次元で捉えるべきと考えています。所得は保障されているが、自由な時間がなく、過労死のリスクに直面している労働者は貧困ではないでしょうか。
■大学生が伝えたい 非正規公務員の真実──現場から見る課題と未来/明石書店
上林陽治・立教大学上林ゼミナール 編著
藤田 和恵 著
畑間 香織 著
竹次 稔 著
https://www.akashi.co.jp/book/b658633.html
教員・図書館職員・相談員など、日本の市区町村の非正規公務員割合が4割を超え、ワーキングプア化する中、この問題の第一人者である著者が、所属大学のゼミ生とともに現場取材を重ね、問題の解決に向けて考える。第一線のジャーナリストによる寄稿も収載。
(2)竹信三恵子さん(ジャーナリスト、和光大学名誉教授)のお仕事
■保育士も妊産婦も 使い捨てられる女性非正規公務員~イカゲームに落とされる不条理【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250508
【『地平』最新号より】
「非正規公務員の世界に足を踏み入れると、そこには「無法労働」とも見える無保護と不安定が渦巻いているーー。 竹信三恵子さんの新連載「ルポ 無法労働」、第1回目の記事「妊産婦切り」を全文公開しました。
※名古屋市の問題は下記の拙稿も参照。
■川村雅則「名古屋市非正規保育士雇い止め事件からみえてきた国と自治体の共犯関係」『NAVI』2024年12月26日配信
(3)瀬山紀子さん(はむねっと共同代表、埼玉大学准教授)のお仕事
瀬山紀子「働き手の権利と雇う側の責任を考える」『まなぶ』2024年11月号(No.822)労働大学出版センター発行 16-18頁(特集 この国の人権は、いま)
(私の視点)声あげられぬ非正規公務員 現場支え、1年更新の悲痛 瀬山紀子/朝日新聞デジタル
有料記事2025年6月11日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S16232550.html
下記の番組にも出演されていました。
NHKスペシャル 未完のバトン 第3回「“均等法の母”に続く長い列」
【放送予定】5月30日(金) [総合] 午後10:30~11:29
(4)官製ワーキングプア研究会つながりの濱口正幸さん(専修大学大学院)のお仕事
濱口正幸(2025)「会計年度任用職員の組織化と主体形成──制度移行期における三好市職員労働組合連合会の取り組みを中心に」専修大学社会科学研究所『社会科学年報』第59号(2025年3月10日号)pp.215-245
https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/records/2001305
(5)戦後日本型雇用システムの諸問題に関する濱口桂一郎さんの講演動画
2025年06月03日 15:30 〜 17:00 9階会見場
「戦後80年を問う」(8) 戦後日本型雇用システムの諸問題 濱口桂一郎・労働政策研究・研修機構(JILPT)労働政策研究所長
(6)今年もワークルール教育実践をしていますが、東京でこんな力強い動きが
日本労働弁護団 今こそ! #ワークルール 教育推進法制定を求める院内集会 【2025年5月26日12時配信開始】
■川村雅則「2025年度 大学生のアルバイトとワークルールの認知に関する調査(暫定版)」『NAVI』2025年4月15日配信
(7)国内研修報告記
『北海学園大学学報』第142号(2025年6月1日号)より。
以下、2024年度(研究専念期間)に書いた/配信したもの
■書籍
• 川村雅則編著『「非正規4割」時代の不安定就業──格差・貧困問題の根底にあるもの』学習の友社、2024年8月発行
「失われた30年」は、まじめに働けばなんとなるという希望が日本社会から失われていった30年でもある。不安定な働き方が広がった日本の産業・職場の現状を見つめながら、解決方向をともに考える。
【本書の目的】
本書は、非正規雇用問題を解消し、国際労働機関であるILOが提唱する「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の実現に向けた取り組みに役立つことを目的に編まれました。非正規雇用問題の解決に日々取り組まれている労働組合や関係者の皆さんのほか、学生の皆さんにも読んでもらい、非正規雇用問題の実態や労働組合の取り組みがひろく知られることを願っています。
本書のメインは、非正規雇用者がじつに様ざまな産業、領域に存在することと、そこでどのような問題が生じているか、が取りまとめられた第Ⅱ部です。
それに先立つ第Ⅰ部では、(1)非正規雇用がどのような特徴・問題点をもつ雇用であるのかを確認した上で、(2)非正規雇用拡大の背景を整理します。(3)その上で、問題の克服の方向を考えていきます。もとより、限られたスペースですから、詳細は、適宜紹介する文献などを参考にしてください。第Ⅰ部を飛ばして第Ⅱ部の関心ある箇所から読んでいただいても構いません。
筒井晴彦「(書評) 川村雅則編著『「非正規4割」時代の不安定就業──格差・貧困問題の根底にあるもの』」『経済』第352号(2025年1月号)pp.106-107
■学部紀要、開発論集掲載論文
• 川村雅則「高松市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)高松市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.83-106
https://roudou-navi.org/2025/03/09/20250305_kawamuramasanori/
• 川村雅則「広島市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)広島市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.107-132
https://roudou-navi.org/2025/03/09/20250305_kawamuramasanori/
• 川村雅則「越谷市公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.67-113
https://roudou-navi.org/2025/03/03/20250331_kawamuramasanori/
• 川村雅則「世田谷区公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.115-159
https://roudou-navi.org/2025/03/03/20250331_kawamuramasanori/
■『建設政策』に掲載された論文・小文
• 川村雅則「公契約賃金(労働報酬下限額)の決定基準 ~2024年世田谷区調査などに基づき」『建設政策』第220号(2025年3月号)pp.42-43
https://roudou-navi.org/2025/02/28/20250315_kawamuramasanori/
• 川村雅則「2025年の公契約運動を進めるにあたり」『建設政策』第219号(2025年1月号)pp.38-39
https://roudou-navi.org/2024/11/01/20241115_kawamuramasanori/
• 川村雅則「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(4)──2024年調査に基づき」『建設政策』第218号(2024年11月号)pp.40-45
https://roudou-navi.org/2024/11/01/20241115_kawamuramasanori/
• 川村雅則「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(3)──2024年調査に基づき【完全版】」『建設政策』第217号(2024年9月号)pp.38-49
https://roudou-navi.org/2024/08/30/20240915_kawamuramasanori/
• 川村雅則「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(2)──2024年調査に基づき」『建設政策』第216号(2024年7月号)pp.36-43
https://roudou-navi.org/2024/06/30/20240715_kawamuramasanori/
• 川村雅則「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(1)──2024年調査に基づき」『建設政策』第215号(2024年5月号)pp.8-12
https://roudou-navi.org/2024/04/30/20240515_kawamuramasanori/
■その他
• 川村雅則「共通論題「物流の「2024問題」と働き方改革の課題〜過労死等防止の視点から」に参加して」『過労死防止学会』第5号(2025年3月号)7ページ(ページ番号は未確認)
• 川村雅則「労働力の流動化ではなく労働市場の健全化を──非正規4割時代に労働組合に求められるもの」『学習の友 別冊(2025年春闘)』(2025年1月号)pp.44-47
https://roudou-navi.org/2025/01/15/20241215_kawamuramasanori/
• 川村雅則「⾮正規公務員が安⼼して働き続けられる職場・仕事の実現に向けて」『KOKKO』第55号(2024年5月号)pp.27-43
https://roudou-navi.org/2024/05/31/20240531_kawamuramasanori/
■ウェブ配信記事など
• 川村雅則「富山県及び県下の自治体等の臨時・非常勤職員(会計年度任用職員)に関するデータ──2024総務省調査より」『NAVI』2025年2月28日配信
https://roudou-navi.org/2025/02/28/2025025_kawamuramasanori/
• 川村雅則「第4回なくそう!官製ワーキングプア北海道集会が開催される」『NAVI』2025年1月26日配信 → 『NPO官製ワーキングプア研究会レポート』第49号(2025年4月発行)pp.2-3
https://roudou-navi.org/2025/03/26/20250125_kawamuramasanori/
• 川村雅則「(暫定版)総務省・会計年度任用職員制度等の2024調査データの集計」『NAVI』2024年12月30日配信(最終更新2025年1月30日)
https://roudou-navi.org/2025/01/24/20241230_kawamuramasanori/
• 川村雅則「名古屋市非正規保育士雇い止め事件からみえてきた国と自治体の共犯関係」『NAVI』2024年12月26日配信
https://roudou-navi.org/2024/12/26/20241226_kawamuramasanori/
• 川村雅則「北海道の公立学校を支える非正規教職員(非正規公務員の教員と職員)の人数、職種など」『NAVI』2024年12月9日配信
https://roudou-navi.org/2024/12/09/20241209_kawamuramasanori/
• 川村雅則「会計年度任用職員の雇用安定を目指して──東京集会実行委員会・北海道の取り組みから」→『NPO官製ワーキングプア研究会レポート』第48号(2024年12月号)pp.5-7
https://roudou-navi.org/2025/01/06/202401_kawamuramasanori/
• 川村雅則「会計年度任用職員にも民間並みの雇い止め規制を」『NAVI』2024年10月11日配信
https://roudou-navi.org/2024/10/11/20241011_kawamuramasanori/
• 川村雅則「総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など」『NAVI』2024年8月13日配信
https://roudou-navi.org/2024/08/13/20240809_kawamuramasanori/
• 川村雅則「自治体議員との学習会、総務省調査データの取りまとめ──2024年上半期・北海道の取り組み」『NPO官製ワーキングプア研究会レポート』第46号(2024年7月号)pp.2-4
https://roudou-navi.org/2024/06/19/20240701_kawamuramasanori/
• 川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(番外編)」『NAVI』2024年7月1日配信
https://roudou-navi.org/2024/07/01/20240701_kawamuramasanori-2/
• 川村雅則「大量離職通知制度に関する北海道労働局への質問とご回答」『NAVI』2024年6月15日配信
https://roudou-navi.org/2024/06/15/20240615_kawamuramasanori/
• 川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信
https://roudou-navi.org/2024/05/31/20240516_kawamuramasanori/
• 川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(3)」『NAVI』2024年5月27日配信
https://roudou-navi.org/2024/05/27/20240524_kawamuramasanori-4/
• 川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(2)」『NAVI』2024年5月26日配信
https://roudou-navi.org/2024/05/26/20240524_kawamuramasanori-3/
• 川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」『NAVI』2024年5月25日配信
https://roudou-navi.org/2024/05/25/20240524_kawamuramasanori-2/
2025年3月11日:緊急アンケート、会計年度任用職員、公契約条例、なくそう官製ワーキングプア集会、編著「非正規4割時代」の紹介、その他の関連情報
【1】非正規公務員アンケート調査へのご協力(回答、拡散)を
非正規公務員当事者団体VOICESがアンケート調査を実施しています。
3年公募廃止は解決なのか?雇い止めは起きたのか?令和6年度末国の期間業務職員向けアンケート
3月20日が締め切りです。
可能な範囲でぜひご協力を。
【2】非正規公務員(会計年度任用職員)、公契約条例に関する調査・研究レポート
以下の4本の調査・研究レポートをまとめました。
■川村雅則「高松市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)高松市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.83-106
■川村雅則「広島市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)広島市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.107-132
■川村雅則「越谷市公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.67-113
■川村雅則「世田谷区公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.115-159
端的に言えば、すぐれた(進んだ)取り組み・制度に学ぼうと思いまして、それぞれの自治体で労使双方にご協力を賜り、まとめたものです(実際、とても勉強になりました)。
うまくまとめきれているか自信はありませんが、会計年度任用職員制度の改善、公契約条例の制定を目指す方々(労働組合や議員の皆さん)にご活用いただければ幸いです。
関連して、以下は、公契約条例・運動に関する短文です。
■川村雅則(2025)「2025年の公契約運動を進めるにあたり」『建設政策』第219号(2025年1月号)pp.38-39
■川村雅則(2025)「公契約賃金(労働報酬下限額)の決定基準 ~2024年世田谷区調査などに基づき」『建設政策』第220号(2025年3月号)pp.42-43
公契約賃金は、最賃の話とも関わってきます。
最賃は、中澤秀一さん(静岡県立大学短期大学部)のお仕事をご参照ください。
■中澤秀一「少子化対策としての最低賃金引き上げの必要性」『労働総研クォータリー』第132号(2024年秋号)pp.46-54
【3】なくそう!官製ワーキングプア北海道集会を1月25日に開催しました
当日のようすを以下にまとめました。
■川村雅則「第4回なくそう!官製ワーキングプア北海道集会が開催される(2025年1月25日)」
なくそう!官製ワーキングプア○○集会が各地で開催されることを願います。
関連して、北海道新聞の以下の記事をご紹介。
■「<社説>非正規公務員 安定雇用と処遇改善を」『北海道新聞』2025年1月30日 4:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1117115/■「夫いるから低賃金で大丈夫?」 非正規女性、進まぬ待遇改善 和光大名誉教授・竹信三恵子さんに聞く
市村信子 会員限定記事『北海道新聞』2025年2月11日 4:00(2月14日 19:15更新)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1121759■増える非正規公務員 処遇改善進めるには 立教大特任教授 上林陽治さん × 「公務非正規問題自治体議員ネット」代表世話人 神代知花子さん
市村信子 会員限定記事『北海道新聞』2025年1月15日 9:59(1月16日 9:06更新)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1111013
北海道新聞のオンライン配信の記事。
どこまでの範囲が読めるか分かりませんが、下記をご利用ください。
北海道新聞「無料について知りたい」→「無料会員登録」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1030362/
https://www.hokkaido-np.co.jp/guide/#doshinID
【4】編著『「非正規4割」時代の不安定就業』を紹介していただきました
■筒井晴彦「(書評) 川村雅則編著『「非正規4割」時代の不安定就業──格差・貧困問題の根底にあるもの』」『経済』第352号(2025年1月号)pp.106-107
■『建設政策』編集部「(本の紹介)『「非正規4割」時代の不安定就業──格差・貧困問題の根底にあるもの』」『建設政策』第220号(2025年3月号)p.18
編著をぜひ春闘にお役立てください。
関連して、下記の短文を書きました。
■川村雅則「労働力の流動化ではなく労働市場の健全化を──非正規4割時代に労働組合に求められるもの」『学習の友 別冊(2025年春闘)』(2025年1月号)pp.44-47
あわせて、下記は分担執筆で参加した本の書評です。
[新刊書評]駒川智子・金井郁編『キャリアに活かす雇用関係論』小河, 映育花
生活社会科学研究
巻 31, p. 61-63, 発行日 2024-11-20
https://teapot.lib.ocha.ac.jp/records/2004689
https://teapot.lib.ocha.ac.jp/record/2004689/files/06_p61-63.pdf
【5】関連情報あれこれ
■はむねっと発足4周年ハイブリッド集会
2025年3月23日 はむねっと発足4周年ハイブリッド集会 さらなる一歩!あきらめずに声を上げよう!
開催日:2025年3月23日(日)13:30~16:45
会 場:公益社団法人 日本図書館協会 研修室
開催方法:ハイブリッド(会場&オンライン)※アーカイブ配信あり
ご恵投いただきました😌
増補版 賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国
竹信 三恵子 著
■連合総研 月刊DIO
年明けのDIOが興味深かったのでご紹介。
No.405 2025年2月01日 若手の活躍に向けて
No.404 2025年1月01日 非正規雇用労働を再考する―雇用社会の再構築と未来―
■これでいいのか 図書館~会計年度任用職員の継続雇用を求める院内集会~
日時:2025年2月19日(水)14時~17時
主催:「これでいいのか図書館 会計年度任用職員の継続雇用を求める院内集会」実行委員会
■岸本聡子 杉並は止まらない【著者に訊く!】
2025年1月28日収録
デモクラシータイムス
■日本労働弁護団 3月5日18時30分 集会「STOP!非正規公務員雇止め」
【日時】 2025年3月5日(水)18時30分~
■日本記者クラブ 日本学術会議 歴代会長 会見 2025.2.18
関連して
日本学術会議の「特殊法人」化に反対する署名にご協力を!(日本学術会議「法人化」反対署名 事務局)
あと3週間で新年度、、、