川村雅則「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(1)」

川村雅則(2024)「札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(1)──2024年調査に基づき」『建設政策』第215号(2024年5月号)pp.8-12

 

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札幌市の公共調達及び総合評価落札方式に関する中間報告(1)──2024年調査に基づき

川村雅則(北海学園大学)

 

1.はじめに──調査の概要

札幌市公契約条例の制定を求める会(以下、求める会。代表、弁護士・伊藤誠一)では、公契約条例[1]を札幌市に制定することを目指して2012年から取り組みを続けています。

現時点で札幌市においては、公契約条例の制定は明確な課題としては認識されていません。2023年の統一地方選挙で「求める会」が行った公開質問への回答によれば、「まずは、経済界や労働界などの関係団体と協議会を設置し、人手不足の解消による地元企業の経営の安定化と労働者の雇用環境の向上を両立させるため、条例の検討を含め、新たな仕組みの創設により取り組」むとのことです[2]

そのような中で「求める会」では、札幌市の公共調達に関する資料の整理や実態の把握、入札・契約制度を中心とする札幌市からの聞き取り調査などに取り組んできました。

本連載では、その一環として、「求める会」が2024年3月28日に札幌市財政局管財部契約管理課から行った聞き取り調査の結果と資料をまとめていきます。

なお、2022年にも、本誌第202号から第206号にかけて「札幌市の公共調達等に関するデータ」というタイトルで文章をまとめていますので、そちらも参考にしてください。

 

○調査の目的と調査の内容(概略)

まず、今回の調査の具体的な目的は、大きく二つに分けられます。

一つは、札幌市発注の仕事の全体像や市の仕事で働く労働者の現状を札幌市の資料や市の調査結果に基づき整理することです。問題を提起する上でも、関係資料の整理は基礎的な作業として必要なことです。

もう一つは、札幌市の公共調達における入札・契約に関する取り組みを知ることです。総合評価落札方式や労働条件確保に関する取り組みに焦点をあてました。幸い、札幌市の総合評価落札方式については、「求める会」で2021年度(2022年1月)に行った調査結果に基づき、その沿革や運用などの詳細が正木(2022)にまとめられています。今回の調査では、その後の状況などを尋ねました。

次に調査の内容は、資料提供の要請とあわせて、札幌市には事前に次のような質問内容を送付していました。すなわち、(1)情勢を踏まえた契約課の業務における方針や施策・取り組み、入札契約制度における特徴や改善点など、(2)総合評価落札方式における近年の取り組み、特徴、(3)労働条件確保の取り組み、(4)その他。

当日は、工事・工事関連業務と役務委託に分けて、以上の項目の説明をしていただきました。

 

○本稿の注意事項

本稿を執筆時点(4月中旬)で、調査はまだ継続中です。3月の聞き取りで伺った話を整理した上で、なお分からなかった点や教えていただきたいこと、資料やデータの有無などを追加で照会し、その回答待ちの状況です。そのような状況ですから、第一報にあたる本稿では、調査にのぞむにあたっての我々の問題意識をまとめるにとどめることを、はじめにお断りしておきます。

補足すると、(1)本調査では、入札・契約に特化して話を聞いています。建設業全体に関する札幌市の取り組みについては、札幌市建設局によってまとめられた「さっぽろ建設産業活性化プラン(2020年度~2024年度)」[3]などをご参照ください。(2)同じく、指定管理者制度は主管が異なるので(札幌市総務局行政部改革推進室推進課)、原則として、調査対象からは外しました(但し、資料収集は行っており、別途ご紹介します)。(3)最後に、本稿で示す見解などは、「求める会」によるものではなく、筆者個人のものであることをお断りしておきます。

 

 

2.自治体発注の仕事をめぐる問題──調査にあたっての問題意識

調査にのぞむにあたっての我々の問題意識をまとめました。事前に札幌市に送付していた調査票の前文に加筆し、再構成しました。

第一に、国からの地方行政改革、地方への所得再分配の縮減、公共投資の削減などを背景に、自治体では、財政のひっ迫や職員の削減・非正規化が進むほか、過度な一般競争入札制度が採用されるに至りました。結果、入札現場においては、激しい価格競争・ダンピング競争が起こり、公共工事やサービスにおける品質の低下や事故の発生のほか、(本稿の関心事である)そこで働く労働者の労働条件の悪化、担い手確保の困難が全国的な問題になってきました。

第二に、こうした事態に対して、品確法が2005年に制定され、そして、同法を含むいわゆる担い手三法(建設業法・品確法・入契法)が2014年に改正、2019年には第二次改正が行われるなど、建設産業においては、品質の確保とあわせて担い手の確保を目指す動きが進められてきました。公共工事設計労務単価(以下、設計労務単価)も、単価の算出手法の大幅な変更が行われた2013年度分から連続で大幅に引き上げられています[4]

さらには、(拙速な制度設計との評価もありますが)賃上げを実施した企業を優遇する(総合評価落札方式で加点する)措置が国の公共工事で2022年度から採用されています。今日では、建設業に限ったことではなく、日本経済の再生のためにも労働者の賃上げが国家的な課題になっていると言えるでしょう。

そして第三に、状況の改善のために、国はもちろんのこと、自治体の果たす役割に注目が集まっています。本稿のテーマで言えば、総合評価落札方式や公契約条例の導入などを含む、政策目的型入札(改革)がそれに該当します[5]

補足すると、一つには、政策入札とは、武藤(2003)により提唱されたもので、環境、福祉、男女共同参画、公正労働条件など社会的価値を総合評価落札方式の枠組みの中に組み込むことで、入札制度を、社会的価値を追求する政策手段として機能させるという考え方です。

いま一つには、野口(2018)では、各自治体のウェブサイトの掲載情報に基づき、総合評価落札方式で設定されている評価基準が紹介されています。そのうち「労働福祉に関する評価基準例」として、①賃金の支払い、②社会保険等の加入、③障がい者雇用、④女性雇用、⑤若年者雇用、⑥高齢者雇用、⑦就職困難者の雇用があげられており、同じく、子育て支援・男女共同参画に関する評価基準例として、①子育て支援に関する制度等、②育児・介護休業制度、③短時間勤務制度等、④男女平等参画に関する制度等があげられており、参考になります。

札幌市においても、次のような取り組みが報道されていました[6]。(1)2024年度の早期発注工事等から総合評価落札方式が本格実施されること。(2)「札幌市働きやすいまち推進協議会」が設置され、働きやすいまちづくりを目指す取り組みが強化されること。(3)総合評価落札方式において、従業員の奨学金の返還支援を行う事業者を評価する仕組みが導入されること──これらの取り組みの詳細を伺うことが本調査の主たる目的の一つでした。

もっとも、第四に、国や自治体でこうした取り組みが進む一方で、問題の解決が容易ではないことは我々も承知しています。

例えば建設現場では、全般的な人手不足に加え3K職場に対する忌避から、担い手確保の困難には歯止めがかかっていません。大きく引き上げられた設計労務単価と実際の支払賃金との間に乖離がなおみられます[7]。時間外労働の罰則付上限規制の導入(適用除外の撤廃)が2024年度から始まることを踏まえても、週休二日制の導入や時間外労働の削減など、より一層の働き方改革が求められています。

ここで、担い手問題に関わって、総務省「国勢調査」に基づく、年齢別にまとめた札幌市の建設労働者の人数をみておきましょう(表2-1)。

 

表2-1 「国勢調査」にみる札幌市の建設労働者の推移

建設業 (参考)全産業
2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2000→2020年 2000年 2020年 2000→2020年
総数 99,339 84,503 71,759 65,418 67,287 67.7 851,060 845,953 99.4
15~19歳 1,485 763 392 402 424 28.6 17,736 12,507 70.5
20~24歳 6,791 3,718 2,019 1,952 2,387 35.1 84,593 51,554 60.9
25~29歳 11,168 6,653 4,204 3,122 3,531 31.6 109,294 63,703 58.3
30~59歳 67,939 60,919 50,125 42,161 41,235 60.7 556,659 534,044 95.9
60~64歳 6,556 7,056 9,437 9,026 7,308 111.5 43,009 73,926 171.9
65歳以上 5,400 5,394 5,582 8,755 12,402 229.7 39,769 110,219 277.1
29歳以下の割合 19.6 13.2 9.2 8.4 9.4 24.9 15.1
65歳以上の割合 5.4 6.4 7.8 13.4 18.4 4.7 13.0

注:対象は就業者。30歳から59歳までは合算した。
出所:総務省「国勢調査」より筆者作成。

 

建設労働者数の全体が2000年の値の7割弱にまで減少しています。「29歳以下」に限定すると、2000年値の約3割にまで減っています。代わりに増えているのが高齢の労働者です。「65歳以上」は2000年値の2倍以上に増えました。

なお、2015年から2020年にかけては若年層も含めて建設労働者数が増加していますが、「国勢調査」データと将来推計人口データを用いた札幌市の試算によれば、2030年には45,664人、2040年には34,767人(29歳以下はそれぞれ11.8%、15.4%)にまで減少するとの結果が示されています[8]

こうした担い手不足のほか、建設資材の高騰で予定価格の設定が困難になるなど、自治体の入札行政においても苦労が続いています。

 

表2-2 札幌市発注工事におけるくじ引き入札の発生割合/単位:%、件

土木 下水道 舗装 造園 建築 電気 その他 全工種
割合 72.8 54.5 66.3 46.8 0 12.7 37.5 20.7 46.8
くじ/入札件数 276/379 48/88 59/89 29/62 0/88 16/126 39/104 23/111 490/1047
最低制限価格等でのくじ件数 266 47 54 28 0 16 37 21 469

注1:割合は、2023年10月末の値。
注2:最低制限価格等でのくじ件数は、くじ引き件数のうち最低制限価格(調査基準価格)と同額でくじ引きとなった件数を示したもの。
出所:札幌市入札・契約等審議委員会第2回委員会(令和6年1月11日開催)配付資料より。

 

札幌市においても例えば、同額入札による「くじ引き」が多発しているほか(表2-2)[9]、入札不調・不落が増え、市民生活にも影響が出ていることが報じられていました[10]。こうした状況にはどのような対応が検討されているかも本調査で明らかにしたいと考えました。

 

 

3.総合評価落札方式の概略

本稿の最後に、総合評価落札方式について、我々の問題意識の範囲内で簡単に説明をしておきます[11]

同方式は、入札制度において、価格と、品質など価格以外の要素を総合的に評価して落札者を決定する方式です。ここでの品質とは、建設で言えば、建設構造物の品質はもちろんのこと、工事の効率性、安全性、環境への配慮など、工事の実施段階における様々な特性、つまり、工事そのものの質も含みます(注釈11の「実施マニュアル」を参照)。品質確保のために適正価格で発注されるようになれば、受託者の事業経営はもちろんのこと、働く人たちの労働条件の改善にもつながることが期待されます。

どのような考え方に基づき、どのような評価項目・評価区分を設定し、どの位の重みづけをするのかが、総合評価落札方式を自治体が導入する際のポイントとなります。

総合評価落札方式が注目されるに至ったのは、激しい価格競争等による品質の維持が困難になっていたことを背景とする2005年の品確法の制定によります。横関(2009)によれば、総合評価落札方式は、「「価格」だけで契約の相手方を決定することを求める公共調達の特則をなすものであ」り、「この特則を公共工事の入札契約の原則にし、公共工事の入札契約においては、「価格」と「品質」とを総合的に評価して契約の相手方を決定しようとするのが品確法」であったとされています。

ただ一方で、同方式では、入札参加者や行政側の負担が増すことが指摘されていました。そこで、負担の回避や懸念の払拭のために、導入や運用に役立つとされる様々な情報が国から自治体に提供されてきました。

 

表3-1 地方公共団体における総合評価落札方式の導入状況/単位:件、%

団体数 本格導入 試行導入 未導入
都道府県 47 36 76.6 11 23.4 0 0.0
指定都市 20 17 85.0 3 15.0 0 0.0
市区町村 1721 405 23.5 664 38.6 652 37.9

出所:国土交通省・総務省・財務省「令和5年度公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律等に基づく入札・契約手続に関する実態調査の結果」より作成。

 

表3-1に全国の自治体における総合評価落札方式の導入状況をまとめました。「本格導入」は、都道府県では47件中36件(76.6%)、指定都市では20件中17件(85.0%)に対して、市区町村では、1721件中405件(23.5%)と低く、「未導入」も37.9%に及びます。

なお、第一に、「本格導入」と「試行導入」の意味するところが分からなかったので、国土交通省に照会したところ、前者は、実施期間の制限を設けていない場合や一定の条件のもとにすべての工事について実施している場合を指し、後者は、実施期間に期限(例えば、「○○年度限り」や「向こう一年間」等)を設けている場合や対象となる工事を選択して実施している場合を指す、とのことでした。発注工事全体に占める適用割合(件数・金額ベース)などは関係がありませんでした。

第二に、先ほど述べたとおり、札幌市では、2024年度の早期発注工事等から総合評価落札方式が本格導入されています。今回の調査でも、その意味するところや背景などを尋ねています。

第三に、国土交通省のサイトで紹介されている同調査の「別紙2」には、総合評価落札方式の導入状況やダンピング対策などの情報が自治体ごとに整理されています。

 

入札制度の理解は簡単ではありませんが、地域の事業者の経営や労働者の雇用を守るためにも学ぶ必要があります。まずは、自分のマチの情報を集めてみましょう。

 

 

 

[1] 一般社団法人地方自治研究機構によれば、全国の条例の制定数(2024年1月1日時点)は、賃金保障型が30件、理念型が56件とのことである。公契約条例の考え方や実践については、永山・中村(2019)を参照。

http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/099_public_contract.htm

[2]川村(2023)を参照。

[3]札幌市「さっぽろ建設産業活性化プラン(2020年度~2024年度)」。

https://www.city.sapporo.jp/kensetsu/stn/kensetsusangyou/kasseikaplan.html

[4]最新は、国土交通省「令和6年3月から適用する公共工事設計労務単価について」2024年2月16日。

https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00204.html

[5]上林(2011)、野口(2018)のほか、篠田・上林(2022)に所収の野口鉄平「入札を活用した政策実現──公契約の適正化と政策目的型入札改革」などを参照。なお、コロナ禍を経て、自治体から政治を変える/自治体の政治を変える取り組み、あるいは、公共の再生を自治体から目指す取り組みが広がっています。本稿テーマである公共調達や入札・契約制度のあり方を変える取り組みとも問題意識は重なります。

[6]順に、(1)「総合評価を本格実施/札幌市財政局13日公告分から」『北海道建設新聞』2023年12月6日付。(2)「人手不足対策を協議/働きやすいまち推進協初会合」『北海道建設新聞』2023年12月15日付。(3)「従業員の奨学金返還支援市と折半/登録企業4年で300社超」『北海道新聞』朝刊2024年1月23日付。「奨学金返還支援、入札で評価建設業界の人材確保狙う札幌市が4月から/北海道」『朝日新聞』朝刊2024年1月26日付。

[7]設計労務単価が遵守されていないことは建設労働組合から指摘されていましたが、国土交通省の2023年度下請取引等実態調査で、元請・下請業者の全体で44.0%が技能者の賃金水準の設定に「公共工事設計労務単価を参考にしていない」と回答していました(「労務単価、参考にせず4割」『北海道建設新聞』2024年2月6日付)。但し、「参考にしていない」という回答は、(参考にせずに)賃金をより高くに設定している可能性を排除するものではありません(同調査では、それ以上調べられていません)。

[8]「さっぽろ建設産業活性化プラン」第3章の2「建設業就業者数の将来推計(試算)」を参照。

[9]「札幌市4部局工事くじ引き率47.9%23年度7月末委託は55.9%」『北海道建設新聞』2023年11月17日付。「工事くじ引き率上昇23年度10月末委託は53.7%」『北海道建設新聞』2024年1月12日付

[10]「<アングル>人手不足相次ぐ入札不調*札幌市発注の建設工事*本州、高い建設需要*道内と待遇で差」『北海道新聞』朝刊2022年1月23日付。

[11] ウェブ上で閲覧できる資料のうち、国土交通省「地方公共団体無向け総合評価実施マニュアル(改訂版)」2008年3月が分かりやすくおすすめです。そのほかの資料として、国土交通省「公共建築工事総合評価落札方式適用マニュアル・事例集(第2版)」2020年7月、国土交通省等「国土交通省直轄工事における総合評価落札方式の運用ガイドライン」2023年3月をあげておきます。

 

 

(参考文献・資料)

  • 梅澤孝助(2021)「建設業の担い手確保に関する現状と課題」『調査と情報』第1130号(2021年1月26日号)1-11
  • 梅澤孝助(2022)「公共調達の現状と課題」『調査と情報』第1183号(2022年3月22日号)1-11
  • 川村雅則(2023a)「公契約条例に関する公開質問の取り組みと候補者からの回答(統一地方選挙2023)」『建設政策』第209号(2023年5月号)44-47
  • 上林陽治(2011)「政策目的型入札改革と公契約条例(上)」『自治総研』第394号(2011年8月号)63-98
  • 上林陽治(2011)「政策目的型入札改革と公契約条例(下)」『自治総研』第396号(2011年10月号)45-86
  • 楠茂樹(2017)「最低価格自動落札方式と総合評価落札方式」『公共調達と競争政策の法的構造第2版』上智大学出版88-94
  • 篠田徹、上林陽治編著(2022)『格差に挑む自治体労働政策──就労支援、地域雇用、公契約、公共調達』日本評論社
  • 永山利和、中村重美(2019)『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』自治体研究社
  • 野口鉄平(2018)「政策目的型入札改革と福祉的活用」『自治総研』第478号(2018年8月号)87-115
  • 正木浩司(2022)「札幌市の公共調達における総合評価落札方式の実践の現況──2021年度調査に基づき(非正規公務労働問題研究会レポート)」『北海道自治研究』第642号(2022年7月号)23-36
  • 武藤博己(2003)『入札改革──談合社会を変える』岩波書店
  • 横関洋一(2009)「公共工事における入札契約制度改革の進展と課題──総合評価方式の導入と展開を中心に」『立法と調査』第299号(2009年12月号)90-103

 

 

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