川村雅則(2025)「越谷市公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.67-113
川村雅則(2025)「世田谷区公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.115-159
公契約条例に関する調査・研究レポートをまとめました。
ご存じのように、札幌市では、2012年に、公契約条例案が市長提案で議会に上程され、継続審議扱いになった後、翌年(2013年)に否決をされています。
しかし、条例案は否決されましたが、公契約条例の必要性が否定されたとは思っていません。そもそも、このときの「継続審議」で審議が深まったともまったく思っていません。
あれから10余年。
自治体の仕事を請け負う事業者の経営状況やそこで働く人たちの状況、そして、提供される公共工事・サービスはどうなっているでしょうか。
公契約条例を説明するのによく用いられる図式にならって言えば、市場価格と乖離した予定価格の積算→過度な競争を背景とした安値での契約→受託者の経営の困難→賃金・労働条件の悪化、工事・サービスの品質低下→税収の低下、住民福祉の低下という「悪循環」は解消されるに至ったでしょうか。
コロナ禍を経て、全国各地で「公共の再生」が掲げられている背景には、問題がなお解決されておらず、(もう一つの公務非正規問題である非正規公務員問題とあわせて)むしろ悪化さえしている事実があるのではないでしょうか。
今あらためて、自治体の役割を問い直し、公契約条例の制定・公契約の適正化を進める必要があると考えます。
公契約条例が制定された自治体の取り組みや経験に大いに学んでいきましょう。
なお、論文に誤りが見つかった場合には、このページでお知らせをします。そのため、もしリンクを貼られる場合には、論文に直接ではなく、このページに貼ってくださいますようよろしくお願いします。
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Ⅰ.はじめに
Ⅱ.調査の概要 Ⅲ.越谷市契約課からの聞き取り調査の結果 1.越谷市公契約条例制定までの沿革 Ⅳ.労働組合からの聞き取り調査の結果 1.労働組合の組織概要と委託労働運動の概要 Ⅴ.まとめに代えて |
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Ⅰ.はじめに
Ⅱ.調査の概要 Ⅲ.調査の結果 1.世田谷区公契約条例制定までの道のり Ⅳ.まとめに代えて 資料 |

(参考文献)
川村雅則(2023)「公契約条例制定の全国的な推進に向けて」『社会主義』第736号(2023年10月号)pp.28-35
ふじわら広昭(2014)「札幌市公契約条例提案から否決までの経緯」『北海道自治研究』第541号(2014年2月号)
(公契約条例に関するコンテンツ)
NPO建設政策研究所北海道センターの仕事(『建設政策』に掲載された論文等)
川村雅則「【教材庫】公共民間、公契約条例・公契約運動(2025年3月3日)」