『雇用・労働はいまどうなっているか──ディーセント・ワークを実現するために』というタイトルの書籍を日本経済評論社から出版しました。書店に並ぶのは来週(2025年6月9日)以降だと思います。

 

本書は、勤務校で私が担当している授業(労働経済論)で使うことを想定した教科書ですが、せっかくなので、労働問題に関心ある方々にも読んでもらえるようにまとめてみよう、などと色気を出しているうちに、収拾が付かなくなり大変でした。そもそも、一人で教科書を書く、ということ自体が今の自分にとっては荷が重い仕事であり、しかも、あれや()これや()の仕事を他にも並行して進めていたものですから、あやうく燃え尽きるところでした。なんとか仕上げることができて、ほっとしています。

 

さて、このページは、本書に関連する下記のような情報を提供するものです。

  • 本書に掲載した/しきれなかった図表データ
  • 本書で紹介した参考文献・資料のうち、インターネット上で読めるもの
  • 各章のテーマに興味・関心がよりわく映画情報(本書未掲載)
  • (各章の課題)

本書で不足した部分を補ったり本書で扱ったテーマに一層の関心をもったりすることに役立てば幸いです。

随時更新をしていきますので、本書とあわせてご活用ください。

なお、スプレッドシート上での作図の手法をマスターしていません。しばらくのあいだは、表データでの提供になりますことをご了承ください。

(以上、2025年6月7日記)

 

 

序章 日本の「働くこと」を考える

1.働くことをめぐりどのような問題が起きているか
2.本書について
3.学習にあたって

 

参考文献・資料

野村正實(2017)「労働問題研究の再生」『社会政策』第8巻第3号(2017年3月10日号)pp.1-3

インタビュー「大学での学びってどういうものですか?(川村雅則先生に聞く)」『NAVI』2021年4月1日配信

 

 

第1章 雇用・失業問題

1.はじめに──労働市場はどうなっているか
2.「労調」にみる失業および失業の周辺問題
3.製造業・地域の空洞化
4.雇用・失業対策は十分か──労働市場政策

 

第1章の図表

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表 就業状態・従業上の地位・雇用形態別15歳以上人口
表 完全失業者数、完全失業率および有効求人倍率の推移
表 非労働力人口中の就業希望者等の規模の推移
表 非求職理由別にみた就業希望者(非求職者)数の推移
表 男女×年齢別にみた労働力率の推移
表 求職理由別にみた求職者数
表 男女×自発的/非自発的にみた求職者数等の推移
表 男女×年齢×求職理由別にみた求職者数
表 就業者総数および製造業における就業者数の推移
表 海外生産比率(製造業)および従業員数(全産業、製造業)の推移

 

第1章の参考文献・資料

川村雅則「≪調査レポート失業者はいま≫北海道 追いつめられ困窮する生活」『労働運動』第429号(2000年8月号)pp.40-47

厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計):集計結果(用語の解説)」

内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」2020年5月

厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」→「基本手当の所定給付日数」

酒井正「失業保険の受給者「わずか3割」の衝撃……「自助」をかかげる日本で非正規雇用者に厳しい雇用制度がまかり通る理由」『エコノミストOnLline』(2020年11月14日)

 

第1章のおすすめの映画等

『ザ・ビッグ・ワン』(マイケル・ムーア監督、1997年)

人件費の安い海外へ工場を移転する巨大企業の問題と地域の崩壊。グローバル経済と雇用・地域の空洞化を考えるのにおすすめ。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』 (ケン・ローチ監督、2016年) ※公式サイト

「イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。」(ウェブサイトより)

👉川村雅則「尊厳奪う政治の貧困告発/「わたしは、ダニエル・ブレイク」公開に寄せて」『北海道新聞』夕刊2017年3月16日付

上記・公式サイト先より

 

補論1 外国人労働者

補論1の図表

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表 在留資格別にみた外国人労働者数の推移
表 在留資格別にみた北海道、東京及び全国における外国人労働者数
表 技能実習生の実習実施者に対する指導監督、送検等の状況
表 労働者数が多い(上位3つ)産業別にみた、北海道及び全国における外国人雇用事業所数及び外国人労働者数

 

補論1の参考文献・資料

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」

国際移住機関(IOM)駐日事務所

厚生労働省「技能実習生制度」

国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会による訪日(2023年7,8月)報告書(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウのウェブサイト)

アメリカ国務省人身取引監視対策部による人身取引報告書(在日米国大使館・領事館のウェブサイト)

厚生労働省「技能実習生の実習実施者に対する指導監督、送検等の状況」

出入国在留管理庁「公表情報(監理団体一覧、行政処分等、失踪者数ほか)」

 

 

補論1のおすすめの映画等

 

 

第2章 非正規雇用(1)総論

1.はじめに──雇用・働き方の多様化か不安定化か
2.とりわけ女性で増大する非正規雇用
3.非正規雇用とはどんな雇用か
4.非正規雇用者とその選択
5.「日本は終身雇用」だったか

 

第2章の図表

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表 男女×年齢×雇用形態別にみた雇用者数
表 男女別にみた非正規雇用者数、正規雇用者数、非正規雇用者割合の推移
表 男女×雇用形態×雇用契約期間の有無別にみた雇用者数
表 男女×雇用形態×1週間の就業時間別にみた就業者数
表 男女×雇用形態×年齢別にみた年間収入300万円未満の人数および割合
表 現在の会社における各種制度等の適用状況別にみた労働者割合
表 正社員以外の労働者を活用する理由
表 現職の雇用形態に就いている理由別にみた非正規雇用者数の推移
表 男女×年齢別にみた、現職の雇用形態についている主な理由
表 配偶関係別にみた現職の雇用形態についている主な理由
表 男女×雇用形態別にみた主な収入源の割合

 

参考文献・資料

 

おすすめの映画等

『メトロレディブルース』(ビデオプレス社、2013年) ※同社サイト

「東京メトロの売店「メトロコマース」で働く非正規女性たちは、何年働いても時給は上がらない。同じ仕事をしている正社員との格差は広がるばかり。「もうがまんできない」「差別をなくしたい」の思いで、中高年の彼女たちは4年前、生まれて初めて組合を結成した。〔略〕」(DVDパッケージより)

『明日へ』(プ・ジヨン監督、2014年) ※配給会社サイト

「『お客様は神様! 会社の繁栄は、わたしたち従業員の繁栄! 』をスローガンに、業績を伸ばしてきた大手スーパーマーケット「ザ・マート」。入社5年でようやく正社員への昇格が決まったレジ係ソニ、シングルマザーのヘミ、ベテラン清掃係スルレらは、悪質なクレームや上司のイヤミにもひたすら我慢し、生活のために懸命に働いていた。そんなある日、現場業務をすべて外部に委託するという理由で、突如、会社から一方的な解雇通達が下される。準社員の立場から一転、ゴミのように捨てられる運命となった彼女たちは、強大な企業権力を相手に、自分たちの職場を取り戻そうとするが―。」(上記サイトより)

上記映画の元になったのは、『外泊』(キム・ミレ監督、2009年) ※公式サイト(?)

「『Weabak:外泊』(ウェバク)は、510日間続いた女性労働者たちの闘いを描く。女性たちはマーケットに毛布を敷きつめ、家を離れ、「外泊(泊まり込み)」を始めた。食料を持ち寄り調理し、互いの思いを語り合う。歌い、踊り、泣き、笑い、労働闘争はいつしか家族的役割からの解放の場を生み出す。」(上記サイトより)

上記・サイトより

 

第3章 非正規雇用(2)派遣雇用

1.はじめに──雇用の規制緩和は何をもたらしたか
2.派遣労働とは──直接雇用ではない雇われ方・働き方
3.労働者派遣法の制定と規制緩和政策の推進
4.リーマンショックと派遣切り
5.2015年と2018年の法改定
6.派遣雇用はどう改善されるべきか

 

第3章の図表

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表 派遣労働者の推移と、労働者派遣事業における年間売上高の推移
表 派遣労働者を就業させる理由
表 派遣契約期間、通算派遣期間、派遣元との労働契約期間
表 派遣労働者数階級、派遣労働者の待遇決定方式別事業所割合
表 派遣労働者数、うち協定対象派遣労働者数
表 派遣料金、賃金、派遣料金に占める賃金の割合の推移
表 男女×年間収入別にみた派遣労働者数
表 正社員と比較した職務タイプ
表 派遣労働者の今後の働き方の希望

 

参考文献・資料

 

おすすめの映画等

NHK『ガラパゴス』(織田裕二など出演、2023年。原作は、相場英雄(2018)『ガラパゴス』小学館

「団地の一室で発見された、青年の遺体。自殺とされたその死は、大きな悪の構図によって仕組まれた殺害だった。刑事は、ある派遣労働会社の謎へと鋭く迫る!」(番組紹介ページより)

『ハケンの品格』(日テレ、2007年)

・・・いまや日本では300万人に迫るといわれている「派遣」と呼ばれる人たち。労働者派遣法の施行から20年、平成11年の自由化、16年の規制緩和を受け、いまや彼女(彼?)達ナシでは企業は成り立っていきません。いま「正社員イズベスト」の時代は終わろうとしています。働く女性を応援する新しい<お仕事エンタテイメントドラマ>(番組紹介ページより)

NHK「フリーター漂流 〜モノ作りの現場で〜」『NHKスペシャル』2005年2月5日放送

「今、モノ作り大国・日本は100万人のフリーターに支えられている。厳しい国際競争にさらされる日本の製造メーカー。人件費が安く、雇用調整できるフリーターは欠かせない。企業の論理で、工場から工場へと漂流するフリーターたちの半年を追った。」(番組紹介ページより)

 

 

第4章 労使間の分配

1.はじめに──労使間の分配はどう変わったか
2.財界の雇用戦略の変化と非正規雇用の拡大
3.政府の応答、進められた雇用分野の規制緩和
4.富の分配構造の変化と賃金の停滞
5.景気の回復と雇用の改善をどうつなげていくか

 

第4章の図表

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表 「就調」にみる男女×雇用形態別にみた雇用者数の推移
表 「労調」にみる男女×雇用形態別にみた雇用者数及び前年からの増減の推移
表 資本金規模別にみた労働分配率の推移
表 資本金10億円以上企業(金融業、保険業を除く)における経常利益、配当金と従業員1人当たりの給与・賞与等の推移
表 内部留保の推移

 

参考文献・資料

 

おすすめの映画等

「みんなのための資本論」『BS世界のドキュメンタリー』2016年2月15日放送 ※映画館サイト(「ユーロスペース」)/公式サイトは閉鎖?

「アメリカが人類史上例をみない格差社会であることを、気鋭の経済学者がわかりやすく解説。貧富の差が拡大し続ける社会のあり方に一石を投じる、もうひとつの“白熱教室”。」(番組紹介ページより)

『21世紀の資本』(監修・出演・原作トマ・ピケティ、2019年) トマ・ピケティ(2014)『みすず書房』 

「働いても豊かになれない! 格差はなぜ無くならない!? 原作者ピケティが、はっきり答えます。」(DVDパッケージより)

 

 

 

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