無期転換逃れ阻止プロジェクト「札幌市議会議員選挙の立候補予定者に公開質問状を送りました」

私たち無期転換逃れ阻止プロジェクト(略称、ムキプロ)では、きたる札幌市議会議員選挙を前に、現時点で私たちが把握できている立候補予定者の皆さんに対して、雇用安定の実現に関する公開質問状を2023年3月9日付で送付/持参しました。

私たちは、安心して働き続けることができる社会の実現を目指して取り組みを始めました。この無期転換逃れ問題につきまして、ぜひ市民の皆さんにも関心をもっていただけたら幸いです。Twitterのフォローもよろしくお願いします。

 

2023年3月7日に開催されたシンポジウムのチラシ(作 桃井希生・札幌地域労組書記次長)

 

2023年3月9日

札幌市議会議員立候補予定者 殿

 

無期転換逃れ阻止プロジェクト

https://muki-muki.net/

私たちは、民間職場においても公務職場においても、安心して働き続けることができる社会の実現を目指して活動する、労働組合・弁護士・学者・市民で構成された団体です。3月7日には、当団体主催・日本労働弁護団北海道ブロック共催で、参加者75名で「非正規/働き続けたいシンポジウム」を開催しました(詳細は、ホームページを参照)。

 

さて、有期雇用の濫用を防ぐため、2012年に労働契約法が改定され、無期雇用転換制度が導入されました(施行は13年4月)。有期労働契約の更新で通算5年超という条件を満たした労働者が無期転換を実現した一方で、この条件を満たさないように労働契約や就業規則を改定する「無期転換逃れ」が残念ながら横行しています。

また地方自治体においては、会計年度任用職員制度という新たな非正規公務員制度が2020年度から始まりましたが、民間の「更新」概念と異なり、会計年度ごとに新たな職に就くと解され、なおかつ、すでに働いている非正規職員も、一定期間ごとに公募に応じなければ働き続けることができないという、雇用安定に逆行する、民間以下の制度設計になっています。

以上のような問題状況を、議員立候補予定者である皆さまはどのように考えるのか。以下の3点についてぜひお考えをお聞かせください。ご回答は、札幌市民が今回の選挙で投票する際の参考にしていただきたいと思いまして、報道機関への提供や当団体のホームページでの公開などを予定しております。

お忙しいところ大変恐縮です。ご回答を3月24日(金)までに電子データにて、当団体のメンバーである川村雅則(北海学園大学教授)の研究室までお送りくださいますよう、よろしくお願いいたします。

 

なお、当団体のホームページ( https://muki-muki.net/ )でこの質問文をテキストデータでダウンロードできます。ご利用ください。

 

(以下、回答用紙)

 

ご芳名とあわせて以下の質問へのご回答をお願いします。

 

 

ご芳名                 

 

1.札幌市の会計年度任用職員にも、安心して働き続けられる条件整備が必要であると私たちは考えます。札幌市の会計年度任用職員制度をめぐる問題をどう認識し、どう対応するご予定であるか、自身の考えに一番近いものに〇をつけてください。

 

(1)公募制(すでに働いている人がいったん雇い止めになり、雇用継続を希望する人は、新規求職者と同一の公募に応じなければならない制度)の導入は自治体に義務づけられたものではなく、総務省も、「地域の実情等に応じつつ、適切に対応されたい。」と2022年12月23日の通知で伝えています。札幌市では、原則として、3年ごとに公募に応じて合格しなければ働き続けることができません。公募制は今後も続けるべきとお考えですか。

①公募制は今後も続けるべきである。

②公募制は今後、続けるべきではない。

③その他(                                )

 

理由(あれば)

 

 

(2)札幌市には、原則として、同じ部では3年までしか働き続けられないというルールがあります。この同一部3年ルールについても、今後も続けるべきとお考えでしょうか。

①同一部3年ルールは今後も続けるべきである。

②同一部3年ルールは今後、続けるべきではない。

③その他(                                )

 

理由(あれば)

 

 

2.合理的な理由を示さずに更新限度条項を入れるなど法(労働契約法第18条)の趣旨に反する行為は禁じられるべきと私たちは考えます。

「更新回数は4回/労働契約は通算5年までとする」、などの更新限度条項を労働契約・就業規則に書き込む行為に対しては、政府も、「違法ではないが脱法」「法の趣旨を潜脱するもの」などと評価しています。

自治体は、民間事業者等をパートナー(受託者)として数多くの公共サービスを実施しています。札幌市は、合理的な理由を示さずに更新限度条項を労働契約・就業規則に設けている民間事業者等に対しての仕事の発注は行うべきではないと私たちは考えます。自身の考えに一番近いものに〇をつけてください。

 

①事業発注に際し、事業者が非正規労働者の雇用契約に更新限度条項を設けているか否かを検討項目に入れる必要はない。

②事業発注に際し、事業者が非正規労働者の雇用契約に更新限度条項を設けているか否かを検討項目に入れるべきである。

③その他(                                )

 

理由(あれば)

 

 

 

(参考資料)

川村雅則「札幌市の会計年度任用職員制度の現状を調べてまとめました」『NPO法人官製ワーキングプア研究会 Report(レポート)』第37号(2022年2月号)

川村雅則「北海道及び道内市町村で働く624人の会計年度任用職員の声(2022年度 北海道・非正規公務員調査 中間報告)」『北海道労働情報NAVI』2023年1月5日配信

川村雅則「札幌市で働く会計年度任用職員の今年度末(2022年度末)の雇い止め人数は何人か?」『北海道労働情報NAVI』2023年2月4日配信

川村雅則「公契約条例の制定で自治体を変える」『建設政策』第207号(2023年1月号)

 

 

 

 

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