川村雅則ゼミナール『北海学園大学 学生アルバイト白書2021』

Ⅳ.生活全般のこと

 

Ⅳでは、家族の状況を含め、生活全般のことを尋ねた。

 

1.家族の仕事や収入の状況

表Ⅳ1-1 家族で、コロナ下で、仕事や収入が減るようなことはあったか【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
家族では仕事や収入が減った者はいない 488 70.1 353 70.6 135 68.9
親など学費負担者の仕事や収入が減った 143 20.5 108 21.6 35 17.9
親など学費負担者が仕事を失った(失業、失職) 4 0.6 3 0.6 1 0.5
学費負担者以外の家族の仕事や収入が減った 42 6.0 27 5.4 15 7.7
学費負担者以外の家族が仕事を失った(失業、失職) 3 0.4 2 0.4 1 0.5
その他 17 2.4 9 1.8 8 4.1
〔無回答〕 17 2.4 11 2.2 6 3.1

 

表Ⅳ1-2 コロナ下での家族全体の収入状況の変化

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
収入が大きく増えた 3 0.4 3 1.5
収入が増えた 17 2.4 12 2.4 5 2.6
とくに変化はない 531 76.3 382 76.4 149 76.0
収入が減った 119 17.1 89 17.8 30 15.3
収入が大きく減った 16 2.3 12 2.4 4 2.0
〔無回答〕 10 1.4 5 1.0 5 2.6

 

まず家族の収入状況を尋ねた[注17]

第一に、家族で、コロナ下で、仕事や収入が減るようなことはあったかを複数回答可で尋ねた。結果は(表Ⅳ1-1)、「家族では仕事や収入が減った者はいない」が7割前後(70.6%、68.9%)である。一方で、「親など学費負担者の仕事や収入が減った」も2割前後(21.6%、17.9%)に及ぶほか、「学費負担者以外の家族の仕事や収入が減った」も一定数みられる(5.4%、7.7%)。

第二に、コロナ下での家族全体の収入状況の変化を尋ねた。結果は(表Ⅳ1-2)「とくに変化はない」が全体の4分の3(76.4%、76.0%)を占めて最も多いが、2割弱は収入が減ったと回答している(「収入が減った」が17.8%、15.3%、「収入が大きく減った」が2.4%、2.0%)。

なお、「収入が減った」あるいは「収入が大きく減った」と回答した者に対して調査票では、その内容を「可能な範囲で具体的に教えていただけますか」と尋ねた。その回答の一部を以下に記す。

 

[注17] 回答者(学生)本人は除く、とは明記していないが、「ご家族で」と調査票では尋ねている。

 

自由記述④より

「収入が大きく減った」を選択した者

【165】1ヶ月あたり10万程度減少。

【247】不景気のため手当等がなくなった。

【327】母がタクシー会社で働いていて、1/3くらいに給料が減った月が何回かあると聞いています。現在もコロナ以前と比べると減ったままです。

【584】言えないくらい減った。

【703】飲食業に携わっている父の収入は大幅に減少した。ボーナスもありません。

 

「収入が減った」を選択した者

【45】姉(21卒)が、内定は貰っているが入社が延期になり、その間アルバイトで生活することになった。

【54】父が、ライブの機材など、大きなものを運送する運送業をしているが、ライブなど実施されなくなり、運送する物が減った→仕事が減った

【83】父は、ボーナスなど給与カット。私はアルバイトの出勤数・収入が大きく減った。

【101】親は、収入が減った、と言っていた。学費負担者は学生本人〔自分自身〕である。

【122】両親ともパート勤務で、母が空港の弁当を製造する工場勤務のため、発注が大きく減少。時給制なので影響を強く受けてしまった。

【144】飲食店で働いている親の収入が時短要請により減少した。

【161】実家が飲食店なので、夜の営業分の売り上げが特に減りました。

【180】父親のボーナス減額など。

【184】ボーナスの減額。

【197】父親の収入減少。

【223】親は酒屋を営んでいますが、まん防によって酒類の提供に時間指定、あるいは禁止がかけられたことで、酒類の売れ行きが下がりました。

【248】父親の仕事が無く家にいる機会が増えた。

【266】親が雑貨屋との取引をしているが、多くの店が休業中のため、取引をする会社が減っているから、仕事も減っている。

【276】観光業バスの仕事は緊急事態宣言が出されると全てキャンセルになり仕事がなくなる。

【286】母が介護関係の仕事をしており、家族が「濃厚接触者になったかもしれない」となると、仮にそうではなかったとしてもPCRを受けるまで出勤が出来なくなり、更に手当が出ないため。

【310】飲食店を経営しているから。

【319】妹が濃厚接触者と判定された2週間、母も会社を休んでいたのですが休業手当などは一切つかずその分の収入は0でした。

【353】母が学校給食センターでパートで働いていて、自粛中はかなり減ったと言っていました。

【356】ボーナスが減少した。

【371】ボーナス支給額が大幅に減額された。

【394】父親の収入が減った。

【410】残業もなくなり残業代が出ず、収入が大幅に減った。

【429】兄が飲食店で社員として働いているが休業要請で給料が減った、ボーナスが減ったと言っていた。

【479】ボーナスが減った

【482】父が理髪店を営んでいるのですが、コロナ禍でお客さんが来なくなってしまった。

【513】人件費などの問題のため、母が店に出る回数が減った。

【552】緊急宣言により仕事が休止した。

【593】会社員の父の収入が少し減っていると聞いた。

【614】ボーナスなし。

【669】特にボーナスが大幅に減らされたと聞きました。

【675】父が第一次産業となる職業に就いているのですが、取引先が減少したことによって収入が減ったという経験があります。

 

 

2.あなた自身の経済的な状況や心身の状況と、収入減の有無及び収入減に対してとった対応策

表Ⅳ2-1① あなた自身の経済的な状況や心身の状況【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
とくにない 102 14.7 73 14.6 29 14.8
学費の支払いが困難になっている 59 8.5 36 7.2 23 11.7
生活費を稼ぐのに大変である 96 13.8 59 11.8 37 18.9
大学で友人ができない 301 43.2 218 43.6 83 42.3
サークル活動や部活動に入り損ねた 163 23.4 117 23.4 46 23.5
サークル活動や部活動が制約を受けており不満 132 19.0 102 20.4 30 15.3
目標を見失った 120 17.2 86 17.2 34 17.3
気力がわかない 283 40.7 205 41.0 78 39.8
体調がすぐれない 81 11.6 48 9.6 33 16.8
生活リズムが乱れている 325 46.7 235 47.0 90 45.9
大学生活がつまらない 272 39.1 190 38.0 82 41.8
その他 21 3.0 12 2.4 9 4.6
〔無回答〕 9 1.3 8 1.6 1 0.5

 

表Ⅳ2-1② 学年別にみた、あなた自身の経済的な状況や心身の状況【複数回答可】

単位:人,%

1部 2部
1年生 2年生 3年生 4年生 1年生 2年生 3年生 4年生
199 100.0 137 100.0 108 100.0 55 100.0 77 100.0 48 100.0 38 100.0 32 100.0
とくにない 38 19.1 13 9.5 8 7.4 14 25.5 11 14.3 6 12.5 7 18.4 5 15.6
学費の支払いが困難になっている 16 8.0 3 2.2 12 11.1 4 7.3 7 9.1 1 2.1 5 13.2 10 31.3
生活費を稼ぐのに大変である 18 9.0 10 7.3 22 20.4 8 14.5 8 10.4 7 14.6 12 31.6 10 31.3
大学で友人ができない 101 50.8 82 59.9 30 27.8 5 9.1 41 53.2 29 60.4 8 21.1 4 12.5
サークル活動や部活動に入り損ねた 63 31.7 48 35.0 5 4.6 1 1.8 25 32.5 17 35.4 2 5.3 1 3.1
サークル活動や部活動が制約を受けており不満 39 19.6 20 14.6 35 32.4 8 14.5 14 18.2 6 12.5 6 15.8 4 12.5
目標を見失った 26 13.1 28 20.4 24 22.2 7 12.7 8 10.4 11 22.9 8 21.1 7 21.9
気力がわかない 67 33.7 60 43.8 56 51.9 21 38.2 28 36.4 22 45.8 14 36.8 14 43.8
体調がすぐれない 13 6.5 11 8.0 18 16.7 6 10.9 11 14.3 13 27.1 4 10.5 5 15.6
生活リズムが乱れている 82 41.2 74 54.0 59 54.6 19 34.5 36 46.8 24 50.0 16 42.1 14 43.8
大学生活がつまらない 59 29.6 68 49.6 46 42.6 16 29.1 27 35.1 26 54.2 16 42.1 13 40.6
その他 4 2.0 3 2.2 2 1.9 3 5.5 4 5.2 3 6.3 1 2.6 1 3.1
〔無回答〕 3 1.5 2 1.5 3 5.5 1 3.1

 

第三に、昨年度と同様の内容で、回答者本人の経済的な状況や心身の状況を複数回答可で尋ねた(表Ⅳ2-21①②)。

結果は、「生活リズムが乱れている」(47.0%、45.9%)、「大学で友人ができない」(43.6%、42.3%)、「気力がわかない」(41.0%、39.8%)、「大学生活がつまらない」(38.0%、41.8%)などの状況が広がっている。とくに「1年生」だけでなくコロナ禍2年目に突入した「2年生」の状況に留意する必要がある。

例えば、「大学で友人ができない」は「1年生」で高い(50.8%、53.2%)が、「2年生」ではさらに高い(59.9%、60.4%)。また、「大学生活がつまらない」は「1年生」はまだ3割前後29.6%、35.1%にとどまるが、「2年生」では49.6%、54.2%である(この訴えは34年生でも高い)。「サークル活動や部活動に入り損ねた」も12年生では3割台である。

なお「生活費を稼ぐのに大変である」は1部生で11.8%、2部生では18.9%である(どちらも1,2年生よりも3,4年生で割合が高い)。「学費の支払いが困難になっている」は7.2%、11.7%である。

 

表Ⅳ2-1③ 住まい別にみた、あなた自身の経済的な状況や心身の状況【複数回答可】

単位:人,%

1部 2部
実家・親元 「実家・親元」以外 実家・親元 「実家・親元」以外
237 100.0 99 100.0 72 100.0 53 100.0
とくにない 36 15.2 15 15.2 14 19.4 3 5.7
学費の支払いが困難になっている 14 5.9 5 5.1 4 5.6 4 7.5
生活費を稼ぐのに大変である 9 3.8 19 19.2 1 1.4 14 26.4
大学で友人ができない 143 60.3 40 40.4 38 52.8 32 60.4
サークル活動や部活動に入り損ねた 78 32.9 33 33.3 23 31.9 19 35.8
サークル活動や部活動が制約を受けており不満 42 17.7 17 17.2 12 16.7 8 15.1
目標を見失った 36 15.2 18 18.2 11 15.3 8 15.1
気力がわかない 85 35.9 42 42.4 24 33.3 26 49.1
体調がすぐれない 18 7.6 6 6.1 15 20.8 9 17.0
生活リズムが乱れている 113 47.7 43 43.4 36 50.0 24 45.3
大学生活がつまらない 86 36.3 41 41.4 27 37.5 26 49.1
その他 6 2.5 1 1.0 5 6.9 2 3.8
〔無回答〕 5 2.1

注:対象は1,2年生に限定。

 

実家・親元以外で暮らす者は友達づくりなどの点で不利ではないかと思い、集計をしてみたのが表Ⅳ2-1③である。対象は、1,2年生に限定した。

結果は、予想に反して、「大学で友人ができない」と回答した者は、1部では、「実家・親元」群で高く60.3%に達し、逆に「実家・親元以外」群では40.4%と20ポイント近い差が出た。

但し2部では、「実家・親元以外」群でその値は高く60.4%である(「実家・親元」群では52.8%)。もっとも、「大学生活がつまらない」は「実家・親元以外」群で高く、1部で41.4%、2部で49.1%である(「実家・親元」群では、36.3%、37.5%)。

加えて特徴的なのは、「生活費を稼ぐのに大変である」が「実家・親元以外」群で高いことである。1部で19.2%、2部で26.4%である(「実家・親元」群では3.8%、1.4%)。

 

 

自由記述⑤より大学生活に関する訴え

【54】バイトで学費を稼いで、家で授業や与えられた課題をこなして寝るだけの日々です。バイトも最低賃金なので多めにシフトをいれないと、学費も、今後のための貯金(奨学金を返すための貯金)も、自分の娯楽費なども貯められず、苦しいです。選択した授業によっては、自分なりにその授業を受けて、授業内容をまとめると、授業時間(動画)は1時間にしてくれているのに、2時間以上超えてしまったり、なかなか上手に効率的に勉強できなくて、ほとんど朝から夕方まではバイト、夜は授業と課題(小テスト)、残った1時間程度は自分の時間に使って寝る…という生活を送っています。ストレス発散は週一の対面授業と、その後の札幌で買い物する時間でしたが、最近は買い物する時間のほうにばかり逃げてしまい、せっかくのバイト代も水のようにさらさら消えていきます。負のループに入りかけていて笑えます。笑

【74】給付奨学金が受けられないので、大学卒業後、しっかり貸与型の奨学金を返済していけるか非常に不安です。コロナ過なので、基礎ゼミくらいでしか人に会う機会がなく、友達が全然できないので非常に困っています。サークルにも入りたいのですが、情報をどこから仕入れてこればいいかわからないので、lmsなどを通じて、大学側がなおいっそう発信していただければ幸いです。大学の講義なども難しいので勉強会を実施して欲しいです。レポートの書き方がよくわからないので、レポートの書き方をより丁寧に説明する勉強会も実施して欲しいです。

【83】私はとにかく収入が減ってしまい、新たなアルバイトも見つからず困っています。また、あるはずだった充実した大学生活がなくなってしまったことが非常に残念です。就活もオンラインでの実施が多く、対面に比べ企業について読み取れることが少ないだろうというのは何度も感じました。しかし、一番可哀想なのはコロナ禍に入学した後輩たちだと思います。私はLMSやG-plusの使い方を対面で詳しく教えてもらえた上、さらにわからない部分は先輩などに気軽にきけて理解していきました。しかし後輩たちは配られた資料などから読み取り履修登録などをしなければいけません。きっと初期は使い方がわからず最悪単位を落とすこともあったのではないでしょうか。また他大学ですが、現在大学2年の妹がいます。サークルに入ることも友達をつくる機会も大学に行く機会もすべてがなく、ほとんどを家で過ごしています。また、妹は高校の卒業旅行からずっとイベント系統を我慢してきました。きっと他の子達も同じ状況がほとんどだと思います。オンラインでもよいので、友達や先輩との繋がりを作れる、学校生活に関する質問ができるようなイベントを企画してあげて欲しいと思います。今までもそのようなイベントを実施していたことがあったようなのですが、正直発信力に欠けているなと感じました。G-plusなどのお知らせだけでなく、各所属ゼミやTwitterでの告知など周知させるツールを増やすべきだと思います。

【107】よくTwitterで大学生活について、勉強するために入ったのだから人間関係が築けないのは問題ないなどという声が、学費関連等ニュースのリプ欄で見受けられます。当事者(大学生)でない人達がそのような事を言うのは心無いと思うので、今回のような調査結果を学外にも強く発信して欲しいです。

【137】生きているのがつまらないと感じるままただ時が流れてゆくのに焦りを感じる。

【138】大学に行くことがないので大学生という実感がない。ほぼオンラインのため学んでいるという実感もない。

【214】今後実施する取り組みとして、不要になった本(小説など)や衣類を学園生から集めてリサイクルをする。G-booKsで、古本コーナーを作っても良いと思う。また、食糧支援の際に、主婦の方や料理の得意な方からアドバイスをいただいて、節約術や簡単レシピを紹介する。家庭から出るプラスチックなどのごみを減らす工夫をすることでも、お金の節約になるので、生協とも協力してそういったグッズや過剰包装されていない商品の販売を行う。

【258】サークル活動の緩和。

【261】簡易カウンセリングのようなことを大学で行ってくれるとありがたい。

【300】周りの学生が今どのように生活しているのかオンラインだと中々友達と会う機会がないためわからない。

【321】学費を払っているのに、学食も学生協も2時過ぎで閉まってしまうことに納得行かない。夜間の生徒に優しくない。閉めるなら学費減らして欲しい

【324】週に1回程度学校に通学しているが、その度に約3000円の交通費がかかるため、大半の講義がオンライン講義になっている間は、対面のみの講義を増やすのではなく、オンラインと対面のハイブリッド講義を増やしてほしい。

【462】学食の2部時間の営業。

【473】一人暮らしで心細い生活を送る毎日ですが、学校に行く機会も少なく毎日つまらないです。

【500】今年入学したものです。友達が出来ないので、交流できるイベントなどがあればいいなと思います。

【503】困っていることではないかもしれませんが、友達がSNS等で緊急事態宣言中に外出や友達と遊んだり、(宣言中でなくとも)マスクを外して友達と交流したりしているものが投稿しているのを見ると、その人を軽蔑してしまったり、なるべく外に出ないようにしている自分がバカバカしくなってしまいます。それぞれに事情があるとは思いますが、何で自分はそれなりに外出自粛しているのに、このままじゃコロナ収まらないな、コロナ収まれと言ってる割に外出る奴がいるからコロナ収まんないんだよなどと思ってしまい、気が滅入ってしまいます。

【512】学費は蓄えの中から負担するので問題はないが、こんな状況になると知っていたら入学しなかったかもしれない。

【624】少しでも授業料が減免される嬉しいと感じる。人と話す機会が欲しい。

【638】大学での授業が全く行われていないのに、去年のような給付金や学費の削減を行わないのは疑問。大学はもっと学生の意見を聞いてほしい。

【675】人との交流が少なくなってきているので、やはりそれが少し寂しいように感じます。

【685】人間関係の構築が難しい。

 

 

表Ⅳ2-2 コロナ下における収入減に対してとった対応策【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
全体 「実家・親元」以外 全体 「実家・親元」以外 全体 「実家・親元」以外
696 100.0 220 100.0 500 100.0 144 100.0 196 100.0 76 100.0
収入はとくに減っていない 340 48.9 76 34.5 247 49.4 49 34.0 93 47.4 27 35.5
収入は減ったがとくに何もしていない 64 9.2 9 4.1 54 10.8 8 5.6 10 5.1 1 1.3
貯金を取り崩した 124 17.8 52 23.6 85 17.0 34 23.6 39 19.9 18 23.7
お金を借りた 16 2.3 6 2.7 12 2.4 4 2.8 4 2.0 2 2.6
仕送りを増やしてもらった 16 7.3 12 8.3 4 5.3
一時期、実家に戻った 43 19.5 32 22.2 11 14.5
食費を削った 86 12.4 62 28.2 51 10.2 35 24.3 35 17.9 27 35.5
水道光熱費を削った 24 3.4 21 9.5 18 3.6 16 11.1 6 3.1 5 6.6
通信費を削った 19 2.7 7 3.2 15 3.0 5 3.5 4 2.0 2 2.6
交際費を削った 87 12.5 37 16.8 62 12.4 27 18.8 25 12.8 10 13.2
アルバイトの勤務時間を増やした、アルバイトのかけもちを始めた 79 11.4 32 14.5 53 10.6 20 13.9 26 13.3 12 15.8
その他 12 1.7 2 0.9 10 2.0 2 1.4 2 1.0 0 0.0
〔無回答〕 53 7.6 22 10.0 35 7.0 14 9.7 18 9.2 8 10.5

 

第四に、コロナ下における収入減に対してとった対応策を複数回答可で尋ねた。「仕送りを増やしてもらった」と「一時期、実家に戻った」は、「実家・親元以外」群のみの回答選択肢である。全体のほか、「実家・親元以外」群の結果をまとめた。

結果は(表Ⅳ2-2)、まず「収入はとくに減っていない」が49.4%、47.4%である。次に「収入は減ったがとくに何もしていない」が1部生で10.8%、2部生で5.1%である。残りが何らかの対応をしたということになる。経済条件の厳しい2部生で訴えが多いほか、1部生でも「実家・親元以外」群では訴えが多い。

2部生で訴えが多い順にあげていくと、「貯金を取り崩した」(17.0%、19.9%)、「食費を削った」(10.2%、17.9%)、「アルバイトの勤務時間を増やした、アルバイトのかけもちを始めた」(10.6%、13.3%)「交際費を削った」(12.4%、12.8%)などである。。

これらの結果をさらに、2部生の「実家・親元以外」群に限定してみてみると、順に、23.7%、35.5%(1部生でも24.3%)、15.8%、13.2%(1部生では18.8%)となる。

なお、「実家・親元以外」群では、「一時期、実家に戻った」が一定の割合で選択されている(22.2%、14.5%)。

 

 

 

3.北海学園大学での食糧支援の認知・利用・希望、アルバイト収入・奨学金がなかった場合の就学継続の可否

表Ⅳ3-1 北海学園大学で開催されている食糧支援を知っているか、食糧支援を利用したことはあるか、今後の利用希望はあるか

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
北海学園大学で開催されている食糧支援を知っているか 知っている 667 95.8 478 95.6 189 96.4
知らない 23 3.3 18 3.6 5 2.6
〔無回答〕 6 0.9 4 0.8 2 1.0
667 100.0 478 100.0 189 100.0
食糧支援を利用したことはあるか ある 164 24.6 101 21.1 63 33.3
ない 502 75.3 376 78.7 126 66.7
〔無回答〕 1 0.1 1 0.2
696 100.0 500 100.0 196 100.0
今後の利用希望はあるか ある 207 29.7 134 26.8 73 37.2
ない 270 38.8 205 41.0 65 33.2
わからない 210 30.2 156 31.2 54 27.6
〔無回答〕 9 1.3 5 1.0 4 2.0

 

第五に、北海学園大学では2020年末から学内で食糧支援活動が行われている(主催・共催は、学生自治会執行部、北海学園生協、教職員有志)。この調査を行った2021年7月中旬時点では4回の企画を開催(同月下旬に第5回目の企画を開催)。食糧支援の認知、利用状況などを尋ねた。

結果は(表Ⅳ3-1)、第一に、食糧支援のことを「知っている」が多数である(95.6%、96.4%)。第1回目、第2回目の企画は2020年度の開催であったが、「1年生」にも知られている。

第二に、食糧支援を利用したことがあるかは「ある」が1部生で21.1%、2部生では33.3%である。この値は2年生以降で高い。

そして最後に今後の利用希望を尋ねたところ、1部生で26.8%、2部生で37.2%であった。利用希望が「ない」と明確に回答したのは34割(41.0%、33.2%)で、残りは、「わからない」(31.2%、27.6%)である。

 

自由記述⑤より食糧支援に関する訴え

【7】食糧支援の日程や日数を増やしてほしい。

【129】アルバイトの収入が減少しましたが、本年度から就職活動を始めております。そのような中でも学業を本業に、就職活動とアルバイトとの両立を図らなければなりません。ですので、実質的にアルバイトの掛け持ちは困難ですし、私の親も私生活を営んでおりますので苦労を掛けさせるわけにはいきません。それでも、大学が主催してくださる食糧支援等をもとに、今の生活を残り1年弱ではありますが頑張っていきます。

【194】自分は幸運にもコロナによって困窮することにはなりませんでしたが、アルバイトの収入が減ったことで学費や生活費の支払いに困っている友人がいるため、食糧支援等の活動やこういった調査をしていただけることはたいへん意義のあることだと思います。

【233】女の人にとっての生活必需品(生理用品とか)の値段が高いため、通常の生活用品とやりくりするのが大変。

【381】北海学園大学での食糧支援は、一人暮らしの学生のみを対象にしている要素が強すぎて、生徒間での不公平感を感じています。実家暮らしのため遠慮して来ました。すべての人を対象、または今まで参加してこなかった人にも参加できるような取り組みをしてほしいと感じます。〔対象は全ての学生。情報の周知が課題〕

【387】食糧支援には助けられているため、ぜひ今後も継続していただけたら嬉しいです。

【604】食糧支援をやめないでいただけるとありがたいです。

 

 

表Ⅳ3-2 奨学金やアルバイト収入がなかった場合、学費負担者からの支出だけで修学の継続は可能か

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
十分に可能である 316 45.4 248 49.6 68 34.7
修学の継続は不自由になる 147 21.1 102 20.4 45 23.0
修学の継続は困難になる 218 31.3 139 27.8 79 40.3
〔無回答〕 15 2.2 11 2.2 4 2.0

 

第六に、奨学金やアルバイト収入がなかった場合、学費負担者からの支出だけで修学の継続は可能かを尋ねた。この数年継続して聞いている。

1部生では「十分に可能である」が最多で49.6%であるが、2部生ではその値は34.7%で、最多は「修学の継続は困難になる」(40.3%)である。

 

 

4.調査結果に基づき我々が今後予定している活動への賛同状況

 

表Ⅳ4-1 今後の我々の活動で「学習会の開催」「調査結果の、学内外への周知・広報」「調査結果に基づく大学への申し入れ」「調査結果に基づく政治への働きかけ」を実施すべきか

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
学習会の開催 実施すべきと強く思う 82 11.8 60 12.0 22 11.2
実施すべきと思う 283 40.7 195 39.0 88 44.9
実施の必要性はあまり感じない 180 25.9 136 27.2 44 22.4
実施の必要性はまったく感じない 27 3.9 19 3.8 8 4.1
わからない 106 15.2 80 16.0 26 13.3
〔無回答〕 18 2.6 10 2.0 8 4.1
696 100.0 500 100.0 196 100.0
調査結果の、学内外への周知・広報 実施すべきと強く思う 225 32.3 167 33.4 58 29.6
実施すべきと思う 332 47.7 234 46.8 98 50.0
実施の必要性はあまり感じない 71 10.2 53 10.6 18 9.2
実施の必要性はまったく感じない 12 1.7 9 1.8 3 1.5
わからない 39 5.6 27 5.4 12 6.1
〔無回答〕 17 2.4 10 2.0 7 3.6
696 100.0 500 100.0 196 100.0
調査結果に基づく大学への申し入れ 実施すべきと強く思う 339 48.7 247 49.4 92 46.9
実施すべきと思う 270 38.8 189 37.8 81 41.3
実施の必要性はあまり感じない 38 5.5 26 5.2 12 6.1
実施の必要性はまったく感じない 6 0.9 4 0.8 2 1.0
わからない 29 4.2 24 4.8 5 2.6
〔無回答〕 14 2.0 10 2.0 4 2.0
696 100.0 500 100.0 196 100.0
調査結果に基づく政治への働きかけ 実施すべきと強く思う 294 42.2 218 43.6 76 38.8
実施すべきと思う 277 39.8 188 37.6 89 45.4
実施の必要性はあまり感じない 62 8.9 47 9.4 15 7.7
実施の必要性はまったく感じない 9 1.3 5 1.0 4 2.0
わからない 40 5.7 30 6.0 10 5.1
〔無回答〕 14 2.0 12 2.4 2 1.0

 

例年、学生アルバイト白書を作成しても、その後の取り組みにつなげることが十分にできていない(白書を完成した時点で年末年始を迎えてしまっている)。この点の克服を目指した今年度は、各種の取り組みを実施すべきかどうかを調査票で尋ねた。最後にこの点をみていこう。

結果は(表Ⅳ4-1)、第一に、「学習会の開催」を実施すべきか、という問いには、「実施すべきと思う」が最多であるが(39.0%、44.9%)、「実施すべきと強く思う」は1割強(12.0%、11.2%)にとどまった。ほかの設問に比べても「実施の必要性はあまり感じない」が多い(27.2%、22.4%)。

第二に、調査結果の「学内外への周知・広報」については、「学習会の開催」よりも賛同が多い。「実施すべきと強く思う」が33.4%、29.6%まで増大し、「実施すべきと思う」(46.8%、50.0%)まで含むと約8割を占める。

第三の、調査結果に基づく「大学への申し入れ」で、「実施すべきと強く思う」が最多である。1部生では49.4%、2部生では46.9%である。「実施すべきと思う」(37.8%、41.3%)もあわせると9割弱を占める。

最後に、調査結果に基づく「政治への働きかけ」も、「大学への申し入れ」よりは割合が下がるが、賛同が多い。「実施すべきと強く思う」が43.6%、38.8%、「実施すべきと思う」が37.6%、45.4%である。

 

 

Ⅴ.学生によるまとめ──調査結果を踏まえて私たちが考えた対策(政策・政治、学校が行うべきこと、私たちが行うべきこと)

 

 

〔学生たちが鋭意執筆中〕

 

 

 

 

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