川村雅則ゼミナール『北海学園大学 学生アルバイト白書2021』

 

調査の結果

 

Ⅰ.回答者の属性等

 

表Ⅰ1-1 あなたの学年、所属学部、性別

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
学年 1年生 276 39.7 199 39.8 77 39.3
2年生 185 26.6 137 27.4 48 24.5
3年生 146 21.0 108 21.6 38 19.4
4年生 87 12.5 55 11.0 32 16.3
〔無回答〕 2 0.3 1 0.2 1 0.5
696 100.0 500 100.0 196 100.0
所属学部 経済学部 204 29.3 136 27.2 68 34.7
経営学部 135 19.4 101 20.2 34 17.3
法学部 138 19.8 88 17.6 50 25.5
人文学部 132 19.0 88 17.6 44 22.4
工学部 86 12.4 86 17.2
〔無回答〕 1 0.1 1 0.2
696 100.0 500 100.0 196 100.0
性別 男性 370 53.2 261 52.2 109 55.6
女性 323 46.4 238 47.6 85 43.4
〔無回答〕 3 0.4 1 0.2 2 1.0

 

表Ⅰ1-2 住まい

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
実家・親元で暮らしている 476 68.4 356 71.2 120 61.2
「実家・親元」以外で暮らしている 220 31.6 144 28.8 76 38.8

 

まずは、回答者の属性等をみていく(表Ⅰ1-1)。

第一に学年は、1部生も2部生も「1年生」が多くそれぞれ39.8%、39.3%だった(以下、とくに断りがない限り、1部生の結果、2部生の結果の順に表示していく)。

現1年生は、浪人生などを除き、2020年度は高校3年生であったということである。高校時代には、大学時代に比べるとアルバイトをしている者の割合は少ない。その分だけ2020年度のアルバイト就業の回答は少なくなる(非該当となる)点に留意されたい(但し、経済的な事情などを背景に、高校時代からアルバイトをしている者が一定数みられることにも留意する必要がある)。また、調査を行った7月時点でもアルバイトをしている者が他学年に比べて相対的に少ない

第二に所属学部は、「経済学部」が多い。1部では27.2%で、「工学部」が設置されていない2部では、経済学部の割合はさらに高くなり、34.7%である。

第三に性別は、どちらも「男性」が「女性」を上回っており、1部生では52.2%、2部生では55.6%である。

第四に住まいは(表Ⅰ1-2)、「実家・親元で暮らしている」のが1部生では71.2%である。2部生ではさらにその値が低くなり61.2%である。コロナ禍ということを考えると、「実家・親元以外で暮らしている」群(28.8%、38.8%)の生活状況や心身の状況に留意する必要があるのではないか。

 

 

 

Ⅱ.アルバイト

1.2020年度のアルバイトの状況

本調査では、2020年度のアルバイト状況を尋ねた。

 

表Ⅱ1-1 2020年度に「とくに働く必要もなく、アルバイトはしていなかった」割合

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
とくに働く必要もなく、アルバイトはしていなかった 〇なし(していた) 461 66.2 321 64.2 140 71.4
〇あり(していなかった) 232 33.3 178 35.6 54 27.6
〔無回答〕 3 0.4 1 0.2 2 1.0

 

まず、2020年度のアルバイト経験がなく、求職活動も行っていなかった者の割合をみた。なお、調査票では、アルバイトの経験の有無もアルバイト上での経験も、一つの設問で尋ねて回答してもらったが、集計・分析に際して前者は、別の表に分ける(以下、同様の処理を行っている箇所・表が他にもあるが、その都度言及する)。

さて、結果は(表Ⅱ1-1)、1部生では35.6%、2部生では27.6%だった。どちらも1年生がその中心である(69.3%、55.8%)。但し2部生では、働いていなかった者の割合が1部生に比べると低い。高校時代から働き始めていた者が4割である。

 

表Ⅱ1-2 2020年度のアルバイトでの経験【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
464 100.0 322 100.0 142 100.0
勤務シフト・労働時間が減った 177 38.1 128 39.8 49 34.5
勤務シフト・労働時間がゼロになる期間があった 97 20.9 75 23.3 22 15.5
バイト先を解雇された 14 3.0 10 3.1 4 2.8
バイト先が休業することがあった 124 26.7 90 28.0 34 23.9
バイト先の廃業・閉店を経験した 21 4.5 14 4.3 7 4.9
自分が希望するだけの労働時間数を働くことができなかった 109 23.5 75 23.3 34 23.9
コロナ感染をおそれてアルバイトをひかえた 62 13.4 48 14.9 14 9.9
コロナ感染をおそれてアルバイトを辞めた 15 3.2 13 4.0 2 1.4
仕事を探したが、見つけるのに苦労した 72 15.5 46 14.3 26 18.3
仕事を探したが、最後まで見つけられなかった 23 5.0 13 4.0 10 7.0
コロナで仕事が逆に忙しくなった 44 9.5 25 7.8 19 13.4
収入を増やすため労働時間数や仕事・アルバイト先を増やした 56 12.1 36 11.2 20 14.1
とくに問題はなく、安定的に働くことができた 153 33.0 102 31.7 51 35.9
〔無回答〕 3 0.6 1 0.3 2 1.4

 

次に、勤務の減少など勤務量に関することを中心に、コロナ禍におけるアルバイトで経験したこと(求職活動も含む)を尋ねた(表Ⅱ1-2)。

まず先に、「とくに問題はなく、安定的に働くことができた」がそれぞれ3分の1前後を占める(1部生では31.7%、2部生では35.9%)。

その上で残りの回答をみると、第一に、「勤務シフト・労働時間が減った」、「勤務シフト・労働時間がゼロになる期間があった」、「バイト先が休業することがあった」など、勤務の減少(ゼロを含む)が広く経験されている。それぞれの値は順に、1部生では39.8%、23.3%、28.0%で、2部生では、34.5%、15.5%、23.9%である。

なお、三ついずれかの項目に回答した者(勤務が減ったかゼロを経験した者。但し、解雇、廃業・閉店を除く)は、重複を除くと、216人(160人、56人)であった。全体に占める割合は、46.6%(49.7%、39.4%)である。

関連して、「自分が希望するだけの労働時間数を働くことができなかった」は、全体の4分の1である(23.3%、23.9%)[注2]。また、「収入を増やすため労働時間数や仕事・アルバイト先を増やした」という努力も1割強みられる(11.2%、14.1%)。

第二に、「バイト先を解雇された」、「バイト先の廃業・閉店を経験した」は、勤務量の減少に比べると多くはない(1部生で3.1%、4.3%、2部生で2.8%、4.9%)。

第三にコロナ感染と勤務量との関係であるが、「コロナ感染をおそれてアルバイトをひかえた」は14.9%、9.9%で、「コロナ感染をおそれてアルバイトを辞めた」まで至ったものは4.0%、1.4%にとどまる(もちろん、感染のおそれを感じつつも、そもそもひかえる/辞めることができる条件にあったかどうかは、検証が必要である)。

第四に求職活動に関する結果であるが、「仕事を探したが、見つけるのに苦労した」は14.3%、18.3%、「仕事を探したが、最後まで見つけられなかった」は4.0%、7.0%である。労働力不足が言われていたコロナ以前に比べると求人・求職状況には変化のみられることが示唆される。

 

[注2] 勤務が「減った」ケースだけでなく、例えば、入職当初から勤務に入れなかったケースなどを想定して設けた選択肢である。

 

表Ⅱ1-3 2020年度のアルバイトにおける週の労働時間数及び1か月のアルバイト収入(ともに、もっともよくあったパターン)

単位:人,%

全体 1部 2部
464 100.0 322 100.0 142 100.0
2020年度のアルバイトにおける週の労働時間数(もっともよくあったパターン) 5時間未満 37 8.0 29 9.0 8 5.6
5~10時間未満 85 18.3 61 18.9 24 16.9
10~15時間未満 89 19.2 68 21.1 21 14.8
15~20時間未満 103 22.2 68 21.1 35 24.6
20~25時間未満 50 10.8 32 9.9 18 12.7
25~30時間未満 20 4.3 15 4.7 5 3.5
30時間以上 36 7.8 20 6.2 16 11.3
〔無回答〕 44 9.5 29 9.0 15 10.6
(再掲)15時間以上 45.0 41.9 52.1
    20時間以上 22.8 20.8 27.5
464 100.0 322 100.0 142 100.0
2020年度のアルバイトにおける1か月のアルバイト収入(もっともよくあったパターン) 2万円未満 42 9.1 33 10.2 9 6.3
2万円以上4万円未満 86 18.5 65 20.2 21 14.8
4万円以上6万円未満 106 22.8 81 25.2 25 17.6
6万円以上8万円未満 109 23.5 78 24.2 31 21.8
8万円以上10万円未満 47 10.1 25 7.8 22 15.5
10万円以上12万円未満 15 3.2 9 2.8 6 4.2
12万円以上14万円未満 5 1.1 1 0.3 4 2.8
14万円以上 12 2.6 2 0.6 10 7.0
〔無回答〕 42 9.1 28 8.7 14 9.9
(再掲)6万円以上 40.5 35.7 51.4
    8万円以上 17.0 11.5 29.6

 

2020年度のアルバイトにおける週の労働時間数と1か月のアルバイト収入について尋ねた(表Ⅱ1-3)。コロナ禍で勤務量に波があったと思われたため、ともに、もっともよくあったパターンで回答してもらった。

5時間刻みで選択肢を設けた前者は、1部生では「510時間未満」、「1015時間未満」、「1520時間未満」に2割前後が回答している。2部生ではさらに長い時間数に回答が多く、「1520時間未満」が4分の124.6%)でピークである。

後者は2万円刻みで回答してもらった。結果は表のとおりであるが、6万円以上と8万円以上で線を引いてみたところ、1部生では35.7%、11.5%であるのに対して2部生では、51.4%、29.6%を占めた。例年同様、アルバイト収入を多く得ながらキャンパスライフを送る者は2部生で多い。

 

表Ⅱ1-4 過去の調査における1週間の労働時間数と1か月の賃金(『白書2020』からの転載)

単位:人,%

1部 2部
本調査 2019 2018 2017 本調査 2019 2018 2017
a.1週間の労働時間数 15時間以上 51.1 54.6 52.9 61.8 66.2 73.4 75.9 77.1
20時間以上 25.9 24.6 28.4 32.1 39.6 48.6 46.6 54.4
b.1か月の賃金 6万円以上 50.5 46.6 48.6 56.8 81.7 71.5 72.4
8万円以上 23.9 18.4 21.9 30.2 50.1 36.4 46.6

注1:2019、2018のデータは、ゼミによる「アルバイト調査」によるもので、2017データは、サンプル数の多い、北海学園大学による「学生生活実態調査」によるものである。
注2:本調査では2020年9月と特定しているのに対して、過去の調査では普段・平時のそれを尋ねていること。過去の調査では、(人数は多くないが)アルバイトをやめた者の直近のデータも含めているので、厳密な比較はできない点に留意されたい。
出所:『白書2020』p33からの転載。

 

厳密な比較にはならないが、過去のデータ(表Ⅱ1-4)と比較してみた(同表中の「本調査」とは、2020年度調査のことである点に留意されたい)。

今回の調査で尋ねた2020年度のアルバイト状況の結果を過去のデータ(2019年度以前)と比較してみると、やはり、コロナ以前よりも労働時間は短く、アルバイト収入は少ないようである。

以下は、自由記述①から抜き出した、2020年度当時におけるアルバイトでの勤務の減少や収入の減少に関するものである。

 

自由記述①のうち、勤務や収入の減少に関する自由記述

【30】アルバイト先の飲食店が緊急事態宣言により1ヶ月以上休業しました。就活が始まったため新たにかけ持ちするには時間が足りないと思ってやめました。私は仕送りがなく家賃も学費も生活費も運転免許取得費用のローンも全て自分で支払っています。奨学金を借りていますがそれだけでは到底足りず、週5でアルバイトを入れていました。稼ぐ予定の8割を休業手当として貰いましたが、8割では生活するのに手一杯で困りました。

【36】ひと月まるまる休みになることがあり、やりくりに困った。

【56】塾でアルバイトをしていた際に、大幅な人件費カットをされて勤務時間が短縮され、はみ出た時間の仕事は家でやらざるを得なかった。別のアルバイトは、緊急事態宣言が出たことによってその期間全ての勤務が無くなった。

【83】出勤一回あたりの労働時間が半分程になった。以前は午後4時半出勤→午後11時~終電退勤でした。

【104】アルバイト先が飲食業のせいか客入りがコロナ前と比べて急激に減った。その結果、特にやることもなく最終的に社員を優先するためにシフトを減らされた。

【165】長い休業期間を経て、バイト先が閉店した。系列他店への移籍を希望したが、勤務開始まで3ヶ月かかった

【177】学費を貯めるために月にいくら稼げばいいか計算してシフトを入れていたが、緊急事態宣言などの影響で時短営業になったため学費が足りなくなった。

【230】営業時間が20時までになり、自分が16時からしか入れないので勤務時間が減ってしまった。

【292】2月ごろは飲食店で働いていましたが、先が見えないことで細かくアルバイトの減少が伝えられました。〔シフトが決まる〕2週間先にはシフトが入るかもしれないということでなかなか新しいことを始められず、もどかしかったです。

【297】バイトに入ることが困難で出勤しても途中で帰ることなどもあった。

【310】バイトの募集が減り、バイトに受かることすら困難な時期があった。バイトに受かっても飲食店はシフトがかなり減少した。

【319】名前や生年月日などの基本的な情報しか送っていないのに面接もせずに不採用が多々あり、今でも非常に困っている。

【323】出勤時間が減り給料が75%減ったことです。

【325】収入が大幅に減少し、仕送りもないので、生活費や学費を少ない収入と奨学金でやりくりするのは限界があり、私物をフリマで売ったり食事を減らして食費を削れるだけ削ったりしたが、それでも厳しい状況。

【410】前年度に比べて月々に稼げるアルバイト代が減り、学費を期限内に払うことができなく、延納届を出しようやく払えました。両親にも頼ろうと思ったのですが、両親とも稼ぎが少なくなり、頼れませんでした。そのため奨学金だけでは賄えず、金融機関にもお金を借りようかと思い心が病んでいました。現状もあまり変化がなく辛いです。

【458】安定して働けないことが一番苦労しました。

【460】バイトが決まったと思ったら後日採用が撤回された。

【481】2020年3月末オープンの飲食店だったため、開店してすぐ(4月中旬)に約1ヶ月の休業。さらに再開した後も秋頃までは予定していたシフトの半分の日数しか働けなかった。

【526】バイト先がコロナが収まるまで休業になり、違うバイト先を探すことになりました。

【566】2か月近く休んでいたので収入がなかった。

【568】バイト先が休業した際、休業補償が支給されずその期間中は給与が0だった。

【610】働いてから数年たっていたため有給を使えたから良かったが、使わなかったら休業で給料が1万円切る月があった。

【614】一つのアルバイト先では厳しくなったため、アルバイト先を増やした。しばらくは二つを合わせればコロナ前のアルバイト代を稼ぐことができていたが、どちらも飲食系であったため、次第に、新しく始めたほうが一切シフトに入れない状況が数か月続いた。

【620】昨年3月中旬から5月末まで休業になり収入が無くなった。

【654】中々バイトの日数を入れられなかったので、稼ぎが少なかったことと、入りたてでもあったのでバイト先で覚えることを中々覚えられなかったです。慣れるのに時間がかかりました。

【677】シフトに入らなかった分の補助金〔休業手当〕が出なかったこと。

 

 

2.現在のアルバイト

1)現在のアルバイトの実施状況

 

表Ⅱ2-1① 現在のアルバイト実施状況【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
696 100.0 500 100.0 196 100.0
固定のアルバイト1つのみしている 381 54.7 285 57.0 96 49.0
固定のアルバイトをかけもちでしている 67 9.6 44 8.8 23 11.7
固定のアルバイトと単発のアルバイトをかけもち 31 4.5 22 4.4 9 4.6
単発のアルバイトのみをしている 16 2.3 12 2.4 4 2.0
アルバイトをしているが、他にも探している 41 5.9 32 6.4 9 4.6
アルバイトをしていないが、探している 115 16.5 78 15.6 37 18.9
アルバイトをしておらず、探してもいない 87 12.5 58 11.6 29 14.8
(再掲)アルバイトをしていない 28.9 27.2 33.2
    同、している 71.1 72.8 66.8

注:2部生で1人、アルバイトをしていないが、「探している」と「探してもいない」の両方に回答している学生がいた。そのまま扱う。

 

表Ⅱ2-1② 学年別にみた現在のアルバイト実施状況【複数回答可】

単位:人,%

1部 2部
1年生 2年生 3年生 4年生 1年生 2年生 3年生 4年生
199 100.0 137 100.0 108 100.0 55 100.0 77 100.0 48 100.0 38 100.0 32 100.0
固定のアルバイト1つのみしている 92 46.2 88 64.2 72 66.7 33 60.0 24 31.2 29 60.4 24 63.2 19 59.4
固定のアルバイトをかけもちでしている 16 8.0 11 8.0 14 13.0 3 5.5 8 10.4 5 10.4 4 10.5 5 15.6
固定のアルバイトと単発のアルバイトをかけもち 8 4.0 6 4.4 6 5.6 1 1.8 4 5.2 1 2.1 2 5.3 2 6.3
単発のアルバイトのみをしている 4 2.0 1 0.7 2 1.9 5 9.1 3 3.9 1 3.1
アルバイトをしているが、他にも探している 8 4.0 8 5.8 10 9.3 6 10.9 2 2.6 2 4.2 1 2.6 4 12.5
アルバイトをしていないが、探している 49 24.6 16 11.7 6 5.6 7 12.7 26 33.8 6 12.5 3 7.9 2 6.3
アルバイトをしておらず、探してもいない 32 16.1 16 11.7 5 4.6 5 9.1 13 16.9 8 16.7 5 13.2 3 9.4
(再掲)していない 81 40.7 32 23.4 11 10.2 12 21.8 38 49.4 14 29.2 8 21.1 5 15.6
    している 118 59.3 105 76.6 97 89.8 43 78.2 39 50.6 34 70.8 30 78.9 27 84.4

 

現在のアルバイト実施状況を尋ねた(表Ⅱ2-1①②)。

現在働いている(アルバイトをしている)のは、1部生では72.8%、2部生では66.8%である。1年生は働いていない割合が相対的に高い(1部生では40.7%が、2部生では49.4%が、働いていない)。働いている割合が2部生で低い。

但し、「アルバイトをしていないが、探している」は1部生(15.6%)より2部生で高く18.9%である。この値はとりわけ「1年生」で高く、24.6%、33.8%を占める。

なお、彼ら「アルバイトをしていないが、探している」者と、「アルバイトをしておらず、探してもいない」(1部生で11.6%、2部生で14.8%)は、Ⅲの設問(学費負担、奨学金利用)へ移動する。

さて、働いている学生の内訳であるが、「固定のアルバイトを1つのみしている」が最多で57.0%、49.0%である。「固定のアルバイトをかけもちでしている」もそれぞれ1割前後を占める(8.8%、11.7%)。

単発のアルバイトはあまり多くない。すなわち、「固定のアルバイトと単発のアルバイト」(4.4%、4.6%)、「単発のアルバイトのみをしている」2.4%、2.0%である。

なお、「アルバイトをしているが、他にも探している」が6.4%、4.6%みられる。コロナ禍をうけてのことなのかどうかの把握が必要である。

 

表Ⅱ2-2 現在アルバイトをかけもちでしている理由【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
101 100.0 68 100.0 33 100.0
いろいろなアルバイトを経験したいため 13 12.9 7 10.3 6 18.2
時間をもてあましているため 17 16.8 11 16.2 6 18.2
経済的に苦しいのでお金を稼ぎたいため 35 34.7 20 29.4 15 45.5
経済的に苦しいわけではないがお金を稼ぎたいため 43 42.6 36 52.9 7 21.2
その他 1 1.0 1 3.0

 

アルバイトのかけもちをしている者を取り上げて[注3]、その理由を尋ねた(複数回答可)[注4]

結果は(表Ⅱ2-2)、1部生では「経済的に苦しいわけではないがお金を稼ぎたいため」が52.9%と半数を超えるが、2部生では「経済的に苦しいのでお金を稼ぎたいため」が45.5%で最多である(但し1部生でもその値は29.4%を占める)。

 

[注3] かけもちを経済的困窮の指標に使うのは誤りではないが、一方で、一つの仕事であっても長時間働くケースもまた経済的に困窮していると思われる。かけもちだけが経済的困窮を示すものではない。

[注4] 現在はまだかけもちをしていないが、これからしようとしている(求職活動中の)5人も回答していた。

 

 

2)現在のアルバイトの業種・業態と、勤続期間

表Ⅱ2-3 現在のアルバイトの業種・業態【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
飲食店 197 39.8 151 41.5 46 35.1
小売店 162 32.7 114 31.3 48 36.6
接客・サービス 36 7.3 22 6.0 14 10.7
教育・保育関連 40 8.1 37 10.2 3 2.3
倉庫・物流・ドライバー 20 4.0 19 5.2 1 0.8
オフィスワーク 50 10.1 24 6.6 26 19.8
肉体労働 30 6.1 19 5.2 11 8.4
アミューズメント・レジャー・イベント・レンタル 44 8.9 31 8.5 13 9.9
その他 9 1.8 5 1.4 4 3.1
〔無回答〕 1 0.2 1 0.3

注:調査票では例を示した(本文を参照)が、表中では省略。

 

先に述べたとおり、以下では、アルバイトをしている学生計495人(1部生364人、2部生131人)について取り上げて、結果をみていく。

まず業種・業態を尋ねた。調査票では次のような回答選択肢・例を示し、複数回答可で回答してもらった。

 

・飲食店(居酒屋、バー、ファストフード、ファミレス、専門料理店、食堂、ビアガーデン、カフェ・喫茶店など)

・小売店(コンビニ、スーパー、百貨店、専門店、衣服小売、ドラッグストアなど)

・接客・サービス(ガソリンスタンド、ホテル、受付、冠婚葬祭関連、旅行・トラベルなど)教育・保育関連(塾講師、家庭教師、保育など)

・倉庫・物流・ドライバー(配送・配達、仕分け、宅配、ウーバーイーツなどオンラインの注文・配達の仕事など)

・オフィスワーク(コールセンター、テレアポ、事務職など)

・肉体労働(引っ越し、警備・交通誘導、製造ライン、イベント設営、自動車整備、その他肉体労働)

・アミューズメント・レジャー・イベント・レンタル(パチンコ・パチスロ、映画館、CD・書籍レンタル、ネットカフェ、カラオケ、ダーツ・ビリヤード、ジム・スポーツクラブ、イベント・コンサート、キャンペーンなど)

・その他:

 

結果は(表Ⅱ2-3)、第一に、1部生も2部生も「飲食店」と「小売店」が二大業種である。1部生では41.5%、小売店では31.3%、2部生では35.1%、36.6%である。

第二に、1部生ではついで「教育・保育関連」が10.2%、「アミューズメント・レジャー・イベント・レンタル(以下、アミューズメント等)」が8.5%と続く。2部生では、「オフィスワーク」が19.8%と多いほか、「接客・サービス」、「アミューズメント等」、「肉体労働」が1割前後で回答されている。

業種・業態は自由記述でも回答してもらっており、その分析は別の機会に行う。

 

表Ⅱ2-4 アルバイトの勤続期間

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
働き始めたばかり 30 6.1 23 6.3 7 5.3
1,2か月 78 15.8 57 15.7 21 16.0
3~6か月未満 97 19.6 71 19.5 26 19.8
6か月~1年未満 63 12.7 50 13.7 13 9.9
1~2年未満 101 20.4 82 22.5 19 14.5
2~3年未満 64 12.9 46 12.6 18 13.7
3年以上 50 10.1 28 7.7 22 16.8
〔無回答〕 12 2.4 7 1.9 5 3.8
(再掲)1年未満 54.1 55.2 51.1

 

さて、以下では、かけもちをしている回答者には、メインのアルバイトのことを回答してもらっている。

まず、アルバイトの勤続期間を尋ねた(表Ⅱ2-4)。1年未満、すなわち、新型コロナ感染の拡大が始まって以降に現在のアルバイト先で働き始めたことが確実である者[注5]がともに半数強である(55.2%、51.1%)。

 

[注5] 「1~2年未満」にもコロナ禍以降に現在のアルバイト先で働き始めた者が含まれるが、その割合は分からない。

 

 

3)アルバイト先でのコロナ感染対策、コロナ感染

表Ⅱ2-5 アルバイト先で採用されているコロナ感染対策【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
とくに何も行われていない 8 1.6 7 1.9 1 0.8
感染予防に効果のあるマスクが従業員に配られている 154 31.1 107 29.4 47 35.9
消毒がこまめに行われている 391 79.0 291 79.9 100 76.3
アクリル板やビニールシートが備えつけられている 375 75.8 271 74.5 104 79.4
換気がしっかり行われている 257 51.9 180 49.5 77 58.8
出勤人数が制限されている 79 16.0 63 17.3 16 12.2
利用者・客の入場・入店が制限されている 73 14.7 57 15.7 16 12.2
検温装置が置かれている 192 38.8 137 37.6 55 42.0
ソーシャルディスタンスを保つ工夫がされている 196 39.6 145 39.8 51 38.9
その他 11 2.2 7 1.9 4 3.1
〔無回答〕 3 0.6 2 0.5 1 0.8

 

表Ⅱ2-6 コロナ感染対策の作業は、勤務時間内に行われているか

単位:人,%

全体 1部 2部
484 100.0 355 100.0 129 100.0
勤務時間内に行われている 431 89.0 318 89.6 113 87.6
勤務時間内に行われていないが、その分の給料は支給されている 9 1.9 8 2.3 1 0.8
勤務時間内に行われて折らず、その分の給料も支給されていない 36 7.4 24 6.8 12 9.3
〔無回答〕 8 1.7 5 1.4 3 2.3

 

表Ⅱ2-7 アルバイト先で、仕事中にコロナ感染のおそれを感じる有無・頻度と、2021年度以降、コロナ感染のおそれからアルバイトを控えたことの有無

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
アルバイト先で、仕事中にコロナ感染のおそれを感じる有無・頻度 よくある 84 17.0 59 16.2 25 19.1
まあある 206 41.6 137 37.6 69 52.7
あまりない 162 32.7 127 34.9 35 26.7
まったくない 41 8.3 40 11.0 1 0.8
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8
495 100.0 364 100.0 131 100.0
2021年度以降、コロナ感染のおそれからアルバイトを控えたことがあるか ない 420 84.8 310 85.2 110 84.0
ある 73 14.7 53 14.6 20 15.3
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8

 

コロナ感染対策という安全衛生に関する状況を今回の調査では調べてみた[注6]

第一にアルバイト先で採用されているコロナ感染対策を尋ねてみた(複数回答可)。

結果は(表Ⅱ2-5)、「消毒がこまめに行われている」、「アクリル板やビニールシートが備えつけられている」が78割で高いほか、「換気がしっかり行われている」(49.5%、58.8%)や、「検温装置が置かれている」[注7]、「ソーシャルディスタンスを保つ工夫がされている」が4割前後だった。こまめな消毒の実施やアクリル板等の設置の割合は高いとはいえ、空気感染の危険性が指摘されるようになってきた今日では、換気の実施状況に留意が必要である。

第二に、コロナ感染対策の作業は勤務時間内に行われているか、を尋ねた(前問で、「とくに何も行われていない」と回答した者と無回答者を除く)。

結果は(表Ⅱ2-6)、9割近くは「勤務時間内に行われている」という回答だった。ただ、「勤務時間内に行われておらず、その分の給料も支給されていない」[注8]という回答が1部生で6.8%、2部生で9.3%みられる。

第三に、アルバイト先で、仕事中にコロナ感染のおそれを感じる有無・頻度を四段階で尋ねた(表Ⅱ-2-7)。「よくある」に限定すると2割を切るが、「まあある」まで含めると1部生では半数を、2部生では7割を超える。

最後に、2021年度以降に限定して、「コロナ感染のおそれからアルバイトを控えたことがあるか」を尋ねてみたところ(同表下段)、「ある」は15%前後(14.6%、15.3%)だった。

 

[注6] コロナ対策の回答選択肢の設定は悩ましかった。まず、コロナ対策に何が有効であるかの知見が必ずしも統一されていなかった。また、コロナ対策の有効性は、就労現場の具体的な状況とあわせて検討される必要もある。以上のことを念頭におかれたい。

[注7] 客・利用者の検温を想定したが、学生アルバイトなど労働者の検温の有無なども調べるべきだった。

[注8] 調査票で「勤務時間内に行われて折らず、その分の給料も支給されていない」という誤字があった(「折」らず)。支障はないと判断し、結果はそのまま使う。

 

自由記述③のうちコロナ感染関連

【82】コロナ禍なのに接客をするように指導されること。

【138】アルバイト先はコロナの感染対策がしっかりとされているが、出勤している人数が多いため感染が不安。

【215】感染を避けるため接客やコールセンター等の仕事は避けたいが、それら以外のアルバイトがなかなか無い

【501】急に契約書より100円低い時給にされ、抗議すると「やめさせる」と脅された。また感染予防が徹底されていない店舗で働いていた時、コロナ感染が怖くてシフトを減らした際、罰金を払えと言われた。理不尽なのでそこは2ヶ月で辞めた。

【576】新型コロナに対する客の意識が低い。マスクをしていなかったり、お札につばをつけていたりしていて不衛生である。また、ソーシャルディスタンスをとっていない人が多い。

【577】コンビニでアルバイトをしていますが、マスクをしていないお客様が来ると「みんな我慢しているのに」とイライラします。

【634】マスクをしないで入店してくる人がいる。

 

 

4)緊急事態宣言下での労働時間数及びアルバイト収入

 2021516日から620日までの緊急事態宣言下のことに焦点をしぼって勤務量やアルバイト収入のことを尋ねた(緊急事態宣言下の期間に関する情報は、調査票にも明記した)。

それらに先だって、現在のアルバイトがシフト制かどうかを尋ねた。冒頭でもふれたが、この間、シフト制労働者に休業手当が支給されておらず、しかもシフト制であることをもって不支給が正当化されていることが社会問題となっている[注9]。そのことを念頭において尋ねた。

事前に学生から話を聞いたりインターネット上で調べてみたところ、シフト制には「自由シフト制」と「固定シフト制」があるようなので、これらを「シフト制」として一括して、ほかに、「完全な固定勤務制」、「単発のバイト」、「登録型派遣」という選択肢を設けた。

 

[注9] 首都圏青年ユニオンと顧問弁護団による「シフト制労働黒書」を参照。

 

 

表Ⅱ2-8 現在のアルバイトはシフト制か

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
シフト制(自由シフト制、固定シフト制) 441 89.1 331 90.9 110 84.0
完全な固定勤務制 29 5.9 15 4.1 14 10.7
単発のバイト 13 2.6 9 2.5 4 3.1
登録型派遣 10 2.0 8 2.2 2 1.5
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8

 

結果は(表Ⅱ2-8)、「シフト制」が圧倒的に多く、1部生では90.9%、2部生では84.0%だった。2部生でほかに「完全な固定勤務制」が1割ほどみられる。

次に、緊急事態宣言下でのアルバイト量や収入の変化などをみていく。アルバイトを始めて一定の期間が経った者に分析の対象を限定する(具体的には、表Ⅱ2-4での回答で、「働き始めたばかり」、「1,2か月」と回答した者を除く)。理由は、最近アルバイトを始めた者は、緊急事態宣言下での勤務量の増減が明確にあらわれないのではないかと思われたからである2021年4月、5月、6月それぞれの収入を尋ねた設問で「アルバイトはまだ始めていなかった」と回答した者は分析対象から除いた[注10]。対象を限定した結果、1部生は305人、2部生は115人となった。

 

[注10] 勤務量の増減の起点をどこにおくか(いつの時点と比べるか)や週・月別の勤務量の正確な把握の必要性は、調査票を作成する際にも議論になった点である。

 

表Ⅱ2-9 緊急事態宣言下でのシフト量・労働時間の変化

単位:人,%

全体 1部 2部
420 100.0 305 100.0 115 100.0
ゼロになった 36 8.6 32 10.5 4 3.5
減った 135 32.1 107 35.1 28 24.3
増えた 29 6.9 19 6.2 10 8.7
変化していない 210 50.0 138 45.2 72 62.6
〔無回答〕 10 2.4 9 3.0 1 0.9

 

表Ⅱ2-10 緊急事態宣言下での週の労働時間数と、緊急事態宣言に入る前(2021年4月)の週の労働時間数

単位:人,%

全体 1部 2部
(4月) (宣言下) (4月) (宣言下) (4月) (宣言下)
420 100.0 420 100.0 305 100.0 305 100.0 115 100.0 115 100.0
ゼロ 15 3.6 42 10.0 12 3.9 39 12.8 3 2.6 3 2.6
5時間未満(ゼロを除く) 22 5.2 42 10.0 18 5.9 32 10.5 4 3.5 10 8.7
5~10時間未満 54 12.9 71 16.9 40 13.1 55 18.0 14 12.2 16 13.9
10~15時間未満 84 20.0 80 19.0 72 23.6 67 22.0 12 10.4 13 11.3
15~20時間未満 110 26.2 86 20.5 80 26.2 59 19.3 30 26.1 27 23.5
20~25時間未満 84 20.0 57 13.6 57 18.7 34 11.1 27 23.5 23 20.0
25~30時間未満 16 3.8 10 2.4 7 2.3 2 0.7 9 7.8 8 7.0
30時間以上 21 5.0 19 4.5 8 2.6 6 2.0 13 11.3 13 11.3
〔無回答〕 14 3.3 13 3.1 11 3.6 11 3.6 3 2.6 2 1.7
(再掲)10時間未満 21.7 36.9 23.0 41.3 18.3 25.2
    15時間未満 41.7 56.0 46.6 63.3 28.7 36.5

 

さて、第一に、緊急事態宣言下でのシフト量・労働時間の変化(それ以前に比べて)を尋ねた。

結果は(表Ⅱ2-9)、最多は「変化していない」であるが(45.2%、62.6%)、1

部生では「減った」が35.1%、「ゼロになった」が10.5%で、足し合わせると「変化していない」とほぼ同数である。「変化していない」が6割を超える2部生では、「減った」が24.3%、「ゼロになった」は3.5%である。

第二に緊急事態宣言下での週の労働時間数と、宣言〔下〕に入る前(2021年4月)の週の労働時間数をそれぞれ尋ねた。

比較ができるよう結果をまとめたところ(表Ⅱ2-10)、やはり1部生での減少が目立つ。10時間未満と15時間未満の割合をみたところ、1部生では、10時間未満が23.0%から41.3%へ、15時間未満まで範囲を広げると46.6%から63.3%へ、それぞれ、割合が大きく増えている(2部生でも増大はしているが、それぞれ、25.2%、36.5%にとどまる)。

 

表Ⅱ2-11 2021年4~6月のアルバイト収入(交通費は除く。休業手当は含む)

単位:人,%

1部 2部
(4月) (5月) (6月) (4月) (5月) (6月)
305 100.0 305 100.0 305 100.0 115 100.0 115 100.0 115 100.0
ゼロ円(アルバイトは始めていたが仕事がなかった) 14 4.6 12 3.9 14 4.6 1 0.9 1 0.9 1 0.9
1万円未満(ゼロ円を除く) 15 4.9 11 3.6 9 3.0 3 2.6 1 0.9 2 1.7
1万円以上2万円未満 23 7.5 19 6.2 21 6.9 3 2.6 1 0.9 1 0.9
2万円以上4万円未満 44 14.4 48 15.7 57 18.7 15 13.0 15 13.0 10 8.7
4万円以上6万円未満 77 25.2 88 28.9 80 26.2 23 20.0 25 21.7 19 16.5
6万円以上8万円未満 62 20.3 70 23.0 73 23.9 31 27.0 33 28.7 44 38.3
8万円以上10万円未満 41 13.4 35 11.5 36 11.8 16 13.9 20 17.4 11 9.6
10万円以上12万円未満 12 3.9 9 3.0 4 1.3 7 6.1 8 7.0 13 11.3
12万円以上14万円未満 1 0.3 3 1.0 3 1.0 2 1.7 0 0.0 2 1.7
14万円以上 7 2.3 1 0.3 1 0.3 8 7.0 7 6.1 7 6.1
〔無回答〕 9 3.0 9 3.0 7 2.3 6 5.2 4 3.5 5 4.3
(再掲)4万円未満 31.5 29.5 33.1 19.1 15.7 12.2
    6万円未満 56.7 58.4 59.3 39.1 37.4 28.7

 

第三に、2021年4月から6月にかけてのアルバイト収入を尋ねてみた。ここでの収入とは「交通費は除くが、休業手当は含む」。分析の対象を限定したため(短期間勤務者を除いたため)、調査票(選択肢)で設けていた「アルバイトをまだ始めていなかった」はここでは除外されている。

結果は(表Ⅱ2-11)、予想していたような動き、すなわち、4月に比べて、5,6月の収入が減少していくという動きは今回の結果からはみられなかった。4万円未満、6万円未満という区分を設けてみてみたが、増大はみられない(2部生ではこれらの割合が逆に減っている)。

 

 

5)勤務の減少で支払い・捻出に苦労したこと

表Ⅱ2-12 勤務シフトや労働時間は減らなかった

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
勤務シフト量や労働時間は減らなかった 〇なし(減った) 233 47.1 180 49.5 53 40.5
〇あり(減らなかった) 125 25.3 85 23.4 40 30.5
〔無回答〕 137 27.7 99 27.2 38 29.0

 

表Ⅱ2-13 勤務シフト量や労働時間が減少した、ゼロになったことで支払い・捻出に苦労したこと【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
233 100.0 180 100.0 53 100.0
遊興費や趣味に使えるお金 140 60.1 103 57.2 37 69.8
生活費 80 34.3 50 27.8 30 56.6
教科書代や通学費 51 21.9 34 18.9 17 32.1
授業料 37 15.9 21 11.7 16 30.2
部活やサークルの費用 23 9.9 18 10.0 5 9.4
就職活動に要する費用 32 13.7 22 12.2 10 18.9
資格や免許の取得に要する費用 45 19.3 35 19.4 10 18.9
勤務シフト量や労働時間は減ったが、支払い・捻出に苦労するものはとくになかった 52 22.3 47 26.1 5 9.4
その他 1 0.4 1 1.9

 

さて、勤務シフト量や労働時間が「減少した」「ゼロになった」ことで支払い・捻出に苦労したことはなかったかを複数回答可で選択してもらった。調査票ではほかの選択肢とまとめて尋ねていた「勤務シフトや労働時間は減らなかった」を別表で先に取り上げる。

結果は(表Ⅱ2-12)、まず無回答が多かった。無回答の多くは、勤務シフト量や労働時間数が「減らなかった」者ではないかと思われる。その上で、「減った」は1部生ではとくに多く49.5%で、2部生では40.5%である。なお、無回答は、「減らなかった」者とみなして、以下の項目では、分析の対象とはしない。

ではこの「減った」者を対象にして支払い・捻出で苦労したことをみると(表Ⅱ2-13)、まず、「勤務シフトや労働時間は減ったが、支払い・捻出に苦労するものはとくになかった」は、1部生で26.1%、2部生では9.4%である。2部生は1部生に比べると、「減った」が10ポイントほど低かったが、減った者に限定してみると支払い・捻出での苦労が多くみられる、ということになる。

ではその減った中身であるが、最も多いのは、「遊興費や趣味に使えるお金」(57.2%、69.8%)で、それに次ぐのが、2部生では「生活費」で割合は56.6%と高い(1部生では27.8%)。2部生では、「教科書代や通学費」や「授業料」も、「減った」者のうち3割前後を占める。

以下の自由記述は、支払いや捻出で苦労したその具体的な内容である。

 

自由記述②より

【7】生活費の食料を買うお金。

【13】授業料が厳しい。

【24】貯金で遣り繰りすることが出来ている。

【30】食費しか節約できるものがなかった。

【32】対面授業もあり、一回往復千円以上交通費がかかったら携帯代、コンタクト代。

【34】外食の時、大戸屋ややよい軒ではなく吉野家やなか卯に行くことが増えた。

【36】毎回学費、積立、貯金と分けてから趣味にお金を当てているのですが、最初の3つでほとんどのお金がなくなってしまい趣味にあてられる分がなくなってしまった。

【47】仕送りなしで、奨学金とアルバイト収入のみで自分でやりくりしているため生活が苦しかった

【48】学費の支払い。

【56】自動車学校の入校を決めていたことから、30万を貯めることが必要だったから。

【65】授業料を返済するための貯金と、留学のための貯金がなかなか貯まりませんでした。

【69】コスメを買う。

【79】私生活に関することで、使えるお金があまりなく我慢することがよくあった。

【83】普段のものに加え、就活で更に交通費などが必要になったため、苦しい。いずれ免許を取ろうと月の半分の給料を貯金に回していたが、結局目標金額まで達成できなかった。友人からコロナ終息後の旅行など誘われているが、余裕がなく正直断るしかない。

【84】食費にお金をかけないようにした。

【97】いざという時の大きな支払いが出来なくて困っている。スマホのバッテリーが劣化で膨張しておりすぐにでも機種変更をしたいが、お金がないので放置している。

【104】コロナ前はカフェに週4,5くらいの頻度で行っていたが、今では週2以下が多くなった。また、一度に使うカフェ代も前より安く済むよう気を使うようになった。

【112】交通費や教科書代は特に負担になった。

【121】自動車学校の費用。

【124】プログラミングを学ぶためのMacBook+授業料。趣味で行っている種目の大会出場費や準備費用。

【129】正直、第4回目の食糧支援で何とか凌げた程でした。本当に感謝しています。

【163】外食などは当然皆無、生活費はギリギリで、勉強するための本なども我慢していました。

【170】飲食店が20時閉店になっているため、労働時間が平均2時間減った。

【177】学費の捻出が第1だったので、必然的に趣味で買っていた本やコンビニでお菓子を買ったりすることもむずかしくなった。

【178】装飾品など。

【192】大学の授業料、自動車学校の費用。

【203】家賃。

【213】学費と運転免許証代を稼がなくてはならなくて給料が足りない。

【215】衣服や趣味の購入頻度を落とし、その分を授業料に宛てた。

【222】家賃。食費、諸々含めた生活費。

【234】固定でかかる生活費を払うのに苦労しました。

【238】授業料は奨学金で賄えていたが、その他光熱費などの生活費が苦しくなり、1日に一食しか食べられないこともざらになった。

【241】好きなものを買うのを少し控えた。

【242】学費のための貯金がしづらくなったのと、遊びに行く頻度が減った。

【253】大学の学費、参考書代、大学までの定期代、生活費。

【260】授業料、生活費が実費のため苦しんだ。

【273】細かな支出を気にするようになった。

【285】一人暮らしの為、生活するためのお金が減り、どの面においても大変な面はあった。

【290】部活の用具を買うのを躊躇した。

【291】車の免許代をためることができなかった。

【304】一番は学費。

【320】食費、水道光熱費などの生活費。趣味にお金は使わなくなった。

【321】パンプスなど、就活に必要な衣服に出すお金がなかった。

【325】収入は生活費を支払うのでギリギリもしくは足りない時もあり、学費のために借りている奨学金を生活費に回すしかないことも多々ある。その結果、奨学金を使っているため学費の支払いが苦しくなり、延納してなんとか支払っている状況。実際延納しても期間が足りず本当に苦しい。なので、就活活動に要する費用なんてものはほぼない。

【332】自分はファッションが好きなので、服や、靴、また、スキンケアなどにもお金を使うので、少し控えなければいけませんでした。

【362】趣味や友達と遊ぶ際のお金。

【375】服やコスメを全く買えなくなった。就活のための髪の黒染め代が払うのが厳しくなった。

【380】親と同居しているが個人的な食費や学費は自分で払うことになっているので、前期の学費が払えず休学した。

【386】支給されるまで具体的な額が分からなかったので計画がたてられなかった。

【394】趣味にあまりお金を使えなくなった。

【397】学校の対面授業も週に一度だったので、電車の通学定期を買えず、毎回往復で2000円近くかかってしまった。

【403】本を買ったり、好きな食べものを食べに行くのを控えて、必要最低限の生活をしていた。

【410】とにかく授業料と生活費が足りなく苦労しています。どうしたらいいのでしょうか。とても不安です。私は一年生の頃から生活費も光熱費も学費もアルバイトと奨学金で全て賄っています。そのため、収入が減ったことにより生活も苦しく心の余裕がありません。

【420】交通費、友達との外食費。

【422】タバコ、食費、携帯プランの変更、学費、就職活動の交通費。

【424】将来のために買いたい本も諦めざるを得ない状況で、生活費や教科書代のために食費を削るなどの工夫をしました。

【441】資格取得の為のテキストと図書。

【469】学費を自分でも払っているため、そのお金に困った。

【479】基礎化粧品代や美容室代。

【501】大学院進学に関する費用。

【502】4,5月は新しいバイトを始めたばかりで収入が安定していなかったため、スマホ代や教科書代が大きな負担になった。そのため、趣味に使うお金を抑えざるを得なかった。

【525】定期代などを奨学金から賄った。

【526】草野球の部費や部員との集まり。

【550】参考書などを買うことに躊躇。

【565】なるべく安い食材で自炊を行うようになった。

【586】アルバイトの給料で授業料を払い、奨学金で生活費等を賄っていましたが、給料の減少により奨学金だけでやりくりしなければいけなかったため、生活がカツカツになった。

【593】休業手当が出たため。貯金もしていたため。

【600】学内食糧支援と、貯金を切り崩した分でなんとか凌いでいました。

【610】夏休みに自動車免許を取得や歯列矯正をしようと思ったが、貯金が出来なかった。

【614】交通費、授業料を毎月のバイト代から数万ずつためているためそこに充てられる額が減った。

【620】車の免許取得のために貯めていたお金を使わざるを得なかった。

【633】交通費や月々の支払いが負担に感じるようになった。

【638】娯楽費を削減するように努めた。

【639】貯金等が収入の大半を占め、自分に使える金額が減った。

【653】1つ目のバイトを始めたとき、シフト量が少なかったので、掛け持ちを始めた。よって、勤務シフト量や労働時間は自分が希望していたくらいの量にすることができた。

【673】部活動の活動費用。

【677】生活で必要な日用品などにかかる費用、教科書、交通費など。

 

3.アルバイト収入、使途

 

表Ⅱ3-1 アルバイト収入の使途

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
遊び・趣味等に使うお金を稼ぐため 92 18.6 77 21.2 15 11.5
どちらかといえば遊び・趣味等に使うお金を稼ぐため 148 29.9 117 32.1 31 23.7
どちらかといえば学費・生活費等を稼ぐため 73 14.7 52 14.3 21 16.0
学費・生活費等を稼ぐため 67 13.5 35 9.6 32 24.4
どちらも半々 113 22.8 82 22.5 31 23.7
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8

 

関連して、アルバイト収入の使途をまとめたのが表Ⅱ3-1である。とりわけ2部生では「学費・生活費等を稼ぐため」が4分の1を占めて多く、「どちらかといえば」を足し合わせると4割に至る。さらに「どちらも半々」(23.7%)まで足し合わせると、6割に達する。1部生ではそこまでの割合には満たないが合計で5割弱である(内訳は順に9.6%、14.3%、22.5%)。

 

表Ⅱ3-2 現在自分が希望するだけの収入を得られているか

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
得られている 294 59.4 211 58.0 83 63.4
得られていないが、今後は得られそう 93 18.8 74 20.3 19 14.5
得られておらず、今後も得られなさそう 68 13.7 49 13.5 19 14.5
得られておらず、今後どうなるかはわからない 37 7.5 28 7.7 9 6.9
〔無回答〕 3 0.6 2 0.5 1 0.8

 

表Ⅱ3-3 本来希望するアルバイト収入

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
現在の金額で十分 105 21.2 76 20.9 29 22.1
5万円未満 26 5.3 23 6.3 3 2.3
5万円台 54 10.9 43 11.8 11 8.4
6万円台 55 11.1 47 12.9 8 6.1
7万円台 63 12.7 41 11.3 22 16.8
8万円台 94 19.0 71 19.5 23 17.6
9万円台 28 5.7 19 5.2 9 6.9
10万円台 42 8.5 31 8.5 11 8.4
11万円以上 25 5.1 12 3.3 13 9.9
〔無回答〕 3 0.6 1 0.3 2 1.5
(再掲)6万円以上 62.0 60.7 65.6

注1:「現在の金額で十分」は、金額それ自体を示した回答ではない。
注2:「11万円台」以上は、「11万円以上」で一括した(一覧表では詳細を掲載)。

 

現在自分が希望するだけの収入を得られているかと、本来希望するアルバイト収入を尋ねた。

前者の回答をみると(表Ⅱ3-2)、「得られている」という回答はそれぞれ6割前後を占める(58.0%、63.4%)。後者は表Ⅱ3-3のとおりである。

但しこの回答では、希望するだけの金額を「得られている」学生と「得られていない」学生とで、そもそも現在のアルバイト収入がどうなっているか、また、希望額はどうなっているかが分からない。そこで、「得られている」と回答した学生と「得られていない」と回答した学生とで、6月のアルバイト収入がどうなっているかと本来希望する金額とを尋ねた。それが表Ⅱ3-4である。

 

表Ⅱ3-4 希望額を得られているか得られていないか別にみた、2021年6月のアルバイト収入及び本来希望するアルバイト収入

単位:人,%

全体 1部 2部
得られていない群 得られている群 得られていない群 得られている群 得られていない群 得られている群
198 100.0 294 100.0 151 100.0 211 100.0 47 100.0 83 100.0
2021年6月のアルバイト収入(交通費は除く。休業手当は含む) アルバイトをまだ始めていなかった 9 4.5 4 1.4 6 4.0 3 1.4 3 6.4 1 1.2
ゼロ円(アルバイトは始めていたが仕事がなかった) 16 8.1 1 0.3 15 9.9 1 0.5 1 2.1 0 0.0
1万円未満(ゼロ円を除く) 11 5.6 7 2.4 9 6.0 6 2.8 2 4.3 1 1.2
1万円以上2万円未満 20 10.1 7 2.4 18 11.9 6 2.8 2 4.3 1 1.2
2万円以上4万円未満 53 26.8 33 11.2 42 27.8 32 15.2 11 23.4 1 1.2
4万円以上6万円未満 45 22.7 66 22.4 33 21.9 56 26.5 12 25.5 10 12.0
6万円以上8万円未満 24 12.1 101 34.4 14 9.3 64 30.3 10 21.3 37 44.6
8万円以上10万円未満 8 4.0 45 15.3 6 4.0 35 16.6 2 4.3 10 12.0
10万円以上12万円未満 5 2.5 13 4.4 3 2.0 2 0.9 2 4.3 11 13.3
12万円以上14万円未満 1 0.5 4 1.4 1 0.7 2 0.9 0 0.0 2 2.4
14万円以上 1 0.5 7 2.4 0 0.0 1 0.5 1 2.1 6 7.2
〔無回答〕 5 2.5 6 2.0 4 2.6 3 1.4 1 2.1 3 3.6
(再掲)4万円未満 50.5 16.3 55.6 21.3 34.0 3.6
    6万円未満 73.2 38.8 77.5 47.9 59.6 15.7
198 100.0 294 100.0 151 100.0 211 100.0 47 100.0 83 100.0
本来希望するアルバイト収入 現在の金額で十分 3 1.5 102 34.7 2 1.3 74 35.1 1 2.1 28 33.7
5万円未満 13 6.6 13 4.4 11 7.3 12 5.7 2 4.3 1 1.2
5万円台 27 13.6 26 8.8 21 13.9 21 10.0 6 12.8 5 6.0
6万円台 31 15.7 24 8.2 27 17.9 20 9.5 4 8.5 4 4.8
7万円台 28 14.1 35 11.9 17 11.3 24 11.4 11 23.4 11 13.3
8万円台 48 24.2 45 15.3 38 25.2 32 15.2 10 21.3 13 15.7
9万円台 14 7.1 14 4.8 9 6.0 10 4.7 5 10.6 4 4.8
10万円台 20 10.1 22 7.5 18 11.9 13 6.2 2 4.3 9 10.8
11万円以上 13 6.6 12 4.1 7 4.6 5 2.4 6 12.8 7 8.4
〔無回答〕 1 0.5 1 0.3 1 0.7 0 0.0 0 0.0 1 1.2
(再掲)6万円以上 77.8 51.7 76.8 49.3 80.9 57.8

 

結果は、当然のことであるが、「得られている」群に比べると「得られていない」群において、アルバイト収入の低い者が多い。

例えば4万円未満の割合は、「得られている」群が1部で21.3%、2部で3.6%であるのに対して、「得られていない」群では、それぞれ55.6%、34.0%である。6万円未満まで範囲を広げると、「得られている」群では47.9%、15.7%であるのに対して、「得られていない」群では77.5%、59.6%である。

 

 

4.労働法・ワークルールの認知と休業手当支給状況

 

労働法・ワークルールの認知状況を尋ねた。対象は、アルバイトをしている学生だけに限定されていることに留意されたい(アルバイトをしていない学生を含めて質問していたら、認知状況は、今からみる結果よりも低かったのではないかと推測される)。

 

表Ⅱ4-1 有給休暇制度の認知・理解と、現在のアルバイト先では、学生アルバイトが有給休暇を使うことはできるか

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
勤続期間などの条件を満たせば、学生アルバイトでも有給休暇を使うことができることを 知っていた 371 74.9 260 71.4 111 84.7
知らなかった 113 22.8 95 26.1 18 13.7
有給休暇制度そのものを知らなかった 6 1.2 5 1.4 1 0.8
〔無回答〕 5 1.0 4 1.1 1 0.8
495 100.0 364 100.0 131 100.0
現在のアルバイト先では、学生アルバイトが有給休暇を使うことは できる 195 39.4 129 35.4 66 50.4
できない 77 15.6 58 15.9 19 14.5
わからない 221 44.6 176 48.4 45 34.4
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8

 

第一に有給休暇についてである。

結果は(表Ⅱ4-1)、「勤続期間などの条件を満たせば、学生アルバイトでも有給休暇を使うことができること」は「知っていた」学生が多く、1部生では71.4%、2部生ではさらに多く84.7%である。

ところが、「現在のアルバイト先では、学生アルバイトが有給休暇を使うこと」ができるかを尋ねると、「できる」の割合は大きく減少し、とくに1部生では35.4%にとどまる(2部生では50.4%とかろうじて半数を超えた)。

 

表Ⅱ4-2 休業手当に関する認知・理解状況

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
学生アルバイトでも休業手当が支給されることを 知っていた 316 63.8 234 64.3 82 62.6
知らなかった 175 35.4 127 34.9 48 36.6
〔無回答〕 4 0.8 3 0.8 1 0.8
495 100.0 364 100.0 131 100.0
労働基準法上、休業手当は平均賃金の6割以上が支給される必要があることを 知っていた 237 47.9 162 44.5 75 57.3
知らなかった 256 51.7 201 55.2 55 42.0
〔無回答〕 2 0.4 1 0.3 1 0.8
495 100.0 364 100.0 131 100.0
お店が完全に休業したり1日単位での休業の場合だけでなく、勤務時間が短縮されるような場合でも休業手当が支給されることを 知っていた 190 38.4 135 37.1 55 42.0
知らなかった 302 61.0 228 62.6 74 56.5
〔無回答〕 3 0.6 1 0.3 2 1.5

 

次に休業手当に関する質問である。

結果は(表Ⅱ4-2)、まず学生アルバイトでも休業手当が支給されることを知っていたかを尋ねたところ、「知っていた」は6割強である(64.3%、62.6%)。

次に、労働基準法上、休業手当は平均賃金の6割以上が支給される必要があることについては、「知っていた」は44.5%、57.3%まで低下する。

そして最後に、お店が完全に休業したり1日単位での休業の場合だけでなく、勤務時間が短縮されるような場合でも休業手当が支給されることを知っていたかという質問への回答は、4割前後にまでさらに低下する(37.1%、42.0%)。

 

 

表Ⅱ4-3 2020年度以降、勤務シフト量・労働時間が減ることは経験しなかった

単位:人,%

全体 1部 2部
495 100.0 364 100.0 131 100.0
2020年度以降、勤務シフト量・労働時間が減ることは経験しなかった 〇なし(経験した) 254 51.3 189 51.9 65 49.6
〇あり(経験しなかった) 92 18.6 64 17.6 28 21.4
〔無回答〕 149 30.1 111 30.5 38 29.0

 

表Ⅱ4-4 〔経験した場合〕休業手当が支給されたか【複数回答可】と、平均給与の何割が支給されたか【複数回答可】

単位:人,%

全体 1部 2部
254 100.0 189 100.0 65 100.0
〔経験した場合〕休業手当が支給されたか【複数回答可】 休業手当が支給された 103 40.6 78 41.3 25 38.5
休業手当ではないが、シフト・労働時間の減少に対する手当が支給された 26 10.2 18 9.5 8 12.3
有給休暇の使用で処理された 9 3.5 2 1.1 7 10.8
とくに何も支給されなかった 127 50.0 100 52.9 27 41.5
その他 4 1.6 3 1.6 1 1.5
103 100.0 78 100.0 25 100.0
平均給与の何割が支給されたか【複数回答可】 10割(満額)が支給された 20 19.4 16 20.5 4 16.0
8~9割 17 16.5 14 17.9 3 12.0
6~7割 49 47.6 36 46.2 13 52.0
4~5割 15 14.6 12 15.4 3 12.0
それ以下 8 7.8 7 9.0 1 4.0
〔無回答〕 3 2.9 2 2.6 1 4.0
(再掲)6割未満 22.3 24.4 16.0

注:平均給与に対する休業手当の支払いの割合は、複数回答可である。

 

休業手当の支給状況を調べた。

まず、休業手当が支給される前提として、2020年度以降、勤務シフト量・労働時間が減ることを経験したかをみてみる(調査票では、休業手当の支給状況とあわせて尋ねたが、ここでは、表を分ける)。

結果は(表Ⅱ4-3)、経験したが約半数である(51.9%、49.6%)。無回答も多かったが、経験しなかった者とみなす。

では次に、対象を経験者に限定して、休業手当が支給されたかどうかを複数回答可で[注11]尋ねたところ、結果は(表Ⅱ4-4)、「休業手当が支給された」は4割前後にとどまる(41.3%、38.5%)[注12]。ほかは、「休業手当ではないが、シフト・労働時間の減少に対する手当が支給された」が1割前後(9.5%、12.3%)、「有給休暇の使用で処理された」が2部生では10.8%(1部生では1.1%)で、「とくに何も支給されなかった」が1部生では52.9%、2部生では41.5%に及んでいる。

最後に、平均給与の何割が支給されたかを尋ねたところ、6割以上支給された者が8割台だった(84.6%、80.0%)。

 

[注11] 休業手当の支給について複数の(異なる)経験をしたというゼミ生からの事前の聞き取りに従い、「複数回答可」の設計とした。実際今回の調査でも、次のような記述がみられた。「店が休業のときは休業手当として支給された。短縮営業では手当はなかった。」「8月から始めた仕事は休業手当が支給されたが、前の職場では支給されなかった。」

[注12] 休業手当が支給される予定の1人を「支給された」にした。

 

自由記述③より

<休業手当関連>

【34】休業手当についてなど店長に聞きづらい。

【97】休業手当が支給されない。パートさんには6割ほどの休業手当が支給されているものの、学生アルバイトには支給がなされていない。これについて国の制度を使って受け取れないか相談をしたが、制度上難しいとの回答を受け支給されなかった。具体的には「この申請を通すと勤務先が休業手当を支給していないことになるため難しい」と回答された。学生アルバイトは実際に給付を受けていないのだが、どうやら裏では支給されている事になっているらしい。国の制度の説明には「シフト制でも受け取りが可能」とあったが、どうやらそれでも支給できないらしい。

【343】自身の勤務状況なら有給が出るのではないかと考え問い合わせたが、出ないといわれた。

【375】もう辞めたので書きますが、コロナで正社員しか出勤できず、バイトは休んでもらうように指示されたのに、それらに関する手当が一切出なかった。何度も定期的に役員レベルの人に手当てはいつ出るのか聞いたところ「今申請していて…」と濁されるばかり。小さな嫌な事が積み重なったので退職しました。自ら辞めたという形になりましたが、コロナのための人件費削減として辞めてほしいみたいなことを遠回りで言われました。

【386】勤務時間ゼロ分の休業手当は支給されたが、時短営業分手当が支給されるのか分からない。

【633】5月からバーのお店が休業しているので、休業手当が欲しい。

 

<就業・勤務増希望>

【13】もっと大学のアルバイト掲載を増やして欲しい。

【17】コロナ前後で忙しさがあまり変わっていないのでもっとアルバイトが増えて欲しい。

【62】アルバイトを5月に応募してから働き始めるまで2か月かかった。緊急事態宣言が出ているときだったため、シフトを入れるのをもう少し待って欲しいと言われた。

【79】今でも、シフトがあまり入らず給料が安定していません。ですので、以前のような大学の方からいただけるお金があるとすごく助かります。かろうじて職場は倒産していないものの前の職場のように倒産する可能性は十分にありますので、ご検討いただければと思います。

【83】大学生2年生の妹はアルバイト自体が、私は掛け持ちのアルバイトが見つかりません。私の体感になりますが、現在の求人状況は飲食店・イベント系統は求人がほとんどなく、あるのは派遣の事務かコールセンター、たまにスーパーやコンビニを見かけます。コールセンターは時給が高いのですが、クラスターが恐いため避けたいと思い事務に応募→面接に行くと派遣会社に登録後なにやら言いくるめられ結局コールセンターに流される(過去3回経験)。スーパーやコンビニは講義や就活で忙しい学生アルバイトには難しいシフトを提示してくる印象(店によると思うが、優しくても最低週3フルタイムなど。また、求人条件と実際の採用条件は異なることが多い。例:最低週2の朝帯募集ときいた→最低週3は出てくれないと困る。深夜帯に人が足りていない)。

【104】4年生で今からアルバイトを変えるのは厳しいかと思うが、今のアルバイト先はあまりシフトに入れないので辞めようか迷っている。収入を得るには単発のアルバイトしかないのだろうか。

【118】103万円の壁をなくしてほしい。

【151】会社の方針で、アルバイトの一か月の勤務時間が決まっており、今以上に出勤時間を増やしたくても増やせないことが悩みです。

【154】今後も飲食店に時短や休業要請が出ると、今月から休業手当がなくなるので収入が減ってしまう。新しくアルバイトを探そうと思うが、求人が思うように見つけられない。

【165】親の収入が激減し、自分が生きるためのお金は自分で稼がなければならなくなったので、アルバイト収入は増えても生活は苦しくなっているのが現状です。

【166】現在のアルバイトの他に、個人の飲食店のアルバイトに申し込みましたが、新型コロナウィルス感染症の影響とそれに関わるシフトの影響から、採用を拒否された経験があります。

【186】アルバイトを探しているが、コロナが始まる以前と比べてかなり限られ難しくなっている。

【325】アルバイト先では学生バイトからシフトが削られていく。何度かシフトについて掛け合っているが今の収入だけでは本当に生活は苦しいし、後期の学費が支払えない可能性が大いにある。もちろんアルバイトの掛け持ちも考えているが、就職活動も進める必要があり、正直なところ精神的にも身体的にもそんな余裕がなくこの先どうすればよいか分からない。

【403】時短営業や休業が続いているので、アルバイトを掛け持ちしようか悩んでいる。

 

<人手不足・勤務過多>

【40】人生の大半の時間がアルバイトになってしまっていること。

【146】人手不足。

【260】人が足りない。

【308】学業との両立をするのが大変だった。

【503】人手が足りず、出勤可能と出した日全てにシフトが入ったり、希望休が取れない場合もあること。(後に予定ができた際、代打の人も見つからず、休みが取りづらい状況にもあること)。

【364】シフトが少しきついが言いにくい。

【385】コロナによって現場が安定しなくなり、辞めるスタッフが増えて残ったスタッフだけで業務をしているが、最近忙しくなり、求人しても入ってこないので1日の仕事量が多く、厳しい状況になっています。

【413】アルバイトでテスト休みは考慮すると書いていたのに休みがもらえなかった。

【502】今、努めているアルバイト先のコンビニはメインの勤務先のほかに、同じエリア内の別のお店にヘルプで出勤することがあるが、採用当初そのような説明が一切なかったためとても困惑した。

【582】コロナで人件費削減されて、一人でやる仕事量が増えて体がキツイです。バイト辞めようかなと考えてはいるんですけど、辞めたら収入なくなっちゃうし、次のバイト探すのも大変なのですごく迷っています。

 

<賃金、その他>

【20】夜勤の為、家族や周りの環境との生活時間帯の違いに精神的に苦しんでいる。

【129】アルバイト先の店主から勤務を妨害するような言動をされる。

【167】仕事と賃金が見合っていない。

【199】業務に関する悩みを相談しづらい空気になりつつある。

【259】社内の雰囲気が悪い。

【293】最低賃金がどう考えても生活水準値と合わないこと。

【478】奨学金をいただいているので、お金を稼ぎすぎてはいけないこと。

【510】人間関係が大変である。

【515】出勤時間の10分前に着いても遅いと怒られ15分刻みの時給なのにそれより前から働き、14分前になってからタイムカードを切っている。昼に働いているのでパートのおばさんが多く、みんなタイムカードを切らず早くから働くことが当たり前になっていて辛い。また休む時は自分で代理を探さないといけない。コロナが怖いけど客が食べた後の食器とかを素手で片づけるのが衛生的にとても怖い。

【524】同年代の女性との2人のシフトが気まずい。

【567】アルバイトと奨学金だけでこれからやっていけるかわからず不安。

【600】店主がパワハラまがいの行為を繰り返すので心身共に参っています(;-_-)=3

【611】同じ勤務条件のパートと比べて学生アルバイトは時給があがりにくい。

【638】時給が低い。

【654】人間関係が難しいと感じることはありました。社会に出ると、つきものの様な悩みではありますが、人間関係が良好であることなど、環境が良いと働きやすいと感じると思いました。周りの友人もやはり環境が大事と話していました。

【701】バイト先を辞めたいが、どうすれば一番円満に辞めることができるのか。

 

 

5.飲食店と小売店で働く学生のアルバイト状況

ここまでみてきたアルバイト状況の結果について、業種別にみていく。但し、回答者数は業種により異なる。ここでは、学生アルバイトの二大業種である飲食店と小売店で働く者のそれぞれ(以下では、飲食店群、小売店群と呼ぶ)を取り上げて、比較していく。結論から言えば、飲食店群でコロナの影響を大きく受けていることが推測される。

 

表Ⅱ5-1 飲食店群と小売店群における緊急事態宣言下でのシフト量・労働時間の変化

単位:人,%

飲食店 小売店
118 100.0 114 100.0
ゼロになった 22 18.6 3 2.6
減った 57 48.3 19 16.7
増えた 6 5.1 9 7.9
変化していない 30 25.4 81 71.1
〔無回答〕 3 2.5 2 1.8

 

表Ⅱ5-2 飲食店群と小売店群における緊急事態宣言下及び宣言に入る前の週の労働時間数

単位:人,%

飲食店 小売店
(4月) (宣言下) (4月) (宣言下)
118 100.0 118 100.0 114 100.0 114 100.0
ゼロ 4 3.4 24 20.3 2 1.8 4 3.5
5時間未満(ゼロを除く) 10 8.5 17 14.4 4 3.5 4 3.5
5~10時間未満 16 13.6 24 20.3 9 7.9 17 14.9
10~15時間未満 32 27.1 25 21.2 23 20.2 24 21.1
15~20時間未満 32 27.1 15 12.7 42 36.8 39 34.2
20~25時間未満 13 11.0 6 5.1 29 25.4 21 18.4
25~30時間未満 3 2.5 1 0.8 2 1.8 1 0.9
30時間以上 4 3.4 2 1.7 0 0.0 2 1.8
〔無回答〕 4 3.4 4 3.4 3 2.6 2 1.8
(再掲)10時間未満 25.4 55.1 13.2 21.9
    15時間未満 52.5 76.3 33.3 43.0

 

表Ⅱ5-3 飲食店と小売店におけるコロナ感染対策等

単位:人,%

飲食店 小売店
141 100.0 132 100.0
とくに何も行われていない 3 2.1
感染予防に効果のあるマスクが従業員に配られている 40 28.4 50 37.9
消毒がこまめに行われている 123 87.2 97 73.5
アクリル板やビニールシートが備えつけられている 101 71.6 119 90.2
換気がしっかり行われている 81 57.4 45 34.1
出勤人数が制限されている 27 19.1 5 3.8
利用者・客の入場・入店が制限されている 33 23.4 4 3.0
検温装置が置かれている 44 31.2 28 21.2
ソーシャルディスタンスを保つ工夫がされている 57 40.4 45 34.1
その他 3 2.3
〔無回答〕 2 1.4

 

まず働き方に関することをみる。

第一に、表は省略するが、現在の働き方がシフト制かどうかについては、飲食店群でも小売店群でも、シフト制が97%台(97.9%、97.0%)だった。

第二に、緊急事態宣言下でのシフト量・労働時間は(表Ⅱ5-1)、飲食店群では「減った」が約5割(48.3%)で、「ゼロになった」だけでも2割弱(18.6%)に及ぶ。一方で小売店群では「変化していない」が71.1%を占める。

第三に、緊急事態宣言前(2021年4月)と宣言下の週の労働時間数をみると(表Ⅱ5-2)、ここでも大きな違いがある。飲食店群では、宣言前からすでに15時間未満が半数(52.5%)に及んでおり、宣言下では4分の3にまで拡大した。宣言下では、10時間未満も半数に及んでいる。

第四に、コロナ感染対策をみると、両者に差がある(表Ⅱ5-3)。例えば、飲食店群では、こまめな消毒が87.2%で、アクリル板やビニールシートの設置が71.6%で続くのに対して、小売店群では、アクリル板等の設置が90.2%で、こまめな消毒が73.5%となっている。「換気がしっかり行われている」点についても、飲食店群では57.4%、小売店群では34.1%である。両者の店舗の広さや形状が反映された結果ではないかと推測される。

 

表Ⅱ5-4 飲食店群と小売店群における2021年4~6月のアルバイト収入(交通費は除く。休業手当は含む)

単位:人,%

飲食店 小売店
4月 5月 6月 4月 5月 6月
118 100.0 118 100.0 118 100.0 114 100.0 114 100.0 114 100.0
ゼロ円(アルバイトは始めていたが仕事がなかった) 2 1.7 4 3.4 4 3.4 3 2.6 3 2.6 2 1.8
1万円未満(ゼロ円を除く) 4 3.4 3 2.5 6 5.1 3 2.6 1 0.9 0 0.0
1万円以上2万円未満 9 7.6 8 6.8 8 6.8 2 1.8 3 2.6 3 2.6
2万円以上4万円未満 25 21.2 24 20.3 26 22.0 12 10.5 9 7.9 15 13.2
4万円以上6万円未満 32 27.1 36 30.5 30 25.4 35 30.7 36 31.6 33 28.9
6万円以上8万円未満 16 13.6 20 16.9 22 18.6 42 36.8 46 40.4 49 43.0
8万円以上10万円未満 20 16.9 15 12.7 14 11.9 12 10.5 13 11.4 11 9.6
10万円以上12万円未満 4 3.4 2 1.7 0 0.0 1 0.9 1 0.9 0 0.0
12万円以上14万円未満 0 0.0 1 0.8 2 1.7 0 0.0 0 0.0 0 0.0
14万円以上 2 1.7 1 0.8 1 0.8 0 0.0 0 0.0 0 0.0
〔無回答〕 4 3.4 4 3.4 5 4.2 4 3.5 2 1.8 1 0.9
(再掲)4万円未満 33.9 33.1 37.3 17.5 14.0 17.5
    6万円未満 61.0 63.6 62.7 48.2 45.6 46.5

 

表Ⅱ5-5 飲食店群と小売店群における、現在自分が希望するだけの収入を得られているか

単位:人,%

飲食店 小売店
141 100.0 132 100.0
得られている 64 45.4 98 74.2
得られていないが、今後は得られそう 36 25.5 15 11.4
得られておらず、今後も得られなさそう 28 19.9 15 11.4
得られておらず、今後どうなるかはわからない 13 9.2 4 3.0
〔無回答〕

 

表Ⅱ5-6 飲食店群と小売店群における、2021年6月のアルバイト収入及び本来希望するアルバイト収入

単位:人,%

飲食店 小売店
得られていない群 得られている群 得られていない群 得られている群
77 100.0 64 100.0 34 100.0 98 100.0
2021年6月のアルバイト収入(交通費は除く。休業手当は含む) アルバイトをまだ始めていなかった 5 6.5 1 1.6 3 8.8 1 1.0
ゼロ円(アルバイトは始めていたが仕事がなかった) 4 5.2 0 0.0 2 5.9 0 0.0
1万円未満(ゼロ円を除く) 5 6.5 2 3.1 0 0.0 2 2.0
1万円以上2万円未満 10 13.0 0 0.0 1 2.9 2 2.0
2万円以上4万円未満 19 24.7 12 18.8 9 26.5 8 8.2
4万円以上6万円未満 18 23.4 18 28.1 13 38.2 24 24.5
6万円以上8万円未満 8 10.4 16 25.0 5 14.7 48 49.0
8万円以上10万円未満 3 3.9 12 18.8 1 2.9 12 12.2
10万円以上12万円未満 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
12万円以上14万円未満 1 1.3 1 1.6 0 0.0 0 0.0
14万円以上 1 1.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0
〔無回答〕 3 3.9 2 3.1 0 0.0 1 1.0
(再掲)4万円未満 49.4 21.9 35.3 12.2
    6万円未満 72.7 50.0 73.5 36.7
77 100.0 64 100.0 34 100.0 98 100.0
本来希望するアルバイト収入 現在の金額で十分 0 0.0 23 35.9 0 0.0 35 35.7
5万円未満 6 7.8 5 7.8 1 2.9 4 4.1
5万円台 9 11.7 6 9.4 8 23.5 11 11.2
6万円台 15 19.5 6 9.4 4 11.8 12 12.2
7万円台 12 15.6 12 18.8 6 17.6 11 11.2
8万円台 20 26.0 7 10.9 10 29.4 17 17.3
9万円台 2 2.6 1 1.6 3 8.8 3 3.1
10万円台 9 11.7 4 6.3 1 2.9 4 4.1
11万円以上 4 5.2 0 0.0 1 2.9 1 1.0
〔無回答〕 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
(再掲)6万円以上 80.5 46.9 73.5 49.0

 

次に収入をみていく。

第一に、2021年4~6月のアルバイト収入である(対象は2021年4月以前から働いていた者に限定)。

結果は(表Ⅱ5-4)、飲食店群ではどの月も4万円未満が3分の1前後を占めているのに対して、小売店群では、その割合は2割を切っている。6万円未満まで範囲を広げると、飲食店群では6割強、小売店では5割弱(40%台後半)で推移している。

第二に、自分が希望するだけの収入を得られているかをみると(表Ⅱ5-5)、「得られている」はそれぞれ45.4%、74.2%である。

そして第三に、20216月の収入をあらためてみると(上記の対象限定は解除)、表Ⅱ5-6のとおり、とくに「得られていない」群における所得水準の低さが目立つ。飲食店群における「得られていない」群では、4万円未満が49.4%、6万円未満が72.7%である。逆に「得られている群」でその値は、それぞれ21.9%、50.0%にとどまる。

なお、「得られていない」群に限って、本来希望するアルバイト収入をみると、6万円以上は、飲食店群でも小売店群でも7,8割を占める(前者は80.5%、後者は73.5%)。

 

 

表Ⅱ5-7 勤務シフト量等の減少の経験の有無及び休業手当の支給状況【複数回答可】

単位:人,%

飲食店 小売店
141 100.0 132 100.0
2020年度以降、勤務シフト量・労働時間が減ることは経験しなかった 〇なし(経験した) 95 67.4 44 33.3
〇あり(経験しなかった) 16 11.3 34 25.8
〔無回答〕 30 21.3 54 40.9
95 100.0 44 100.0
〔経験した場合〕休業手当が支給されたか【複数回答可】 休業手当が支給された 44 46.3 11 25.0
休業手当ではないが、シフト・労働時間の減少に対する手当が支給された 11 1.7 4 9.1
有給休暇の使用で処理された 2 2.1 2 4.5
とくに何も支給されなかった 42 44.2 27 61.4
その他 1 1.1 2 4.5
44 100.0 11 100.0
平均給与の何割が支給されたか【複数回答可】 10割(満額)が支給された 8 18.2 2 18.2
8~9割 10 22.7 3 27.3
6~7割 16 36.4 6 54.5
4~5割 8 18.2 1 9.1
それ以下 5 11.4
〔無回答〕
(再掲)6割未満 29.5 9.1

注:表Ⅱ4-4に同じ。

 

第四に、休業手当に関する状況をみる。

結果は(表Ⅱ5-7)、まず、勤務シフト量等の減少を経験した者は飲食店群で多く67.4%に及ぶ。次に、対象を彼らに限って、休業手当が支給されたかをみると、「休業手当が支給された」は飲食店群で半数弱(46.3%)であるのに対して、小売店群では4分の125.0%)にとどまる。小売店群では「とくに何も支給されなかった」が61.4%(飲食店群では44.2%)を占める。

最後に、平均給与の何割が支給されたかという点についてみると、飲食店群で6割未満が合計で3割ほどを占めている。

 

自由記述⑤よりアルバイトに関する訴え

【45】1時間に1回客席等の消毒実施により手が荒れる。マスクをしていない客に着用してもらうよう伝えなければならず、アルバイトとしては負担を感じる。

【50】学費などにはありがたいことに困っていないので、アルバイトをする必要はないのですが、経験としてアルバイトをしたいと思っています。しかし、身内に基礎疾患を持ち、訪問看護を受けている人がいるため、外出も極力控えている状況で、アルバイトを始められていません。アルバイトの経験なしに来年から就職活動をすることがとても不安です。

【55】自分に合うバイトが見つからなくて辛いです。生きるため、とはわかっているが苦痛を感じるような業種で心身を削りたくない。自分に合ったバイトを見つけたい。

【147】アルバイトをする時間をなかなか確保できないため、現在はしていないが、家計の不安から、できる限りしたいと思っている。

【177】今はもう辞めましたが、学費を補うため大学1年生の時に始めたアルバイト先がブラックで深夜に休憩無し9時間労働、テスト前の休みは貰えず、扶養内に納めたいのでシフトを減らして欲しいと伝えても減らして貰えませんでした。当時は、休みが欲しいことや辞めたいということが強く言えず、言われるがままに出勤し学業に影響が出て単位を落としてしまいました。その結果奨学金が打ち切りになり奨学金で賄っていた分もアルバイト収入で賄わなければならなくなり、更に学業に専念するのが難しくなりました。奨学金を沢山借りたら返すときに大変だからという親の言葉をそのまま受け取らず、アルバイトしなくても賄える分を借りるべきだったという点とアルバイトで学業に影響がでると思ったら1人で悩まないで誰かに相談すれば良かったという点を後悔しています。私のような失敗をする子がいなくなるよう機会があれば、新入生に1例として伝えていただければ幸いです。

【201】現在アルバイトを探しているので、ぜひ大学でももっとアルバイト情報を発信して欲しい。

【451】〔大学に求めることとして〕学生のバイト先を見つけてあげる。

【563】学費の負担をすべて自分のアルバイトで賄っているが、コロナ禍でできる仕事が変化しておりそれに対応しながら学習をするのが大変。

 

 

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