労働相談

よしね室長の労働相談!最前線⑨ 雇用によらない働き方の実態

札幌ローカルユニオン「結」の吉根です。

最近、雇用によらない働き方という言葉を聞く機会が増えました。会社に雇用されて働くのと違った自由な働き方をイメージする人も多いかと思います。

しかし、それは一面的な見方ではないでしょうか。

一見華やかに思える教育業界でのこの問題をご紹介しましょう。

 

 

 

2021年7月13日、組合員の町野さんが駿河台学園を相手どって賃金支払い請求訴訟を起こしました。訴訟目的は、町野さんが雇用労働者であることを駿河台学園に認めさせることです。

町野さんは、駿台札幌校で英語講師をしていますが、2021年度から授業コマ数を削減するという通知を受け、昨年、労働条件を悪化させないため、結に加入しました。

学習塾の講師が業務委託の形で不当に労働者性を否定され、不安定な雇用で働かされている現状をなんとか改善したい──町野さんの思いはこの点にあります。

結は、駿台に団体交渉を申し入れ、労働条件を不利益に変更しないよう要求をしました。駿台は、団体交渉には応じたものの、町野さんとは業務委託契約であるからとして労働者性を否定し、本年4月からコマ数の削減を強行しました。

結は、町野さんは25年間の長きにわたって継続勤務し、駿台の指揮・命令によって働いてきた雇用労働者である、と主張して、有期雇用から無期雇用への転換も要求しましたが、双方の主張は全くかみ合わず、団体交渉での解決が困難となりました。

結と町野さんは、駿台が団体交渉に応じていることから、コマ数の削減を強行した場合には、労働委員会への支配介入の救済申し立てを行うことも視野に入れて駿台と相対してきましたが、町野さんの決起に同調して立ち上がる講師が残念ながら少なかったことから、民事訴訟に踏み切ることにしました。

学習塾大手の河合塾でも2016年以降、非常勤講師(請負契約)の労働者性をめぐる雇い止め問題やパワハラ問題に直面した労働者が決起して、地位確認訴訟や労働委員会での争いが続いています。今年5月に中央労働委員会は、河合塾で非常勤講師をしていた講師の契約打ち切りを、不当労働行為であると認定し、復職を命じる決定を下しています。そして河合塾では、河合塾ユニオンが結成され、非常勤講師の闘いの輪が大きく広がっています。

町野さんの提訴を機に、札幌でも、予備校や学習塾で働く非常勤講師の雇用と労働条件を改善する闘いに発展するよう、結も全力で支援に取り組んでいます。

町野さんの闘いは、雇用によらない働き方を推し進めようとする勢力との最前線の闘いの一つです。ご注目いただき、今後に予定される裁判への傍聴支援などをよろしくお願いします。

 

 

皆さんも職場でトラブルにあったときには、労働組合にご相談を。

札幌ローカルユニオン「結」 は皆さんの力になります。

 

以上、札幌ローカルユニオン「結」機関紙「よしね室長の労働相談!最前線」no.76より。

 

 

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