川村雅則「総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など」

川村雅則「総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など」『NAVI』2024年8月13日配信

 

2024年8月9日、公務非正規問題自治体議員ネット(以下、ネット)準備会の主催で第2回学習会を開催しました(学習会後の総会を経て「ネット」は正式に発足)[1]。本稿は、学習会での報告に加筆修正をしたものです。タイトルも、学習会当日の報告タイトルに加筆をしました。

・資料を追記しました(2024年8月29日記)。

 

 

総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など

 

川村雅則(北海学園大学)

 

本稿では、前回(5月)の学習会の復習を行った後に、タイトルに示したとおり、3年公募問題に関する総務省マニュアルの改正など、この間の注視すべきことがらや調査の結果などをみていきましょう。

 

1.前回学習会の復習

1)有期雇用をめぐる問題──非正規雇用の何が問題か

復習の第一は、非正規雇用の何が問題か、ということで、雇用に関しては、期間を定めて雇われる有期雇用が問題です(有期の反対は無期雇用)。

有期で雇われることによって、契約期間終了時に更新が果たしてされるのかどうか、働き続けられるのかどうか、という不安を抱えて当事者は働かざるを得ないことになります。一方で、仕事自体は別に1年や2年でなくなることが想定されているわけではありません。基本的には存在し続けるでしょう。

こうした、恒常的な仕事にもかかわらず、有期で雇われ続ける──有期雇用の濫用をなくすために、通算で5年を超えて雇われ続けた場合には無期雇用に転換できる制度ができました。2012年の労働契約法の改定によります(第18条。施行は2013年4月より)。

 

2)雇用安定に逆行する会計年度任用職員制度

第二は、しかしながら、以上の民間の非正規雇用に関する政策の動向に対して、公務の分野では、それに逆行する設計で、新たな非正規公務員制度が始まりました。2020年度から始まった会計年度任用職員制度です。

 

図 雇い止め不安を生み出す仕組み──民間非正規と公務非正規の制度設計の違い

注:公務におけるaの墨塗箇所は、条件付採用期間(試用期間)。bの点線は勤務実績に基づく能力実証が認められた箇所。cの実線は、公募制による能力実証が必要とされる箇所。
出所:筆者作成。

 

上記の図にも示しましたが、この制度(会計年度任用職員制度)では、1回の任用期間は1会計年度内であること、任期の終了後に同じ仕事に就くことはできるけれども「更新」ではなく「新たな職に就く」と解されること、ゆえに試用期間(条件付採用期間)が毎年設けられること、そして、任期ごとに客観的な能力実証が必要であることとの関連で、一定期間ごとに公募を行うことが助言・例示されました。3年公募問題です。多くの自治体が国の助言に従い、3年を中心とした公募制を設けることになりました。

 

資料 【再度の任用】に関する総務省の考え(一部、抜粋)

○ 会計年度任用職員の採用に当たっては、任期ごとに客観的な能力実証を行うことが必要である。

○ その際、選考においては公募を行うことが法律上必須ではないが、できる限り広く募集を行うことが望ましい。例えば、国の期間業務職員については、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、公募によらず従前の勤務実績に基づく能力の実証により再度の任用を行うことができるのは原則2回までとしている。その際の能力実証の方法については、面接及び従前の勤務実績に基づき適切に行う必要があるとされている。

○ 再度の任用については、各地方公共団体において、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、任期ごとに客観的な能力実証を行うよう、適切に対応されたい。

注:後述のとおり、マニュアルは2022年12月に一部修正されています。
出所:会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの改訂について(平成30年10月18日総行公第135号・総行給第49号・総行女第17号・総行福第211号・総行安第48号)より「問6-2 会計年度任用職員について、再度の任用が想定される場合であっても、必ず公募を実施する必要があるか。」への回答部分を転載。

 

3)公募は義務ではない

第三は、しかしながら、注意深く読めばわかるとおり、公募は義務ではありません。仕事を遂行するのに求められている能力が当該職員にあることを適切に示すことができればよいわけです。つまり、公募は、自治体の判断で導入しなくてもよいし、一度導入してしまっても廃止することができるわけです。実際、北海道内の35の市のなかでは、6つの市が、公募を導入していないと総務省の調査に回答をしていることを前回の学習会で確認しました。

 

図 再度任用時における公募は自治体の判断でなくすことが可能

出所:筆者作成

 

会計年度任用職員制度は極めて問題の多い制度設計ですから、雇用の安定を実現するためには、公募の廃止だけでは十分では決してありません。

しかしながら、公募の廃止は当事者に大きな安心を与えることになるでしょう。そもそも、現在働いている職員を一定期間ごとに公募にかけるというのは、働く人の尊厳を傷つけるものと言えましょう。毎年の人事評価で能力実証は十分に可能です。6月議会に向けて公募の廃止を求める準備をしていきましょう。

以上のようなことを前回(5月)の学習会では強調をしました。

このことに関連して、6月議会で皆さんがどのような質問をされ、どのような成果が得られたか、あるいは、どのような理由で公募の継続を理事者側に主張されたか、後ほど交流をしていきましょう。

 

 

2.注視すべきことがらや調査の結果

では次に、9月議会に向けて、おさえておくべきと私が考えることを、5点お話しします。

 

1)皆さんのマチでは公募はどうなるのか──総務省マニュアルの改正をふまえて

第一は、3年公募問題に関して総務省マニュアルが改正されました。

総務省「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)」の改正について(通知)(令和6年6月28日付総行公第49号)

参考:人事院事務総局人材局長「「期間業務職員の適切な採用について」の一部改正について(通知)」、令和6年6月28日

 

 

先に示した、国の非正規公務員(期間業務職員)の公募の例示が削除され、なおかつ、「国の取扱いは例示として示していたもの」であることが示されました。最初からそうではあったのですが、公募を国は義務づけていませんよ、という姿勢が強調されたものと言えるでしょう。

もっとも、国のこうした動きに自治体がどう反応するかは定かではありません。そもそも、2022年12月に、上記のQ&Aが改正されたマニュアルが総務省から出されてもなお、多くの自治体は公募に固執してきたわけです(この点は下記の記事を参照)。

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(番外編)」『NAVI』2024年7月1日配信

そう考えると、住民に広く雇用機会を提供しなければならないから、という理屈で、つまり、「平等取扱いの原則」を盾に、相変わらず公募を続ける自治体も出てくるでしょう。予断を許しません。労働組合や議員の皆さんたちの取り組みにかかっています。総務省マニュアルの改正を追い風としながらも、当事者の声を集めるなど、しっかり準備をしていただきたい。

なお、住民に広く雇用機会を提供するために公募を実施しなければならない、というのは、「平等取扱いの原則」[2]の曲解であると私は考えています。

逆に私は、人事評価が毎年行われている中での定期的な公募・選考の実施を、経済性や効率性、あるいは、仕事の価値や有用性という観点からどうお考えなのか聞いてみたいと思っています[3]

 

2)皆さんのマチでは最低賃金の引き上げに対応できているか

第二は、最低賃金が上がることへの対応です。北海道では、北海道最低賃金審議会の答申(2024年8月5日)により、最低賃金が時給960円から時給1010円になることが確実です[4]

皆さんのマチでは、会計年度任用職員の賃金水準(賃金率、時間給)はどうなっていますか。賃金が最も低いのは「事務補助職員」と位置付けられた職員[5]であると思いますが、時給1010円はクリアされているでしょうか。会計年度任用職員の賃金を確認してください。月額で示されている場合には、時間数で割って算出してください[6]

また、クリアされていない場合には、賃金の変更について議会に報告するなり承認を得るなりの手続きが必要になると思いますが(実務的なことを私は存じ上げませんが)、その手続きがいつ行われ、最賃割れがいつクリアされるのかをお調べになってください。そのようなことを申し上げるのは、次のような調査結果が示されているからです。

すなわち、2023年12月に実施された総務省調査[7]で得られた北海道内のデータによれば、「給料・報酬単価が最低賃金を下回る職員」がいると回答した自治体は、札幌市を除く「市群」で34件中4件、「町村群」で144件中12件でした。また、今後の具体的な対応(おそらくは「是正」)で、「対応後の給料水準が適用される時期」を尋ねた質問では、最も早い「~令和5年11月」をあげたのは、「市群」では4件中2件、「町村群」では12件中8件でした。「令和6年4月」と回答した自治体も、4件中1件、12件中3件みられました。つまり、最賃割れという問題がみられた上に、問題が即解決された自治体ばかりではない、ということです。

民間企業(中小企業)も、最賃改定にあわせて必死の努力をされています。それに対して、公務員には最低賃金法が適用されないからといって最賃割れを黙認する態度は、果たして許されるでしょうか。

なお、この件に限らず、制度がどうなっているか分からない場合には、会計年度任用職員制度を担当する課の職員に尋ねるのが手っ取り早いです。担当職員からのヒアリングの機会は、皆さんたちの問題意識を彼らに伝えるよい機会にもなるのではないでしょうか。この点を強調しておきたいと思います。

 

3)皆さんのマチでは、給与の遡及改定、期末手当・勤勉手当の支給に差別はないか

第三は、会計年度任用職員に対する給与の遡及改定、期末手当・勤勉手当の支給は、正規の職員(常勤職員)と同様に行われるかどうかを確認しましょう。

ちょうど学習会の前日(8月8日)、2024年度の国家公務員の給与とボーナスをプラス改定する勧告が人事院から出されました[8]。地方公務員の給与についても、この後、人事委員会による勧告が出されるなど一定の手続きを経て決まっていくでしょう[9]

問題は、会計年度任用職員はどう扱われるか、です。この間明らかになっているのは、会計年度任用職員に関しては、4月に遡っての給与改定を行わない、期末手当や勤勉手当の支給は正規の職員と異なる月数で行う、といった事態です。

先ほど紹介した「総務省調査」では、会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給と給与の遡及改定の実施状況が明らかにされています。

すなわち、(1)前者については、「令和6年度から勤勉手当を支給するか」という質問に対して、「市群」34件のうち2件が、「町村群」144件のうち25件が「支給しない」と回答しています。また「支給する」と回答した自治体でも、「常勤職員と異なる月数」と回答したのが「市群」32件のうち7件、「町村群」114件[10]のうち31件です。

(2)給与の遡及改定については、札幌市、「市群」34件のうち8件、「町村群」144件のうち56件が、「実施しない」と回答しています(理由は省略)。

なお、以上の「総務省調査」では、「市群」と「町村群」の自治体名は分かりませんでしたが、後日に『北海道新聞』がアンケートと聞き取りで道内各市の状況を明らかにしています。大変貴重な調査報道です。ぜひご参照ください。

 

市村信子「非正規公務員「賃上げ差別」町村4割 23年度分、専門家が道に開示請求」『北海道新聞デジタル』2024年7月1日 4:00(7月1日 8:10更新)

市村信子「非正規公務員の賃上げ、道内8市で昨年度実施せず 9市は勤勉手当少なく 専門家「差別に当たる」」『北海道新聞デジタル』2024年6月21日 13:16(6月24日 19:06更新)

 

こうした格差が皆さんのマチでは設けられているかどうか。もし設けられているとすればそれはいかなる理由によってか、ということです。「非正規だから」というのは説明になっていません。

ちなみに民間では、パートタイム・有期雇用労働法によって、待遇に関する労働者への説明義務が強化されています。「非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求めることができるようになりました。事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。」[11]とあります。

同法は公務員には適用されませんが、適用されないからといって、法の趣旨、法に込められた考えが無視されてよいことにはならないでしょう。皆さんのマチの制度(会計年度任用職員制度)です。議員である皆さんも設計に関わることができる制度です。理事者側にきちんと説明を求め、問題があれば是正を求めてください。

 

4)皆さんのマチでは離職問題は把握され、問題への対策はなされているか

第四は、会計年度任用職員の離職者数を把握し、制度の改善を求めてください。

会計年度任用職員の雇用が不安定であることを議会で発言されることはとても大事だと思います。

ただ一方で、そもそも自分のマチの会計年度任用職員で離職者がどの位発生しているのか、どういう職種で発生しているのか、あるいは、何人が公募にかけられ、何人が落とされているのか、そのような、基本的な情報をおさえずに、ただ、一般論として質問をしていても、理事者側からは通り一遍の回答しか返ってこないのではないでしょうか。

横柄な物言いに聞こえたらご容赦いただきたいのですが、具体的な情報をおさえずして、先にみた公募問題などを追求することは果たして可能でしょうか。

ほんとうは当事者の声を集めることができれば一番よいのですが、少なくとも、上記の情報程度であれば担当課でも整理しているはずですし、もし整理していなければ、制度のあり方を検討する上でも、(情報の整理を)求めていくべきだと考えます。

なお、この間、大量離職通知書制度を使って各自治体の離職者数を筆者は把握してきましたが、ここで把握されている離職者数は、氷山の一角であると思っています。沖縄での労働組合の取り組みでもそのことが示唆されました。下記の記事をご参照ください。

 

川村雅則「北海道における会計年度任用職員の年度末の離職者数は何人か(暫定版)──北海道及び道内市町村から2024年に提出された大量離職通知書の調査結果に基づき」『NAVI』2024年7月29日配信

川村雅則「年度末における会計年度任用職員の離職者数全体と、大量離職通知書調査で把握された離職者数との差──沖縄の事例より」『NAVI』2024年8月7日配信

 

5)会計年度任用職員制度の問題性をあらためて考える──北見市雇い止め問題の報道をうけて

最後に、学習会の前日(8月8日)に報道された、北見市における会計年度任用職員の削減(雇い止め)方針に関する「北海道新聞」の記事について、です。記事は、Yahoo!ニュースにも転載され、下記の部分を読むことができます。

 

【北見】北見市が来年度、非正規公務員(会計年度任用職員)の1割弱に当たる90人程度を削減する方針を固めたことが7日分かった。経費抑制策の一環で、同市が会計年度任用職員を削減するのは初めて。NPO法人官製ワーキングプア研究会(東京)は「1割弱の非正規職員が一度に雇い止めになるのは聞いたことがない」としている。

市の会計年度任用職員は4月時点で約1200人。このうち文書の封詰めやデータ入力などを担う事務補助職90人程度は、本年度末を最後に契約を更新しない方針という。事務補助職が担っている業務は正規職員が対応するなどし、削減効果額は約2億円を見込む。

出所:「<独自>北海道・北見市、非正規公務員90人削減方針 25年度 経費抑制策の一環」『北海道新聞デジタル』8/8(木) 5:00配信(Yahoo!ニュースへの転載)

 

この問題の詳細を知るものではありませんので、記事内容へのコメントは割愛します[12]が、ここであらためて確認をしたいのは、会計年度任用職員制度の問題性です。

会計年度任用職員制度が始まったときに、次のようなことを関係者から言われました。(1)会計年度任用職員の雇用が不安定であることが強調されるけれども、今まで(旧制度)と変わらないのでは? (2)民間の非正規雇用者の雇用の不安定さと同じでは? と。

しかし、(1)(2)の指摘は、いずれも事実と異なります。それは、今回のような雇い止めのときにはっきり示されます。民間の非正規雇用者で今回のような雇い止めが行われたら、その雇い止めの合理性、有効性が問われることになるでしょう。労働組合が交渉にのぞみ、使用者から適当な回答が示されなければ、不当労働行為として労働委員会も活用されることになるでしょう。

しかしながら、会計年度任用職員の場合、そもそも労働基本権が制約をされています。会計年度任用職員と自治体との関係は、労使対等の「雇用関係」ではなく、任命権者が優位の「任用関係」(私法上の労働契約関係ではなく、公法上の任用関係)で、任命権者によって特定の人が特定の職員の職に就けられている、と解釈されています。その上に、冒頭に申し上げたとおり、会計年度ごとの任用が厳格化された制度設計になっています。働き続けられるという期待(権)を当事者に抱かせない制度になっています。

以上のうち、労働基本権が制約されている点や自治体との勤務関係が公法上の任用関係にある点は正規の公務員も同様ですが、ご存じのとおり、正規の公務員の場合には、免職は厳しく制限されるなど、法的に身分がしっかりと保障され、労働組合による規制力も働いています。公務員に対する一般的なイメージのとおりです。

会計年度任用職員のような、身分保障がないのに、問題を自ら解決する手まで縛られている(労働基本権が制約されている)というのは、ほんとうにおかしな制度設計だと思います[13]

なお、誤解の無いようここで強調をしておきたいのは、民間の非正規雇用であれば今回の問題はすみやかに解決ができる(雇い止めを撤回できる)と述べているわけではまったくありません。非正規雇用者の雇用・労働条件や権利がいかに守られていないかは、ご承知のとおりです。

但し、使用者から雇い止めを通告されたときに交渉のテーブルにつくことができますし、その不当性を徹底して争うことができます。会計年度任用職員の場合、こうした行動や雇い止め撤回の可能性に非常に制約をうけた制度設計になっている、というのがここで述べたい趣旨です。

 

「経費抑制策の一環」(記事)で今回のようなことは許されるのか。情報がまだ全くない状況ですが、関係者の皆さんと協力して雇い止めの撤回を求めていけたらと考えています。

また、今回の一件で、会計年度任用職員制度の問題性があらためて明らかになりました。自治体での取り組みとあわせて、国への制度改正を求めていくことが課題です。

 

 

 

 

[1] 公務非正規問題自治体議員ネット「公務非正規問題自治体議員ネット活動の記録」『NAVI』2024年8月11日最終更新。

[2] 「職員に適用される基準」のうちの「平等取扱の原則」に関する説明。橋本勇(2023)『新版 逐条地方公務員法 第6次改訂版』学用書房、pp.205-217。

[3]川村雅則「⾮正規公務員が安⼼して働き続けられる職場・仕事の実現に向けて」『KOKKO』第55号(2024年5月号)pp.27-43

[4]長谷川史子「北海道内最低賃金1010円 道審議会答申」『北海道新聞デジタル』2024年8月5日 14:20(8月6日 6:26更新)

[5] 事務補助職員という呼称であっても、実際の仕事が補助的であるとは限らない。

[6]フルタイムの場合の1か月の勤務時間数は何時間か、またその計算式はどのようなものかを調べていたのですが、162.75時間(1日7時間45分×21日)で処理されているようです。全国町村会「会計年度任用職員の任用(再度の任用を含む)時に交付する「勤務条件通知書のイメージ」の作成等について【令和元年12月13日追記】」(自治労『会計年度任用職員の手引き』p.48)を参照。

[7] 川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信

[8]「公務員、32年ぶり高水準ベア=総合職、初任給3万円弱上げ―配偶者の扶養手当廃止・人事院勧告」『時事通信』2024年8月8日15:46配信

[9] 公務員の給与の決定システムは、注釈7の拙稿のこちらを参照。

[10] 本来は119件ですが、5件は無回答で集計から除かれています。

[11] 厚生労働省の「(リーフレット)パートタイム・有期雇用労働法が 施行されました」を参照。

[12] 今回の学習会には、北見市の市議会議員、労働組合が複数参加しており、情報を提供してくださいました。なお、一点だけ記事への疑問を述べておくと、「文書の封詰めやデータ入力などを担う事務補助職」という記事中の表現は、おそらく市側の説明によるのではないかと思われますが、これは果たして事実なのでしょうか。北見市に限らず、事務補助職員という名称とは異なる就労実態が指摘されているところです。

[13] このような、会計年度任用職員の労働基本権のはく奪に対しては、ILOへの申し立てのほか、当事者による裁判の提訴も行われています。

安田真幸「『2024 ILO専門家委員会報告書』で、大きな前進!!」『NAVI』2024年3月3日配信
「雇い止め「会計年度任用職員」が立ち上がる!〜働く権利を剥奪する「制度」は違憲」『レイバーネットジャパン』2023年3月17日付

 

 

 

 

学習会当日の配付記事等

  1.  川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」『NAVI』2024年5月25日配信
  2.  川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(2)」『NAVI』2024年5月26日配信
  3.  川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(3)」『NAVI』2024年5月27日配信
  4.  川村雅則「非正規公務員が安⼼して働き続けられる職場・仕事の実現に向けて」『KOKKO』第55号(2024年5月号)pp.27-43
  5.  川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信
  6.  川村雅則「大量離職通知制度に関する北海道労働局への質問とご回答」『NAVI』2024年6月15日配信
  7.  川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(番外編)」『NAVI』2024年7月1日配信
  8.  川村雅則「北海道における会計年度任用職員の年度末の離職者数は何人か(暫定版)──北海道及び道内市町村から2024年に提出された大量離職通知書の調査結果に基づき」『NAVI』2024年7月29日配信
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