川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」『NAVI』2024年5月25日配信

 

2024年5月24日に緊急開催した、自治体議員を対象にした学習会「初めて取り組む「会計年度任用職員問題」」での筆者による報告をまとめたものです。2回3回に分けてまとめます。6月議会に向けてご活用ください。まず、少し長めの「前文(学習会の趣旨説明・背景)」をつけた前半部分の報告です。

 

【加筆修正】

・総務省マニュアルについて、「会計年度任用職員制度の施行に向けた質疑応答の追加について(令和2年1月31日総行公第20号)」が漏れていたので追加しました。(2024年5月26日記)

・制度の理解に非常に役立つ資料を「参考文献・資料」に追加しました(自治労『会計年度任用職員の手引き』2023年9月発行)。問題に取り組むにあたって手元に置いておくことをおすすめします。(2024年5月30日記)

 

 

■会計年度任用職員に関する議員学習会を開催

2024年5月24日(金)14時~、北海学園大学を会場にし、オンラインも併用して、現職の自治体議員による学習会を開催しました。主催は、「公務非正規問題 自治体議員ネット(仮)準備会」(以下、ネット)で、オンラインを含め参加者は計16名でした。

かれこれ7年も前になるそうなのですが──ときのはやさに私自身も驚いていますが──恵庭市議会議員の柏野大介さん、石狩市議会議員のくましろちかこさんたちと、公務非正規問題に関する学習会を開催し、その後、FB内にクローズドのプラットフォーム(グループ)を立ち上げ、ゆるやかに情報交換をしてきました。

しかし、会計年度任用職員制度が始まってはや4年が経ちました。今年度末には5年公募が発動されます。労働条件の切り下げをともなう民間委託や指定管理の導入なども、各自治体で進んでいます。公務非正規問題のこうした深刻化に対して、プラットフォームをオープンにして、もっと多くの議員(私の意識では「同志」)に参加を呼びかけて、この問題に一緒に取り組んでいく必要があるのではないか──そんな思いが中心メンバーで共有され、今回の学習会の開催に至りました。

今回の学習会の幹事は、くましろさん、柏野さん、そして、旭川市議会議員の江川あやさんです。学習会の主題は、会計年度任用職員の雇用不安を生み出している公募制をなくすことです。先に結論を言えば、公募制をなくすことは自治体の判断でできます。2024年6月議会に向けて準備を急ぎましょう。

本稿には、川村の当日の報告に、参加者にお願いした事前の「宿題」や各種資料を加筆しました。(1)最近同じような内容の原稿を書き散らかしていますので、重複があるかもしれません。ご容赦ください。(2)今回は、非正規公務員のうちの会計年度任用職員の公募問題と離職問題に焦点をあてました。(3)細部には立ち入らないようにします。学びをさらに深めたい方は参考文献などにあたってください。関連する新聞記事のタイトルも参考資料として掲げます。

当日の私の報告タイトルは、「議員活動・議会活動に取り組むための会計年度任用職員制度に関する基礎知識──公募、離職問題に焦点をあてて」です。目指す最終ゴールとして、「ディーセント・ワーク[1]・シティの実現を目指して」「公共サービスの受け手(住民)も担い手も笑顔のまちに」とつけました。

1人でも多くの議員(現職、元職、これから議員を目指す方)に「ネット」にご参加をいただけますよう、呼びかけたいと思います。

 

学習会・対面会場のようす(2024年5月24日)

 

以下、当日の筆者の報告となります。

 

■当事者の声を聞く

さっそくですが、なぜこの問題に取り組まなければならないかを知る上では、当事者の声を聞くのが一番です。最近の新聞記事[2]や参考文献にあげた書籍・資料などをご覧ください。

ここでは、労働組合のご協力も得て行ったウェブアンケート調査の結果をご紹介しておきます。自由記述欄だけでもざっとご覧ください。

 

川村雅則「北海道及び道内市町村で働く624人の会計年度任用職員の声」『NAVI』2023年1月5日配信

川村雅則「北海道及び道内市町村で働く624人の会計年度任用職員の声(中間報告)」

 

■あなたのマチの会計年度任用職員の人数は?

さて、議員の皆さんのマチには会計年度任用職員は何人働いておられるでしょうか。

公務員と言えば、正規の公務員をイメージするのが一般的ですが、非正規の公務員(会計年度任用職員、臨時的任用職員、特別職非常勤職員など)も多数働いて、市民の暮らしを支えています[3]。直近のデータで調べてみましょう。

 

表 北海道及び道内35市における会計年度任用職員数(2023年)

職員A 職員B 職員A 職員B 職員A 職員B
北海道 6,495 1,873 4,622 留萌市 293 274 19 千歳市 739 470 269
札幌市 3,586 2,775 811 苫小牧市 668 404 264 滝川市 471 399 72
函館市 1,067 1,046 21 稚内市 433 373 60 砂川市 373 344 29
小樽市 846 535 311 美唄市 263 248 15 歌志内市 61 42 19
旭川市 1,918 1,499 419 芦別市 147 98 49 深川市 204 190 14
室蘭市 614 569 45 江別市 1,003 658 345 富良野市 224 184 40
釧路市 1,168 991 177 赤平市 146 137 9 登別市 407 287 120
帯広市 1,238 811 427 紋別市 218 177 41 恵庭市 382 311 71
北見市 1,406 771 635 士別市 422 322 100 伊達市 174 174 0
夕張市 107 40 67 名寄市 613 478 135 北広島市 309 232 77
岩見沢市 611 594 17 三笠市 155 130 25 石狩市 374 202 172
網走市 215 196 19 根室市 270 261 9 北斗市 252 156 96

注1:職員Aは、フルタイム6か月以上+パートタイム6か月以上かつ19時間25分以上。
注2:職員Bは、フルタイム6か月未満+パートタイム6月未満又は19時間25分未満。
出所:2023総務省調査の北海道分データから筆者作成。

 

表にまとめたのは、総務省が2023年に行った調査(「令和5年度会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査」。以下、2023総務省調査)の結果の一部で、北海道と35市の会計年度任用職員の人数をまとめています。

少し細かいことをいえば、(1)4月1日が基準日ですから、4月2日以降に雇われた方はカウントされていません。(2)カウント方法に自治体の考えが反映されている場合がありますから(例えば、複数の施設で働いている同一人物を延べ人数でカウントするなど)、そういうことを含め、担当課の職員の方に照会するのが一番です。

その際には、人数の総数だけでなく、①男女別の人数、②どこで働いているのか=部署別の人数、③どんな仕事に従事しているのか=職種別の人数、④勤務時間数=フルタイム型とパートタイム型の人数などの把握もぜひ行ってみてください。

①は、ジェンダーの問題を考える際に必要な情報です。ご承知のように、非正規公務員は女性が多数です。③を入手すれば、そんな仕事まで非正規公務員が担っていたのか、と驚かれるかもしれません。④は、ここで言うフルタイム型とは、常勤職員と完全に同じ時間数を働く職員です。皆さんのマチでも会計年度任用職員の多く(ほとんど)は、パートタイム型であると思います。何時間が主流かも調べてみてください[4]

それぞれをクロスさせた情報が得られるとさらに有益です。例えば、①男女×③職種のクロス情報や、③職種×④勤務時間数のクロス情報などです。

以上、最初の課題は、自分のマチにどれほどの会計年度任用職員がどんな仕事に従事しているかを知ることです。住民の暮らしを支える方々に数値の上でアプローチすることです。さっそく調べてみましょう。

 

(参考)

川村雅則「北海道及び道内35市における非正規公務員等データ──総務省2020年調査結果に基づき」『NAVI』2021年12月12日配信

川村雅則「(暫定版)総務省・会計年度任用職員制度等の2023調査データの集計」『NAVI』2024年1月15日配信

 

 

■非正規雇用の何が問題か──雇用面に焦点をあてて

非正規雇用の何が問題でしょうか。賃金の低さがパッと思い浮かぶところでしょうが、今回は、賃金面は除きます。

雇用面で言えば、安定して働くことができないことです。それは、半年とか1年など、期間に定めが設けられた雇われ方をすることによります。「有期雇用」と言います。有期雇用の反対は「無期雇用」です。無期雇用では、雇用期間に定めはありません。

では、有期雇用で雇われた場合、半年とか1年でその仕事は無くなるのでしょうか。無くなりませんね。無くなりませんから、使用者は、実際には、契約終了時に更新をして労働者を働かせ続けることになります。1年、2年、3年・・・10年働いても、1年の有期雇用を10回繰り返しただけで、安定した雇用に切り替えられることがない──こういう雇い方が日本では法律上、認められてきました。

しかし本来、有期雇用は、例えば、数年で終わるプロジェクトに雇われる場合や季節的な仕事(海の家、スキー場など)で用いられるべきであって、10年も20年も有期雇用を繰り返す(反復更新する)ような雇い方は許されるものではありません。実際、そういう合理的な理由のない有期雇用を禁止している国もあります。採用時にチェックをして規制することをもって「入口規制」と言われます。

日本では、こうした有期雇用の濫用が長期にわたって容認されてきました。ですから私たちの意識のなかにも、非正規雇用イコール有期雇用という考えが根強くあります。しかしそれはおかしいのだ、と意識を変えられるか。仕事が恒常的に存在するのに有期で雇われ続けるのはおかしいと気づけるかどうかが、これからお話をする会計年度任用職員の雇用(任用)制度をみる際にまずもって大事なポイントです。

 

民間では雇用安定の実現へ、公務では、有期雇用の濫用の制度化へ

さて、こうした有期雇用の濫用に対して、これは問題である、という認識がひろがり、政治も動きました。リーマンショック時の派遣切りや有期雇用切りをうけての2012年のことです。労働契約法が改定され、有期雇用が通算で5年を超える、という一定の条件を満たせば、無期雇用への転換を申し入れることができる制度が設けられました。いわゆる無期転換制度[5]です。

課題はまだ積み残されているのですが[6]、まずは、雇用安定の実現へ向けた制度ができたと評価できるでしょう。実際、100万人を超える有期雇用者が無期転換したと推計されています。

これに対して公務の職場ではどうでしょうか。2020年度から始まった会計年度任用職員制度では、端的にいえば、有期雇用の濫用が制度化されました。次の図の下半分です。

 

図 雇い止め不安を生み出す仕組み──民間非正規と公務非正規の制度設計の違い

 

注:公務におけるaの墨塗箇所は、条件付採用期間(試用期間)。bの点線は勤務実績に基づく能力実証が認められた箇所。cの実線は、公募制による能力実証が必要とされる箇所。
出所:筆者作成。

 

図のとおり、会計年度(1年)ごとの有期雇用が強調されています。制度上、そうなっているのです。ですから、いわゆる試用期間が毎年設けられています。同じ仕事をしていても、新たな職に就くと解されます。民間でいう「更新」ではありません。聞いていておそらく混乱すると思います。しかし総務省がそう説明しているのです。

さらに、一定期間ごとに、他の新規の求職者と一緒に公募に応じて、選考をクリアしなければ働き続けられない、という自治体が多くを占めます。これが本日のメインでもあり、みんなの力で一掃したい公募制です。総務省では3年ごとの公募を自治体に「助言」していて、多くの自治体はそれにならっています。いったん採用されたからといって安心して働けるとは思わないように、と宣告されたようなものです。

どうでしょうか。この仕組み、おわかりになるでしょうか。大学の授業でも、学生になかなかうまく理解してもらえないので、就活中の学生からこんな相談を受けたという仮定で、次のような例をつくってみました。

 

「〔私が就く仕事は〕住民にとって大事な仕事と説明されたのですが、雇用条件は非正規でした。勤務は1年限りではありませんが、厳格な能力実証が行われるそうです。それをクリアして働きつづけられることになっても雇用が更新されたことにはならないようで、新たな職に就くと説明されました。いえ、従事するのは同じ仕事です。でも、新たな職だからと毎年必ず1カ月の試用期間が設けられています。そして3年に一度は、公募に応じて新規求職者といっしょに選考を受けなければなりません。処遇は低いです。最近は均等待遇、同一労働同一賃金とか聞きますが、そもそも、フルタイム職員より1分でも勤務時間が短ければ、別の処遇体系に位置づけられるそうです。そして、こうした状況を改善していこうにも、授業で習った労働組合活動は制度的にかなり制約されているというので」……。

出所:川村雅則「憲法の示す価値から、自治体で働く非正規公務員のことを考えてみました。」『まなぶ』第781号(2021年10月号)pp.20-22に「〔私が就く仕事は〕」を加筆。

 

文章の後半では、処遇のことや労働基本権の制約のことにも言及していますが、こういう相談を就活中の学生からされたら、いったいどんなブラック企業なんだ、と思うのが一般的ではないでしょうか。しかし、これが住民の暮らしを守る会計年度任用職員に与えられている制度なのです[7]

 

■あなたのマチの公募制、公募の状況を調べる

さて、ここでまた皆さんに調べていただきたいことがあります。

第一に、皆さんのマチでは公募はどうなっているでしょうか。

念のため言えば、ここで問題にしている公募とは、再度任用時の公募です。採用時の公募はべつに問題視していません(以下、同様)。

後半で取り上げるとおり、公募を導入していない/公募をやめた自治体もあるのですが、多くは導入しています。皆さんのマチでもそうだと思います。公募が導入されている場合には、何年ごとの公募かを調べてください。ちなみに、くましろさんの石狩市では5年公募、柏野さんの恵庭市も5年公募です。

また、全ての職種に同じように公募が導入されているのかどうかも調べてください。というのも、職種によって公募を導入していなかったり、「標準」が3年公募のところを専門職に限って5年公募にするなど、年数を長く設定している場合があるからです。詳細は後半でお話をします。

 

第二に、公募が行われた年に、どの位の人数が公募にかけられているか、なおかつ、公募で不合格とされ継続任用されなかった人数はどの位かを調べてください。

3年公募とはいっても、(会計年度任用職員制度が始まった2020年度からかぞえて3年目にあたる)2022年度末だけで公募が行われているとは限りません。職員の採用時期はばらばらだからです。また、旧制度時代からの勤務年数もカウントしている自治体もあります。その場合、すでに複数回の3年公募が実施されていることになります(3年公募の場合、公募にかけられる人数が多かったのは、おそらく2022年度末であると思いますが)。

繰り返しになりますが、毎年、どれぐらいの人数が公募にかけられ、どれぐらいが不合格とされているのか、調べてください。

これらは政策を検証する上で不可欠の情報です。

行政側が整理していないのであれば、整理してもらう必要があります。

 

 

■総務省からの通知や、総務省調査に対するあなたのマチ(行政)の回答のご確認を

前半の話を終わる前に、ワンポイントアドバイスです。

 

会計年度任用職員制度について総務省はどう説明しているのか

一つは、総務省からの通知などはぜひ確認をしてみてください。総務省のサイトの「会計年度任用職員制度等」で確認ができます。

 

出所:総務省「会計年度任用職員制度等」より。

 

一例をあげます。

会計年度任用職員制度は複雑です。より正確に言えば、事業や就労の実態にあっていないがゆえに理解が非常に難しい制度です。

しかし、まずは同じ土俵にのった上で、つまり、総務省の考えを理解した上で、問題提起や批判をしていく必要があります。会計年度任用職員制度について総務省はどう説明をしているのか。会計年度任用職員制度の導入に向けた事務処理マニュアル(以下、総務省マニュアル)が作られています。Q&A部分だけでも構いませんから、ざっとご覧になってください。

先ほど言ったように、就労の実態にあっておりませんから、理解に悩む箇所もあると思います。一人で読み込む必要はありません。「ネット」でお互いに助け合っていきましょう。わからないことがあったらいつでもご連絡をください。

 

(1)会計年度任用職員制度の導入等に向けた必要な準備等について(平成29年8月23日総行公第102号・総行給第39号・総行女第24号・総行福第191号・総行安第38号)

(2)会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの改訂について(平成30年10月18日総行公第135号・総行給第49号・総行女第17号・総行福第211号・総行安第48号)

(3)会計年度任用職員制度の施行に向けた質疑応答の追加について(令和2年1月31日総行公第20号)

会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)Q&A

(4)会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)の修正等について(令和4年12月23日総行公第148号・総行給第82号・総行福第358号・総行安第49号)

別紙1  別紙2  別紙3  別紙4-1  別紙4-2

 

なお、同じ土俵にのる、といっても、総務省の説明に賛同する必要があることを意味しているわけではありません。念のため。

 

あなたのマチは総務省調査にどう回答しているのか

もう一つは、総務省からの照会に対して皆さんのマチ(行政)はどう回答したかを必ず確認して欲しいということです。

総務省がときどき、非正規公務員の人数など全国の自治体に照会をした結果を発表しています。当然のことながらそれは、全国の自治体が回答したから総務省が発表をできているわけです。言うまでもありませんね。

しかし、その回答、つまりご自身のマチの回答を議員である皆さんはご覧になっているでしょうか。

私はこの間、情報開示の制度を使って、北海道分(北海道、道内市町村)のデータを入手して、集計・分析を行い、発表をしてきました。

総務省が調べているのは、非正規公務員の人数だけではありません。例えば昨年(2023年)12月に総務省は、「会計年度任用職員の給与等に関する調査」を行っています[8]。内容は、勤勉手当を会計年度任用職員に支給するのか、給与の遡及改定は行うのか、最低賃金を下回る職員はいないか、など大きく三つのこと(勤勉手当関係、給与改定関係、最低賃金関係)が調べられています。

皆さんは、ご自分のマチには最低賃金割れの職員などいるわけがない、とお思いでしょうか。しかし実際には、道内の「市群(34市)」で4市が、「町村群(144町村)」で12市が、「有」と回答しています。ちょっときつめの言い方をご容赦いただきたいのですが、これは、議員の皆さんや労働組合が見過ごしてしまったがゆえの結果である、とも言えないでしょうか。

話を戻すと、総務省からの照会に対するこうした回答データを入手して、ご自身のマチの現状を知るだけでなく、見比べあって、お互いのマチの状況を知る/比較することにも活用して欲しいのです。同じ設問に回答をしているわけですから比較は容易です。担当者に一言頼めば済む話です。ぜひ習慣づけてください。

なお、上記の総務省調査の北海道分データも入手して原稿をまとめました。但し、「北海道」と「札幌市」の分は個別データの入手ができましたが、他の市町村の分は、「市群」と「町村群」を集約したデータしか得られませんでした[9]。個別データはぜひ皆さんが入手をしてください。

 

 

(前半、終了)

 

 

[1]次の拙稿をお読みください。「ディーセントワーク概念からみた会計年度任用職員制度」『ガバナンス』第274号(2024年2月号)pp.36-38

[2]「年収200万円、3年置きに試験「職失う不安常に」/非正規公務員 官製の「貧困」『北海道新聞』朝刊2024年3月25日付。

[3] ほかに、自治体が発注する仕事で働く民間事業者・労働者もおられますが、今回は割愛します。

[4] 退職金の支払いを回避するために職員をパートタイム化している自治体の存在が指摘されています。「非正規地方公務員 進む「パート」化 5万8000人時短 退職金対象外に 「自治体、恣意的に勤務減か」」『東京新聞』朝刊2024年5月9日付

[5] 厚生労働省「無期転換ルール」

[6] その最たるものは無期転換逃れです。ご興味があれば、筆者サイト内の雇い止め・無期転換逃れ問題に関する各種論考をご覧ください。

[7] 同じ非正規でも、民間に比べると公務ではさらに不利があります。(1)ここまで「雇用」という言葉を使ってきましたが、公務員の場合には正確には「任用」となります。労使対等の関係ではなく、任命権者が優位な関係です。(2)公務員は労働基本権が制約されています。(3)にもかかわらず、実効性ある代償措置、権利保障制度が非正規公務員にはありません。

[8] 調査結果の一部が報じられています。「自治体45% 「賃上げ差別」 正規はアップなのに… 非正規見送り 23年度総務省調査 「負担」理由…の通知守らず」『東京新聞』朝刊2024年4月4日付。

[9] 詳細は、レポートをご覧ください。2024年5月31日(金)にNAVIで公表予定です。

 

 

 

(参考文献・資料)

上林陽治(2021)「会計年度任用職員白書 2020」『自治総研』通巻514号(2021年8月号)

川村雅則(2022)「札幌市の会計年度任用職員制度の現状を調べてまとめました」『NPO法人官製ワーキングプア研究会レポート』第37号(2022年2月号)

竹信三恵子、戒能民江、瀬山紀子編著(2020)『官製ワーキングプアの女性たち─あなたを支える人たちのリアル』岩波書店

当事者団体である「はむねっと」(正式名称は、公務非正規女性全国ネットワーク)

瀬山紀子さん(はむねっと共同代表、埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授)のNAVI記事

同じく当事者団体である非正規公務員VOICES

自治労『会計年度任用職員の手引き』自治労、2023年9月発行

 

 

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