田村優実「パワハラ争議報告・コロナ禍のメンタルヘルス調査(働く人の権利と健康守る労働組合の役割)」

8月21日に行われた、「いの健道センター」第9回総会での、北海道医労連 田村優実書記次長の発言を紹介します。

認定NPO法人働く人びとのいのちと健康をまもる北海道センターの『にゅーす』第443号(2021年11月1日号)に掲載された原稿の転載です。

1点目は、道医労連が現在取り組んでいるパワハラ裁判について。2点目は、コロナ禍における医療労働者のメンタルヘルスについての報告です。

 

 

 

医療・介護現場で続発するハラスメント

はじめに、白石区にある「老人保健施設生きがい」で起きたパワハラ・不当解雇・不当配転裁判ですが、約3年半の当事者たちのあきらめないたたかい、そして皆様のご支援のおかげで、すべての事件で全面勝利と言っても過言ではない地裁判決を勝ち取りました。

総看護師長からの執拗なパワハラ、労働組合つぶしである不当解雇や不当配転、精神的に追い詰めるため、アパートの一室に「庶務課」をつくり監視カメラで監視するという、異常な経営陣です。法人は控訴し、まだ労働者を傷つけ続ける姿勢です。

報告集会で当事者のOさんは「支えがあったからたたかえた。最後まで、支えてほしい」と話しております。ご支援をいただく場面となりましたら、お知らせさせていただきます。

 

つづいて、「恵和会老人保健施設えん」のパワハラ裁判です。

Kさんは、受付事務として勤務していました。上司が退職し主任へ昇格し間もないころ、市の実地指導に向けて準備を進めました。初めての業務のため上司にも協力を求めましたが得ることはできませんでした。

 

執拗ないじめといやがらせ

手探りで完成した資料は、問題がなかったにもかかわらず、上司から「できないならあなたの異動も考えなければいけない」と言われ、事務主任から降格され相談員への異動が言い渡されました。

受け止められなかったことに加え、脅しのようなことを言われたこと、やりがいを奪われたことにショックを受け抑うつ状態となり休職に追い込まれました。

復職後も医師の診断書を無視し、初日から外勤を命じ、さらに業務打合せから排除するなどしました。

一審の札幌地裁は請求を棄却しました。9月1日、札幌高裁でのたたかいが始まります。

医療法人社団恵和会は宮の森病院でもハラスメント、労組との団体交渉を拒否するなど社会的にも信頼できない行為を連発しています。

案の定、人手が不足し、入院・入所されている高齢者の尊厳が守られないリスクのあるケア体制となっています。正しい判決に向けて署名に取り組んでいます。あわせて介護保険改善の署名にも、ご協力お願いします。

 

5割の職員に抑うつ傾向

次に、コロナ禍における医療介護労働者のメンタルヘルスについてです。

コロナ禍において、医療介護従事者には、一般企業に比べ、かなり慎重な行動制限を求められています。

休憩中や食事の時の会話、歓迎会や送別会、いたわり合う時間や機会が全く無い状況となっています。

医労連加盟組織で「コロナ禍における対応病院の抑うつリスクと燃え尽き症候群の関連について」約900人を対象にした大規模調査を実施しました。結果、全体の5割強の職員に抑うつ傾向が存在していることが明らかになりました。

コロナの影響により、医療従事者は高ストレス・不安な環境にいることが原因であると推測されます。

介護労働者にも同様なことが起きていると思われます。医療従事者は感染拡大予防に努めつつ、日常業務に専念しており、対人援助の負担が増大している可能性が伺えます。

 

大切な労安委員会活動

よって、労働安全衛生委員会が大事になってきます。

コロナ感染が収束しない中、感染防止の観点から「委員会は中止」や「文書会議」「短時間開催」など委員会の意義が発揮できないことも問題です。そして、国や道へメンタルフォローのための指針や支援を求めていかねばなりません。

さらに、賃金が低いことと燃え尽き症候群の相関関係も研究では明らかになっており、緊急的な医療従事者への経済的手当ても重要です。

 

労働組合の存在を知らせてほしい

最後に、感染防止は大前提ですが、医労連が運営する共済制度では、コロナ感染での入院の場合、「不慮の事故」扱いとし給付金を増額しています。

お知り合いの医療介護労働者に医労連の存在を知らせていただけますようお願いいたします。

 

 

(参考)

道医労連 ウェブサイト Twitter Facebook

 

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