京都放送労働組合「解雇組合員(派遣社員)の直用を実現/同一賃金闘争大きく前進」

民放労連 京都放送労働組合から、あらたなレポートをいただきました。一つは、派遣社員の解雇撤回・直接雇用化。もう一つは同一労働同一賃金に関する取り組み、成果です。どうぞお読みください。

 

解雇組合員(派遣社員)を派遣先・京都放送へ直用実現(2024年9月)

組合は、きょう1か月前契約期間(3年)途中で解雇(雇い止め)された女性の派遣社員組合員の解雇撤回と派遣先・京都放送への直接雇用(常勤アルバイト)を求めた闘いで組合の要求通り直用を実現するというスピード解決をはかりました。

組合が派遣社員組合員の解雇を知ったのが通知をうけた3週間後の今月12日。女性とすぐ話し合いをもち「人件費削減を名目に解雇された。京都放送で働き続けたい」との申し入れをうけました。

組合は、さっそく2要求(①組合と話し合いをもたず解雇したことを謝罪せよ。二度としないとの労働協約を締結せよ ②解雇を撤回し京都放送で直用せよ)を会社に提出しました。

きのうの交渉で会社は女性の勤務態度をとり上げ直用を拒否しました。

これに対し組合は「解雇は、京都放送労組にとって琴線に触れる大問題で絶対許せない。ましてや解雇4要件にみたない話し合いをせずに解雇とは何事だ。謝罪せよ」と強く迫りました。

組合の鋭い追及に会社は「申し訳なかった」と謝罪しました。しかし直用拒否の姿勢を改めないため組合は、「解雇4要件を満たせ。できなければ組織をあげて解決するまで闘う」と強い姿勢で抗議を続けました。これをうけ会社は、「1日時間をとって協議したい」と応えました。

そしてきょう会社から直接雇用の回答が示されました。この知らせを聞いた女性は「KBS京都も派遣元の会社も冷たい仕打ちだった。しかし京都放送労組は、私の声を聞いて何から何までお世話していただいた。ありがとうございました」と喜んでいました。

女性が相談にのってから2週間というスピード解決になりましたがいくつか教訓を学びました。

①解雇された女性。まわりの組合員からの情報が執行部に届くのが遅く闘いが後手にまわった。つまり迅速に動くことが重要である

②勤務態度の指摘には、組合も日ごろから当人とコミュニケーションをとり改善をはかっていくことが必要である

③他の派遣社員組合員が心配しないようにさっそく1人1人に声をかけ安心させたのは有効であった

④新労担は、女性が組合員であることがわからず乱暴に扱った。会社に改めて構内スタッフの雇用の変化については事前の話し合いと組合の同意をまとめた労働協約を締結させた。これも構内スタッフ組合員には安心感をもたれた

⑤スピード解決は、京都放送労組の解雇は絶対許さないとの不退転の決意を会社に強く印象づけた行動と交渉があったからといえる

 

 

 

同一賃金闘争大きく前進 半年間のゼロ回答打破(2024年8月)

組合は、今だことしの春夏闘を闘っています。

懸案の要求は、同一労働同一賃金闘争の解決です。4年前の法の施行に合わせ全国でも初となる基本給の改訂に成功しました。1年目10パーセント。2年目15パーセント。3年目21パーセントの時給アップを勝ちとりました。

そしてことしの春夏闘で4年目の時給増をめざし闘い始めました。しかし会社は、4年前と逆に「応じられない」との一点張りでゼロ回答を6か月(通算30回の交渉)続けてきました。

該当者はテレビ進行支部の女性の構内スタッフ(常勤アルバイト)。心がおれそうになりながらも「ここまできたら闘う」と強い気持をもち執行部とともに闘ってきました。

組合の持ち前の粘り強さが発揮され、8月29日ようやく3パーセントのアップの回答(時給1828円。基本給25万9119円。同一年齢社員との差はわずかだが2万円縮少)をひきだしました。十分な回答ではない(さらに上積みを求め交渉予定)ものの当事者は、「まったく回答がでるとは思ってみなかった。しかし執行部は〝必ず解決できる〟と確信をもった対応に信じられなかった。しかしきょうの回答に驚いている。本当に私1人のために6か月も闘ってもらい感謝しかない」と喜んでいました。

社員要求のベアと一時金は、すでに2か月前の6月に収拾していたものの今回の構内スタッフ1人のために2か月間春夏闘を闘ってきた組合の団結は高く評価できます。

また日本の非正規運動の同一労働同一賃金闘争に少なからず足跡を残したことになりました。

追記

8月30日会社と連続3回交渉をもちました。その結果、4年目時給3.7パーセントアップを勝ちとりました。時給1840円。基本給26万820円。(前年比1万3608円増。年収では16万円増)となりました。該当者も含め組合は、「よく闘った」と総括。半年間にわたる24春夏闘を妥結しました。

このほか同一賃金闘争を闘う中で会社の過去3年間の同一賃金受給者の給与ミスをみつけて追及。3年間のバックペイも支給させました。細かく賃金を点検し闘った成果で闘いの副産物となりました。

 

 

 

 

京都放送労働組合からの配信記事

京都放送労働組合「コミュニケーションレターを使った組合活動」『NAVI』2024年4月17日配信

京都放送労働組合「再雇用組合員要求通り雇用延長実現/派遣先・京都放送への直用化 通算11人目」『NAVI』2024年2月15日配信

京都放送労働組合「全国初!派遣社員が無期雇用転換」『NAVI』2023年10月27日配信

京都放送労働組合「格差是正の闘い、派遣先直用化と無期雇用転換社員の実現」『NAVI』2023年2月23日配信

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