大木隆史「日本で働く外国人の就労―非正規雇用のALTへの着目」

本稿は中学校などで外国語指導助手として働く外国人、通称ALTの労働問題に迫った論考である。ALTの少なくない人が、非正規雇用で低い労働条件のもとに働いている。非正規雇用ALTの問題は、外国人労働問題である以上に非正規雇用問題であり、官製ワーキングプア問題である。というのも、非正規雇用ALTは自治体の会計年度任用職員として、民間事業者を介した教育委員会のもと派遣労働者や請負労働者として、働いているからである。それが学校教育の現場で起きている。著者の大木隆史氏は、「本当の被害者は誰か?」と問い、教育問題として捉える必要性を指摘する。読んでいただければわかるだろう、日本の未来が問われているのだと。本稿は北海道大学教育学部卒業論文(令和3年度)の一部である。全文を読まれたい方は、北海道大学教育学部図書室に問い合わせていただきたい。

(指導教員:駒川智子

 

■論文情報
学生氏名:大木隆史
所 属 :北海道大学教育学部
題 目 :日本で働く外国人の就労―非正規雇用のALTへの着目(卒業論文公開短縮版)

論 文 :卒論公開版_北大大木(目次加筆版)

 

 

1.はじめに

「この仕事は大好きだけど、未来が見えない。」

「(給料が低く)持病の薬さえ買えなかった。」

「私が外国人であることを理由に、私をクラスに入れたがらない教師と仕事をすることがある。」

派遣社員として働くALTに対して調査を実施すると、厳しい労働状況や不満・嘆きの声が多く聞こえてきた。

皆さんは、小中校生の「身近なネイティブ・スピーカー」として英語教育の発展に携わる多くのALTが、苦しい労働条件の下で働いていることをご存じだろうか。派遣として働く多くのALTが、低賃金かつ不安定な条件下で働いており、様々な苦悩を抱えているのである。近年、この「派遣ALTの労働問題」が、主要メディアによる報道により少しずつ明らかになりつつあるが、まだ広い認知に至っているとは言えない状況にある。

本稿では微力ながら、ALTの労働問題についての認知拡大を目指し、自身の卒業論文・「日本における外国人の就労―非正規雇用のALTへの着目」を公開用に再構成した。単なる外国人の労働問題ではなく、教育問題としても捉える必要があろうALTの労働問題について、調査結果を基にまとめた上で、解決の道筋についての考察を述べた。拙い長文ではあるが、非正規雇用のALTが置かれている現状について、本稿を通じて少しでも興味を持っていただければ幸いである。

 

2.問題意識と課題設定

外国語指導助手(Assistant Language Teacher 以下ALT)とは、主に小学校から高等学校段階に至るまでの教育課程において、外国語担当教員等の助手として外国語授業を始めとする業務に従事する外国人のことである。全国に2万人近くが配置されているが、このALTを取り巻く労働環境が劣悪であるとして、近年注目されるようになってきている。中には、派遣契約のもとで、「年収200万円程度、1年契約」という低賃金かつ不安定な条件下で働かされるALTがいることも明らかになっている[1]

ALTの待遇や生活が不安定な状況が続けば、ALTの定着率の低下により、英語教育の質が低下することが予想される。また、ALTになりたいと思う外国人が減り、ALT制度そのものが立ち行かなく恐れも考えられるだろう。以上のように、ALTの労働問題による様々な弊害が考えられるが、非正規雇用のALTに焦点を当てた研究はあまり存在しない。それどころか、「労働者としてのALT」について論じた研究も少なく、これまでALTが「労働者」として注目されてこなかったことが伺えるだろう。

以上の問題意識に基づき、本稿ではALTの中でも、特に劣悪な労働環境が問題視され始めている派遣社員として働くALTを対象に、労働環境を明らかにした上で、ALTが抱える課題を明らかにしたい。 そして、ALTに対して支援を行うALTユニオンの役割を述べた上で、最後にALTを巡るシステムのあり方と解決の道筋について考察する。

 

3.ALTの採用方法

ALTの参加・雇用形態は大きく分けて3つある。1つ目に、JETプログラムへ参加する形態が挙げられる。JETプログラムとは、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Program)の略称で、地方自治体が総務省、外務省、文部科学省及び一般財団法人自治体国際化協会(以下CLAIR)の協力の下に実施している事業である。海外から青年を招致し、地方自治体、教育委員会及び全国の小・中学校や高等学校において、国際交流の業務と外国語教育に携わることにより、地域レベルでの草の根の国際化を推進することを目的としている[2]。ALT制度は1987(昭和62)年にJETプログラムの下で開始されたものであるが、このJETプログラム経由のALTがJET ALTと呼ばれるのに対し、それ以外のALTはJETによらないALTとしてNON-JET ALTと呼ばれている。JETプログラムによるALTは任期が最長5年で、その間の年収は1年目で336万円程度、2年目で360万円、3年目で390万円、4・5年目には396万円と定められている[3]。社会保険へ加入するよう定められている他、研修やサポート、JET終了後のキャリアプラン形成に向けた支援も行われており、後述するNON-JET ALTに比較するとある程度充実した待遇が用意されている。

2つ目の雇用形態として、直接雇用が挙げられる。直接雇用によるALTは、主に会計年度任用職員、つまり非正規公務員として採用される。任期期間は多くの場合1年であるが、園田(2021)によると、会計年度職員制度に関する総務省の見解や実際の応募要項からも複数年の勤続が想定されるケースも多いという[4]。筆者が複数事例を調査したところ、公務員として社会保険に入るケースも多く、報酬額は概ね20万円台後半から30万円台前半と定められている。

3つ目の雇用形態として、民間事業者により雇用され、労働者派遣か業務委託による契約を結ぶ形態が挙げられる。園田(2021)によると、まとまった人数を新規採用する教育委員会では、ALT を個人単位で直接募集する代わりにプロポーザル方式でALT を一括採用することが多いといい、札幌市もこの事例に当てはまる[5]。奥貫(2012)はNON-JET ALTが増加した要因として、「自治体のコスト削減」と「雇用負担の軽減」を挙げている[6]が、特に派遣や業務委託の活用はJETよりもコストがかからず、かつJETの雇用や直接雇用に比べて雇用管理の手間が省けるという点で、自治体にとって大きな魅力になっていると考えられる。この民間事業者によって雇用されるALTについて、不安定な労働環境が指摘され始めている。

なお、ALTの任用・契約形態別人数は以下のようになっている。

 

図-1 ALTの任用・契約形態別人数

校種/形態 JETプログラム 直接任用 労働者派遣契約 請負契約 その他 合計
小学校 2,651人

(19.9%)

2,639人

(19.8%)

2,789人

(20.9%)

1,186人

(8.9%)

4,061人

(30.5%)

13,326人
中学校 2,771人

(33.8%)

1,562人

(19.0%)

2,201人

(26.8%)

856人

(10.4%)

813人

(9.9%)

8,203人
高等学校 1,707人

(61.3%)

478人

(17.2%)

343人

(12.3%)

108人

(3.9%)

147人

(5.3%)

2,783人
純計 5,117人

(25.9%)

3,656人

(18.5%)

4,490人

(22.8%)

1,733人

(8.8%)

4,733人

(24.0%)

19,729人
(参考)H30年

純計

4,860人

(25.3%)

3,609人

(18.8%)

3,741人

(19.5%)

2,163人

(11.3%)

4,831人

(25.2%)

19,204人

※「小学校」「中学校」「高等学校」の欄は、それぞれ他の学校種を兼務している場合を含む人数。
※「純計」欄は、小・中・高等学校の学校種間で兼務している場合に、重複して計算しないよう調整した人数。
※「その他」は、留学生や英語が堪能な地域人材(日本人を含む。)の人数。

〔出典:文部科学省、『令和元年度「英語教育実施状況調査」概要』https://www.mext.go.jp/content/20200715-mxt_kyoiku01-000008761_2.pdf(2021年12月9日最終閲覧)より作成。

 

4.調査の方法と対象

NON-JET ALT及び、ALTユニオンを結成した地域労組を対象に調査を行った。NON-JET ALTについては2通りの調査を実施した。まず札幌市で働く派遣のALT1名に対してインタビュー調査をし、次に全国のALTユニオンに所属するNON-JET ALT18名に対して、Googleフォームを用いてアンケートを実施した。1人のALTにインタビューを行ったのは、アンケート調査よりも詳細な情報を聞き出せると判断したためである。また、18名に対するアンケート調査は、テキストで回答してもらうことによって筆者及びALTの語学力に依らずとも正確な調査が可能であると判断したことと、NON-JET ALTに対する包括的な調査が可能であると判断したために実施した。インタビュー調査を実施したA氏は、調査を受ける条件として、個人が特定されうる情報を公表しないことを約束しているため、本稿ではA氏の個人情報について「中学校で勤務している」ことのみを明記する。また、調査対象となったALTは全てNON-JET ALTであり、18人の回答者全員が同じグループ会社である派遣会社数社によって派遣されている。後述するが、これらの派遣会社は、かつては一つの会社における地域支社であったが、2015年に元来本社機能を持っていた会社の子会社として地域会社化している。そのため、各会社によってALTに対する対応はやや異なる可能性があるが、各社はグループ会社として同様の社名を用いているため、全て「X社」と表現することにした。また、アンケート調査の協力者のうち、調査対象となった札幌市に在住するALTは5名である。なお、英語か日本語で回答してもらっており、本文では英語による回答は日本語訳をつけて表記する。A氏へのインタビュー調査は2021(令和3)年10月に実施し、アンケート調査は翌11月に実施した。

組合への調査については、札幌地域労組の役員であり、ALTユニオンの結成を主導したB氏に対してインタビュー調査を実施した。B氏へのインタビュー調査は、2021(令和3)年9月に実施した。

 

5.調査で明らかになった事象

(1)ALTの仕事

先述の通りALTは本来、外国語担当教員等の教員の「助手」として想定されている。ところが調査を行った結果、実際は共に仕事をする日本人教師や学校によって、ALTが「助手」としての役割を超えて授業を主導するケースも多く見られることが明らかになった。例えばインタビュー調査を実施した中学校に勤務するA氏の場合は、共に仕事をする日本人教員によって差はあるものの、普段は英語教師から授業を一任され、1人で授業を担うことが多いという。

A氏によると、授業の大きな流れは、Greetings、Warm up、Introduce grammar point we are covering、practice activity、production activity、demonstrations、そしてSay goodbyesの順になっているという。まず授業開始と共に、「Good morning」や「Good afternoon」、「How are you?」等の挨拶をするGreetingsの時間からはじまり、その日の天気や時間に関する質問を投げかけるという。挨拶が終わった後は、生徒を授業に慣れさせるためのWarm upの時間が設けられており、この時間で前回の授業の内容の復習を踏まえたアクティビティを実施する。例えばA氏がよく行うのが、前回の授業で学んだ文法を用いた質問を事前に準備しておき、それを生徒たちに投げかけ、答えてもらうという内容のアクティビティを行う。これを5分から10分ほど行った後、その日の“本題”である授業に入り、新しい単元について教えるIntroduce grammar point we are coveringの時間に入る。この際A氏は、いつも同じようなスタイルにならないように気を付けており、板書の他にもフラッシュカードを用いたり、ワークシートを使ったり、スライドを使ったりする等、日によって、また教える文法のレベルに応じて様々な方法で実施している。その後与えられた教材を元に文章を書いてみたり、ペアを作って会話をしてみたり、ゲーム、クイズをするなどして新たに習った文法を使った表現を練習するpractice activityの時間に入る。例えば、クラスの全員に、それぞれに書かれていない箇所がある4種類のワークシートが与えられ、生徒は、4種類のワークシートを揃えれば書かれていない箇所をすべて埋め、ワークシートを完成することを目指す、といったゲーム形式の活動がある。生徒たちは、授業で習った文法を用いて英語で会話をしながら、4種類のワークシート全てを見つけて書かれていない箇所を埋め、ワークシートの完成を目指す。このように、ゲームを通じて授業で習った文法の練習をすることもあるという。なおA氏は、このpractice activity以降の活動では、A氏自身も歩き回って生徒たちを見回り、アクティビティによってはA氏も生徒に混ざって参加することがあるという。その後、新たに習った文法を使ってオリジナルの文章を自力で書いてみたり、オリジナルの会話をしたりする等、自分で考えて文法を活用するproduction activityの活動に入る。その後、A氏がproduction activityの様子をうかがいながら、よく出来ている生徒を指名して、実際に各々が行ったproduction activityを皆の前で実践・披露してもらうdemonstrationsに入る。そして最後にSay goodbyes、つまり終わりの挨拶をして、50分に及ぶ授業が終了する。A氏には「一緒の授業はしたくない」という考えがあり、この事例はあくまで一例に過ぎないが、大まかな流れとしては、以上のように挨拶を含めて7つのプロセスを踏襲して授業のプランを組み立てているとのことである。本来の補助的な役割を超えて、ALT自身で工夫を加えつつ、授業を主導している様子がうかがえる。

以上のA氏の事例のように、ALTが授業を主導するケースが多く見られた一方で、本来想定されている「補助」的な役割に終始するケースも見られた。中学校に勤務するあるALTは、授業の進め方について以下のように述べている。

 

私は最初の25分間は教室にいないが、時々外から見ている。先生が文法のポイントとその使い方を説明し、私が来るまで生徒たちはワークブックや宿題に取り組む。私が入ると、そのアクティビティで使われる文法を簡単に説明し、アクティビティの説明をして(先生がすべての指示を翻訳する)、アクティビティが行われる。これは、先生からの要望で、私が行っている形式である。

 

このALTは、最初の25分間、日本人教師による授業やワークを教室外からたまに見ているという。その後、ALTが教室に入り、アクティビティで使われる文法・方法について簡単に説明し、アクティビティを実施している。この際、全ての指示が日本人教師によって翻訳されているという。この方法は、日本人教師からの要望によるものであるというが、授業を主導するのはあくまで日本人教師であり、ALTはアクティビティを担当する立場として補助的な立場にいることが伺える。以上のように、ALTに本来想定されている補助的な役割を担うケースも見られる。

なお、ALTは授業に携わるだけではなく、授業以外の場面で英語を活用するようなシーンにおいても広く活用されている。具体的には、給食や昼休みの時間における生徒・児童との交流、課題や試験の添削や採点、スピーチコンテストの指導などをALTが担うことがある。このように、ALTは英語教育における様々なシーンに於いて活用されており、それぞれが工夫を凝らしながら、児童・生徒の英語教育の発展に尽力している。

 

(2)ALTの課題

ところが調査を通して、ALT、特に派遣として働くNON-JET ALTの多くが、労働問題に直面していることが明らかになった。本節では、ALTの労働条件における問題点について列挙していく。

 

①待遇面の問題点

a.不安定で低い給料

B氏によると、派遣として働くALTの年収は「約200万円から約230万円」であり、「月収(基本給)は21万円ほど」であるという。JETや直接雇用によるALTと比較すると、極めて給料が低いことがわかる。また、給料に関わる大きな問題として、B氏は3月及び4月に給料が極端に少ない点を指摘している。年度終わりである3月と、年度のはじめである4月は授業が半月分しかないため、それに応じて給料も通常の半分ほどしか出ないためである。A氏によるとこの時期の月収は、わずかに「3月は8万円、4月は10万円」であると述べている。毎月一定の給料が出るわけではなく、1年を通して安定的に働くことのできない現状は明らかであろう。実際、ALTに対する調査で、「自身の能力や労働時間を考慮して、現在の給料が妥当であると感じるか」という問いに対するALTの回答は図-2のようになっている。

 

図-2

(出典:アンケート調査より作成)

 

以上のように、派遣として働く多くのALTが、給与に対して不満を抱いていることが伺える結果となった。

さらに、X社との労働契約が1年契約になっており、不安定な雇用状況が続いている点も問題となっている。毎年契約更新が必要となるため、安定して働くことができるとは言い難いだろう。

 

b.社会保険に加入できない状況の継続

給与だけに留まらず、社会保険に未加入のALTが多い点も問題となっている。B氏によると、中学校I型で働くALTは、労働時間が週31時間40分となっており、週の所定労働時間が30時間を超えることから、社会保険適用条件を満たしているという。そのため、中学校Ⅰ型で働くALTは社会保険員加入しているものの、その他のALTは週29.5時間労働と定められているため、社会保険の適用条件を満たさず、結果的に多くのALTが社会保険に未加入であるという。実際、札幌市における88人のNON-JET ALTのうち、社会保険に加入するALTは18人に留まり、残りの約8割のALTが社会保険に未加入である。ただしこの点については、2022(令和4)年10月以降の社会保険適応の拡大により全ALTが社会保険に加入できるようになる見込であるという。調査に於いても、図-3のように多くのALTが社会保険への加入を望んでいることが判明している。

 

図-3

(出典:アンケート調査より作成)

 

以上のように、2人が「どちらでもない」と回答したものの、調査対象となったALTの約9割が、社会保険への加入を望んでいることが明らかになった。法律の改正があったからこそALT全員が社会保険に加入できる見込みが立ったものの、当事者であるALTや組合が加入を要望していたにもかかわらず、2022(令和4)年度に至るまでALTが社会保険に加入できずにいた点で懸念するべき状態であるといえよう。

 

c.自由に取得できない有給休暇

休暇のあり方について疑問を抱くALTもいることが明らかになった。あるALTは、「有給休暇も、半分取られている。会社が半分とって、会社がいつ使うか決まっている。」と回答しており、ALTが自分の休暇を自由に使えないことが伺える。また、続けて、「特別病休や親戚が亡くなったら貰える休みもない。この間、ワクチン打ったんですけど、ワクチンもらったあと、けっこう色々な症状が出たり疲れたり、でもそれも関係なくて、特別休みはもらっていない。」と回答しており、これらの病休や忌引き、ワクチン接種後の休暇を取得する場合は特別休暇ではなく、全て自身の持つ有給休暇を消費することになっているという。また、新型コロナウイルスに罹患した場合も同様の措置が取られていると考えられる。B氏によると、「基本的に今の扱いで言うと、新型コロナウイルスに罹患した場合は特別休暇とか一切無いです。欠勤か、自分の有給休暇か。」といった状況であるという。

 

②派遣会社による対応の問題点

a.授業に対するサポート・新型コロナウイルス感染症流行に対するサポートの不備

調査からは、来日当初の生活をサポートする体制や、日本語に不慣れなALTのための言語に関するサポート体制など、ある程度のサポート体制は敷かれていることが明らかになったが、サポート体制について不満を抱くALTもいた。実際にアンケート調査の結果、X社のサポート体制を巡る認識はALTによって異なり、その賛否が拮抗したが、これは職員や各支店による対応の際によるものであると考えられる。

特に、授業サポートに不十分さを感じるALTは多い。派遣会社が、「よりよい教師になるための効果的な研修を準備している。」かについて問うた調査では、図-4のような結果になった。

 

図-4

(出典:アンケート調査より作成)

 

以上のように、「そう思う」と回答したのは2人に過ぎず、「全くそう思わない」と回答した人数が6人、「あまりそう思わない」と回答した人数が4人と、計10人が「そう思わない」と回答した。ただ、「どちらでもない」と回答するALTも6人おり、全体の3分の1を占めた。この回答理由を問うたところ、「The training is fine.(研修はよい。)」、というように、研修に対する好意的な回答も一部で見られた。ところが、「Initially the training is helpful for new ALTs but subsequent training does not really break new ground and is somewhat basic.(最初の研修は新しい ALT にとって有用であるが、その後の研修は新しい分野を開拓するものではなく、やや基本的なものである。)」という回答や、「X initial training lays a decent foundation for new ALTs to build on, but regular yearly trainings don’t add much to growth, with the exception of topics such as special needs classes.(Xの初期研修では、新しいALTのためにきちんとした基礎を築くことができたが、年に一度の定期的な研修では、特別支援クラスなどのトピックを除いては、あまり成長につながらない。)」、「Initially the training is helpful for new ALTs but subsequent training does not really break new ground and is somewhat basic.(最初の研修は新しい ALT にとって有用であるが、その後の研修は新しい分野を開拓するものではなく、やや基本的なものである。)」という回答に見られるように、ALT経験の基礎を築く上では役に立ったが、ある程度ALTとしての経験を重ねると意味を見いだせなくなる、という趣旨の意見も複数見られた。

また、「There is almost no professional development. There are no resources or information provided from the company.(専門的な発展はほとんどありません。会社から提供されるリソースや情報もありません。)」、「Most of the training has nothing to do with teaching.(殆どの研修は、教えることと関係が無い。)」、「Most of my skill came from trial and error on the job.(私のスキルのほとんどは、仕事の中での試行錯誤によるものだ。)」、「全然仕事と関係なくて、仕事のポリシーとか、性格テストとか、冬になったらどうする、準備とか何すればいいとか、本当に全然ALTと何も関係ないものばかり。」といったように、ALTの業務に有用な情報が提供されているとは感じられず、研修の効果に対して疑義を抱く回答も目立った。さらに、「Recently our training has been going over mostly company updates. It is not actually useful training that we can take to school. In the past, however, we have had some more useful trainings. (最近の研修では、会社の最新情報が中心となっている。学校に持っていけるような研修ではない。しかし、過去にはもっと有益な研修があった。)」という回答や、「Since Y bought the company, less priority is given to teaching skills and more priority is given to “keeping shareholders happy” in training.(Yが会社を買収してから、研修では技術を教えることはあまり優先されず、「株主を満足させる」ことが優先されている。)」といった回答から、従来行われていた研修の質が低下しているケースがあることも伺える。

先述のように、ALTになるに当たり、教員免許等の特別な資格は必要ない。そのため多くのALTが「教育の専門家」ではない現状があり、研修の質は重要であると考えられる。現状では、研修に対して効果を実感しているALTは少ないため、早急に改善し、効果的な研修体制の確立を目指すことが求められるだろう。

また、派遣会社による新型コロナウイルス感染症への対応について問うた調査では、図-5のような結果になった。

 

図-5

(出典:アンケート調査より作成)

 

以上のように、18名のALTのうち、「そう思う」と回答したALTは4人のみであり、全体の半数以上である10名が、「そう思わない」と回答しており、新型コロナウイルス感染症に対する派遣会社のサポートが十分に為されていると感じるALTが少ないことが明らかになった。これは先述したように、新型コロナウイルスによる特別病休や、ワクチン接種後の特別休暇が認められていないことが影響していると思われる。また、A氏は、新型コロナウイルス感染症の流行に対するサポートについて、「昨年、1万円のボーナスと体温計をもらった。最初で、もしかして最後のボーナス。今年はなかったですけど、それくらい。」と述べた上で、「マスクをたった5枚もらって、あとのマスクは自己責任だと言われた。コロナになったら、やり方とかポリシーとか、今まで何も(示されて)ない。で、特別病休もコロナになってもないし、ワクチンで次の日気分が悪くなっても無い」と述べ、派遣会社による新型コロナウイルス感染症禍の対応について不満を示していた。他にも、「X社に要求したいことはありますか?」という質問に対して、「Provide masks to your employees. We’re struggling enough as it is and masks are just another expense.(従業員にマスクを支給しろ。我々は十分苦労しているが、マスクは単なる出費にすぎないはずだ。)」や、「A COVID policy(コロナウイルス感染症に対するポリシー)」というように、新型コロナウイルス感染症に関するサポート体制を整備するよう要求するALTもいた。また、あるALTは、「Stop telling people that you won’t pay them if they are hospitalized due to corona. Too many ALTs are ignoring potential symptoms and putting schools at risk because they don’t have enough paid vacation days to visit a doctor. They can’t survive if they miss even a small amount of salary.(コロナで入院しても給料は払わないと言うのはやめてほしい。あまりにも多くのALTが、コロナの可能性がある症状を無視し、医者に行くための十分な有給休暇がないために学校を危険にさらしている。ALTたちは、少しでも給料を逃すと生きていけない。)」と述べており、現状のサポート体制が招く現状について危機感を抱いている様子がうかがえる。このような事態も、もし新型コロナウイルス感染症に感染した場合でも給与を支払うか、毎月貯金できるほどの十分な給与を支払えれば、防げる懸念であるはずだ。

待遇が恵まれているとはいえないALTが、未曾有の事態の中でも安心して生活できるように、生活面でのサポートの充実が求められるだろう。そして、新型コロナウイルス感染症の影響による授業の変更や学校での感染拡大等の事態に備えて、明確なポリシーを提供し、ALTが新型コロナウイルス感染症の流行下においても安心して業務を継続できる環境を整備すべきではないだろうか。

 

b.無期転換ルールにより、ALTの仕事が出来なくなる事態

B氏は、「無期転換」により、ALTの仕事が出来なくなる事態について懸念している。B氏によると、労働契約法18条を踏まえた上で、「団体交渉で聞いたこと」として、「X社は、5年経ったら無期転換はするけど、そうなった場合には学校で授業するALTの仕事から外し、本業である派遣会社の仕事をしてもらう」と告げられたという。つまり、X社の下で5年間ALTとして働いた後に無期転換される場合はALTとして働くのではなく、派遣会社の社員としてマネジメント業務に携わることになる、というのである。また、これに対するX社の言い分は、「札幌市との業務委託契約が今後も取れるかどうかはわからないから、ALTとしての将来的な仕事を約束できないため、無期転換した場合は、本業である派遣会社の仕事を行ってもらう」という。本来のALTの仕事は「学校で英語を教えること」であるはずであり、ALTがマネジメントの仕事をやりたがるとはあまり思えない。また、5年の間ALTとしてのキャリアを積んだとしても、結局派遣会社のマネジメント業務という慣れない仕事に就くことになってしまう。そのため、もしALTを続けたい場合は、会社を去らざるを得なくなり、改めて有期雇用のALTとして働く環境を探す必要が出てくるのである。以上のように、X社の下では「無期転換」制度が導入されたといえども、ALTが自身のキャリアを安定的かつ思うように歩むことはが難しいのである。B氏は、この点についても大きな懸念を示している。

 

③組合による懸念点

a.「全くノールール」なALT制度

B氏は、ALT制度の大きな欠陥点として、「全くノールール」で、「各地方自治体に丸投げ」である点を挙げている。B氏は、「JET-ALTに関しては、いろんな支援体制がちゃんと確立していて、なおかつやっぱ文科省がある程度のルールを持ってやるわけですよ。」と述べ、JETによるALTが正当なルールの下で雇用されていることを引き合いに出しながら、「NON-JETのほうは全くノールールでやっている。」ことを懸念している。NON-JET ALTの活用については、一定のルールが殆どなく、各地方自治体に“丸投げ”である状況であることから、B氏は「各地方自治体が好き勝手やりますよ」としながら、「(企業や自治体は)ルール内でやっているので、何ら違法性がないんですよ。そこが厳しいところなんです。」と述べ、“ノールール”が前提となってしまっている以上、ALTの労働状況が劣悪になろうが決して「ルール違反」とはないため、B氏曰く「いや、法的に触れてないから何も問題無いでしょ」というスタンスを取られるために、交渉が難航しているという。

 

b.関連組織の「責任逃れ」

さらに、このような状況が、ALTに関する組織の「責任逃れ」の要因になっている。ALTユニオンによれば、X社は、“札幌市から示された仕様書通りに業務を遂行している”と主張し、札幌市は、“業務委託先の職員の話だ”と述べて市の責任を認めようとはせず、さらに、文部科学省は、“そもそもALT制度は各自治体の裁量に任せている制度である”と主張し、責任を認めていないという。このように、責任の所在が曖昧であるために、責任の押し付け合いが起こっているという。このような状況について、B氏は、「一番の根本的な問題を解決しない限りは、はっきり言ってどうにもならない」と述べ、ルールを設定しなければ、NON-JET ALTの雇用環境の改善を目指すことは極めて難しいと主張している。そのためB氏は、ALTの雇用に関するルールとして、「公契約条例」の制定を求めている。

 

図-6

 

c.「社会保険逃れ」

B氏は他にも、X社および札幌市による「社会保険逃れ」についても問題視している。先述の通り、多くのALTが社会保険に入っていないが、B氏はこれについて、「かつて法改正があって、501人以上の場合は、29.5時間でも、過半数の労働者が社会保険に入れろという場合は入れなきゃいけなくなったんです。X社はそれを回避するために、もともと1つの会社だったのを、500人以下にするために、今まで支店としてあったところを全て会社にしたんですよ。」と述べており、X社が社会保険の加入要件を満たさないように意図的に仕向けたと主張している。これは2016(平成28)年度の社会保険制度改正を受けての動きであると思われるが、B氏はこれについて「脱法行為である」と主張している。

この指摘の上でB氏は、「このような社会保険を回避する仕様は、札幌市がX社に発注しています」と述べている。つまり、札幌市の仕様書により定められている小学校及び中学校Ⅱ型ALTの勤務時間が、社会保険に加入せずとも済む時間に設定されているのである。なお、2022(令和4)年10月から、短時間労働者の社会保険加入についての企業規模加入要件が引き下げられ、現行の「従業員501人以上」が「101人以上」となることにより、全てのALTが社会保険に加入する見込みであるという。

 

d.派遣事業者選定における審査項目の不備

組合は、札幌市におけるプロポーザル方式によるALT事業者選定の審査項目についても問題視しており、給与などのALTへの待遇に関する項目が殆ど設けられていないという。この待遇に関する項目は「(5)ALTの管理及び指導体制」の部分であると思われるが、実際に待遇に関する項目は極めて少なく、給与に直接的に言及した項目に至っては存在していない。組合によると、「待遇面の項目が最悪0円でも落札できてしまう」といい、ALT事業者の選定に当たり、ALTの待遇が重要視されていない現状が伺えるだろう。この点についても組合は問題視しており、改善を求めている。

 

図-7 令和3・4年度 ALT派遣事業者選定基準表

審査項目及び審査の観点 配点
(1)会社概要 小計15
① 会社のコンセプト及び英語教育に対する理念が本業務の目的と合致しているか。 5
② 提案内容に沿った適切な実施体制となっているか。 5
③本市設置(または設置予定)の営業所及びスタッフ体制は十分か。 5
(2)ALT派遣業務の理念・実績及びALT登録数 小計15
①ALTに求める資質・能力及び外国語教育に対する理念が本業務の目的と合致しているか。 5
②小学校外国語・外国語活動の指導法及び教材等に関する研究体制が整っているか。 5
③ALTの小学校への派遣事業において十分な実績や経験を有しているか。 5
(3)ALTの採用 小計15
①本業務遂行に必要なALT数を十分に確保できる組織体制が整っているか。 5
②仕様書で定める資格を満たすALTの派遣が期待できるか。 5
③ビザや犯罪歴など、身元保証の確認方法等については十分なものか。 5
④ALT採用のスケジュールが実効性のあるものとなっているか。 5
(4)ALTの研修体制 小計15
①ALTの採用から派遣までの研修体制が整っているか。 5
②ALT派遣期間中の研修体制が整っているか。 5
③業務の未熟な部分に対するフォロー研修体制が整っているか。 5
④ALTの研修に対する組織体制が整っているか。 5
⑤ALT管理者及び派遣担当者に対する研修体制は整っているか。 5
(5)ALTの管理及び指導体制 小計15
①ALTの勤務・労務管理体制や労働問題への対応が適切であるか。 5
②ALTの生活面、メンタルヘルス等へのサポート体制やALTからの苦情対応の体制が整っているか。 5
③ALTの勤務評価、派遣先学校及び教育委員会からの要望・苦情等の把握・対応の体制は整っているか。 5
④派遣先学校及び教育委員会との連絡体制は整っているか。 5
⑤法が定める社会保険への加入状況は適切か。 5
⑥ALTの健康診断(胸部レントゲン含む)受診や感染症対策は適切に実施されているか。 5
⑦マージン率等適切に情報提供されているか。 5
(6)ALTの危機管理体制 小計15
①ALTのトラブル等への対応は十分か。 5
②ALTの欠員に対するバックアップ体制は整っているか。 5
(7)ALTの効果的な活用の提案 小計15
①授業でのALTの活用について、効果的な提案がなされているか。 5
②授業以外でのALTの活用について、効果的な提案がなされているか。 5
合計 130

〔出典:札幌市教育委員会、「令和3・4年度 札幌市立小学校外国語指導助手派遣業務 選定基準表」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/07senteikijyunhyo-syogakko.pdf(2021年12月10日最終閲覧)より作成。〕

 

e.「ALTの質の低下」への懸念

B氏は、X社による研修の不備や、勤続年数の低さについても懸念を示している。第2章のアンケート結果にも現れていたが、B氏によると、多くのALTにとって「(X社の)トレーニングはすこぶる評判が悪い」といい、教育者を育成する研修体制は整っていないと話す。そのためB氏は、ALTによる自身のスキル向上について、「みんな基本的に独学じゃないですかね。やっぱり、キャリアの中で学んでいくしかないんですね。」と述べており、NON-JET ALTは、よい教育者になるためのトレーニングを受ける機会には恵まれていないという。また、労働状況が劣悪であるが故に、辞めてしまうALTが多いことについても大いに問題視している。B氏は、「(ALTは)めちゃくちゃ入れ替わるんで。本当に下手したら8割入れ替わっちゃうこともあるので」と述べているように、多くのALTが離職する現状を懸念している。このような状況であるために、「人に教えたことなんてないような、仕事の程度の低いALTがいきなり来て、自分がいいと思っているだけの授業をする」こともあるという。なお、B氏によると、X社も教育委員会も、ALTによる授業の検証まではしないという。これらの事例から、研修体制が整っていないことに加えて、入れ替わりが激しくALTの質が低下しかねない状況が伺える。B氏はこのような状況について、「損するのが誰なのかなって考えたときに、勿論ね、働いている当該のALTたちも自分たちの人生の貴重な時間をそういうことで失っているのは損していることになりますけど、それ以上に、授業に出ている生徒、児童が一番損していると思うんですよ。」と述べ、児童・生徒の受ける教育の質の低下を懸念している。

 

④職場における問題点

a.ALTの「孤立」

派遣として働く多くのALTが、職場に於いて様々な苦悩を抱えていることも明らかになった。中でも、「Feelings of not being a true part of the community, sense of being an outsider.(本当の意味でコミュニティの一員ではないと感じ、部外者であると感じている。)」、「The school can be very lonely. Hardly nobody wants to talk to me.(学校はとても孤独なもの。ほとんど誰も私と話そうとしない。)」、「Not being given the benefits or being part of the school/community. (not feeling included)〔学校やコミュニティの一員としての恩恵を受けられない。(仲間に入れてもらえない)〕」、「Some schools are unfriendly. The atmosphere isn’t good, and the teachers don’t speak with the ALT. It can be a very lonely job in that situation.(いくつかの学校は不親切だ。雰囲気は良くないし、先生はALTと話さない。そのような状況では、とても孤独な仕事になる。)」、「Most people tend to ignore you as the foreigner of the school.(ほとんどの人は、学校の外国人として無視する傾向がある。)」、「 I was totally excluded from the school festival this year. Special events happen but nobody informs me, My lessons get cancelled and I’m never informed(今年の学園祭では、私は完全に排除された。特別なイベントがあっても誰も教えてくれない。レッスンがキャンセルされても、何も知らされない。)」といった回答に見られるように、教師との関係構築において苦悩を抱えるALTが数多く見られ、中でも「疎外感を感じる」という事例が目立った。中には、「仕事でALTが一番下の者ですから、意見する力とかない。特に派遣の場合は、自分のこの学校の先生というより、お客さんな感じがあります。」と述べるALTもおり、ALTの地位が学校内で低いことに対する不満も伺える。

これらの要因として、多くのALTが日本語を話せず、日本人教師との相互の意思疎通に困難が生じていることなどが挙げられるだろうが、他の要因が伺える回答も見られた。A氏は、「そんなには気にならないものの」と前置きした上で、「机が先生たちと同じところじゃなくて、パートタイムとかサポーターさんとかのところにあります。毎日学校に行っているのに、先生たちとは別のところにあります。」と述べており、ALTが学校の教員として扱われていないが故に席が離れていると述べている。また、A氏は続けて、「他の知り合いも、お客さんな感じとか学校の人じゃない雰囲気が出ていると。1人だけお土産貰えないとか、宴会とか飲み会とかやっているのに何も教えてくれないとか、この学校の人じゃない、お客さんみたいな感じが出ることはある。」と述べている。以上のように、ALTは教員に近いか、或いは同等の仕事をしているにもかかわらず、ALTが教員とは「別枠」の存在として捉えられている、学校の“教員以外を疎外してしまう構造”が伺える。このような状況も、ALTが孤独を覚える環境を生み出している要因であると考えられよう。多くのALTが学校の一員として真面目に仕事と向き合い、児童・生徒の英語教育向上に尽力しているにもかかわらず、学校としてALTの責任や役割が位置づけられていないために、疎外感を感じてしまっている状況は大きな懸念点であると思われる。

教員からも疎外感を感じている。「ALTs are often made to feel like we are a burden on teachers,(ALTはしばしば、私たちが教師の負担になっているように感じられ、教室にいる時間がカリキュラムの教材をカバーするために必要な時間を奪っているように思われる。)」、「Working with hard-headed, conservative JTE’s who don’t want me in class simply because I am a foreigner.(私が外国人であることを理由に授業に参加させたくない、頭の固い保守的なJTEと仕事をすること。)」、「Working with JTEs who don’t want me in class because I am a foreigner.(私が外国人であることを理由に、私をクラスに入れたがらないJTEと仕事をすることがある。)」「Some JTEs don’t know how to properly use an ALT so we sometimes have too much or too little responsibility.(日本人教師の中には、ALTの適切な使い方を知らない人もいるので、責任が大きすぎたり小さすぎたりすることもある。)」、といったように、ALT制度に対して十分な理解を持ち合わせていなかったり、ALTの存在を重視していない日本人教師に対する不満を述べたりする回答も多数見られた。以上のALTの苦悩からは、学校という構造と教員という個人の両方が、ALTの位置づけや役割を正しく理解しておらず、“よくわからない存在”であるALTを受け入れることにより生じる負担を忌避していることが伺える。学校関係者がALT制度を十分に把握できていない現状が、結果的にALTを苦しめていると言えよう。

 

 

図-8 学校におけるALTの「孤立」の構造

 

 

b.得られない周囲の理解

ALTの労働実態について、「周囲の理解が得られていない」ことに苦悩を覚えるALTは一定数見られる。これは、「I believe that many Japanese people think that English teachers are paid well.(多くの日本人は、英語教師は高給取りだと思っているのではないだろうか。)」、「Most Japanese people see the sunny side of being an ALT or don’t know anything at all. The few I have told have been surprised to hear.(ほとんどの日本人は、ALTであることを好ましい目で見ているか、全く知らないかのどちらかである。私が話した数人は、それを聞いて驚いていた。)」といった回答から伺えるだろう。B氏によると、「学校の校長先生や教頭先生がNON-JET ALTがどういう状態で働かされているか知らない」事例すらも見られるといい、ALTの労働状況が、周囲の人々に知られていないことが伺える。調査に於いて、「あなたの雇用の現状について、教師や生徒、生徒の親など、周囲の理解が得られている。」と感じるかを問うたところ、図-9のような結果となった。

 

図-9

(出典:アンケート調査より作成)

 

以上のように、「そう思う」と回答したALTはわずか1人に過ぎず、大半のALTが、自身の境遇についての理解が得られていないと感じていることが明らかになった。ALT問題を周囲に認知してもらわなければ、支援を訴えることも難しくなってくると考えられる。そのため、ALTの労働問題について「周知」することは、今後の大きな課題となってくると言えよう。

 

(3)ALTユニオンの活動

①ALTユニオン結成の経緯と概要

北海道ALTユニオンとは、札幌地域労組によって、北海道で働くNON-JET ALTが組織化した労働組合であり、NON-JET ALTの待遇や労働条件改善に向けて支援を行っている。主に地域労組による助言・協力得の下、X社や教育委員会に対する交渉を行ったり、ALTから寄せられる相談に応じたりして、NON-JET ALTの労働環境改善に努めている。現在、札幌市で働くALTを中心に、14名のALTで構成されており、他地域で結成されたALTユニオンと連携をしながら、活動を行っている。基本的には、組合員から徴収した組合費を財源として活動を行っており、B氏をはじめとする地域労組の職員が、文章の作成やノウハウを伝えることによって団体交渉を支援したり、組合員が不当な立場に置かれることがないよう管理やアドバイスを行ったりしてサポートをしている。

ALTユニオンが結成されるきっかけとなったのは、1人のALTの訴えであった。B氏によると、札幌でALTとして勤務するC氏が、2017(平成29)年に札幌地域労組に1人で訪れ、ALTの困窮を訴えたという。この時に、札幌地域労組側もALTの労働問題について初めて知ったといい、ALTユニオンを結成する運びになったというが、結成当初は組合への加入者を集めるのに難航したという。というのも、ALTは、基本的には学校と家の「直行直帰」で働き、研修等の一部の機会を除くとALT間でつながる機会があまりないため、ALT間の交流や横のつながりが無いケースも多い。そのためC氏も、他のALTとの横のつながりがなかったために仲間を集められず、人数が集まるまでは活動が出来なかったという。多くのALTが職場で疎外感や孤独感を感じているにもかかわらず、ALT同士のつながりが希薄である問題は見過ごせない。特に、来日して間もなく、日本に知人が少ないと考えられるALTにとってはより深刻な問題であると考えられよう。そこで、「組合に入る前に、他のALTとつながりがありましたか?」と問うたところ、図-10のような結果となった。

 

図-10

(出典:アンケート調査より作成)

 

半数以上のALTが、ALTユニオンに加入する以前には、ALT同士のつながりが無い状況であることが明らかになった。これらの結果から、ALT同士でつながれるようになる点にも、ALTユニオンの意義が見いだせるといえるだろう。

B氏によると、ALTの労働問題の大部分は「法律違反」ではない。この違法状態ではない状況の改善を求める労使交渉に1人で挑むことは非常に厳しいという。違法であれば、相手側の落ち度が明確であるために1人で労使交渉をしてもある程度成果を挙げうる。しかし、違法でない場合は、交渉に「10倍ぐらい力がいる」。そのため、大人数での交渉や、世間を「味方につける」ことも重要となってくるが、これを1人で実現することは非常に難しい。さらに、1人で交渉を行えば、雇用する企業側に狙われて排除される可能性もある。以上の理由から、ALTに関する労働問題の改善に1人で立ち向かうことは困難で、多くのメンバーを集める必要があった。

そこで、議員との連携や、他の労働組合との連携を含めて、メンバーの募集を模索していたが、よりよい給料を求めてC氏がALTを辞めて以降、しばらくALTユニオン結成の話は停滞の時期に入る。その後C氏の知人のALTで、現在ALTユニオンの支部長を務めるD氏から札幌地域労組側に連絡が入り、低賃金であることや、3・4月に給料が著しく下がることなどが訴えられたことがきっかけとなり、NON-JET ALTの労働状況改善に向けて再び動き出すことで合意した。以降、ALTユニオン結成に向けて、D氏がALTの仲間に声をかけはじめ、メンバーの募集を再開したという。また、北海道に先立ち、ALTの労働問題改善に取り組んでいた大阪のゼネラルユニオンと情報交換をしながら、ALTユニオン結成のノウハウを学んだという。このような経過を経て、2020(令和2)年7月にALTユニオンが正式に結成されることとなった。

 

②ALTユニオンの活動

ALTユニオンの最も中心的な活動は、X社に対して労働状況の改善に向けて交渉することである。そのうち最も重要な目標は、低賃金の改善であるという。また、3月及び4月に著しく給料が下がる状況の改善も、大きな目標に掲げている。ところが、まだ組合が結成されてから日が浅いことや、ALTの労働問題が「合法的」なものとしてX社側がなかなか交渉に応じないことから、現状では「正直何も成果を上げられていない」とのことである。X社は「将来的になんとかする」と回答しているものの、具体的な動きはまだ見られないという。そのため、ALTユニオンを指導するB氏が中心となって「個人的」に、札幌市に対する申し入れや文部科学省に対する交渉も行っており、行政側に対してもALTの労働状況改善に向けて働きかけている。以上のように、X社に対する交渉を中心に、各方面に対してALTの労働状況改善に向けて働きかけることが、ALTユニオンの主たる活動である。

またB氏をはじめ、札幌地域労組としてALTから寄せられる様々な相談にも応じており、「組合員に直接不利益になるようなことはさせない」ことを意識ながら、「窓口」としての機能も果している。例えば、「派遣会社のマネージャーからハラスメントを受けた」とALTから相談を持ちかけられた際に、ALTにどのように対処すべきかを助言をすると共に、派遣会社側に事実の確認を実施してハラスメントを止めるように警告し、その後の派遣会社とのやりとりをALTに代わって、ALTユニオンで担っている。このようにALTにトラブルが生じた際に、組合が代わりとなって対応するという「窓口」としての役割も、ALTユニオンの大きな役割の一つとなっている。また、トラブルに限らず、ALTを辞めて就職活動を行う組合員へのサポートや、日本特有の文化やルールに関する指導、新型コロナウイルス感染症流行下におけるマスクの無償配布なども行っており、組合員を幅広くサポートしている。

B氏によると、ALTユニオンとしてまだ具体的な成果は上げられていないものの、いくつかの収穫はあったという。例えば、交渉相手であるX社について、「財政状況や、仕組みがクリアにされた」といい、労働条件改善のヒントが得られたという。他にも、「何か問題があると、すぐにX社に対して抗議が出来るようになった。」、「組合があることで、一定の抑止力になっている。」、「曖昧なルールや無知に乗じて不利益にとりつかれることがなくなった。」、「多くの仲間が出来て、メディアで取り上げられて、少しずつこの問題が可視化されるようになった。」といった収穫があったと話す。結成からまだ年数が経っていないため大きな成果は出ていないものの、ALTの労働問題解決に向けて力になっていることは確かであると言えよう。

 

③ユニオン間の連携

北海道ALTユニオンは、他地域におけるALTユニオンとも積極的に交流・情報交換をしている。B氏によると、北海道、東京、大阪、福岡の4地域のALTユニオンが一つのグループとなり、連携を深めている。具体的な活動として、道外のALTユニオンと定期的にミーティングを実施して情報共有をしている。

B氏は、全国のNON-JET ALTと繋がることができたことの利点として2点挙げている。1点目に、同じような境遇の仲間と出会える点を挙げている。先述したように、ユニオン加入前は、他のALTとのつながりをもたないALTも多数いる中で、自身と同じような境遇を持つ全国各地の仲間との出会いによって、ALTが「辛いのは自分だけじゃないって、仲間がいると思えば少し楽になれる」のだという。また、B氏は「色々な人が集まって、力を合わせて1つの大きな問題提起ができたらな」と述べており、組合の派閥の壁を越え、政治家などとも協力しあうことで世間の注目が集まるような大きな問題提起ができると期待している。実際B氏は、問題を認知してもらうことは大変重要であると感じているが、ALTユニオン仲間の増加と共にALTの労働問題が可視化されるようになり、メディアに取り上げられるなどしたことから、「少なくとも3年前に比べてこの問題を知る人は多くなった」と感じているという。このように、NON-JET ALTの仲間ができることでALTが孤独感を感じることがなくなったりする点や、人数が増えることで「大きな問題提起」をすることに期待が持てる点で、ユニオン間の連携の意義がある。

2点目に、全国のALTが集まり、話し合うことで、面白い発想や、効果的な情報共有の期待が高まるという。B氏によると、X社の団体交渉の担当者は、どの地域におけるユニオンにおいても共通であるといい、「うちではこう言っていたよ。そっちはそういうことを言っていたのか。」と互いに確認し合ったり、「こういうことで交渉上手く出来ましたよ。」と、交渉の方法や結果を共有したりして、X社に対する交渉についての活路を見出しているという。また、「ALTの問題をSDGsと絡めて考えた方がいい」というように、「面白い発想が出てきたりする」ことも多くなっている。以上のように、ALTユニオンが「連携」という道筋を開拓したことで、ポジティブな影響が及んでいることが伺える。今後交渉の成果が生まれ、ALTの労働状況が改善されることが期待される。

 

6.おわりに

(1)本稿で示された事象

本稿では、派遣労働者として働くALTを対象に、労働問題の解決に向けてALTの労働状況及びALT制度の抱える問題点を明らかにすることを課題とした。そこで示されたのは、次の事柄である。

ALTは、「学校」という公共性の高い場所で働く点や、国家が推進するプログラムの一要員としての側面がある点、そして非正規ではあるものの、「公務員」として働くケースも多数見られる点などにおいて、外国人労働者としては特殊な存在であることが伺える。そして、ALTの数は年々増加傾向にあり、今や全国で約2万人ものALTが活動している。授業では実際に教壇に立つことは勿論、従来の補助的な役割に留まらずに授業を主導するALTも多数おり、生徒・児童の学びに貢献している。以上のように、多くのALTが英語教育の発展に尽力しているにもかかわらず、ALTの雇用に関する統一的なルールが一切定められておらず、地方自治体や派遣会社にALTの活用のあり方を「丸投げ」してしまっている現状が、低賃金やサポート不足などの低待遇による苦悩や、“構造”と“個人”の両要因による孤立などの学校現場における苦悩を生み出し、結果的にALTの労働問題を生み出す最も大きな要因となっていることが明らかになった。そして、労働問題として深刻であると同時に、労働条件の悪さからALTの質の低下が生じており、生徒・児童の学びに悪影響を及ぼしかねないという問題がおきつつあるのである。そのため、ALT問題の解決策は、まず大前提として、ALTに関するルールを作り、ALT制度が曖昧な状態で運営されている現状を改善することが必要となってくるだろう。

 

図-11 ALTの労働問題が生じる仕組み

 

(2)解決に向けた考察

そこで必要となってくるのは、文部科学省などの国家機関が中心となってALT制度に関する全国共通ルールを作り、ALT制度の運営のあり方や意義について具体的な方針を示すことではないだろうか。なぜなら、北海道に根を張るALTユニオンは公契約条例の制定を主張していたものの、現状では、ALT制度は「自治体任せ」であるため、ALTに関するルールの確立も自治体ごとにばらつきが生じてしまう恐れがあり、結果的に現在の札幌市のように、ルールがないままALTの雇用を続ける自治体が生じる可能性があるからである。そのため、公契約条例ではなく、国家として、ALTに関する統一したルールを作るほうが、より幅広く、多数のALTにとって意味のあるものになると思われる。具体的には、A氏の主張を踏まえるが、「毎月27万円以上の給与を払う」、「いかなる場合においても社会保険に加入する。」といったルールが必要となってくるだろう。また、ルール制定に加えて、ALT制度の具体的な方針や意義を示すことによって、教員の間にもALT制度に対する理解が広まり、ALTが学校において孤立してしまっている現状を改善することも期待される。

また、「会計年度職員制度」の待遇を改善し、ALTを直接雇用する自治体に対して国が補助金等の支援を行うことも、効果的であると考える。「会計年度職員制度」の最大の問題は先述した「ボーナス問題」であるが、この問題の解消はALTのみならず、非正規として働く多くの公務員の待遇改善にもつながりうるだろう。この問題を解消し、かつ、国が補助金等、ALTを直接雇用する自治体に対するインセンティブを供給すれば、直接雇用のALTが増加し、多くの場合で安定的な雇用が可能となるだろう。この方法は、上の2つで述べた案と比較すると、実現可能性が高いものと思われ、ALT以外の非正規公務員にとっても有用なものである。

最後に、ALTユニオンにより提案されていた、派遣会社と各自治体の「分業体制」も、有効であると考えられる。現在のシステムでは、殆どのNON-JET ALTが派遣会社か、或いは自治体のどちらかに雇用されている状況である。しかし、B氏によれば、雇用は自治体が、マネジメントやリクルートをX社が担う事例がごく一部で見られるという。先述した通り、自治体が派遣会社を活用する理由は、直接雇用する場合やJETを導入する場合と比較して労務支援や生活上のサポートといった「雇用負担が軽減される」ことにあると考えられる。また、派遣会社によるALTの給与が低いのは、そもそも会社が「営利目的」であるため、ALTの給与分の予算が少なくなってしまうことにあると考えられる。そこで、雇用自体は各地方自治体が行い、マネジメントやリクルートといった業務をこれらの専門業者である派遣会社が担うシステムを構築すれば、ALTの労働状況改善が期待されるのではないだろうか。また、先述したように、X社は「技術的に可能である」と明言しているため、自治体側さえ歩み寄れば、実現の可能性も高いのではないだろうか。自治体と派遣会社のそれぞれの強みが活かされており、ALTの待遇改善が期待できる点で、魅力的な案であると言えるだろう。ただ、この方法については、ALTユニオンに於いても検討されているというが、「当事者意識を持っている人がほとんどいないので、踏み込んだ議論ができない」現状があり、話がなかなか進んでいないという。

 

図-12 分業体制のイメージ

 

 

(3)本当の被害者は誰か?

A氏は現状について、次のように嘆いていた。

 

「今の条件で、いいALTがいなくなっている。転職するとか、帰国するとか。で、代わりに(来る)旅行したいだけ(の ALT )とか教育のこと考えていない(ALT)とかが、

最低の授業とかして、飲みに行くとか。で、次に 2 日酔いとかバイトで疲れているALT とか(が授業をする)。これ、子どもたちのためによくないでしょ?」

「(体感的には)知っているALT の半分以上がやめる。(それ)で全然経験無くて、半分くらい新しいALTがくる。」

 

これらの意見を踏まえつつ、我々はALTだけではなく児童・生徒も“被害者”であることを忘れてはならないだろう。先述の通り、劣悪な労働環境故に退職を選ぶALTが多数存在し、ALTの入れ替わりは激しく、意欲の低いALTも存在することが明らかになった。このような状況が続けば、熟練したALTは生まれにくくなり、児童・生徒は、経験の少ないALTや質の低いALTの授業を受け続けることになるだろう。ネイティブ・スピーカーによる質の高い英語教育の機会や国際的な視野を育む機会の損失、さらには意欲の低いALTと関わることにより、「やる気の無い大人」を目の当たりにする経験は、児童・生徒に悪影響を及ぼすはずだ。ALTの労働問題は、児童・生徒の教育に関する問題でもあるのだ。

 

図-13 児童・生徒への悪影響

 

 

意欲ある多くのALTが、よりよい授業づくりに励んでおり、児童・生徒と積極的にコミュニケーションを重ねながら良好な関係を構築している。そして英語教育は勿論、児童・生徒たちの異文化理解の促進にも尽力している。グローバル化が進展する中で、児童・生徒が若い段階でネイティブ・スピーカーであるALTと交流し、教育を受けることには大きな意味があるはずだ。

制度自体が曖昧で、ルールすら存在しない状況を改善しなければ、ALTの労働環境の改善も難しいものと思われる。そして劣悪な労働環境故に、ALTになりたがる人材が減り、ALT制度の存続自体が危うくなる恐れもあるだろう。ALTの多くは、学校や待遇に関する様々な苦悩を抱えながらも、日本における英語教育の発展に尽力し、貢献している。そして、ALTの雇用が安定しなければ、児童・生徒たちの受ける英語教育の質が落ちてしまう可能性もあるのだ。単なる「外国人労働問題」ではなく、ALTを「教育者」として捉え、より多くの国民が当事者意識を持ち、議論をすることが必要となってくるだろう。

 

 

[1] 下山竜良、「派遣ALT 困窮」『北海道新聞』2019年12月2日朝刊。

[2] JETプログラムホームページ、「JETとは」 http://jetprogramme.org/ja/about-jet/(2021年12月9日最終閲覧)。

[3] JETプログラムホームページ、「よくある質問」http://jetprogramme.org/ja/faq01/(2021年12月10日最終閲覧)。

[4] 園田敦子、2021、「雇用形態別にみるALT の実態―ALT の 属性および学校との関わり方の分析-」『共愛学園前橋国際大学論集 第21号』https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/13624/1/2021-sonoda.pdf(2021年12月10日最終閲覧)、57ページ。

[5] 注4に同じ。55-56ページ。

[6] 奥貫妃文・ルイス・スカーレット、2012、「労働者としてのALT(外国語指導助手)についての一考察~公教育の非正規化、外注化の観点から~」『大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター年報 2011-2012』17-18ページ。

 

 

 

 

(参考文献)

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Learning.」、Phoenix , Ariz: American Council on Education and Oryx Press.、8ページ。

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NHK取材班(板垣淑子、小林竜夫)、2017、『外国人労働者をどう受け入れるか-「安い労働力」から「戦力」へ』NHK出版新書、15ページ。

奥貫妃文・ルイス・スカーレット、2012、「労働者としてのALT(外国語指導助手)についての一考察~公教育の非正規化、外注化の観点から~」『大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター年報 2011-2012』。

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園田敦子、2020、「中学校の授業におけるJTEとALT間の交流―教室内交流頻度とALTの認識する役割・問題意識―」『共愛学園前橋国際大学論集 第21号』https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/13152/1/2020-sonoda.pdf(2021年12月15日最終閲覧)

園田敦子、2021、「雇用形態別にみるALT の実態―ALT の 属性および学校との関わり方の分析-」『共愛学園前橋国際大学論集 第20号』https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/13624/1/2021-sonoda.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

杉本均・山本陽葉、2019、「日本におけるフィリピン人外国語指導助手(ALT)の雇用問題 –外国青年招致事業(JET)などを中心に–」『京都大学大学院教育学研究科紀要 』。

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(参考資料)

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札幌市教育委員会、「公募型プロポーザルによる選定結果について(小学校)」 https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/kekka_syogakko_1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「入札等執行調書」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/nyuusatusikkoucyosyo-alt-syogakko.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「入札告示(札幌市立中学校外国語指導助手派遣業務)」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/01kokujibun-chugakko1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「訂正告示」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/teiseikokuji-sono1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「令和3・4年度 札幌市立中学校外国語指導助手派遣業務その1」提案説明書https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/teiseikokuji-sono1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「令和3・4年度 札幌市立中学校外国語指導助手派遣業務 仕様書」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/06shiyosyo-chugakko1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「令和3・4年度 札幌市立中学校外国語指導助手派遣業務その1 選定基準表」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/senteikijyunhyo-sono1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「公募型プロポーザルによる選定結果について (中学校)」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/kekka_chugakko1_1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「入札等執行調書」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/documents/nyuusatutousikkoutyousyo-tyuugakkou1.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌市教育委員会、「質問及び回答書」https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/keiyakukoukai/gakkoukyouikubukikaku2020001.html(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌地域労組、「要請書」http://sapporo-general-union.net/wp-content/uploads/2021/03/ec0beb3a007374d93f200f249c26688f.pdf(2021年12月10日最終閲覧)。

札幌地域労組から提供していただいた各資料。

 

 

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