瀬山紀子「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)発足1周年ハイブリッド集会開催報告」

労働運動研究討論集会実行委員会(略称、労運研)が発行する「労運研レポート」第94号(2022年4月号)に掲載された、瀬山紀子さんがまとめた「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)発足1周年ハイブリッド集会開催報告」です。瀬山さんは、はむねっと運営メンバーです。タイトルにあるとおり、はむねっとは発足1周年を迎えました。1周年集会を終えての報告です。どうぞお読みください。

 

 

3月20日(日)に、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の発足1周年ハイブリッド集会を公益社団法人日本図書館協会、岩波書店の後援を受け、開催しました。開催にあたり、賛同を呼び掛けたところ、52団体、82個人と幅広い賛同が集まりました。賛同団体には、職能団体の全国組織や、労働組合、女性団体、市民団体などの幅広いグループが、また、ジャーナリストや研究者、弁護士、労働団体関係者、公務非正規労働従事者など、さまざまな個人に名を連ねていただきました。賛同団体・個人からお寄せいただいたメッセージをはむねっとのホームページに掲載しています。是非、お読みいただければと思います。

集会では、はじめに、はむねっとのこの1年間の活動を報告し、その後、オンライン参加の方を含む全国各地の様々な公務現場で非正規職員として働く方たちから、現場で働きながら日々、感じていること、この先に望むことなどを話していただきました。また、後半は、現場から、この先の展望を考えようとして、北海道の町立博物館の学芸員(正規職員)になられた方からの行動提起、また、日本図書館協会が提出した会計年度任用職員についての提言の紹介、そして最後に、官製ワーキングプア研究会の理事でもある弁護士の山本志都さんから、当事者による問題提起の意義や、今後への期待などをお話してもらいました。

当日は、ユーチューブのライブ配信を通したオンライン参加者から随時コメントや質問が入り、熱気を感じる集会になりました。

集会の内容は、現在も、ユーチューブのアーカイブ配信で見ていただくことが可能です(はむねっとのホームページにユーチューブへのリンクを貼っています)。よろしければ、是非、配信をご覧ください。

集会終了後に実施したアンケート(回答数57件)をみると、回答者の半数以上(56.1%)が「現職の公務非正規労働従事者」でした。また、性別では、女性が8割を超えました。年代では、4,50代が6割となりました。加えて、2021年に実施したはむねっとの緊急アンケートに回答されたという方が約4割と、継続して問題に関心をもつ当事者が集会に参加されていたことがわかりました。

感想のなかには、職域は異なるが自分の思いや経験と重なることが多かった、発言者の方に感謝したい、孤独が紛れた、当事者の発言をきいて元気になった、現状を変えていこうという行動に勇気をもらった、今後の現場での交渉をがんばっていきたい、など、多くの共感や、行動につながる声が寄せられました。

はむねっとは、コロナ禍のなかでスタートした、公務非正規労働従事者を中心とする職域や地域を超えたネットワークです。この活動をするなかで、公務非正規という領域はとても広く、全国に仲間がいることを実感してきました。そして働き手の多くが女性であることも、特徴です。

現在、公務非正規労働従事者は、不安定(多くが有期任用で、公務であるため、無期転換などの仕組みもない)で、ハラスメント被害にもあいやすく、多くの場合は低賃金で、病休も無給であるなど、休暇制度なども整っておらず、さらには、組合などの組織にもつながることができていない人も多いというのが実態です。

私たちは、この先もゆるやかにつながりながら、全国の、さまざまな団体、個人と手を組み、公務非正規労働従事者が置かれた状況の抜本的改善に向けて、果敢に取り組んでいきたいと思っています。

これからも、引き続き、お力添えをいただきますよう、よろしくお願いします。

※はむねっとの集会・当日資料・調査報告などはHPの情報をご参照ください。

はむねっと HP https://nrwwu.com/

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はむねっと Facebook https://www.facebook.com/nrwwu

 

(関連文書)

瀬山紀子「非正規公務員の現場で起きていること—働き手の視点から—」

瀬山紀子「公務非正規女性全国ネットワークの調査を実施して」

 

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