川村雅則「公契約条例と最低賃金引き上げで地域経済活性化を」

2018年6月16日(土)に、北海学園大学 3号館4階41番教室にて、札幌公契約条例シンポジウム(公契約条例シンポジウムInSapporo「まともな賃金とまともな仕事を!」)が開催されました。そのときの講演内容を、「公契約条例と最低賃金引き上げで地域経済活性化を」と題して、『印刷界』2018年9月号、10月号の2回にわたって掲載していただきました。その転載です。最小限の加筆をしました(〔 〕で明示しています)。図表4と図表5は新しいデータに差し替えました。

 

出所:連合「公契約条例をつくろうパンフレット」2012年2月22日

本日の集会を公契約運動再活性化の契機に

本日はお忙しい中、多数のご参加をいただき、本当にありがとうございます。

ここ札幌市における公契約条例の制定運動を振り返ってみますと[1]、2012年の第1回定例会で公契約条例案が札幌市から議会に提案されました。本日もお越しいただいています伊藤誠一弁護士を代表にして、労働組合、弁護士、研究者らで「札幌市公契約条例の制定を求める会」を立ち上げ、運動を開始し、条例案が翌年2013年の秋に否決された後も、活動を続けてきました。2016年には、なくそう!官製ワーキングプア北海道集会を開催し、今年は、その第2回目の集会を開催しました。

この間に、札幌の経験をふまえ、旭川で開始した運動──母体は、旭川ワーキングプア研究会(代表・小林史人弁護士)──が結実して、2016年12月に旭川市で理念型の公契約条例が制定されるといった成果がありました[2]

ところで、公契約条例は、賃金条項が具体的に設けられた条例と、理念型の条例に大きく分類されます。2009年9月に野田市で初めて条例が制定されてからはや9年目を迎えようとしていますが、条例制定数は、両者で2017年3月時点で計40程度にとどまります[3]。自治体で起きている問題の深刻さに比して少なくないでしょうか。またここ札幌市に話を限定しても、当時の盛り上がりに比べたら、市民はもちろんのこと、労働界においても、公契約条例への関心は後退しているのではないでしょうか。

本日は、公契約条例の制定を目指す方々が多く集まっています。今なぜ公契約条例なのかという原点を確認しながら、改めて公契約運動再活性化の契機としたいと思っています。

進む公務リストラと公契約条例の必要性

日本は人口当たりの公務員数が少ない国です。にもかかわらず公務員の削減が進められてきました。ピーク時である1994年から2016年までの20年超で、地方公務員数は54万人減少しています。

しかしながら福祉などに象徴される通り、公共サービスに対するニーズは逆に増えて、かつ、多様化していますので、正規の公務員を減らした分は、悪条件で非正規公務員を雇うか民間労働者を使うかして穴を埋めることになる。

自治体は今、厳しい状況に立たされている。国からは、行財政改革を推進し、公務員を削減するよう迫られている。公的サービスの産業化、インセンティブ改革、自治体の効率的な運営など「骨太の方針」に掲げられた方針に従い、行財政改革の執行状況を競わされている。その結果として、低賃金の非正規公務員や公共民間労働者が増大している。もちろん、正規の公務員もこの改革による労働条件悪化は免れません。こうした改革への荷担を余儀なくされる人たちとも手を携えて公契約運動を進める必要があります。

そう考えるならば、私たちの本日のテーマである公契約条例の制定とは、単に一つの条例を作り上げる──もちろん、これ自体でも大変な作業ですが──にとどまらず、自治体の政策目標を、住民福祉の増進という本来目標に設定し直し、自治体のあるべき姿を取り戻すたたかいと言えるのではないでしょうか。

また一方で地方創生が掲げられる今日は、公契約条例を議論する好機ではないでしょうか。労働力不足が進む一方で、地方では、働く場所がない、働き続けられる環境がない、という理由で余所の地域に人が移っている。人口流出の問題です。非正規公務員問題の改善や、自治体発注の仕事の適正化を実現できれば、人口流出を止められるのではないか。地方では、公務労働が大きなウェイトを占めています。ここをまっとうな働き方にできれば、状況はかなり変わります。いずれにせよ、今こそ公契約条例の制定を、と申し上げたい。

 

何がそこで起きているかを調べることが運動の出発点である

本日は、全印総連主催の集会なので、これを持ってきました。『広報さっぽろ』です。

自治体が発注するこの印刷物の製作には、いったいどのような賃金・労働条件が予定されているのか、また、実際にはどうなっているのか。工事、業務委託、指定管理者、物品調達など、自治体は様々な仕事を民間事業者に発注しており、この印刷物の製造もその一つです。そこで起きている現状をまずは調べなければならない。『広報さっぽろ』の調査は、今回の集会には間に合いませんでしたが、近いうちに調査結果をまとめてご報告をしたいと思います。

この間私たちは、自治体が発注する様々な事業分野で労働者調査を行ってきましたが、ここでは一つだけ紹介します。コスト削減を実現したと評価されていた指定管理者制度──建物施設は自治体が保有するものであるが、運営は、営利非営利を問わぬ民間事業者等が行う制度──では、コスト削減と引き替えに、賃金・労働条件の抑制が起きていました。

つまり札幌市は、行財政改革の一環として指定管理者制度を導入し、4年間で66億円のコスト削減効果を市のパンフレットで強調していたのですが、そこで削られたものには、働く人たちの賃金・労働条件も含まれていたのです。私たちの調査結果を報じた当時の報道でも「市、実態認識に甘さ」と指摘されていました[4]が、公契約条例の制定を方針に掲げつつ、行財政コストの削減を誇っていたのは矛盾であったと思います。

自治体が発注する仕事は文字通り様々にあります。今はウェブサイトでも閲覧できますので、皆さんもぜひ一度自分のマチでどのような仕事が行われているのかチェックをしてみてください。

ここで一点強調しておきたいのは、例えば、指定管理者施設には医療・福祉系の施設が少なくない、言い換えれば、医療・福祉系の専門職が多く働いています。しかしその賃金水準は専門職にふさわしいものとは言えぬほど低く、改善が必要です。その意味においては、公契約運動とは、建設労組や自治体労組だけでなく、例えば、医療・福祉労組など、多くの産別労組が関われるし関わるべきものだということです。

 

公契約条例で何を実現するか〜働く人の賃金の底支えで経営・雇用・公共サービスの悪循環状況から好循環状況へ

 

図表1 公契約領域の現状・悪循環状況と、公契約条例制定等で期待される好循環状況

出所:連合「公契約条例をつくろうパンフレット」2012年2月22日

 

図表1は公契約の領域で起きている悪循環状況と、公契約条例によって実現が目指される好循環状況を示した図です。

自治体財政の困難、あるいは、積極的な行財政改革を背景に、非常に低い価格で仕事が発注される。すると、その中で競り勝った業者も労働条件を低く設定せざるを得ない。労働者の定着も技能の伝承も困難となるでしょう。そして、住民にとっても、安かろう悪かろうのサービスが提供されることになる。

自治体にとっても、低賃金労働者が広がることは、担税力、すなわち、住民の税金を納める力の低下を意味しますし、公共サービスの質が低下すればそれはまさに自治体の存在理由に関わってくる、そういう悪循環状況を好循環にしなければなりません。

自治体は住民福祉の増進を存在理由としています。しかしながら一方で、最小の経費で最大の効果を追求しなければならない。自治体が財政難に追い込まれ、しかも、国からの圧力を背景に積極的な行財政改革を選択する中で、現在の混乱が生じている。

受発注の価格だけで受託業者を決める価格入札から、「政策入札」に切り替えていこう、最低制限価格制度や低入札価格調査制度をきちんと設けていこう、という流れが少しずつ出てきている。

なお、公契約条例さえ制定すれば右のような好循環が自動的に実現するというわけではもちろんありません。地元業者が置かれた状況や隣接する政策を視野に入れる必要があります。長く運動に携わってきて思うのは、公契約条例を軸にしながら、地域における中小企業政策や経済政策、産業政策とも連動させていく必要があるのではないかということです。

いくらの賃金保障が必要か〜公契約領域の現状をふまえて賃金条項付きの公契約条例をイメージした時に、どのくらいの賃金設定が必要でしょうか。非正規雇用が4割に達し、1年以上勤務者で年収200万円未満の民間労働者が1000万人を超えている今日、大きな検討課題です。

このことに関わって静岡県立大学短期大学部の中澤秀一さんが各地の労働組合と一緒に、最低生計費の調査を行っています[5]。具体的には、持ち物調査と価格調査、生活調査を組み合わせて金額をはじき出しています。ここ北海道では道労連の皆さんが調査に協力をされています。

中澤さんたちのこの試算によれば、単身者の事例ですけども、どこの自治体で行っても1300~1400円という数値が示されると言いますから、労働組合がスローガンに掲げる、「今すぐ1000円」はもちろんのこと、目指すべき1500円という水準は支持されます。ちなみに、法定労働時間を使って勤務時間数を月に173・8時間だと仮定した場合、時給1000円でかろうじて年間200万円、1500円でようやく300万円を超える水準に過ぎません。

逆に言えば私たちの課題は、時給1000円/1500円に満たない人たちを「発見」し、労働組合は彼らを組織化し、運動を進めていくことです。公契約領域で働く人たちや非正規公務員と呼ばれる人たちがまさにそこに該当します。

 

図表2 北海道及び道内各自治体の、任用根拠×職種ごとの時間あたり賃金額

出所:拙稿「無期雇用転換運動と公共部門における規範性の回復運動で、貧困をなくし雇用安定社会の実現を」『月刊全労連』第257号(2018年7月号)所収より。

 

図表2は、北海道と道内市町村、計180自治体の臨時・非常勤職員の賃金水準です。職種ごとに調べられているので、自治体数である180を超える件数になっています。

臨時職員は900円に満たない自治体・職種が5割。労働組合が掲げる「今すぐ1000円!」にまで範囲を広げると、実に66・3%に及びます。また、特別の能力を使って公務労働に従事することが期待されている特別職非常勤職員においても4分の1が1000円に満たない。

強調したいのは、彼らの賃金は、委託業務や指定管理者の賃金にも直接的に関わってくることです。委託業務や指定管理者施設で働く労働者の賃金算出根拠に、非正規公務員の賃金水準が使われているからです。だから自治体職員の賃金を上げていくことは、民間の賃金を直接的に上げることにつながる。官と民の共存関係です。官も民も分断されてはなりません。

なお、公権力でその賃金水準の支給を義務づける最低賃金制度に対して、公契約条例というのは、地方自治の観点で、契約を通じて社会的な価値──ここでは、賃金・労働条件の整備──を実現していく点に特徴があります。契約内容が嫌だという事業者は入札に参加しなければよい。最賃と公契約条例はその点の性質が異なります。

 

賃金を調べる〜賃金の算出根拠・具体的な賃金額と、実際の支給賃金額を調べる

工事では、国が定めた公共工事設計労務単価が予定価格の積算において使われています。つまり、モノサシはこれだということが分かっています。

ですから、工事で働く労働者の賃金を調べる場合には、そのモノサシを持って現場に入り、その金額が実際に支給されているかどうかを調べるという手順になります。私たちは旭川で、約100人の建設労働者の賃金実態を調べた。すると、技能労働者の確保のために安倍政権下で労務単価が大きく引き上げられているにもかかわらず、現場労働者にそれが行き渡っていなかった。その実態をまとめて問題提起しました[6]

しかし、委託業務や指定管理者の予定価格の積算においては、そこで働く人たちの賃金算出根拠に何が使われているかは明らかではありません。そこをまずは調べるという作業が必要です[7]。これは本当に限定的な課題のように思われるかもしれませんが、ここも明らかにせずに公契約条例の必要性を説いても、問題意識の共有は図れないのではないでしょうか。

つまり賃金に関する課題は、⑴予定価格の積算に当たって賃金の算出根拠はいかなるものを使っているのか。具体的な賃金額はいくらか。⑵その金額が現場で実際に支給されているか。という2点になります。

あなたのマチの非正規公務員賃金や、民間発注業務における労働者の賃金算出根拠を調べることが、公契約運動を進める上で大きな武器になるし公契約条例への関心を広げることになるでしょう[8]

なお、私たちがまだ調べ切れていない自治体発注の印刷物の世界では、次のような調査結果があります。すなわち、都道府県と政令市を対象に行われたある調査結果によれば[9]、印刷費の積算をしていない自治体が半数以上、最低制限価格制度の導入を考えていない自治体が半数です。積算にあたっては、前年度実績を使っているとか、業者から参考見積を取っている。こういう実態を調べることが肝要です。

 

図表3 神奈川県発注委託業務賃金分布

出所:斎藤寛生「草の根からの賃上げ運動―─最賃・公契約・地域活性化を一体で」『月刊全労連』第250号(2017年12月号)所収より。

 

以上に関わって強調したいのが、行政が行った調査結果も活用すべきことです。例えば図表3は、公契約運動を全労連で担当している斎藤寛生さんが書かれた論文[10]に掲載されていたものです。神奈川県が発注している委託事業における賃金分布で、庁舎清掃は6割が最賃にへばりついている状況が確認されます。

 

図表4 札幌市の指定管理者施設における雇用形態別職員数(2017年4月1日現在)

資料:札幌市提供資料。 出所:拙稿「公契約条例に関する調査・研究(Ⅲ)札幌市の取り組み・資料の整理」『北海学園大学経済論集』第67巻第2号(2019年9月号)所収より。

 

図表5 2017年度における指定管理者の施設内容の区分ごとの正規職員及び非正規職員の時間当たり平均賃金

出所:図表4に同じ。

 

また図表4と図表5は、札幌市からご提供いただいた、指定管理者施設で働く労働者の雇用、賃金に関する貴重なデータです〔冒頭に述べたとおり、データを新しいものに差し替えた〕。正規雇用者は雇用全体の3分の1にとどまり、他はフルタイム型あるいはパートタイム型の非正規雇用者であること、また賃金については、賞与や諸手当を除く基本給を基礎に算出されたものであるとはいえ、「今すぐ1000円」に満たない者が少なくないこと、1500円まで範囲を広げると、正規雇用者でもそこにおさまる者が存在することなどが分かります。

発注者である自治体自らが調査を行うこうした姿勢こそ、公契約の適正化で欠かせないものです。

 

運動を構想し、タイムスケジュールにそって取り組みを具体的に進めよう

運動を具体的に進める上で、何から着手すればよいでしょうか。順不同で申し上げますと、

⑴まず、推進体制づくりが急がれます。体制は常に拡充していきましょう。

⑵次に、調査・学習活動です。何度も繰り返しになりますが、なぜ公契約条例が必要なのかを、公契約領域で起きていることを調べつつ──具体的には、労働者の賃金実態や事業者の経営実態などを調べつつ、その共有を図っていくことが重要です。事実を「発見」し「発信」することで、政策実現の土台となる社会的な合意が作られます。

⑶発見した事実の届け先として重要なのが、自治体の議員さん・議会や首長です。ロビイング活動の重要性をここで提起したい。私たちは、選挙前には候補者アンケートも実施してきました。逆に、問題関心をお持ちの議員さんには、情報収集などで力を借りることも求めたいところです。

⑷業界団体への働きかけも大事です。低価格入札で厳しい状況に置かれているところに、公契約条例によって、持ち出しで労働者に高い賃金を支払わなければならないのか、という誤解を解かなければなりません。札幌では残念ながら最後まで溝が埋まりませんでした。

⑸自分たちの運動に確信を持つ上でも、条例が制定された自治体の情報収集・現地調査を行ったり、

⑹集会・学習会などの開催で、市民運動にしていくことも必要です。

マンパワーが必要です。たくさんの人数で運動を進めましょう。そして、場当たり的ではなく、具体的な工程表をもって、取り組みを進めましょう。そして、全国レベルで、各地の経験や情報の共有を図りましょう。

 

ところで、旭川市でできた理念型の条例について、実効性に欠けるのではないか、と言われることがあります。たしかにその通りですが、しかし、できた条例を足がかりにして前に進んでいけばよいわけです。旭川の条例も、附則に次のような見直し条項を入れることができました。「市は、この条例の施行後、2年を超えない範囲内において、この条例の運用状況について学識経験者その他市長が適当と認める者の意見を聴いて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と。今年の12月にはもう2年を迎えます。一歩ずつ着実に進めていけばよいのです。

国政の重要性は言うまでもないことだけれども、自分たちのマチを知り、地方政治を変えるという姿勢を強化していく必要がある、自戒の念をもってそう申し上げたい。

〔旭川市ではその後、「旭川市契約審査委員会」からの報告をうけて、市発注の建設工事において、大規模な賃金調査を2019年度、2020年度の2回にわたり実施している。こうした現状の把握を自治体自身が行うことに非常に意義があると思う。旭川市「労働者賃金等の実態調査(工事)について」を参照。〕

 

厳しいけれども状況を変える好機

繰り返す通り、自治体は今、行財政改革の進捗を競わされている状況にある。そこに歯止めをかけて、住民福祉の体現者としての自治体作りをしていかなければならない。その一つが公契約条例の制定でしょう。自治体の本来的な性格を取り戻し、かつ、拡充する必要があります[11]。労働組合には運動の中心的な役割を担っていただきたい。また、事業者サイドとも交流し、そこでの声(実態)もしっかり集めて欲しい。例えば、指定管理事業者を対象に今年の春に私が行った調査から、施設長の声を紹介します。

・指定管理の更新毎に管理料が減少し、定期昇給や雇用拡大が困難。職員への負担増に対し、雇用条件が見合わず雇用が定着しない。雇用が定着しないとノウハウやスキルの継承が困難となり悪循環が生じる=財団・社団法人/市民利用施設

・管理運営費をどれだけ削減できるのかではなく、利用者のニーズに応じた運営がどれだけできるかで評価してもらいたい。また、人件費に関しては削減の評価に入れず、市役所の同年齢の職員と同等額を保障するような仕組みにしてもらいたい=NPO法人と株式会社/多目的施設

・若い方にとって条件が低すぎる。とにかく給与が低いため人が集まらない。(現場は最低賃金で働いている)。結局毎年年配者多数の職場となっている=財団・社団法人/レク・スポーツ施設

指定管理者制度導入の理由の一つにコスト削減があげられていたこと、また、公募制か非公募制かはともかくとして、指定管理者の見直しが3~5年の間にかけられるところがほとんどなので、こうした声は必然の結果と言えるでしょう。

 

来年の春には、統一地方選挙があります。また、再来年度から導入される新しい公務員制度(会計年度任用職員制度)の審議も各自治体で始まっています。運動のしがいがある時期ではないでしょうか。

政府は新自由主義改革で公共サービスを削減し、公務労働の担い手の労働条件を切り下げる圧力を強めている。そういう中で私たちが公契約条例の制定を進めることは、公務労働の担い手を守り、そこで提供されるサービスの質を確保することにもなる。そういう大きな文脈の中で、具体的な作業を進めていきましょう。

ご静聴を有り難うございました。

 

 

 

[1] 札幌の公契約運動については、拙稿「なくそう官製ワーキングプア、進めよう公契約運動」『月刊全労連』第223号(2015年9月号)所収、「札幌の公契約運動から――なくそう官製ワーキングプア」『経済』第238号(2015年7月号)所収などを参照。〔当時、インターネット上で公開されていなかった、札幌市における公契約条例否決の理由を、ナカからの視点で整理されたふじわら広昭(札幌市市議会議員)「札幌市公契約条例提案から否決までの経緯」『北海道自治研究』第541号(2014年2月号)所収は必読。〕

[2] 旭川の運動については、拙稿「旭川市における公契約条例の制定と今後の課題」『北海道自治研究』第576号(2017年1月号)所収を参照

[3] 野口鉄平「公契約条例制定の全国動向について」『北海道自治研究』第582号(2017年7月号)所収より。〔永山・中村(2019)によれば、同書発行時点で50超。〕

[4] 「市の仕事で貧困 悲痛 指定管理者の低賃金 制度見直しの声も」『北海道新聞』朝刊2012年9月6日付。

[5] 例えば、中澤秀一「最低生計費調査から見えてきたもの」『月刊全労連』第232号(2016年6月号)所収を参照。

[6] 旭川市発注の公共工事現場における賃金調査については、旭川ワーキングプア研究会でまとめた『旭川市の公共工事現場調査報告書』(2016年6月発行)を参照。

[7] NPO法人建設政策研究所発行の雑誌『建設政策』で「自治体発注業務における賃金算出根拠を調べる」という連載をしているので参照されたい。

[8] 千葉県野田市の訪問調査では、非常に整理された情報をご提供いただいた。詳しくは、拙稿「公契約運動における基礎情報・データの整理という課題──野田市公契約条例 2017年調査の結果に基づき」『北海道自治研究』第592号(2018年5月号)所収より。

[9] 「地方自治体(都道府県・政令指定都市)における印刷費積算に関する現状と課題」から地方自治体の印刷の入札実態が如実に」『プリテックステージ 』第59巻第11号(2017年7月号)所収。

[10] 斎藤寛生「草の根からの賃上げ運動──最賃・公契約・地域活性化を一体で」『月刊全労連』第250号(2017年12月号)所収より。なお、氏が『月刊全労連』に書かれた論文が全労連のウェブサイトで公開されているので参照のこと。

[11]  永山利和「公契約条例の今日的意義と経済波及構築の行政課題」『行財政研究』第98号(2017年1月号)所収より。

 

 

(参考文献・論文)

上林陽治「公契約条例の現状と要件」『北海道自治研究』第594号(2018年7月号)

永山利和、中村重美『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』自治体研究社、2019年

濱野恵「公契約条例の現状―制定状況、規定内容の概要―(資料)」『レファレンス』第812号(2018年9月号)

 

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