川村雅則「非正規公務員が職場で何か困ったこと・労働問題に直面したら」『NAVI』2026年1月7日配信(最終更新■年■月■日)

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この原稿は、地方自治体で働く非正規公務員──より具体的には、非現業の会計年度任用職員の方々向けに書いたもので、筆者が時々受ける労働相談の際のやり取りを整理したものです。職場で何か困ったこと・労働問題に直面したときに少しでも役に立てば、と思います。あわせて本稿は、地方議員の方々への問題提起でもあります。

 

 

0.はじめに

働いていると様々な困りごと・労働問題に直面するものです。上司や同僚に相談をしたらすぐに解決するような内容であれば問題ないのですが、雇い止めされそうだ、とか、ハラスメントを受けている、といった深刻な困りごともあろうかと思います。

非正規雇用者という立場の弱さが問題の解決を難しくしていると思います。加えて、非正規公務員の場合、制度(地方公務員制度、会計年度任用職員制度)が複雑で、しかも、民間の労働問題と異なり、労働者保護・権利救済の面で条件が十分に整備されていません。とくに、雇い止めに対して有効な規制の存在しないことは致命的に問題です。このような状況ですからなおのこと、困ったときには一人で悩むことはせずに、労働組合をはじめとする関係機関に相談をすることが必要です。

あわせて、地方議員の皆さまにおかれましては、非正規公務員の制度に様々な問題があること[1]、権利救済制度が脆弱であることなどを踏まえ、本稿に書かれたような問題の対応策──例えば、雇い止めやハラスメントに関する相談を非正規公務員は自治体内のどこに行ったらよいかなどを周知する、人事評価制度の問題点を是正する、など──に取り組んでいただければありがたく思います。

なお、程度や内容にもよりますが、労働問題の解決は一人では非常に難しい、というのが本稿の基本的なスタンスです。ですから、本稿で言及している制度についても、労働組合などと一緒に活用していただくことを想定しています。

 

[1] 日本労働弁護団が2024年11月にまとめられた「非正規公務員制度立法提言」は、会計年度任用職員制度の問題を学ぶ上で大変に役立つ「教材」です。

 

 

1.職場の労働組合に相談をしてみる

仕事に関する困りごと・労働問題は労働組合に相談するのが一番です。

弱い立場にある労働者は、一人一人ばらばらのままでは職場でモノを言うことができません。そこで、労働者が集団化することで交渉力を高め、労使が対等の立場で問題を解決していく仕組みが作られました。これが労働組合、集団的な労使関係です。これは、どの国でも共通にみられる現象です。

自治体職場にも労働組合があります[2]。敷居が高く感じるかもしれませんが、まずは、職場の労働組合に相談をしてみてください。労働組合は、あなたの困りごとに耳を傾け、問題解決に一緒に取り組んでくれるはずです。

 

[2] 正確には、労働基本権の制約を受ける「職員団体」ですが、本稿では労働組合と呼びます。なお、ごくまれにだと思いますが、労働組合がない自治体があります。

 

2.地域の労働組合などに相談をしてみる

上のように書きましたが、職場の労働組合があなたの困りごとに対応をしてくれない可能性もあります。

理由は、その問題は解決が不可能だから、という場合もあるでしょうけれども(その意味では、問題解決をあきらめざるを得ない場合があるのは事実です)、そうではなくて、非正規公務員の問題には対応をしていない、という労働組合が、非常に残念ではありますが、存在するのです[3]

その場合、地域の労働組合に相談をしてみてください。当該地域で働く人であれば誰でも相談ができ、問題解決に一緒に取り組んでくれる労働組合が地域にはあります。皆さんのマチにも存在すると思います。

分からない場合には、労働組合の全国組織(連合、全労連)が労働相談を行っていますので、そちらに連絡をしてみてください。

 

あわせて、自治体で働く労働者で組織された産業別労働組合(自治労、自治労連)も紹介をしておきます[4]

 

労働組合をよく知らない方にとっては、地域の労働組合やら労働組合の全国組織やら産業別労働組合やらと混乱をさせてしまったかもしれません。ここでは、労働組合には窓口がたくさんある、という程度で理解をしていただければ十分かと思います。また、労働組合によって対応が異なったり見解が異なったりもしますから、あきらめずに連絡をしてみてください。

いずれにせよ、まずは労働組合に相談をしてみることを強くお勧めします。

 

[3] 対応していない理由としては、非正規公務員の問題に取り組んだことがないからとか、非正規公務員の雇用を守り切れるか自信がないからなどが考えられます。しかしそれで果たして労働組合と言えるのか、とこの点は厳しく批判がされてきました。労働組合が克服すべき課題であると筆者も思います。本稿の趣旨からそれますので、ここでとめておきます。

[4] 先ほど言及した「職場の労働組合」の上部団体でもあります。

 

 

3.当事者団体に相談をしてみる

労働組合とは異なるのですが、非正規公務員など当事者で構成された団体があります。例えば次の二つの団体がよく知られています。

 

 

これらの当事者団体では、会員間で様々な情報交換を図っているほか、関連する問題の調査活動や関係省庁との懇談を行ったり、関係者・関係団体と連携を図ったりするなどして、問題の解決に精力的に取り組まれています。

労働組合はちょっと敷居が高いかなという場合には、まず、こうした当事者団体[5]に相談をしてみるのもよいと思います。

あわせて、「はむねっと」のサイトには、「相談先リスト(2023年11月現在)」が整理されていること、「VOICES」では、オープンチャットによる交流も行われていることを紹介しておきます。

 

[5] ずばり当事者(非正規公務員)を中心に組織・運営されている労働組合もありますから、その意味では労働組合も当事者団体です。ここでは、便宜上、このような分け方をしたという程度でご理解ください。

 

 

4.自治体内におけるハラスメントの相談窓口を利用する

あなたの困りごとは、各種ハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ等)でしょうか。

日本は、ハラスメントに対する規制が弱い国です。例えば、俗にパワハラ防止法などと呼ばれる法律はありますが、パワハラを禁止する/パワハラを厳しく処分する、という内容にはなっていません[6]

しかしながら、使用者には、ハラスメントの相談窓口を設置したり、相談があった場合には事実関係の調査を行いその結果に基づき速やかに対応をしたりしなければならない、などの義務は課されています。自治体においてもそれは同様です。窓口がどこに存在するかを確認した上で、相談に足を運んでみてください。

なお、対応に慣れていない(ならまだしも、相談を受け付けようとしない、といった)自治体が存在することも、残念ながら聞きます。あなたが経験しているハラスメントの事実などを文書でまとめて持参するとよいと思います

あわせて、総務省による調査結果によれば、(1)ハラスメント対策の取り組みを行っていると当局の側は回答している一方で、職員の側の認知状況は低いこと、(2)とくに市区町村の職員で認知状況が低いこと、(3)任用形態別にみると、会計年度任用職員で認知状況の低いこと、などが示されています。(1)と(3)を整理したのが次の表です。

 

表 パワーハラスメント対策に関する団体の取組状況と職員の認知状況について(任用形態別)

単位:%

雇用管理上講ずべき措置等 団体の取組状況 管理職 非管理職 再任用職員 会計年度任用職員 その他
1 パワーハラスメントの内容と、パワーハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む職員に周知・啓発している。 98.9 77.2 58.9 61.8 44.4 54.4
2 パワーハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む職員に周知・啓発している。 97.6 61.4 44.0 44.0 29.7 40.9
3 相談窓口をあらかじめ定めている。 99.3 82.5 66.5 64.9 45.3 50.8
4 相談窓口では、内容や状況に応じた適切な対応がされている。 99.2 47.8 29.0 26.2 19.7 26.6
パワーハラスメントの発生のおそれがある場合や、パワーハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても対応できるような相談窓口の体制が構築されている。 99.2 56.2 35.4 32.3 24.1 31.3
5 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知している。 98.8 59.3 39.3 36.8 25.6 34.9
6 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、職員に周知・啓発している。 98.5 57.9 38.0 32.6 24.6 33.3
7 人事委員会・公平委員会への苦情相談が可能な旨の周知 97.1 49.0 32.2 30.9 22.1 27.4

注:「団体の取組状況」は、総務省において令和6年度に実施した「地方公共団体における各種ハラスメント対策の取組状況調査及びフォローアップ調査」の結果による。
出所:総務省「地方公共団体における各種ハラスメントに関する職員アンケート調査【結果のポイント】」2025年4月、p.8より。

 

総務省が指摘するとおり「ハラスメントは、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける許されない行為であり、職員の能力の発揮を阻害し、公務能率の低下や勤務環境の悪化を招くとともに、貴重な人材の損失につながり、社会的評価にも悪影響を与えかねない大きな問題です。また、公務を支える有為な人材に選ばれ、働き続けてもらう職場づくりに対して大きな支障を来」すものであることを踏まえ、議員の皆さんには、こうした状況の改善のための取り組みを進めていただきたいと思います。

 

[6] 日本のハラスメント対応・法制度の根本的な問題を学ぶ上での良書として、大和田(2025)を紹介しておきます。

 

(参考情報)

総務省「地方公共団体における各種ハラスメントに関する職員アンケート調査結果/取組事例集/通知」のうち、「地方公共団体における各種ハラスメントに関する職員アンケート調査結果等を踏まえた各種ハラスメント対策の効果的かつ積極的な取組について(令和7年4月25日総行女第20号)」

 

 

5.人事委員会、公平委員会における措置要求、審査請求、苦情処理制度を活用する

地方公務員は、民間の労働者と異なり、労働基本権を制約されています。その代償措置として、人事委員会(都道府県、政令市、特別区、一部の市)または公平委員会(その他の市町村)が設置されています。これらの機関は、首長など任命権者から独立した人事機関で、地方公務員の人事行政に対する専門的、中立的な機関です。任命権者の人事権の行使をチェックするなどして、人事行政の適正化はもちろんのこと、地方自治の本旨が実現するよう働く機関とされています。皆さんの困りごととの関係では、これらの機関は、いわゆる措置要求・審査請求・苦情処理という制度を有していることが重要ポイントです。その制度内容は次の表のとおりです。

 

表 措置要求・審査請求・苦情処理

措置要求 職員の給与や勤務時間等の勤務条件について、当局が維持改善等の適切な措置を執るよう、人事委員会・公平委員会に要求できる制度
審査請求 職員がその意に反して懲戒処分や分限処分などの不利益な処分を受けた場合に、人事委員会・公平委員会にその処分が適切な内容であるかなどについて審査を請求できる制度
苦情処理 職員の勤務条件や服務等に関する苦情について、相談を受け付け、迅速に対応することを目的とした制度

出所:自治労(2023)pp.110-115より。

 

参考までに、総務省が整理した令和6(2024)年度における苦情処理の相談内容を次の表で紹介しておきます。

 

表 苦情処理の相談内容(2024年度)

単位:件、%

合計 パワーハラスメント いじめ・嫌がらせ 任用 休暇 給与 執務環境 勤務時間 転任 服務 人事評価 厚生福利 セクシュアルハラスメント 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 旅費 その他
件数 2328 602 255 204 183 175 145 117 115 89 48 44 35 15 4 297
割合 100.0 25.9 11.0 8.8 7.9 7.5 6.2 5.0 4.9 3.8 2.1 1.9 1.5 0.6 0.2 12.8

出所:総務省「令和6(2024)年度 措置要求及び審査請求の状況等に関する調査」より。

 

まずは、あなたのマチの人事委員会・公平委員会の存在や機能(どのような困りごとに応じているのか)を確認してみてください。その上で、あなたの困りごとを文書で整理して持参してみてください。

なお、公平委員会においては、その機能を都道府県の人事委員会に委託したり、複数のマチで公平委員会を共同設置して事務にあたっていたりする場合があることにも留意してください。

総務省は、総務省「勤務条件・採用試験等」のページに「人事委員会・公平委員会の設置状況(令和7年10月30日更新)」を掲載していますから、そちらを参考になさってください。

 

このことに関連して、議員の皆さんにおかれましては、人事委員会・公平委員会が本来機能を果たしているかどうかの確認のほか、人事委員会・公平委員会の存在や機能を非正規公務員に周知させることに取り組む必要はないでしょうか[7]

あわせて、委員の適切な人選という課題もあげておきたいと思います。と言うのも、会計年度任用職員制度は複雑です。また、地方公務員制度や地方自治法のほか、民間の非正規雇用制度にも精通している(とまではいかずとも、関心をもった)委員の選出が今後はより一層不可欠になるのではないでしょうか。残念ながら、自治体によっては、名誉職的な扱いで人選が行われている、という話も聞きます。そのようなことは、人事委員会・公平委員会が自らの存在意義を否定することにもなりかねないのではないでしょうか。

この点について総務省も、「近年、会計年度任用職員制度の運用、パワーハラスメント対策の法制化を含む各種ハラスメントへの対策の強化や、段階的な定年引上げ、育児・介護との両立支援制度の改正など、地方公共団体の人事行政を取り巻く状況は大きく変化してい」ること、「これに伴い、職員が安心して相談等を行うことができる中立的かつ専門的な人事機関としての人事委員会及び公平委員会の役割は一層重要なものになってい」ることを指摘しています。

 

[7] 参考文献のうち、新潟市や奈良県での経験がまとめられた、川村(2025b)、川西(2025)を参照。

 

(参考情報)

総務省「勤務条件・採用試験等」のうちの「公平審査関係」のうちの「令和6(2024)年度「措置要求及び審査請求の状況等に関する調査」の結果を踏まえた地方公共団体における措置要求、審査請求及び苦情処理の適切な運用等について(令和7年9月12日総行公第101号)」

 

 

6.人事評価制度をチェックする

上記とも関連するのですが、あなたの悩みは、人事評価に関するトラブルでしょうか。会計年度任用職員を体よく辞めさせるために人事評価を悪用するケースを見聞きします。あなたの悩みはそのようなことではないでしょうか。

その場合、まずは、あなたのマチの人事評価制度に関する規程を入手して、読んでみてください(名称は、「規程」とは限りません)。

この規程には、何が評価の対象になっているのか、評価の手続きはどうなっているのか、評価結果はどう使われるのか、被評価者(あなた)が評価結果に疑問や不満をもった際にはどのような対応が保障されているのか/いないのか、などが記載されているからです。そのことに照らして、あなたは適切に扱われているかを確認してみてください。

関連して、議員の皆さんにおかれましては、人事評価制度の適切な設計に尽力をしていただきたいと思います。上にあげたことのほか、例えば、評価結果の当事者への開示・説明などを含め、人事評価に関する情報は適切に公開をされているでしょうか[8]。そもそも人事評価の目的は──とくに、人事評価結果に基づく昇給などのない会計年度任用職員の場合には──人材育成・能力開発におかれるべきではないでしょうか。そのような観点からのチェック、制度設計をお願いしたいと思います。

もちろんそれは言うまでもなく、労働組合の課題でもあります。人事評価に関しては、4原則(公平・公正性、透明性、客観性、納得性)の確保と2要件(労働組合の関与・参加、苦情解決制度の構築)の確保が必要である、という労働組合(自治労)からの問題提起もここで紹介しておきます。

 

[8] 会計年度任用職員を対象としたものではありませんが、(自治体における)人事評価のあり方かを考える上で、黒田・小越(2020)の「第1章 人事評価制度と給与」、黒田・小越・榊原(2015)の「第2章 人事評価とは何か」などを参照。

 

 

7.地方議員に相談をしてみる

地方自治体は、首長・行政と議会で構成されています。首長は行政を執行し、議会にはその監視役が期待されています。また、首長(など)はあなたの任命権者でもあります。あなたが職場で直面している問題に対して、首長は最終的な責任を負っている、という言い方もできるでしょう。その意味でも、議員による監視が期待されます。

もっとも、自治体内の様々な問題に取り組まなければならない地方議員は、地方公務員制度や労働関係法制度の専門では必ずしもありません。そのことも踏まえておいてください。その上で、あなたのマチの全ての議員に相談をしてみてください[9]。ここでも、相談内容を文書にまとめて持参するとよいと思います。

ところで、「地方議員は~専門では必ずしもありません」と上で書きましたが、一方で、非正規公務員問題に精通し、問題解決に尽力をされている議員もおられることは強調しておきたい事実です。卑近な例をあげると、筆者も事務局として参加している、北海道内の議員を中心とする「公務非正規問題自治体議員ネット」や、早くからこの問題に取り組む「官製ワーキングプア研究会」に集う議員がその一例です。

また、皆さんが困りごとに直面しているという事実や、困りごとが適切に処理されていないという事実は、自治体内の構造的・制度的な問題を背景にしている可能性が高く、その点でも、議員の出番であり、皆さんが議員に相談をされることにはとても意義があります。

 

[9] ウチの会派には相談にこなかった、という理由で、「塩対応」になる議員も残念ながらおられるようです。そのようなことがないよう、また、せっかくの機会ですから、全ての議員に働きかけて/相談をしてみましょう。

 

 

8.弁護士に相談をしてみる

弁護士に相談する、というのは、ハードルが高く思われるかもしれません。しかし、法律のプロに相談をすることで、じつは困りごとの背景にあった、法律に違反した状況が「発見」されたり、当事者間だけで話し合っていてはどうしてもこじれがちな状況が改善されたりするなどして、問題解決に進むことがあります。弁護士に相談をしてみることをここではお勧めしたいと思います。

相談にあたっては、可能な限り、労働問題・労働法に詳しい弁護士に相談をしたいところです。労働者に寄り添って問題解決に取り組む、「日本労働弁護団」という団体に所属する弁護士に相談をされてはいかがでしょうか(注釈1で紹介したとおり、非正規公務員制度の立法提言を行うなど、広い意味で、この非正規公務員問題の解決に取り組まれている団体です)。団員はとくに公開されていないようですが、ウェブサイト上では、各地の法律相談窓口[10]が紹介されています。

また、自治体の労働組合(職場の労働組合、産業別組合)では顧問弁護士をつけているところが少なくありません。そのような弁護士の場合、非正規公務員制度にも詳しいと思いますから、紹介を受けてはいかがでしょうか。あわせて、「法テラス」でまずは法的見解を聞いてみる、という方法もあります。

 

[10] 日本労働弁護団のウェブサイトの「ホットライン」を参照。

 

 

9.さいごに

以上、筆者のこれまでの調査・研究や拙い労働相談経験に基づき、対応策を整理してみました。適宜、更新を図っていきたいと思います。

筆者自身は、職場における困りごとというのは、労働組合によって集団的に(集団的労使関係の枠組みで)対応がなされるべきものだと考えています。

現状では、労働組合が対応してくれなかった、という話が非正規公務員当事者から少なからず聞かれるのは事実です。大変に残念なことであり、労働組合には、その克服を求めたいと思います。一方で労働界では、正規公務員労組の支援を受けながら/正規公務員労組と一体となって、非正規公務員自身が労働組合を結成して問題解決に取り組んでいる状況があることは強調しておきたい事実です[11]

そのような事実を知っていただきながら、皆さんの困りごとをご一緒に、さらには、会計年度任用職員制度の廃止ないし根本からの改善にもご一緒に、取り組んでいけたらと考えています[12]

 

[11] 一つ一つをあげることはできませんが、(1)先ほど取り上げた、産業別労働組合である自治労、自治労連のウェブサイトを参照。(2)またこれらの労働組合関係者・有志が結集し、東京・大阪・北海道・九州など各地で開催されている、なくそう!官製ワーキングプア集会の情報も参照。(3)川村(2025a)など、筆者の拙い研究もご参照ください。

[12] 手前味噌とはなりますが、そのような思いをもって、労働組合・自治体議員・弁護士・新聞記者・研究者らで川村編著(2025)をまとめました。

 

 

(参考文献)

大和田敢太(2025)『ハラスメント対策の原点──根絶するために』新日本出版社

川村雅則(2025a)「川村雅則「非正規公務員(会計年度任用職員)に関する調査・研究(高松市、広島市)」『NAVI』2025年3月8日配信(最終更新7月18日)

川村雅則(2025b)「新潟市議会議員・中山均さんの実践報告を聞いて(公務非正規問題自治体議員ネット学習会の記録)」『NAVI』2025年11月23日配信

川村雅則編著(2025)『お隣の非正規公務員──地域を変える、北海道から変える』北海道新聞社

川村雅則(2026)「人事委員会等の本来機能を発揮させる──新潟市、奈良県での取り組みを題材に」『官製ワーキングプア研究会レポート』第52号(2026年1月号)

川西玲子(2025)「奈良県庁会計年度任用職員の任用拒否問題(2021年)」『NAVI』2025年12月4日配信

黒田兼一、小越洋之助、榊原秀訓(2015)『どうする自治体の人事評価制度──公正、公開、納得への提言』自治体研究社

黒田兼一、小越洋之助(2020)『働き方改革と自治体職員──人事評価、ワーク・ライフ・バランス、非正規職員、AI・ロボティクス』自治体研究社

自治労総合組織局(2023)『会計年度任用職員の手引き』(株)自治労サービス自治労出版センター

地方公務員昇任試験問題研究会(2021)『完全整理 図表でわかる地方公務員法(第3次改訂版)』学陽書房

橋本勇(2023)『新版 逐条地方公務員法<第6次改訂版>』学陽書房

 

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