川村雅則ゼミナール「札幌市議会議員の皆さまに『2部 学生アルバイト白書2025』を持参しました」『NAVI』2026年1月22日
学生アルバイト等に関する調査を今年度も行い、結果をとりまとめて、『白書』として公表したことはすでにお知らせしているとおりです。
川村雅則ゼミナール『北海学園大学2部 学生アルバイト白書2025』『NAVI』2025年10月27日配信(最終更新2025年12月25日)
拙い調査であることは十分自覚していますが、学生の現状を知っていただきたい、そして、市政に役立てていただきたい、との思いで、今年度も*、札幌市議会議員の皆さまに、『白書』を持参しました(2026年1月21日)。
*最近では、2023年度(2024年2月14日)にも同様の取り組みをしています
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アポなしで、おまけに、突然の衆院選という事態を前に、ご対応いただくのは難しいかなと思っていたのですが、複数の会派の職員の方・議員の方にご対応をいただき、合計で2時間近くもお話をすることができました。
達成感にあふれる学生の表情、感想に、教員としてとても嬉しい思いでした(学生の感想は後ほど追記します)。
ご対応いただいた皆さま、ありがとうございました。
残念ながら今回お会いできなかった皆さま、ご連絡をいただければいつでも説明にあがります。
以下に、当日に持参した資料(白書を除く)を掲載します。
調査結果は、『白書』の一部に加筆修正を行ったものです。
趣旨・要請文書
2026年1月22日
札幌市議会議員の皆さま
北海学園大学経済学部
川 村 雅 則
ゼミナール学生一同
前略、日夜にわたる市政のための活動に敬意を表します。
さて、私たちは、大学で学生のアルバイト等に関する調査・研究活動を続けてきました。
別冊子は、今年度の私たちの調査*で明らかになった結果の一部です。
| *対象は北海学園大学の2部生(夜間部生)
有効回答は127部 調査内容は 1.あなたのこと Ⅱ.アルバイト・ワークルールに関すること Ⅲ.学費負担・奨学金利用・生活等に関すること |
大学生のほとんどが学生時代にアルバイトを経験します。高校生のときからアルバイトを経験している者も少なくありません。社会で働くということ自体には、人を成長させる効果があると思います。ただ一方で、仕事の世界のルールが守られていなかったり、使用者あるいは労使の双方が仕事のルールを知らないことによって、問題の発生することが少なくありません。
もともと2部生は、学費・生活費のためにアルバイトをしている者が少なくありません。また、半数が貸与型奨学金を利用しています。そのうちの4割が月に6万円以上を利用しています。そのような状況下での今年度の物価高騰は、とくに一人暮らしの学生にとって大きな影響を与えていました(例えば、半数が食費を減らしていました)。
今回の調査結果を受けて私たちは、(1)ワークルールについて学ぶ機会を学生に保障すること。(2)高等教育政策において、授業料減免や給付型奨学金を拡充すること。(3)物価高騰への支援策を講じることが必要ではないかと考えています。
本日はとくにアポイントメントもとらずにお邪魔しました。もしお時間をいただけるようであれば、あらためてお伺いして、資料の説明をさせていただきたいと思います。
ご多忙のところ大変恐縮です。以下までご連絡をいただければ幸いです。
| 川村雅則研究室 〔略〕 |
北海学園大学2部学生アルバイト調査2025
アルバイト・ワークルール、学費負担・奨学金利用・生活等に関する調査
北海学園大学に在籍する2部生を対象にして2025年7月にウェブアンケート調査を行いました。皆さんに知っていただきたいポイントは以下のとおりです。詳細は、別紙の『白書(報告書)』をご覧ください。〔プリントアウトして持参した白書の〕35ページ以降に「アンケート調査結果にみられた主な特徴と考察」をまとめています。ウェブサイトでも同じものを公開しています。https://roudou-navi.org/
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■アルバイト等にみられた主な特徴
- 【表2-1】「現在アルバイトをしている」学生は全体の78.0%を占めた。大学入学後にアルバイト経験がある者(16.5%)を含めると、90%以上(94.5%)がアルバイトを経験している。
- 全体の7割(70.7%)が「固定のアルバイト一つのみしている」であるが、かけもちをしている者も一定数いる。とくに、「固定のアルバイトをかけもちでしている」者が16.2%である。
- 彼らの人数は16人と少ないが、一人暮らし群が半数で、現在の自分の経済状態に対する認識では、「やや苦しい」が37.5%、「非常に苦しい」が25.0%。固定バイトかけもちの背景には、生活の苦しさがあるのではないかと推測される。
- 【表2-5】5時間刻みで尋ねた現在の1週間の勤続時間数は「15時間〜20時間未満」が最も多く30.3%であったが、20時間以上も合計で40.4%であった。一人暮らし群で勤務時間数の長いものが多い。2部の学生は、月曜日から土曜日まで週に12コマ、計18時間(90分×12コマ)の授業を履修するパターンが一般的である。アルバイトと学業の両立は容易なことではない。
- 【表2-7】2万円刻みで尋ねた毎月のアルバイト収入は、「6万円以上8万円未満」が34.3%、「8万円以上10万円未満」が23.2%と多かった。8万円以上を合計すると45.5%を占めた。とくに一人暮らし群では、選択肢で最大の「14万円以上」も1割(11.9%)を占めた。
- 【表2-8】アルバイト収入の使途で、「学費・生活費を稼ぐため」と回答した学生は、「どちらかといえば」を含めると、合計で4割(41.4%、内訳は順に20.2%、21.2%)を占めた。一人暮らし群では、その値は59.5%(遊び・趣味等と「どちらも半々」を含めると80.9%)に達する。コロナ禍でみられたとおり、彼らの多くは、アルバイト収入がなければ学業の継続や生活の維持が困難になる層であると推測される。
- ワークルールに関する問題状況も様々にみられた。
- 【表2-9①】賃金の支払い単位が1分単位ではない者が3割弱(27.3%)みられた。とくに「飲食店」群では、3人に1人の割合(34.4%)である。
- 【表2-9②】アルバイト先では、学生でも有給休暇を使うことができるかを尋ねたところ、「はい」が3分の2弱(64.6%)を占めたものの、「分からない」が26.3%、「いいえ」が9.1%と、合計で3分の1強。制度を知らないか、知っていても自分のアルバイト先での状況が分からない学生が少なくないと思われる。
- 【表2-9③】早上がりやシフトカット時の賃金保障があるかという問いに「はい」と回答したのはわずか11.1%で、「いいえ」が51.5%。とくに「飲食店」群では「いいえ」は、65.6%。飲食店では、賃金保障のない早上がりやシフトカットの経験が多く発生していると推測される。なお、「小売店」群では「分からない」が55.2%と多かったのは、早上がりやシフトカット経験が少ないことを反映していると思われる(但し「小売店」群でも27.6%が「いいえ」と回答)。
- 【表2-9④】制服の着替えがある者のみに回答してもらった、制服の着替えも労働時間としてカウントされその分の賃金は支払われているか、という問いでは、「いいえ」が56.6%と多数であった。
- 【表2-10】大学入学後の全てのアルバイト経験の中での問題状況やトラブルの有無を尋ねた(※「飲食店」群、「小売店」群の回答は、現在のアルバイト業種での経験とは限らない点に留意)。
- 約7割が何らかの問題状況等を経験。例えば、「②仕事の量が多かったり負担が大きい」が30.8%と多かったほか、「④忙しいと所定の時刻にあがらせてもらえない」(27.5%)、「⑤急な早上がりを指⽰されたり、一度決まったシフトをカットされることがある」(20.8%)など勤務時間や働き方に関する訴えが多かった。
- とくに「飲食店」群では、「仕事で怪我や火傷などを経験した」が37.5%(全体では22.5%)と多かった。
- 労働契約と労働環境に関する回答、すなわち、「①求人情報に示されていたのと仕事内容や労働条件が異なる」と「⑪アルバイト先の温度環境が、非常に暑かったり非常に寒かったりする」がそれぞれ20.0%を占める。これらも「飲食店」群で多く、それぞれ、31.3%、25.0%である。
- カスタマーハラスメント(カスハラ)の問題、すなわち、「⑬客からの嫌がらせ・暴言‧ハラスメント・セクハラがある」が19.2%。この回答は「小売店」群で多く24.1%である。ハラスメント関連では、「⑫店長・社員・アルバイトスタッフなどからの嫌がらせ‧暴言‧パワハラ・セクハラがある」も12.5%。
- 関連して、「⑭客からのクレーム対応をさせられる」も15.0%。「飲食店」群、「小売店」群に限ると、いずれにおいても20%強(21.9%、20.7%)。
■学費負担等にみられた主な特徴
- 一人暮らし群55人の結果を中心にみていく。
- 【表3-1】授業料の負担(1つのみ)は、最多は「親に支払ってもらっている」であるものの49.6%にとどまる。
- 一人暮らし群ではその値は41.8%である。代わりに、「貸与型の奨学金を使っている」が15.7%、「自分自身のアルバイト収入で支払っている」が13.4%、「授業料の減免を受けている」が11.0%と続く。
- 同じく一人暮らし群では、「授業料の減免を受けている」が18.2%。授業料の減免と給付型奨学金の支給を柱とする高等教育の修学支援新制度は、世帯収入の要件(と、成績要件)を満たすことが必要。「授業料の減免を受けている」者が多いということは、一人暮らし群には世帯収入の厳しい者がより多いことが推測される。
- 【表3-2】給付型の奨学金を「利用している」のは回答者全体では29.9%だが、一人暮らし群では38.2%であった。
- 【表3-3】貸与型の奨学金については、「利用していない」のは半数(50.4%)にとどまる。ここでもやはり一人暮らし群では利用している者が多く(58.2%)、「実家・親元」群(36.2%)との差は、20ポイント近くになる。
- 【表3-4】その利用金額についても、一人暮らし群では多い。月に6万円以上、言い換えれば、大学4年間で288万円に相当する金額を利用している者が50.0%を占める(「実家・親元」群では30.8%)。
- 【表3-5】生活防衛策では、「⑦お金のかかるようなことはなるべく控えるようにしている」、「⑥遊び・趣味等に費やすお金を減らした」がそれぞれ半数前後を占めているが、これらの回答もやはり一人暮らし群で6割前後と多かった。
- 一人暮らし群では、「③食費を減らした」が49.1%と多いのが特徴。
- 「①アルバイトを増やした」という選択も多く、一人暮らし群では29.1%、「実家・親元」群でも22.2%である。
- 【表3-6】家庭の年間総収入では、「分からない」が4割弱を占めたが、残りの結果をみると、一人暮らし群では、選択肢のなかで最も低い「300万円未満」が18.2%(「実家・親元」群では6.9%)と多かった。
- 【表3-7】実家のこのような状況も反映してか、一人暮らし群に尋ねた毎月の仕送りの有無では、「仕送りは受けていない」が半数を上回った(54.5%)。
- 【表3-8】自分の経済状態に対する認識でも、一人暮らし群で、苦しいとする回答が多かった。具体的には、「やや苦しい」が41.8%(全体では31.5%)、「非常に苦しい」が18.2%(同、13.4%)である。
事前学習資料
