公務非正規問題自治体議員ネット「公務非正規問題自治体議員ネット活動の記録」

公務⾮正規問題 ⾃治体議員ネット(以下、ネット)は、地⽅⾃治体における公務⾮正規の問題の解決を⽬指す⾃治体議員の団体です。

2024年8月9日(金)に総会を開催し、正式な団体として活動を始めました。

日常的な情報発信はこちら(Facebook)で行っています。

ご支援をどうぞよろしくお願いします。

(最終更新:2024年11月12日/ネット事務局)

 

  

 

 

会員(現職・元職の議員、議員を目指す方)とサポーターを募集するページを作成しました

公務非正規自治体議員ネット 入会フォーム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSekXwv8JaYVPdZwFSEVKADSS21w9lZC0EDR03AJMEUYGnDMsw/viewform

自治体の非正規職員を中心に、公共サービスに従事する労働者の処遇や働き方の問題について学び、議会活動に取り組むことを目的とした、有志の自治体議員グループです。

現役の議員のほか、元議員やこれから議員を目指す方々を会員とし、目的に賛同いただける市民をサポーターとして、活動を広げていきます。

労働問題の研究者である北海学園大学川村雅則教授も助言者・事務局メンバーとして参加しています。

議員はもちろん、公共労働問題にご関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

 

 

地域の労働組合が主催する研修会(2024年9月28日)に参加して

 

2024年9月28日(土)、札幌地区ユニオンが主催する第2回組織研修会「これでいいのか? 会計年度任用職員制度を検証しよう!」に、代表世話人の神代知花子さんと事務局の川村雅則が講師として招かれました。

 

研修会では、およそ90分の時間を使って、下記の内容で神代・川村で対談的に報告をしました。

1.非正規公務員の何が問題か

・非正規労働問題研究者からみて(川村)
・自らの経験と議員の目からみて(神代)

2.労働組合と議会に何ができるのか

・労働組合と議会が本来取り組めること(川村)
・議員三期の活動で取り組んできたことと勝ち取ったもの、そして、議員ネットの設立(神代)

3.労働組合への疑問・批判、期待──主催者側の問題提起をふまえて(川村、神代)

 

私(川村)が印象に残ったのは、非正規公務員として働いていた当時、思いを表現できる場がなかった、というニュアンスの神代さんの発言です。

神代さんはかつて、地方自治体で非正規公務員として働いていた経験があります。家庭児童相談員という重い職責の一方で、雇用は不安定で賃金・処遇は低い状況でした(詳細は、神代知花子「石狩市の非正規公務員問題と問題解決に向けた議員活動」『NAVI』2022年7月31日配信 を参照)。そうした当時のことを振り返りながら、上記のとおり、思いを表現できる場がなかった、と神代さんは今回の研修会で発言されたのです。

ほぼ全ての自治体には、労働組合があります。労働組合は、一人では発言できないところを、集団で発言し、職場の問題を改善していく組織です。ただ、神代さんがそうであったとおり、非正規労働者を迎え入れている組合は、当時はごく限られていたと思われます。いえ、隣で働く非正規公務員の状況が省みられることもなく、組織されるどころか労働組合の説明もされることがないという自治体職場の状況は、会計年度任用職員制度が始まって5年目になる今でも、総じて言えば、大きくは変わっていないのではないでしょうか。

そのような状況下で、今回、札幌地区ユニオンという地域の労働組合と、公務非正規問題に取り組む自治体議員・議員ネットがつながったことには大きな意義があるのではないかと感じた次第です。

以下は、研修会に参加した神代さんからの感想です。

 

 

このたびの研修会の講師依頼をいただいた時、札幌地区ユニオン書記長山本功さんより「公務非正規問題自治体議員ネットが立ち上がったという道新記事を読んで、励まされました」と言っていただきました。それがとてもうれしかった一方で、民間だけでなく、公務につく非正規労働者のご相談も受けるという「労働者組合」が身近にもあるということこそが、非正規労働者にとってはよっぽど「励み」であろうと思いました。

非正規公務員を組織化しているところもあると聞きますが、実際はほとんどの人が「誰も味方がいない」と思いつめたまま、声を上げることもなく職場を去るしかないのが現実だと思います。

今回の研修の参加者には、労働問題の当事者だった組合員の方もおられるとのことで、私自身も自身の非正規公務員だったときの体験を中心にお話させていただきました。合わせて川村先生から、制度的な問題点や、社会背景、国の目指すところなどお話をいただけたことで、参加者の問題意識とリンクすることができたのではないかと思っております。また、「公務と民間」、「組合員と非組合員」という二つの分断を、共に理解を深めることで終わらせよう、将来的に行政サービスはどうあるべきかというテーマについても、話題提供いただき、闊達に意見交換できたこと、大変勉強になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

公務非正規問題自治体議員ネット 神代知花子

 

関連記事、当日の配布資料など

神代知花子(石狩市議会議員)「全ての公務労働者に働く喜びを~非正規職員の身分差別解消の取り組み」『NAVI』2024年7月29日配信

神代知花子「石狩市の非正規公務員問題と問題解決に向けた議員活動」『NAVI』2022年7月31日配信

川村雅則「総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など」『NAVI』2024年8月13日配信

川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信

川村雅則「⾮正規公務員が安⼼して働き続けられる職場・仕事の実現に向けて」『KOKKO』第55号(2024年5月号)pp.27-43

 

 

私たちについて

 

代表世話人あいさつ

「公務非正規問題自治体議員ネット設立」のご挨拶

 

 私たち自治体議員は、日常的に市民から行政サービスへのご意見を伺う機会がよくあります。そのほとんどが、窓口の対応や相談・支援の「現場」の話です。しかし、その市民と一番近い「市の人」のほとんどが「非正規公務員」であることは、あまり知られていません。

 どんなに画期的な制度や場ができて、人数が配置されても、結局のところ「人」です。市民と対面で向き合う最前線の「人」が「どんな心持ちで仕事に向き合えているか」はとても重要なことと考えています。

 私たちは微力ながら、その最前線を担う非正規公務員の多くが、自身の雇止めや生活不安を抱えながら働いている現状に対し、それぞれの働きに見合った働き方・処遇と改善されるよう、議会で問題を提起してきました。そして、共通課題に取り組む各地の議員と細々とつながり、公務非正規問題の研究者である北海学園大学経済学部川村雅則教授より、自治体議員にもできることはあると叱咤激励を受けながら、取り組みを進めてきました。

 このように、公務労働問題という高い壁に向かってそれぞれが孤軍奮闘していた心細さから、同志が「つながる」ことでそれぞれの力がエンパワーされることを実感するほどに、本来一番初めにエンパワーされるべきなのは、各地で「ひとり悩む非正規公務員、公共民間労働者」当事者であるべきだと思い知ります。我々議員のつながりを広げることで、「自分の住む自治体にも非正規問題に取り組む議員がいる」ということを知っていただき、ほんの少しでも励みになれたらと考えこの度「公務非正規問題自治体議員ネット」の設立に至りました。

 実のところ、私自身かつて石狩市の非正規公務員でした。子育て相談員として虐待や発達障害など様々な専門的知識と相談技術が必要な仕事に就く中で、自分の力不足を補おうと資格取得を目指し、働きながら勉強する日々でした。相談員としての収入だけでは到底生活できず、多額の奨学金を借りる一方で、ある時から自分の職が毎年度公募に晒されるという、屈辱的な経験をしました。いくら勉強しても「非」正規であることは変わらず、キャリアの先を見通すことはできないと自ら退職しました。この公務労働者としての自尊心の喪失経験が、今の議員としての原動力となっています。

 あれから10数年、この8月、我がまち石狩市では、「公募によらない再度の任用回数制限(4回)で区切った一斉公募を廃止する」方針転換を発表しました。私の胸には、いつかくる「雇止め」を苦に心を病んだ仲間、処遇の差別的取扱いに憤りやめていった仲間のことがあふれてきました。「公募」はなくせます。今の時代、自治体にとっても、一斉公募により貴重な人材が公務サービスから流出することは痛手でしかなく、6月に出された総務省の方針変更でますます公募実施の後ろ盾は失われています。

 まずは今年度内に、全道全自治体で「年で区切った公募の廃止」を目指しましょう。公務非正規労働者の働き方・処遇改善のため共につながってくださる自治体議員のご参加を心よりお待ちしています。

 

代表世話人 神代知花子(石狩市議会議員)

 

私たちの活動とメンバー登録の方法

公務非正規問題自治体議員ネット(以下、ネット)は、公務非正規問題の解決に取り組む超党派の団体です。2024年8月9日の総会で発足しました。

目的に賛同する議員(元議員、議員を目指す市民を含む)であればどなたでも加入することができます。道外の議員でも加入は可能です。

主な活動は、公務非正規問題に関する情報の共有や学習会・集会の開催などです。ネットの「準備会」が主催で、すでに2回ほど学習会を開催しています。また、公務非正規問題に関する議会質問アーカイブスを作成して配信をしています。

会費はとくに徴収せず、手弁当で運営していくことを現時点では考えています。

 

Facebookで情報の発信を行っているほか、会員向けのMLを使って最新情報や研究論文などの共有を図っています。

 

目的にご賛同いただける議員の皆さん! 公務非正規問題の解決のため、ぜひ、一緒に活動をしていきましょう。会員にご登録ください。

会員登録をご希望される議員の方は、下記の世話人か事務局まで、所属する議会名*とお名前をお送りください。

*これから議員を目指す方は、立候補を予定されている議会名

 

■世話人 アイウエオ順 (アットマークを@に変更してください)

江川あや(旭川市議会議員)

asahikawa.egawaアットマークgmail.com

柏野大介(恵庭市議会議員)

dkashiwanoアットマークgmail.com

090-2695-2880

神代知花子(石狩市議会議員) ※代表世話人

kuma.appoアットマークgmail.com

090-9753-3226

新岡知恵(恵庭市議会議員)

chikaechaアットマークhotmail.com

090-6267-0076

■事務局

川村雅則(北海学園大学) masanoriアットマークecon.hokkai-s-u.ac.jp

 

 

「公務非正規問題に関する自治体議員の議会質問と、答弁」

 

ネットでは、活動の⼀環として、ネットに参加する議員がこれまでに⾏った、公務⾮正規問題に関連する質問と行政側の答弁を整理して公開をしていきます。

議員が⾏う質問はもちろんですが、⾏政の側が準備する答弁データは⾮常に貴重です。同じような問題意識をもって議員活動に取り組んでいる議員の皆さんにご活⽤いただいたり、市民の皆さんに公務⾮正規問題をひろく知っていただきたいと考えて、このような取り組みを始めました。

もちろんこれらの情報は、それぞれの自治体議会の議事録データベースなどに掲載をされています。

しかしながら、検索機能があるとはいえ、該当する情報を大量の情報の中から探し当てるのは大変なことです。しかも、議会によっては、代表質問や一般質問は収録されていますが、委員会レベルでの質問・議事録が収録されていない場合もあります。この問題に関心をもつ議員・市民が情報にアクセスしやすくするために、このように整理をしていこうと考えた次第です。

また、個々の議員の質問を過去にさかのぼることができるように整理していきます。

そのことによって、当該自治体で以前にどのような問題があったのか、それがどのように解決されてきたのか、現在の到達点はどこで課題は何であるのか、などが分かるのではないかと思います。この問題に取り組み始めたばかりの議員やこの問題に関心をもった市民の皆さんには、当該議員の最初の質問にまでさかのぼってご覧いただくことをおすすめします。

まだ試運転中で、少しずつ整備していきます。どうぞご活用ください。

 

江川あや(旭川市議会議員)「自分らしく働くこと」 2024年7月4日公開 神代知花子(石狩市議会議員)「全ての公務労働者に働く喜びを~非正規職員の身分差別解消の取り組み」 2024年7月19日公開 柏野大介・新岡知恵(恵庭市議会議員)「「市民と歩む会」の議会質問の記録」 2024年8月11日公開
(作成中) (作成中)
中川てつや(滋賀県大津市議会)「憲法を生かす」2024年8月18日公開

 

 

第2回学習会、総会の開催(2024年8月9日)

第2回学習会を開催したほか、総会を開催し、「準備会」を外し、「公務⾮正規問題 ⾃治体議員ネット」を正式に発足させました。

世話人として(アイウエオ順)、下記の4名が選出されました。
・江川 あや(えがわあや   /旭川市議会議員)
・柏野 大介(かしわのだいすけ/恵庭市議会議員)
・神代知花子(くましろちかこ /石狩市議会議員)代表世話人
・新岡 知恵(にいおかちかえ /恵庭市議会議員)

市村信子「非正規公務員の処遇改善へ議員ネット 全道から超党派の10人参加し発足」『北海道新聞デジタル』2024年8月9日 22:43(8月9日 23:38更新)

 

  

 

総会に先立つ学習会では、9月議会に向けておさえておくべきポイントが報告されたほか、6月議会における経験・成果の交流、そして、第2回学習会の開催前日に報じられた、北見市における非正規公務員削減方針問題(下記の記事を参照)についての情報交換などを行いました。

水野薫「北見市、非正規公務員90人削減方針 25年度 経費抑制策の一環」『北海道新聞デジタル』2024年8月8日 0:00(8月8日 8:00更新)

Yahoo!ニュースへ一部転載

(学習会の記録等は作成中)

学習会の記録を配信します(2024年8月13日記)。

川村雅則「総務省マニュアルの改正など、9月議会に向けて、注視すべきことがらや調査の結果など」『NAVI』2024年8月13日配信

 

 

第1回学習会の開催(2024年5月24日)

「公務⾮正規問題 ⾃治体議員ネット準備会」として、第1回学習会を対面(会場は北海学園大学)とオンラインの併用で開催しました。

 

 

当日は、川村雅則(北海学園大学)が講師をつとめ、公募問題を中心に報告をしたほか、神代知花子(石狩市議会議員)が、公募を廃止した自治体への聞き取りの結果を報告しました。関連する記録は以下のとおりです。

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」『NAVI』2024年5月25日配信
川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(2)」『NAVI』2024年5月26日配信
川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(3)」『NAVI』2024年5月27日配信

神代知花子「『公募』をなくそう!~会計年度任用職員に関する議会質問の取り組み~」『NAVI』2024年6月7日配信

 

 

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