NPO法人官製ワーキングプア研究会「首長の皆さん、議員の皆さんへのメッセージ(2022年9月)」

来年は統一地方選挙です。NPO法人官製ワーキングプア研究会では、「首長の皆さん、議員の皆さん、『非正規公務員の処遇改善・公契約条例の制定・”公共”の復権』を政治公約(選挙公約)にしてがんばってください!」と題したメッセージを『官製ワーキングプア研究会レポート』第39号(2022年9月号)に掲載しました。

同様の取り組みをされている全国各地の皆さん。首長(候補者)や議員(候補者)にこれらの実現を求める取り組みを一緒に始めませんか。ぜひ、研究会への入会をご検討ください。

 

なくそう!官製ワーキングプア第1回北海道集会の記録(2016年3月発行)

 

来年(2023年)は統一地方選挙です。

 

選挙公約に“官製ワーキングプア” の課題を解決するための施策を掲げませんか?

働くものの約40% が非正規労働者。年収179 万円といった厳しい条件の中で働いています。公共サービスでも多くの非正規公務員が担っています。全国平均約30%、市町村では44%が非正規公務員です。

非正規公務員は民間の非正規労働者以上に厳しい法制度のもとで働いています。

住民への公共サービスを確実なもの、住民に喜ばれる・信頼されるものにするためにも公務労働の有り様を変えなければなりません。

具体的にはたとえば、

 

会計年度任用職員制度(2020 年4 月から)は

 

*任用期間が会計年度1 年で、毎年1 ヶ月の試験期間では不安定雇用です。

*フルタイムでは期末・勤勉手当、退職金も出て「給与」なのに、勤務時間が1 分でも短ければパートとなり、退職金もなく給与でなく「報酬」です。

*自治体によっては期末手当を出した分を報酬から差し引いて支給というケースがあります。

* 3 年目あるいは5 年たったら一度リセットして公募という雇用不安があります。

 

会計年度任用職員制度は職員の3 人に1 人にまで拡大し、ワーキングプア水準の処遇ですが、公共サービスを支える大きな存在になっています。

しかしそれは「官製ワーキングプアの法定化」「労働時間差別の合法化」にほかなりません。

あなたの自治体では会計年度職員の処遇はどうですか? 非正規図書館員の処遇は? 非正規生活保護相談員の処遇は? 非正規保育士の処遇は? 正規職員と比べてどうですか?

自分のまちの公共サービスを担う人々の実態を調べて、非正規公務員の問題・課題を解決していく政策を政治公約にしてください。

 

臨時教員の処遇はどうですか?

 

義務教育(小・中学校)の先生は「給特法」のために月100 時間以上の超過勤務をしても実質残業代は0 円(給特法で残業代はなく4% の調整額のみ)。ブラック企業です。その中でもそこで勤務する非正規臨時教員(講師)は更に悪条件です。10 年以上働いてクラス担任を持っても、収入は同じように働いている正規教員の50% 程度しかありません。昇給も頭打ちです。

定数内臨任講師なので正規の教員としての人数にカウントされ、国から正規分としての財源が入ってくるのに、臨任講師にはその分は支払われないのです。

“正義と真理そして人としての心の優しさ” を子どもたちに教える教育現場がこれでは…

首長として議員として、自分の街の子ども達の義務教育を担う先生たちの労働条件・処遇の悪さを少しでも良くしていくことを公約にしてがんばっていただけますか?

 

公契約条例を制定しましょう

 

自治体の事業として道路や建築工事をしている労働者、庁舎清掃や管理を請け負っている会社で働く労働者の賃金は十分ですか? 最低賃金すれすれではないですよね? 設計労務単価がきちんと労働者に支払われていますか?

最初に野田市で公契約条例を制定し、民間企業が受注した公共の仕事で働く人の賃金が、生活していける賃金でなければとしました。公共事業を受託する企業で働く人の賃金を引き上げることで官製ワーキングプアを作り出さないようにとの思いで制定されたのです。

公契約条例を制定して労働者の賃金の問題も自治体から解決していきたいと選挙公約にしてほしいです。

 

永山利和・中村重美『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし 』自治体研究社、2019年

 

同一価値労働同一賃金を実現しましょう

 

非正規公務員の処遇を是正することは女性の置かれている劣悪な状況の是正にもつながります。そのとき「同一価値労働同一賃金」の制度を自治体から導入することで女性のおかれている差別構造も非正規の差別構造も是正の方向に歩み始めます。

同一価値労働同一賃金の実現を政治公約にしてがんばってください。

 

“公共の復権” を主張してください

 

これまで“競争第一主義・規制緩和・官から民へ” といって公共サービスの担い手の非正規化と市場化が行われ、“公共” の担うべき仕事が見失われてしまいました。

人々が生きていく上で必要な教育・医療・看護・介護・福祉・水道(社会的共通資本=コモン)などを、“公” が責任を持って作り上げていくことが大切です。これまでの指定管理者制度・PFI・アウトソーシングなどを根本的に見直し、“公共の復権・分かち合いの社会” を地方自治体から創っていくとことを公約にしてください。

首長と議員と職員、そして住民が一緒にまちを創っていく市民自治が提唱されて久しくなります。一人ひとりの住民が幸せになるような公共サービスを作り出すためにも、その担い手は重要です。多くの非正規公務員はエッセンシャルワーカーです。

首長の皆さん、議員の皆さん。

皆様の政治公約に“非正規公務員の処遇改善・非正規の正規化・公契約条例の制定・公共サービスの復権” を掲げるようお願いします。

 

 

NPO法人官製ワーキングプア研究会にご入会ください

 

2011年11月設立の特定非営利活動法人で、正会員・賛助会員合わせて約200名(団体、個人)の方が会員になられています。季刊のレポートのほか、随時資料送付いたします。相談、訴訟支援、調査、研究、報道サポート、政府や自治体対応、国会の取り組みなどの実績を積み上げています。

機関紙『研究会レポート』は、紙版とメルマガ(メール)版があります

  • 入会金  個人(正・賛助会員とも)1,000円 / 団体(正・賛助会員とも)2,000円
  • 年会費  正 (個人),000円/(団体)10,000円    

賛助会員  (個人),000円/(団体)5,000円                         

 

入会金・会費 振込み先 

★中央労働金庫荒川支店(普)3939058 「特定非営利活動法人官製ワーキングプア研究会」

★郵便振替口座 記号番号00170-5-744093「NPO法人官製ワーキングプア研究会」

★ゆうちょ銀行 記号10130 番号82491561 トクヒ)カンセイワーキングプアケンキュウカイ

(他行からは、店名〇一八 店番018 普通・口座番号8249156)

           

入会申込書送り先 Fax:042-474-9520  /Eメール: kanseiwakingupua1950@yahoo.co.jp

〒203-0013 東久留米市新川町1-4-11 白石方 官製ワーキングプア研究会

 

ホームページをご覧下さい ⇒ https://www.kwpk.net/   電話:090-2302-4908

 

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特定非営利活動法人(NPO)官製ワーキングプア研究会入会申込書

私は、特定非営利活動法人「官製ワーキングプア研究会」の

□正会員(団体) □正会員(個人)

□賛助会員(団体) □賛助会員(個人)   として入会します。

2022年  月   日

 

<お名前/団体名>                        

<おところ>〒    -     

                                              

<お電話>           -      -      

<FAX>      -      -      

<Eメール>             @                  

 

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(参考文献)

官製ワーキングプア研究会『なくそう!官製ワーキングプア』日本評論社、2010年(品切れ)

上林陽治『非正規公務員のリアル──欺瞞の会計年度任用職員制度』日本評論社、2021年

白石孝編著『ソウルの市民民主主義──日本の政治を変えるために』コモンズ、2018年

竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編著『官製ワーキングプアの女性たち──あなたを支える人たちのリアル』岩波書店、2020年

永山利和・中村重美『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし 』自治体研究社、2019年

 

 

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