神代知花子「『公募』をなくそう!~会計年度任用職員に関する議会質問の取り組み~」

くましろちかこ「『公募』をなくそう!~会計年度任用職員に関する議会質問の取り組み~」『NAVI』2024年6月7日配信

 

石狩市議会議員のくましろちかこです。現在、会計年度任用職員制度の公募制を廃止するため議会質問の準備を進めています。もし、同じ課題に取り組む自治体議員がおられましたら、ぜひ意見交換したく、その題材として現在の自分の取り組みをまとめました。なお、本稿の記載内容に関する責任は、筆者にあります。

 

石狩市の現在の公募の考え方ですが、職員課より「会計年度任用職員で5年目を迎える方が、R6年度の4月時点でどれだけいるのか、そして、所管ごとに公募についてどのように考えているかについてアンケートを6月に実施予定。その回答状況を見て、公募についての方針を決定し、7月くらいには公表したい」と回答をいただいています。制度開始後初めて迎える一斉公募を前に質問できる大事なタイミングが6月議会となります。ほかの自治体も似たような状況ではないかと思います。ぜひ一緒に取り組みを広げましょう。

 

令和2年度から始まった会計年度任用職員制度は、今年度で5年を迎えます。札幌市や旭川市など大きな自治体は3年公募、そのほか多くの自治体が「非常勤職員制度時代の再度の任用は4回、5年間までという通例」と同じとし、5年公募という方針をスタート時から決めているようです。

 

Ⅰ.事前の作業課題と、会計年度任用職員制度に関する国の最近の動き

 

事前に把握しておくべきこと

まずは、以下のことについて知っておくことが必要だと思います。

①自分のまちは、何年公募制としてスタートしたのか。

職員課に聴き取りも必要ですが、その前に例規集を調べます。「自治体名 例規」で検索し「会計年度」で詳細検索かけると、「給与等に関する条例」「任用等に関する規則」など出てきます。「公募」については「任用」で規定されています。

 

資料 石狩市会計年度任用職員の任用

 (任用)

第2条 会計年度任用職員は、職務の遂行に必要な知識及び技能を有する者のうちから、選考により任命権者が任用する。

2 前項の選考は、公募によるものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、公募によらないことができる

(1) 前年度に設置されていた職種又は当年度に設置されている職種に任用されていた者を当該職種と同一と認められる職種に従事する者として任用の選考の対象とする場合において、面接、当該職種におけるその者の勤務実績等に基づき、能力の実証を行うことができると任命権者が認める場合

(2) おおむね3か月未満で完了する業務に係る職種の者を任用する場合

3 前項ただし書の規定による公募によらない選考の実施は、任用しようとする会計年度任用職員の事務を主管する部長(以下「主管部長」という。)が決定する。

4 第2項第1号に該当する場合における公募によらない任用(次項において「公募によらない再度任用」という。)は、4回を上限とする。

5 公募によらない再度任用は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者について行うことができる。

(1) 第2項第1号の規定による能力の実証の結果が良好であること

(2) 前年度及び当年度において傷病(公務によるものを除く。)のため勤務をしない日が、引き続き3か月を超えないこと。ただし、任期満了の日においておおむね3か月以内に回復する見込みがあり、かつ、職務に復帰した後通常の勤務をすることが可能であると主管部長が認める場合は、この限りでない。

(3) 前年度及び当年度において法第29条及び石狩市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和27年条例第3号)の規定により懲戒処分を受けていないこと。

出所:石狩市会計年度任用職員の任用等に関する規則より

 

つまり何を規定しているかと言いますと、各会計年度毎に面接や勤務実績で能力実証を行うことができるならば「公募」によらなくてもよい。しかし、その「公募によらない再度の任用」の上限回数は「4回まで」ということです。他自治体では、公募によらない再度の任用の上限を決めず一斉公募を廃止しているところ(小樽市)、一部の職種に限定して公募をしなくてよいとしているところもあります。他市の規則もぜひ見てみてください。

 

②令和2年度の制度スタート時に、旧制度時代の勤続年数はリセットして、全員がゼロ年スタートとしたのか。(その場合、令和2年度4月に在職の全員が5年目となり、一斉公募となります)もしくは、その時の勤続年数も含めてカウントしているのか。(その場合、すでに勤続年数の長い職員は順次雇い止めとなっていることも考えられる)

 

③現在の会計年度任用職員の人数、男女数は。職員課にマルっとした数字を出されたとしたらその数字の意味を確認する必要があります。ハローワークの求人と人件費の予算付けは、事業所(市役所、教育委員会、建設水道部、国保、介護)ごとに分かれています。というのは、一般会計、特別会計、企業会計など、会計年度任用職員の人件費は、バラバラに存在しており、職員課で全体として把握していない場合があります。職員の任命権者は市長と教育長だけですが、規則自体も別にもっている自治体もあります。

 

④自治体によって違いはありますが、ほとんどの自治体で「公募によらない再度の任用」=「つまりは毎年度の任期更新」の際に、「人事評価制度」を利用しています。石狩市の場合、地方公務員法が定めた3段階の人事評価(年に一度、会計年度職員とのコミュニケーションのために使用しているとのこと)以外に、再度の任用の面談で使うための5段階の人事評価を実施しており、実施者は所属長で、再度の任用に使用する目的で「再度任用チェックシート」がつけられています。評価は「SS(特に優秀)、S(通常より優秀)、A(通常)、B(通常より物足りない)、C(はるかにおよばない)」で、BとC評価だった場合は、「5年の一斉公募」を待たずして、その方は「雇止め・公募にかかる」ということになります。このシートは再度の任用についてご本人と面談する際に、本人にも告げられるものとなっているそうです。

再度の任用をどのように各所管が行っているかは、職員課はこれまで、所管に任せとりまとめをしてきませんでした。今後、「公募」や「離職状況」について議論を進めていくためには、職員課がすべての事業所の各課を集約し、全体として取りまとめる必要があると考えています。ぜひ、ご自身の自治体の人事評価制度についても調べてみてください。(内規として持っていると思います)

 

⑤さらに深く理解したいときは、職員課に以下の資料提供を求めます。

・現在の会計年度任用職員の数は、男女の数は(職員全体の数とその内訳)

・職種別人数(男女別人数、月額、日額、時間額、週何時間か)

・配置部署別人数(男女別人数、会計年度フル、会計年度パート(月額)、会計年度パート(日額)、会計年度パート(時給)、非常勤職員(正規職員の代替)、ALT、総計)

※会計年度任用職員フルタイムは、正規職員と同じ週38.45働く。雇用保険なし、退職金あり。そのことが問題にもなっています。

『“大量離職通知”と“フルタイム会計年度任用職員の雇用保険適用除外”について、厚労省ヒアリングを行いました。』公務非正規女性全国ネットワークより

 

※会計年度任用職員パートは、週29時間が多い。本人が加入者として共済年金保険に加入し、納税している。被扶養者も多いのではないか?

※任用期間の定めが6か月以上で、週15時間30分以上勤務する会計年度任用職員は、6月と12月に期末・勤勉手当が支給される。 基準日(6月1日、12月1日)に在職している職員が支給対象。 支給額は、令和6年4月1日現在、年間合計で給料+地域手当の4.5か月分(期末2.45月分、勤勉2.05月分)です。週15時間以上が、勤勉手当の対象となる。

 

⑥これまでにどのくらいの職員が退職したのか「離職状況を明らかにする」

退職者数は時間をかけて拾えても、その理由は闇の中というのが実情だと思います。会計年度任用職員の離職には、3種類あります。「雇い止め」「自己都合で退職」「公募に落ちる」です。なぜ雇い止めになったのか、どんな理由で自己都合で退職したのか・・などその内訳は、取りまとめていません。長年勤めた職員と、上司の相性が悪く、恣意的に人事評価が低くなされたということが、これまでなかったかということも、本人の訴えがない限り、全く把握することができないのです。しかし、何年目の職員がどのくらいの数、毎年度離職していくか、それはどんな理由なのかを把握することは、会計年度の問題点の根底に関わる重要なことだと考えています。さらには、1つの事業所で1か月に30人以上の離職者が発生する場合には、最後の離職が生じる日の1か月前までに、大量離職通知書を作成し、ハローワークに届け出る義務が生じるという制度があります。こちらは、雇止めを回避するというより、離職者の再就職を支援する目的でなされるものとなります。そのような手続きが取られているか、離職者に対しスムーズな転職がなされるよう離職届は速やかに届けられているかなど確認が必要です。

北海学園大学教授の川村雅則氏の寄稿をぜひご確認ください。

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(3)」『NAVI』2024年5月27日配信

 

 

表 会計年度任用職員制度導入前後の、石狩市の臨時・非常勤職員及び会計年度任用職員の退職人数

 

こちらは石狩市の退職者の推移です。制度開始の令和2年度3月末の離職者が、11名で新制度開始に伴う離職はそれほど多くなかったことがわかります。令和5年4月1日現在で、全職員794人中、会計年度任用職員298名おりますので、各年を見てもそれほど多い数とは言えないのではないでしょうか。だからこそ、令和6年度末の大量退職がますます心配されます。

 

⑦最後に質問作成に重要なのは、総務省からの通知やアンケート調査結果、話題のトピックについて押さえておくことです。つまりは、職員課の職員と「共通言語」を持ちながら、当市の考えを聞き取ることが大切と考えます。このあとに出てくる、「調査」や「マニュアル」などは、こちらから見られるものになります。

〇総務省「会計年度任用職員制度等」 ←こちらにすべてまとまっています!

会計年年度任用職員制度が開始され自治体に示された事務処理マニュアル(第二版)

「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)」 の修正等について

会計年度任用職員制度の適正な運用等について 令和5年度全国調査の詳細報告、適切な運用のため注意すべきことなどが通知されています!

 

 

【最近の重要なトピックス】

1)公募に関わること

〇総務省がマニュアルの修正をしてきた(令和5年12月27日通知)

再度の任用を想定する場合の能力実証及び募集については、各地方公共団体において、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、適切に対応いただきたいこと。

2)給与・手当に関わること

〇令和6年度からは、対象となる会計年度任用職員に、勤勉手当を適切に支給すべきものであること。 単に財政上の制約のみを理由として、期末手当又は勤勉手当の支給について抑制を図ることや、新たに期末手当又は勤勉手当を支給する一方で給料、報酬や期末手当について抑制を図ることは、改正法の趣旨に沿わないものであるため、こうした取扱いを行っている団体は、適切な措置を講ずること。(令和5年12月27日通知)

〇「勤勉手当は出ているか」「4月に遡及して出したか」「最賃以下で働く人はいないか」などについても皆さんの自治体の状況をお調べください。

川村雅則「会計年度任用職員の給与等(勤勉手当・給与改定・最低賃金)に関する総務省調査(2023年12月)の北海道及び道内市町村データの集計結果(中間報告)」『NAVI』2024年5月31日配信

3)時間に関わること

〇会計年度任用職員の勤務時間については、その職務の内容や標準的な職務の量に応じた適切な勤務時間を設定することが必要であり、例えば、フルタイム勤務とすべき標準的な業務の量がある職について、パートタイム会計年度任用職員として位置づけること自体を目的として、勤務時間をフルタイムよりわずかに短く設定することは適切ではないこと。(令和5年12月27日通知)

4)人事評定に関すること

〇会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給にあたっての期間率や成績率の取扱い等、具体的な支給方法については、常勤職員の取扱いとの権衡を踏まえて定める必要があり、成績率については、人事評価の結果を適切に反映する必要があること。(令和5年6月9日通知)

 

(小休止)

さて、ここからがようやく本題となります(汗)

前段の調査ができていないと、質問作成に取り組めないわけではないので、大丈夫です。

ここからは、なぜ公募は廃止すべきかということ問題意識と質問構成について(Ⅱ)、すでに公募を導入していない、公募をやめたという自治体からの聴き取り結果をまとめました(Ⅲ)。

自治体からの聴き取りは、筆者が電話によって、計7市から行ったもので(2024年5月23日~6月2日)、現地ヒアリングなどで掘り下げてさらに調べる必要があるとは思いますが、概略をつかむ上では十分な結果ではないかと思います。情報提供いただいた自治体の担当者からは、この寄稿文を労働情報NAVIにて公開することに了解をいただいております。ぜひご活用ください。

※6月7日17時現在、小樽市・根室市より公開の承諾をいただいています。その他自治体は、承諾いただけ次第随時更新していきます。

 

 

Ⅱ.「公募」についての問題意識や総務省調査データの整理

 

○質問の趣旨

「期間で区切った一斉雇い止め・公募は自治体の判断でなくすことが可能ではないか」

○なぜ「公募」を廃止すべきなのか

公共サービスの重要な担い手である会計年度任用職員の雇用をよりよいものにしていくためには、その処遇改善は当然として、仕事が恒常的に存在しているにも関わらず、その仕事につく人を有期雇用の反復更新をし、回数を区切って公募にかけるなど不安定な任用手法には改善が必要。会計年度任用職員制度となった時点で、一年ごとに面談と能力実証を経て、その結果「公募」となることも想定される制度であるのに、わざわざ3年や5年などと該当者を雇い止めし、公募にかける必然性はどこにあるのか。

〇「広く市民にも雇用の機会を平等に与えるために公募は必要」というのは、地公法が定めた「平等取扱いの原則」の曲解。一般市民との平等のために公募を行うという認識は改めるべき。総務省のマニュアルでは、第2の5「当該非常勤の職と同一の職務内容の職が 翌年度設置される場合、同一の者が、平等取扱のいの原則や成績主義の下、 客観的な能力の実証を経て再度任用されることはありうるものであること。」とされており、「再任用にあたって任用の回数・年数による制限などの限定を設けること」は、その趣旨に反する。

※(平等取扱の原則) 第13条 すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信条、性別、社会的身分若しくは門地によつて、又は第16条第9号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。

〇質問で求めていきたいこと

働きがいのある人間らしい仕事(ディーセントワーク)の実現には、その処遇内容はもちろん、雇用の安定に逆行する会計年度任用職員の「雇い止め」「公募」を撤廃していくしかないのではないか。人手不足や採用困難職だけに限定する「公募」撤廃はゴールではなく、段階的な改善方策であり(5年を10年に延長する、専門職種から限定して公募廃止など)、すべての会計年度任用職員が希望すれば働き続けられる自治体こそが、持続的な高いサービスを提供していけると考える。

○令和4年12月の総務省マニュアル(第2版)の修正版

「地域の実情に応じて・・」という言葉が入った。その背景には、年を区切り公募することを示したことに対する自治体からの抗議の声がある。そもそも、はじめから、どこにも、『公募制の導入は義務』とは書かれていない。この修正を受けて、一斉雇い止め公募をしないという自治体が増えた。

〇そもそもなぜ「5年」と区切る必要があるのか。非正規職員はなぜ雇い止めがある前提での働き方なのか。すでに正職員とは違う「一会計年度毎の任用」と差別化され、毎年度人事評価の結果、雇い止め公募される可能性もあるにも関わらず、なぜ5年公募が必要なのか。期間で区切った一斉公募は廃止して何か問題はあるか。

〇石狩市の実態はどうか。今年度入って、各所管に行ったアンケートの内容とその結果について、市はどのような方針を決めていくのか。この制度が始まって以来、当事者は5年雇い止め・公募という大きな不安を抱えながら働いている。いち早く、当事者に「通年と同様の能力実証」を行う「一斉公募廃止」を伝えるべきではないか。

○令和5年総務省調査の結果

北海道および道内35市の職種における、再度任用時の公募の実施状況

すべての職種で再度の任用時公募していない自治体

・小樽市、赤平市、名寄市、根室市、滝川市、伊達市 6市

一部の職種において再度の任用時公募していない自治体

・苫小牧市、江別市、士別市、三笠市 4市

道内144町村の職種別にみた再度任用時の公募の実施状況

・公募を入れていないか、やめた町村が36件

年々、公募をしない自治体は増えている

 

Ⅲ.自治体からの聴き取り結果

令和5年度総務省アンケートで公募しないと回答した自治体の担当者に、制度の開始から当自治体ではどのような公募の方針を定めているか、また人事評価についても伺いました。

 

【小樽市】

  • 3年以上の会計年度任用職員が人事評価の対象となり、人事評価に問題なく、本人が更新を希望される場合はそのまま継続任用となる。継続を繰り返す上限はなし。
  • 評価が基準を下回った場合は、公募となるが、その方の応募も可能で人事評価は反映されない。
  • 当初「公募なし」で検討されていたが内部で協議が長引き、現行ルールは、令和5年度から実施し、何件かは公募があった。

【根室市】

  • 制度開始前から65歳定年になるまで働き続けられるよう、更新の際は、人事評価と履歴書で能力考証を行って更新している。

【滝川市】

  • 会計年度任用職員制度がはじまるとき、総務省はマニュアル(H30第二版)で国の期間業務職員を例にあげて、2回まで3年間を一区切りとし、公募することと示した。しかし、それはあくまで例えと捉えている。その後の通知等で「繰り返しの任用もある」とした上で、「単年度ごとの新たな業務と整理すること」のであれば「地域の実情に合わせて」検討してよいとなったと捉えている。
  • 小さい町で、100人以上いる会計年度を一度に雇い止めしても、その方しか応募してこないというのが実情。また、優秀な会計年度任用職員を簡単に雇い止めはできない。
  • 人事評価はしているが、〇か×かという簡易なもの。(国の様式)再度の任用を行う際に、人事評価が〇で、本人も更新を希望されていれば、再度の任用となる。

【苫小牧市】

  • 週勤務時間38時間以内の職員として、暫定再任用職員、任期付職員、会計年度任用職員が在籍している。
  • 会計年度任用職員の任用は、欠員の対応や補助的業務への対応に限られ、あらかじめ査定された部署での業務及び期間(当該会計年度内)の範囲内のみとしている。そのため、雇い止め等の状況は発生していない。
  • 上記のため、会計年度任用職員に異動という概念はない。ただし、任用期間の終了後、選考過程を経て、他の部署で任用される職員もいる。
  • 毎年12月頃、職種を限定せず「会計年度任用職員」の募集を市のHPや広報紙で行い、所定の履歴書を提出してもらい、任用候補者台帳に登録。任用を希望する部署は、その台帳登録者の中からその職に適した人に連絡を取り、面接試験等を行う。市民から職種を限定した問い合わせがあった場合であっても、台帳登録のための申込書を提出するよう案内している。
  • 会計年度任用職員は、年度内(最長で3月末日)で任期が終了する。再度任用する場合であっても、能力実証(人事評価)+履歴書+面接等の選考過程を経ることとなるが、再度任用の上限回数に制限は設けていない。
  • なお、嘱託職員は、令和2年4月1日で「任期付職員」に完全移行(平成30年度~移行期間)し、「職種及び職務内容」で募集がなされ、原則3年間の任期で採用している。

 

【名寄市】

  • 当初は国のマニュアルに倣って、3年に1度公募することを検討していたが、長く勤めていただきたいし、人手が潤沢でないということから、3年に1度の公募は行っていない。また、再度の任用について、回数の制限もしていない。
  • フルタイムの会計年度任用職員は任用していない。
  • 公募はしないが、毎年度、更新の際に履歴書を出してもらい、新たに採用という形はとっている。

 

【江別市】

  • 江別市では、非常勤職員の運用を引き継ぎ、任用更新の上限を2回までとし、最長でも3年で公募にかけることを基本としている。
  • 制度開始3年目で、30人を超す解雇はなかった。なぜなら、任命権者が分かれているため。
  • 人事評価は、正規職員は5段階だが、会計年度任用職員はABCの3段階(特に良好・良好・良好でない)。週16時間以上の勤務の方には、上期と下期に評価を行い、A又はC評価の場合は本人との面談で告げることとなっている。勤勉手当支給に活用する。

 

以上が、まとめとなります。

この取り組みが広がり、一人でも多くの会計年度任用職員が公募に晒されることなく、来年度も任用されることが早期に決まること、そして、「公募の撤廃」が実現できるよう、継続して取り組んでいきたいと思います。

※個別にも質問作成のご相談に乗ります。ご意見・ご感想も含めてお気軽にどうぞ kuma.appo@gmail.com

 

 

 

(関連記事、参考資料)

神代知花子「石狩市の非正規公務員問題と問題解決に向けた議員活動」『NAVI』2022年7月31日配信

 

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(1)」『NAVI』2024年5月25日配信

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(2)」『NAVI』2024年5月26日配信

川村雅則「議員の力で、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を(3)」『NAVI』2024年5月27日配信

坂本勇治「根室市の会計年度任用職員制度と労働組合の取り組み」『NAVI』2022年11月26日配信

 

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