2019年10月21~25日、南オーストラリア州の州都・アデレードで開催されたCFMEU建設一般部門全国大会に4人参加した雑感を記します。来賓団は大会2日目から大会に参加し、2日目の冒頭では、先住民が奏でる木製の楽器「ディジェリドゥ」の音色に会場全体が包み込まれ大会参加者を魅了しました。土地の所有者と先住民に感謝と敬意を表することが当たり前のこととして組合に根付いており、アイヌを先住民として持つ北海道出身の私にとって、とても感慨深いものとなりました。
各支部の報告などに加えて、先住民や女性、青年、そして建設現場で家族を失った遺族など、それぞれの課題に応じたパネルセッションと決議案が用意されており、それをひとつひとつ採決していく形式はとても新鮮に感じました。また、修正案を専用のスマホアプリで見ることができたり、アプリをSNSのように活用して大会参加者と交流することができることなども斬新に思いました。
大会3日目には朝からデモ行進が行われましたが、集合場所のビクトリア・スクエアに、力強いコールととともに組合員が続々と集まる姿に鳥肌が立ちました。デモ隊が出発して、沿道から作業服姿のまま駆け付ける組合員とも合流しながら、この日、35℃を超えた陽ざしの強い春のアデレードの街に「UNION POWER!」の力強いコールが何度も響き渡り、広い公道を組合旗で埋め尽くして練り歩く姿は圧巻でした。
そのまま南オーストラリア州議会前を包囲して行われた抗議行動には報道陣も集まり、組合幹部や遺族らのスピーチに足を止めて耳を傾ける通行人もいて、CFMEUの行動に寄せられている社会的関心の高さをうかがい知ることができました。
家族やパートナーを事故で殺され、悲しみにうちひしがれているであろう遺族の毅然とした訴えは、決してもう二度と同じような事故で人が「殺されてはらない」という強い思いが、とても強く優しく心に突き刺さりました。
5日間滞在中、食事や飲み物などにも配慮されている点や、大会ディナーに家族連れやパートナーと出席する組合員もいて、先住民や家族と共にある労働組合の在り方など、とても感動と学びの多い大会参加となりました。
建交労北海道本部書記長 宮澤 毅
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