神代知花子(石狩市議会議員)「全ての公務労働者に働く喜びを~非正規職員の身分差別解消の取り組み」

石狩市議会議員 神代知花子 のページ

 

【コメント】は、質問の趣旨やそのときに得られた成果、あるいは、反省点などをまとめたものです。参考になさってください。

 

2024年第2回定例会(6月19日)/一般質問/会計年度任用職員の公募方針について

【コメント】

いよいよ、今年度5年目を迎えるため、一日でも早く雇止め公募の方針撤回を当事者に伝えてほしいという趣旨で質問を行う。

 

◆神代知花子

会計年度任用職員の公募方針について伺います。先に同僚議員が質問した答弁にて、職員課が行った所管アンケートの結果では、現在勤めている会計年度任用職員について、「今後も任用を継続したい」という回答が多かったこと、また、会計年度任用職員の働き方については、共に働く仲間としてどういう在り方が適切か検討するとの考えが示されたと思います。

私からも、勤務年数で区切った雇止め公募の見直しを求める立場から2点伺います。

1点目、各所管へのアンケートの取りまとめ結果はまさに現在精査中とのことですが、現時点で今年度5年目を迎える会計年度任用職員は、4月1日在職する273名のうち何名該当になるか伺います。

2点目、総務省が示した「地域の実情」について、市はどのように捉えているか伺います。また、当事者にとっては、今年度雇止め公募があるか、ないかは、生活に直結する最重要事項であり、市の方針は一日でも早く示されるべきと考えますが、いつ頃、どのような手法でお示しになるか、お考えを伺います。

 

◆総務部長

初めに、会計年度任用職員の公募の方針についてお答えいたします。今年度5年目を迎える会計年度任用職員については、月額報酬を受けるもので77名となっております。

次に、地域の実情の捉え及び公募方針の検討についてお答えいたします。国においては、会計年度任用職員の事務処理マニュアルの見直しを行い、再度任用についても、各地方公共団体において、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、適切に対応することと改めて通知があったところであります。本市においては、会計年度任用職員制度が令和2年度より始まり、公募によらない再度の任用は、4回を上限として規則で定めているところであり、今年度が節目の年でありますことから、地域の実情などを確認すべく、会計年度任用職員を任用している課に対しアンケート調査を実施したところであります。結果につきましては、現在、精査中でありますが、一部、専門性が高い職種や地域性において、公募しても応募がないなど、人手不足を懸念する声があり、再度任用の上限及び公募について見直しの必要性を感じているところであります。今後、職員組合との協議や他市の動向も見定めながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。

また、方針決定の時期ですが、雇用されている会計年度任用職員の不安感が長引くことのないよう9月を目途に決定してまいりたいと考えております。

 

◆神代知花子

それぞれお答えいただきました。まず、1点目のところですけれども、月額で77名ということは、日額と時間給の方もいらっしゃって、全体を含めれば何人が5年目を迎えるかということをつかんでいましたら教えていただければと思います。

今回、6月議会に向けて、5年公募を迎える自治体の議員で公募制の見直しを求めようという学習会を開催しました。先行して公募しないと公表している7つの自治体から聞き取り調査を行ったのですけれども、どこの自治体も共通してやはり有能で専門的な業務に従事する職員は簡単に雇止めすることはできないと、また、代わりになる人材も容易には任用することができないと、単純に人材不足なだけではなくて、その職にしっかりと長く勤めていらっしゃる方の「経験」が、自治体にとっては重要な宝だということの評価をして、雇止めをしないという決断をしています。

実際には、毎年度ごとに人事評価によって再度の任用の客観的能力実証が行われており、会計年度任用職員は、毎年度雇止めになる可能性があるのです。ですので、そこにさらに年限で区切った5年で一度雇止めをして、再度、公募にかける合理性がない上に、事務負担だけが大きいということは問題だと思っています。

公務に携わる全ての働き手がSDGsで掲げられた働きがいのある人間らしい仕事、つまりディーセントワークの実現というところを目指すために、5年公募廃止というのは大きな一歩ではないかと考えています。石狩市は雇止めの検討について、今も採用が困難な職に限定するようなお考えの言及をされていますけれども、職種に限定せず、全体として5年で区切った公募の見直しについて行う考えはないか、再度伺いたいと思います。

 

◆総務部長

1点目の今年度5年目を迎える会計年度任用職員の全体数ですが、92名となっております。

続いて、公募の見直しについてですが、御質問にありました職種の限定をせず、全体として5年で区切った公募の見直し、これにつきましては、含めて制度の検討を行ってまいりたいと考えております。

 

◆神代知花子

全体も含めて検討していくというお答えでした。9月を目途にというところですけれども、私としては、9月の半期を迎えるあたりから、会計年度任用職員の方たちは、次年度の任用がもしも難しければ、新たな職を考えなければいけないということで動き始めると思います。1日でも早く市の方針をお伝えした上で、後期の人事評定と面談に挑んでいただけることを求めて、この質問を終わらせていただきます。

 

 

2024年第1回定例会(3月22日)/本会議/令和6年度予算反対討論

【コメント】

来年度5年目を迎えるが、この時点で何名の方が公募対象になるかもつかんでいない当局に対して、実態把握と公募廃止の方針を求める目的で予算反対理由に入れました。

 

◆神代知花子

議案第7号令和6年度石狩市一般会計予算について反対討論いたします。

〔略〕

また、会計年度任用職員制度開始5年目となる新年度は、職員全体298名、4割である会計年度任用職員にとって、初めて迎える節目となっています。これまで専門職職員の処遇が適正であるか、年限や採用方法を所管に任せず、職員課で管理すべきではないかと要望してきましたが、ようやく新年度に入り初めて状況調査をするとのことでした。公共サービスを最前線で支える会計年度任用職員に対しあまりに問題意識が低いと感じています。現に新年度からの専門職に応募がなく採用に至っていない職もあると聞きます。また、図書館業務に従事する司書26名のうち24人が5年目を迎えることを考えると、令和6年度に雇い止め・公募すべきかの方針はいち早い決定を市としてすべきであったのではと考えております。不安なまま新年度5年目を迎える全ての会計年度任用職員に一日でも早く方針が届けられるよう取組を強く求めます。

 

 

2024年第1回定例会(3月15日)/令和6年度予算委員会/図書館司書の働き方

【コメント】

図書館司書職は、国家資格でまた業務には相当の実務経験が必要であり、簡単に代わりがきく仕事ではない。それゆえ、年限で一斉雇止めなどは全くそぐわないという趣旨で質問しました。26名いる司書のうち、24名が来年度で5年目を迎える状況にあって、安定的なサービス提供を継続するためには、公募は行わないという決断を所管部署からも求めてほしいと考えます。

 

【提供資料】

図書館本館・分館・学校などの司書の配置とそれぞれの勤務年数(令和5年4月1日現在)

 

◆神代知花子

図書館運営費で質問させていただきます。図書館の運営にとって、会計年度任用職員の働き方は大変重要な影響を及ぼしますが、令和6年度の採用のお考えについて伺います。

一つ目、現在、図書館の本館、分館または学校図書館を含めてですけれども、司書の配置状況と令和6年度に会計年度任用職員制度が5年目を迎えますので、その5年目以上となる職員は何名いらっしゃるでしょうか。令和6年度石狩市の方針では、基本的には一度雇い止めにし、一律公募にするという考えがあるのですが、職員からはどのような声が聞かれているでしょうか。

二つ目、会計年度任用職員の司書職とはどのような仕事に従事しているのでしょうか。司書が一人前となってレファレンスや企画展などを実施できるまでには、どのぐらいの経験が必要となるでしょうか。また、一人職場となる学校図書館司書は何年目ぐらいの職員が配置されることが多いか伺います。

 

◆市民図書館副館長

まず、図書館司書の配置状況についてですが、司書は本館に10名、3分館に2名ずつ、学校図書館に10名、合わせて26名を配置しております。また、令和6年度に5年目以上となる職員は、本館に9名、分館5名、学校司書に10名、合わせて24名となっております。公募に関する声ということですが、雇い止めという認識は持っていないようでありますが、どのような手続が必要なのかという質問につきましては、面談時などを通しまして、数人から受けております。

次に、司書が一人前となってレファレンスや企画展などを実施できるまでに至る実績についてでありますが、特集展示などの企画展を行う場合、まずは経験年数の豊富な司書と一緒に計画を立案し、展示に必要な資料の選択ですとか、展示のための準備、市民の方々に手にとっていただきやすいように、具体的に展示をするという工程が必要になります。

このように実体験をする中で、時事や市民ニーズなど目的や方法などを学び、司書として半年以上経験を積んだ上で、自分なりに考えた企画を実施できるような流れとなるように工夫をしております。また、レファレンスについてですけれども、レファレンスは、まさに調べものを通して人と本を結びつける重要な業務になります。図書館内にどんな資料があるのか、図書館内に資料がない場合はどうするのか、司書としての仕事のノウハウを理解した上で、業務に当たる必要があります。このため1年以上の経験を積んだ上で調べものカウンターに配属することになります。

いずれにしましても、どの業務においても必ず経験を積んだ司書がサポート体制を取っておりまして、半年や1年以上といった実績や期間につきましては一つの目安であって、個別の状況を鑑みながら、安心して市民サービスにあたることができるような体制を取っております。また、学校司書の配置につきまして、あくまでもこちらも目安ではあるのですけれども、市民図書館本館で2年以上勤務し、司書としての業務を一定程度学んだ人材を配置するようにしております。

 

◆神代知花子

図書館司書の仕事というのは、性急にできるものではなく、経験を積んでいくことでいろいろと業務が広がっていく、例えば、選書、発注、除却とかに関しては、やはりたくさんの本の知識や情報を持っていないとそういうことができないと、つまり正規職員だけでは対応できない分野なのだと思います。学校図書館というのもやはり子どもと本の出会いにとって重要な業務を担っていると理解しています。

しかしながら、図書館司書は全国的に会計年度任用職員であり、今、全国的に司書の雇い止めで当事者が訴訟を起こすなど、労働運動が起きています。また、日本図書館協会も司書の働き方と処遇改善を求めた要望書を全国の首長に提出しています。全国で年限で一区切りをつけた司書の働き方について、この問題に直面しているわけです。

今回の予算委員会で、職員課に確認したところ、次年度早々には、会計年度任用職員の勤務年数と配置状況を確認し、各所管からの聞き取りを行った上で、会計年度任用職員は一律に5年雇止めを行わず、地域性や専門性を鑑みて公募を行わない手法も検討するとしています。ですので、今後図書館としても、市から意見を聞かれるという立場にあるのですけれども、今後の採用に関してどのように希望されるのでしょうか。現状として再度の任用、継続していただいている方がとても多い。どなたも辞められないということの背景は、やはり正職員である副館長が司書資格をお持ちになっていて、司書の働きやすい環境になっているということがこの勤務年数になっていると思うのです。それを今回の5年という区切りで、この人材を手放すわけにはいかないだろうと私は思っていますので、そのあたりどのように希望されるでしょうか。

また、図書館司書は、一級の行政職の給与表に従っていますので、月額報酬というのは、スタートは12万円台で、9年連続勤めれば15万円台で頭打ちになってしまうのです。報酬の在り方を考えたときに、やはりこの低処遇では、いずれ司書の確保も困難になってくるのではと考えますが、給与の在り方も見直す時期には来ているのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

◆市民図書館副館長

図書館が専門的な市民サービスを提供できるよう司書の資質向上のため、研修の実施や働きやすい環境づくりに努めてまいりたいと存じております。また、任用につきましては、関係規則に基づきまして適切に対応してまいりたいと存じます。給与の在り方につきましては、このたび、人事院勧告に従い給与の改定があり、これまでも国の動向や社会情勢を鑑み、必要な見直しを行ってきたものと認識しております。職員の任用、給与につきましては、市全体として制度設計が行われることから、今後も国の動向や社会情勢を注視しながら、関係部局と情報を共有し、適切に取り進めてまいりたいと存じます。

 

◆神代知花子

図書館の運営に関する考え方というのは、一定程度、独自にどのような図書館をつくりたいか、そしてそれを維持するためにどのような職員体制が必要かということ、会計年度任用職員を全員すぐ正職員にするのは難しいというのは分かっているのですけれども、今の処遇で本当に果たしていいのか、またはフルタイムにすることがいいのかも含めて、どのような働き方がその一人一人の幸せな働き方につながるのかということを、今後も検討していただきたいと思っています。答弁では、当事者である会計年度任用職員の司書から今年度はどのような手続きをとるかなど尋ねられているとのことでしたが、個別でお話を聞く中で、やはり次年度以降の継続任用に不安を抱えている方が多いという印象があります。ですので、よりいち早く、今勤めている方たちに今後の方針を伝えていけるように、私は職員課にも働きかけたいと思いますし、図書館としてもしっかりとした継続任用に努力していただきたいということを要望して、質問を終えます。

 

 

2024年第1回定例会(3月11日)/令和6年度予算委員会/会計年度任用職員の雇止めの方針について

【コメント】

5年雇い止めについて、早急な方針の見直しと周知を求めました。

 

 

【提供資料】

会計年度任用職員制度導入前後の職員退職人数

注:6か月以上雇用のある人で年度末退職人数。

 

◆神代知花子

来年、会計年度任用制度が始まって5年目となる節目を迎えます。全ての該当者を1度雇い止めにして一律公募をかけるとなれば、たくさんの離職者が出るかもしれません。所管課長も当事者である会計年度任用職員も、5年目を迎えるに当たって、大きな不安を抱えている状況にあります。

質問の一つ目、制度開始の前後でどのような離職状況であったか、資料請求しています。その動向についてどう捉えているかお聞きします。また、5年目の雇い止めで大量解雇を生んだ場合、安定した公共サービスの提供ができない、または地域内にたくさんの失業者が生じさせることとならないか、総務省は大量離職者に対し自治体が再就職の相談に乗るようと通知を出していますが、市として5年の雇い止め公募についてどのように考えているか、改めて伺います。

二つ目、3年雇い止め公募制を行っているのが札幌市、旭川市など大きな自治体です。石狩市と同じく5年公募制を取る自治体はほかにもたくさんありますけれども、うちの自治体は公募はしないと、または公募をしない職を設定しているなどの取り組みをしている自治体があれば教えてください。

 

◆総務部職員課課長

本市において過去の職員の退職者数についてですが、資料を提出している部分になりますが、会計年度任用職員の令和2年度を境にして、それぞれ令和3年度分の年度退職者数ですが、制度開始前である平成25年度については8名、平成30年度は7名、令和元年度11名となっております。制度開始後では、令和2年度6名、令和3年度13名、令和4年度8名となっています。いずれにしても、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づく、大量離職通知書の提出に該当しない状況であります。また、本市において、これまでそのような大量の雇い止めとなるケースについてですが発生しておりませんが、対応とならなくても、他の職種への応募を促したり、他機関などの求人情報などを紹介するなど、できる限り引き続き雇用となるように働きかけを行っております。

また、市では再度任用を4回までと定めておりますが、令和2年度にこの制度が始まり、令和7年度に向けた雇用が公募になる節目と理解しております。この節目に向けては、令和6年度中に、まずは再度の任用の何回目に当たるかを雇用している所管部局と確認し、公募する場合にあっては、適切に対応するよう指導してまいりたいと思います。

また、このような雇い止めを実施しないといった自治体があるかないかといった御質問についてですが、令和5年度の国の調査では、いずれかの部門職種において、公募の実施に基準がある団体が、全体で2,907団体を調査した中で、公募の実施に基準があると、石狩で言えば4回目の再度任用という形の基準があるといった場合の団体については、約81.4%の2,366団体が基準を設けています。公募の実施に基準がない団体については、18.6%という形で541団体であります。そのような部分で、まだ公募の基準を設けずということで実施しているのが数少ない中でも、先ほど答弁させていただきましたが、地域性だとか、職種によって、特に、いわゆる専門性のある分野については、優秀な人材の確保も当然必要となると言えますし、だからこそ広く公募するのか、また、一方で、専門性や地域性によっては、公募しても応募がないなど人手不足の懸念もあろうかと思いますので、公募を必要としない職種の選定や、あるいは地域を特定して定めていくべきか、他市の状況を見ながら、今後検討してまいりたいと存じます。

 

◆神代知花子

今、正規職員474人、再任用職員が26人、会計年度任用職員は298人いるということで、この298人のうち何人が5年目を迎えるのかということです。例えば、図書館で考えたとき、今26人司書がいますけれども、その中の24人が公募対象になる。もし、公募かけたときに、一度雇い止めになって、公募して面接からスタート。そうなったときに本当にこれまで同様のサービスレベルを維持できるでしょうか。図書館だけで考えても24人いるわけです。公募方針について早急に事前に検討しなければ、そのような事態が生まれることも避けられないと思いますが、どのようにお考えか、もう一度、お伺いしたいと思います。

次に、市長部局と教育部局で対象となる方が何人いるかこれから把握しますとおっしゃっていたのですけれど、今の時点で把握していないのだということが私にとってはちょっとがっかりというか、びっくりです。すぐに4月、再度の任用になった方の数を把握していただきたいと思うのですが、その方たちは5年目であったとしても、例えば、同じ場所で10年勤めている方もいるわけです。なので、5年を超えていても、非常勤制度の時代から合わせて10年以上働いている方が図書館にはとても多いのです。そのように、5年以上のベテランが多い仕事を把握していただきたいと思うのですがいかがでしょうか。

また、お言葉の中に専門性、地域性がある職に関しては、公募をかけないという可能性もあるとありましたが、今回、総務省の調査を共有させていただきましたけれども、職を限定せず全ての職で公募していない北海道の自治体、小樽市、赤平市、名寄市、根室市、滝川市、伊達市、これだけあるのです。それ以外にも、職を部門ごとに限定しているのですけれども、例えば、江別市図書館職員を毎回の公募を行わず、再度任用するとしています。その理由は、職務に特殊性があるからという理由なのです。だからそのような職につく人材を先んじて守る、5年を待たずして公募しない方針が出ているとなると当事者としては、自分の働き次第で継続することができるという希望が持てるわけです。ですので、いち早く職ごとに方針を決めて、当事者の方に伝えていただけるような取組をしていただけないでしょうか。

 

◆職員課課長

大量離職が生じた場合には、当然ながら市政運営に支障を来すものと判断されると存じますことから、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえて、地域の実情に応じつつ、適切に対応してまいりたいと考えています。繰り返しになりますが、公募を必要としない職種の選定や、あるいは地域を特定して定めていくべきか、先ほどの例もありましたが、他市の状況を見ながら、早めに検討してまいりたいと存じます。また、再度任用の件数の把握についてでありますが、令和6年度の募集について、今正式に決定という流れの中であります。ついては年明けまして新年度早々に把握に努めて確定した部分で進めていきたいと考えております。

 

◆神代知花子

状況把握と方針検討について早急に取り組んでいただけるということで、よかったと思っています。ただ、1点だけ言わせていただきますと、「専門性が必要となる職は採用が難しいから、公募にかけるべきではない」という考え方は違うのだと思っています。例えば、それが専門職であれ、事務職員であれ、結局それは恒常的に存在する職に対して、有期雇用の乱用ということが繰り返えされている。会計年度任用職員だけが、雇止めがあるのです。専門的な職に対し賃金や格付などで差が生じるのは正当であると思うのですけれども、雇止めのあるなしで差をつけるというのは違うと思っています。ですので、全ての職種で公募制をなくすべきだという考えをお伝えして、このたびの質問は終えたいと思います。

 

 

2024年第1回定例会(3月5日)/総務常任委員会付託議案審議/勤勉手当の条例改正

【コメント】

部局からは「現状では、総務省は勤勉手当に人事評価に基づく勤勉手当の支給を求めているが、市ではまだ正職員も会計年度も反映していない。(道内ではまだ3割くらい)また総務省は自治体に提示している人事評価を5段階から6段階に変更した。そのことも含めて、今後正職員から制度変更していく考え。会計年度はそのあと。今回の条例改正と規則のまま、制度改正に対応できる」と事前説明があり。そのような事情と知っていたため、質問も要点確認に留まりました。

 

【関連資料】

○石狩市会計年度任用職員の給与等に関する条例

第15条の2 勤勉手当は、6月1日及び12月1日(以下この条においてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職する任期の定めが6か月以上の会計年度任用職員(規則で定める者を除く。)に対し、基準日以前6か月以内の期間における当該会計年度任用職員の勤務成績に応じてそれぞれ基準日の属する月において規則で定める日に支給する。

2 勤勉手当の額は、勤勉手当基礎額に規則に定める割合を乗じて得た額とする。この場合において、支給する勤勉手当の額の総額は、勤勉手当の支給を受ける当該会計年度任用職員の勤勉手当基礎額に100分の102.5を乗じて得た額の総額を超えてはならない。

3 前項の勤勉手当基礎額は、それぞれその基準日現在(退職し、又は死亡した職員にあっては、退職し、又は死亡した日現在)において会計年度任用職員が受けるべき給料の月額(第3条第2項第1号に該当するパートタイム会計年度任用職員にあっては基本報酬の月額、同項第2号及び第3号に該当するパートタイム会計年度任用職員にあっては規則で定める額)及びこれに対する地域手当(パートタイム会計年度任用職員にあっては、これに相当する報酬)の月額(第3条第2項第2号及び第3号に該当するパートタイム会計年度任用職員にあっては規則で定める額)の合計額とする。

4 前3項に規定するもののほか、会計年度任用職員の勤勉手当に関する事項は、給与条例の適用を受ける職員の例による。

石狩市会計年度任用職員の給与の決定及び支給等に関する規則

(期末手当基礎額)

第14条 パートタイム会計年度任用職員について、条例第15条第3項に規定する規則で定める額は、任命権者が定める方法により、基本報酬及び地域手当に相当する報酬の日額又は時間額を1か月当たりの額に換算したそれぞれの額とする。

 

◆総務部職員課長

私から議案第18号石狩市会計年度任用職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例案について補足説明申し上げます。本条例案は、地方自治法の改正に伴い、会計年度任用職員に対して勤勉手当を支給するため、所要の改正を行おうとするものであります。その主な内容としましては、勤勉手当の支給についての規定を新たに追加し、正職員と同様に、6月期及び12月期の年2回、会計年度任用職員の勤勉手当基礎額に規則で定める割合を乗じて得た額を支給するものであります。また、これに関する石狩市職員の育児休業等に関する条例を併せて改正するものであります。なお、本条例案の施行日は、令和6年4月1日としております。

 

◆神代知花子

今回、会計年度任用職員にも勤勉手当が広がるということで、早速の条例改正をありがとうございますという気持ちですけれども、そもそも勤勉手当というものは正職員が先に付いていましたけれども、どういった意味で付けられるものなのか、このたび、会計年度任用職員に広がりましたが、人事評価の結果などを受けて、この勤勉手当というのは出されると聞いていますけれども、石狩市ではどのような内容で執り行うことになるか伺います。

 

◆総務部職員課長

勤勉手当の性質についてかと思いますが、正職員については、能力評価・業績評価だとか、そういった部分について当たる手当という形になるかと思います。人事評価の扱いについてでありますが、現在、石狩市においては、地方公務員法の趣旨にのっとりまして、人事評価について取り組んでいるところです。正職員同様、単に人事処遇に反映する仕組みとしては行っていないものの会計年度任用職員については、面談を通してコミュニケーションを充実しより活気のある職場づくりを目指しているところであります。細かい部分については、今後、条例可決後、支給方法などの詳細につきましては、3月末までに正職員との権衡や他市の状況を見まして規則等で定める予定であります。

 

◆神代知花子

大まかな部分は分かりました。どのような人事評価と、あと成績までを給与に反映させるかということも、今後、議論されるところなのかと思いますので、どのような形で制度設計されるか確認して、その後の議論にまたつなげていきたいと思います。

 

 

2023年第4回定例会(11月30日)/初日先議議案説明、質疑/令和5年度人事院勧告

【コメント】

令和4年度の人事院勧告では、会計年度任用職員のみアップなく据え置かれたことで反対。今回は、会計年度任用職員も4月にさかのぼり給与を1.1%上げ、期末手当は100/5上げるということで賛成。4月に遡及しない自治体も多いと報道される中で、部局からは遡及のためのシステム変更や計算がとても大変だったと聞いており、そのあたりの事情と、改善の効果を額でしっかり聞きたかったのですが、質問がうまくまとまりませんでした

 

◆神代知花子

議案第8号について質問させていただきます。

令和5年度の人事院勧告は、初任給を含め若年層に重点をおいて俸給表を引上げ改定することで年間4.4月分を4.5月分にする、あと期末手当及び勤勉手当の支給月数を0.05月分引上げるということが決まり、過去5年間の平均と比べ約10倍の大幅なベースアップとなるとうかがっています。

石狩市において今回対象となる一般職員というのは、何人いらっしゃるのでしょうか。また、影響額、その改定が対象となるのはいつからか、また、改定対象の職員の人件費は総額としてどのくらいの金額となるのか。年収ベースで、それぞれどのぐらい上がるのか伺いたいと思います。

次に、令和4年度の人事院勧告でも質問させていただきましたが、その時点では3年ぶりのプラス改定であったにもかかわらず、会計年度任用職員は遡及されず令和4年度中は据え置かれました。なぜ正職員と同様に遡って給与改定できなかったのか、その時、お答えいただきましたが、いまだにちょっと理解が難しいところだったのですけれども、しかし、令和5年度は、会計年度任用職員も4月に遡及されて、改定が可能になったとうかがっています。その国の考え方と合わせて、自治体が判断決定に至った理由について伺います。

最後、総務省は、自治体運営には欠かせない存在であるとして、非正規の地方公務員である会計年度任用職員の処遇を改善するために、今まで支給されていた期末手当のほかに、正規職員と同様に勤勉手当も支給するということを地方自治法の改正案に盛り込んで、早ければ2024年度から施行を目指すことになりました。今回、勤勉手当の改定も人事院勧告に含まれていますけれども、会計年度任用職員の改定については、来年度夏の手当の分から該当になるという考えでよいか伺います。

 

◆総務部長

令和5年度の人事院の給与の勧告につきましては、民間給与との格差を埋めるため、一般職の職員について月例給、ボーナスともに引き上げるものになっております。

人事院勧告に伴う全体の影響額としましては、正職員455人、会計年度任用職員227人分、影響額としましては、総額で約8,400万円となります。内容といたしましては、本年4月1日に遡りまして給料表を改定し、月例給につきましては、初任給をはじめ若年層に重点を置いて月額を引き上げるものでありまして、平均改定率としましては、プラスの1.1%となります。本市の新卒者を例にしますと、給料月額・ボーナスの年収ベースで、20万円程度の増額となります。

次に、会計年度任用職員についてですが、国において、令和5年度より非常勤職員の給与改定については、常勤職員の給与改定に係る取扱いに準じて改定するよう努めることとされたことを受けまして、本市においても、遡及適用をするものであります。

最後に、会計年度任用職員の勤勉手当につきましては、地方自治法の一部改正によりまして、令和6年度から支給できることとされたことから、検討を進めてまいりたいと考えております。

 

◆神代知花子

もう少し詳細に数字を教えていただければと思うのですけれど、全体として、今回、8,400万円というところだと思うのですが、遡及分というのは4月から12月分までの給料のベースアップ分だと思うのですけれども、その内訳を教えていただいてもよろしいでしょうか。

さらに、今回、会計年度任用職員が遡及になったというところで、本当に画期的だと思っているのですけれども、自治労連の調査では、調査に返答した団体の3割しか、そのようなことができていないということの調査があるとうかがっています。

ただ石狩は、昨年度はできなかったけれども、今年度、そのようなことができるようになったというところは、やはりその給与のシステムの改修や何か事務的なこともすごく増えたり、整えたりする必要があったのではないのかと推測するのですけれども、総務省通知が4月1日に届いていますけれども、この間、どのようなことをして、今回、会計年度任用職員も含めて遡及できるような形にしたのかということをもう少し具体的に伺いたいと思います。本当によかったと思っているという意味で。

また、来年度の勤勉手当から該当になるというお答えいただきました。ということは、勤勉手当もしっかりと来年度から整えていただけるということだと思うのですけれども、そのあたりは了解いたしました。

 

◆総務部長

先ほど影響額としまして、総額で8,400万円と御対応させていただきましたが、内訳として、給与改定分で約5,900万円、それから期末勤勉手当分として約2,500万円の合計8,400万円となっております。それから今年から遡及をすることになった部分の考え方についてでありますが、そもそも基本的な市のスタンスとしては、人事院勧告に準ずると、国公準拠というものを意識して、これまでも上げるときは上げ、下げるときは下げる、そのような対応をしております。

会計年度任用職員の遡及については、例年10月頃に総務省の総務副大臣から通知が来まして、給与の取扱いについて書かれております。その中で、今年度、新たに会計年度任用職員の部分について、明確化されたというのが非常に大きな問題でありまして、システムがどうのこうのという問題ではありません。あくまでも国公準拠というのを基本にして、国が、今回、改定の実施時期を含め常勤職員の給与改定の取扱いに準じる、これを基本とするということが明文化されたと。これを受けまして、市としても対応すべきと考えて実施をしようとするものであります。

なお、先ほど3割報道の話もありましたが、我々も道内の市をいろいろ確認しておりましたが、かなり多くの団体が、今回は遡及すると聞いておりますので、報道にあった3割という部分は、ちょっと道内にはなじまないのかと思っております。

 

◆神代知花子

5,900万円というところが遡及分だとうかがいましたが、それの正職員と会計年度任用職員の内訳はありますでしょうか。年収ベースでアップした平均というところは、会計年度任用職員も含めた平均だと思うのですけれども、会計年度任用職員だけで、今回、遡及していただいたことも含めて、来年度から年収ベースがどのぐらい上がるのかということをはっきりと伺って、この質問を終えたいと思いますので、お願いします。

 

◆総務部長

先ほど給与改定分として5,900万円というお答えをさせていただきました。その数字は御質問にありましたように、正職員と会計年度任用職員が入っております。まず、正職員分として約4,300万円、会計年度任用職員分として約1,600万円であります。また、年収ベースについてどのぐらい上がるのかと、これは職種によって多少違いがあるのですけれども、事務補助の最高号俸到達者で試算したモデルケースが手元にあるものですから、それについてお答えします。年額にしまして約13万5,000円程度の増額が見込まれております。

 

 

2022年第4回定例会(12月9日)/総務常任委員会/所管事務調査「不要な雇止め」

【コメント】

毎年、12月の広報に来年度からの会計年度任用職員の募集が掲載されます。そのたびに、この公募はなぜ行われるのか?と該当部局に問い合わせ、「4回まで5年間は、公募によらない再度の任用ができる」ということをお伝えしてきていました。本来であれば周知徹底されていればすることのない「不要な雇止め」であるので、改めて職員課に対し、各部署に制度周知を求めたものです。

 

◆神代知花子

会計年度任用職員の公募の時期が来ております。毎年、1月から3月の間に、新たな職員の募集が多くされると思うのですけれども、2022年度問題ということで大きく新聞にも取上げられていて、石狩の場合は4回まで5年ということで会計年度任用職員は運用が令和2年度から始まっていますので、まだあと2年間、公募にかけられないまま勤められると思うのですが、札幌に関しては3年ということで、今年度末、雇い止めになって新たに公募にかけられるということで、今働いている方はすごく戦々恐々としています。

東京のほう女性の会計年度の団体が雇い止めで公募ということで3年ごとに労働市場にかけられ、担保される公共サービスはどうなのかということがすごく問題化しています。石狩でも、今年度、また採用の募集が広報いしかり、職業安定所などにもかかると思うのですが、その中で、やはり不要な公募というのを今回もされることがないかということを確認したいと思います。昨年度の確認では、3部署で同じ方たちが雇われているにもかかわらず、なぜか公募されていたことがあると思いますので、その辺りがきちんと行き渡っているかということも含めて確認いたします。

 

◆総務部職員課長

会計年度任用職員の任用に当たっては、平等取扱いの原則や成績主義の観点から、できる限り広く公募することが望ましいと国のマニュアルにおいても示されているところです。石狩市の会計年度任用職員の任用等に関する規則においても、本則は公募により任用することとし、ただし書において、公募によらず再度任用する場合、面接、従前の勤務成績の実績に基づいて適切に能力実証を行うなど一定の要件を満たすことを求めております。

職員課においては、毎年、この内容を含めた翌年度の会計年度任用職員の任用に当たっての注意事項を周知しております。さらに、今年度改定した会計年度任用職員事務の手引きにもその旨の記載を追加して周知しております。会計年度任用職員については、各部局が業務の状況に応じて従事させる業務、資格などの特殊性、任用者の数を検討するとともに毎年の見直しを経た上で募集し任用するなどしております。

今年度においても、各部署において公募について判断した上で対応しているところです。

 

◆神代知花子

特に、昨年度まで公募にかけられていた専任手話通訳士ですが、手話条例推進審議会でも、専任手話通訳士の働き方とか長く活躍していただきたいという思いはそこでも議論されていて、「毎年度公募をかけられる心理的抑圧は必要ない」という意見は今回も出されていました。長年活躍されている方が、毎年度公募されるというストレスというのは、やはり想像していただいて、所管の課長がそれをする必要がないと分かっていればしなかったということがあったと思いますので、その情報がしっかりと行き渡るように努力していただくことをお願いしたいと思います。

 

 

2022年第4回定例会(11月30日)/本会議初日議案説明、質疑/令和4年度人事院勧告について

【コメント】

振り返ってみてこの質疑の部局答弁「これまでも単年度以内の任期となっていることから遡及しての適用をせず、人事院勧告の翌年度からの適用としてきたところ」という理由で、会計年度だけ遡及適応してこなかったという言い訳は、令和5年度遡及適応であっさりと覆りました。自治体が自らの頭で考え判断するというのは相当難しい状況になっていると感じます。また、この質疑で当局の「恥」の感覚に訴えるのは、全く効果がなかったように思います。

 

◆神代知花子

補正予算第6号について2点伺います。

〔略〕

次に、職員費について伺います。

令和4年度の人事院勧告は3年ぶりのプラス改定です。月例給で0.3%、ボーナスで0.1カ月分、勤勉手当の支給月数の引上げとなります。人事院による給与勧告は、労働基本権が制約される公務員にとっては、その代償措置として、社会情勢に適応しているかを判断する重要な指標だということは理解しています。その中で3点伺います。

令和4年度人事院勧告はどのような目的を持ってなされたものでしょうか。勧告に従って、一般職員の給料と手当は、いつから、どのように改定になるでしょうか。また、今回の補正金額の内訳とそれぞれの詳細を伺います。また、プラス改定の影響というのは、平均年収としてどのぐらいの額上がるかを伺います。

二つ目です。次に、会計年度任用職員についてです。

会計年度任用職員は、2年連続、期末手当のマイナス改定と、一般職のように勤勉手当がないため、令和4年度は据置きとなります。また、格差が広がったわけです。期末手当しかない以上、期末手当で独自に正職員との均衡を図る検討をなぜしなかったのでしょうか。

また、正職員の給与表がプラス改定されることによって、正職員は令和4年4月まで遡ってプラス分を12月の給与に増額するという形で補正予算が組まれています。正職員と同じ給与表を使う会計年度任用職員は、なぜ遡って増額されないのでしょうか。その適用月が、来年度の4月となるのは人事院勧告に従ったものですか。即適応とする判断がなぜ石狩市でとれないのか。また、会計年度任用職員の平均月収は、来年の4月からどのぐらい上がるのかということを伺います。

三つ目です。会計年度任用職員は、この御時世にマイナス改定の据置きのままです。人事院勧告で指定されていない、今回、一般職だけですけれど、特別職、そして、議員までプラス改定にする理由というのは何でしょうか。市長ほか特別職と議員というのは、0.05月分なのです、一般職の半分ですけれども。市長と議員でいうと年収としてはどれぐらい上がるのでしょうか。資料の給与費明細書の中には補正前と補正後の増減がありませんが、この数字が変動していない理由を教えてください。

あと、特別職は、そもそもこの人事院勧告に必ずしも従う必要がありません。全国市議会議長会が行っている調査からもそれは明らかです。期末手当の支給割合は人事院勧告の4.4カ月に全ての自治体が準拠しているわけではありません。他市では特別職の報酬等審議会でどうするかということが検討されて諮問されていますけれども、なぜ石狩は審議されないのでしょうか。その点を伺いたいと思います。

 

◆総務部長

私から給与改定に関わる部分についてお答え申し上げます。

令和4年度の人事院の給与の勧告につきましては、民間給与との格差を埋めるため、一般職の職員については3年ぶりに月例給、ボーナスとも引き上げるものになっております。

内容としましては、月例給につきまして、初任給及び若年層の月額を引上げ、また、プラス改定の影響は、30代半ばまでの職員に対して、平均改定率として0.3%になります。本市の新卒者を例にいたしますと、給料月額・ボーナスの年収ベースで、高卒・短大卒で8万円程度、大卒で6万5,000円程度の増額となります。具体的手続としましては、給与につきましては、給与条例の改正によるところになりますが、本年4月1日に遡って給料表を改定するとともに、ボーナスにつきましては、一般職の勤勉手当について、本年12月期の支給割合を100分の10月引上げ、来年度以降については支給割合を6月期と12月期で平準化をするものです。

次に、会計年度任用職員についてですが、過去2年の人事院勧告等に基づく給与改定では、一般職の期末手当については当該年の減額、または前年度相当分の減額をしましたが、会計年度任用職員は、これまでも単年度以内の任期となっていることから遡及しての適用をせず、人事院勧告の翌年度からの適用としてきたところです。給料表につきましては、年度当初の給料表をその年度に適用としておりますことから、今回の一般職の給料表の引上げの影響につきましては、該当する号俸の会計年度任用職員の職については、来年度から反映されることになります。なお、増額幅につきましては、給料表1級・2級の平均改定率については、それぞれ1.7%、1.1%となっているところです。具体的な例としまして、事務補助の最高号俸到達者につきましては、2.4%、年額にして4万円程度の増額が見込まれます。

また、会計年度任用職員の勤勉手当につきましては、制度開始当初から支給対象となっていないことから、支給とならないものです。

次に、特別職についてでありますが、給与費明細書に増減がないことにつきましては、本年5月の臨時会において条例を改正し、6月の期末手当支給時に昨年度の調整額を減額したことから、今回の引上げによる補正が必要とならないものであります。また、市長等の特別職及び議会議員の給与改定にあっては、国における内閣総理大臣等に係る特別職の職員の給与に関する法律の改正に鑑み、期末手当の支給月数を年間3.25月から3.3月に改正するものであります。額につきましては、年額で、市長では6万6,700円、議員にあっては、2万6,825円の増額となります。

最後に、石狩市特別職報酬等審議会につきましては、議員報酬の額や市長及び副市長の給料の額に関することなどが所掌事項となっており、期末手当については審議の対象とならないことから開催をしないところであります。

 

◆神代知花子

再質問します。

〔略〕

次に、職員費のところですけれど、まず、そもそも民間との格差を埋めるために、一般職の給与は0.3%引上げて、手当では0.1カ月分を増やしましょうとなります。私はそこは賛成です。一般職の方たちは、そのようなことで変動することに関しては、賛成します。ただ、一般職と会計年度任用職員の格差を埋めるための人事院勧告ではないのに、なぜ、会計年度任用職員は、同時に引下げたり、今回は、勤勉手当がないから上がらないということになりますけれど、そういうところだけ連動させなければいけないのでしょうか。

一般職員と会計年度任用職員の格差を埋めるのであれば、同額引き上げるべきなので、引上げで勤勉手当がないからできないではなくて、期末手当で0.1月分つければいい話です。そういうことが会計年度任用職員ではしてもらえないのに、なぜ、特例で特別職だけは0.05月分でもいいから期末手当につけようということができるのですか。これはダブルスタンダードの最たるものです。

なので、ルールをしっかりと整備しなければいけない、基準をぶれさせてはいけないという考え方は分かりますけれど、結果的に、勤勉手当がないということで一般職は、1年間通して4.4カ月ボーナスが出ますけれど、実際には、今、会計年度任用職員は2.1カ月です。2.1カ月というのは、1カ月の支給が15万円だったら、今年の冬に入るのが15万円ということです。その中で、同じ基準で引上げたり引下げたりすることの合理性というのはどこにあるのでしょうか。独自でできる部分です、人事院勧告というのは一般職ですから。そうであれば、それは今回はしないとか、ここは上げるというところはやはり引上げられるのだったら上げようとかというところの裁量、範疇は、実際にあるのではないでしょうか。ですから、ルールを変えていただけないかということを聞きたいと思います。人事院勧告には一般職だけ従う。そして、会計年度任用職員は、勤勉手当が創設されれば、それこそ同じ条件になりますから、引上げたり引き下げるということが、横並びで考えることができるかもしれない。それがないうちは、人事院勧告に従う必要というのはどこにありますか。

それと、特別職の改定は、審議会の中でしてください。なぜ、審議会で特別職の改定をかけるかと言ったら、いろいろなほかの自治体の首長の考え方、これだけ皆さんが生活が苦しいと言って大変だと言っている中で、自分たちのボーナスだけ上げるとか下げるとかということを、自分たちで決められるというのは変です。私は今回これがつくという部分は感情的になって、嫌だと思っているわけではなくて、実際に必要な人にされていないのに、なぜ特別職だけそのようにできたのかというところが腑に落ちないからです。だから、そこのルールをしっかりしてくれれば、その中で、それこそ本当に議員とか議長とか、ほかの市と比べて低いのであれば、それこそしっかりと皆さんにどうですかということを提示しながら上げていけると思うのです。だから、このような人事院勧告に従って便乗するようなやり方で上げることには反対です、いかがですか。

 

◆総務部長

会計年度任用職員の関係につきましては、私から再度の御質問にお答えします。令和2年度から導入されました会計年度任用職員の制度については、国の事務処理マニュアルというものがありまして、それに伴い、これまで、また、いろいろな通知を参考にしながら取り進めております。

会計年度任用職員の場合、これまで昨年などもそうなのですが、減額の場合においても、単年度以内の任期となっていることもあり、遡及適用をせず、翌年度からの適用としてきたところであります。したがいまして、今回のケースは増額になりますが、同様の考えをもとにしますと、翌年度から反映することが適当と考えておりまして、道内多くの自治体が同様の取扱いとなっております。

それから、特別職・議会議員の期末手当の関係でありますけれども、今回の市長等の特別職及び議会議員にありましては、国の内閣総理大臣等の特別給の改正に鑑み、期末手当の支給月数を4.4カ月でなくて、年間3.25カ月から3.3カ月に改正するものであります。

今回、国は特別給の改定ということで国の一般職の指定職職員に準じて改定しておりまして、石狩市もこれまでずっとここを基準に、準拠してきたという経緯があります。そのような意味においても、特別職報酬審議会というのは必要がないかと思っています。

先ほどもお答えしたのですけれども、報酬審議会につきましては、条例で市長の諮問に応じまして、市長、副市長の給料、あるいは議員報酬、政務調査費などを審議するためのものでありまして、手当については、審議の対象となっておりません。

今、お話ししたように除外しているというのは、これまで国の特別職の改定に合わせて、市も準じてきた部分がありますので、この点、市が特別に国の方針と、また、違うことをやろうとするのであれば、そのような検討は必要かと思いますが、国に準じているため、審議会に諮問する考えについてはありません。

次に、会計年度任用職員の勤勉手当の関係であります。

今の制度で勤勉手当はないのですが、この会計年度任用職員制度ができた当初から各地方公共団体における期末手当の定着状況を踏まえた上で、検討課題とすべきものというような位置づけがされておりまして、実は国で、現在、地方分権改革有識者会議提案募集検討専門部会合同会議において検討されておりますことから、その動向を注視し、その方向性に対し、適切に対応したいと考えております。

 

◆神代知花子

〔略〕

職員費ですけれども、このことを問題だと思っていますか。そこを知りたいのです。

今回の、特別職に対しては、勤勉手当はないのに上乗せして、会計年度任用職員には、勤勉手当がないから上乗せしないというダブルスタンダード、これは問題だと思わないですか。これは理屈が通らないです。私は、会計年度任用職員をやっていたから、基本的にはボーナスの額が全然違うということにすら腑に落ちないところですけれど、それでも、なお、これが新聞報道されたときに、なぜそのようになるのかをどうやって説明するのですか。

これは恥ずかしいことですので、特別職は放棄するということをしなければいけなかったのではないですか。ほかの自治体を見ても、首長判断で、そういうことをやっています。裁量の中で。あくまでもこれまで準拠して従ってきたことを、この時代の今の時勢の中でそれをやると言うのは、ちょっと恥ずかしくないですか。

 

◆市長(加藤龍幸)

重ねての御質問にお答えします。

〔略〕

それから、給与改定の部分であります。恥ずかしくないのかということですが、大変申し訳ありません。私自身は別に恥ずかしいと思ってはおりません。例えば、昨年、一昨年も皆様方議員と特別職については確か減額ですけれども、減額がよくて増額が駄目なのかというのはよく分からないのです。何度も先ほどから担当部長が答弁していますけれども、石狩市特別職報酬等審議会というのは、給料の額です。手当の額について審議の対象としているところではありません。ここだけは御理解をいただきたいと思います。

それから、会計年度任用職員についても、単年度以内の任期となっているので遡及してはいないということ、ただし一方では、国では、会計年度任用職員におけるその給与等の扱いについて、今、御議論をしているということです。私どもは、基本的に人事院勧告とは何ぞやというのは、地方公務員法でいうところの均衡の原則というのがありますので、決してそこを逸脱するようなことはしておりません。ただ、そこが議員と私ども提案する側との理解をされないところなのだろうと思っております。

 

 

2022年令和3年度決算特別委員会(10月5日)/アウトソーシングの方向性と公務民間の処遇の問題

【コメント】

決算委員会でやるには、時間も不十分。公務民間と外部委託の問題は、不勉強極まりない。

 

【提供資料】

◆神代知花子

外部委託料の推移から考えるアウトソーシングの方向性と公務民間の処遇の問題について何点か伺いたいと思います。財政部から、この10年間、12節(委託料)の経年変化を資料提供してもらっています。そちらを見ると令和3年度・4年度というのは、委託料は大きく上がっています。これはコロナワクチン接種に関わる委託料の増加です。

お伺いしたいことの一つ目は、令和3年度の総事業費における外部委託費を市としてどのように評価しているか伺います。合わせて、この10年の経年変化というのをどう捉えているでしょうか。今後の人口減による税収減を見据えた上で、外部委託をさらに増やしていく考えはあるか伺います。

次に公務民間で働く労働者の数の把握、処遇の考え方については、委託元である各所管しか把握していない現状です。公務民間で働く労働者の状況について、市がしっかりと考え方を示し、状況を全体として把握すべきと考えますがいかがか伺います。次に、新型コロナで様々な休業保障などが実施されたところです。市内部の職員、正規職員も会計年度任用職員は、病気の療養で休業しなければいけないときに使える休暇などを有給の消化をせずに休むことが保障されていたと思うのですけれども、公務と民間のはざまである民間公務に従事する従事者というのはしっかりと休業保障の対象になっていたか伺います。

三つ目です。大きな考えの方向性として、今後、どんな市役所を目指していくのか 、行革の中にある市役所機能の在り方における外部委託の考え方について伺います。

 

◆総務部契約課長

私からただいまの神代委員の質問のうち、委託料の関係についてお答えいたします。

まず、委託料の推移につきまして、平成24年度から令和元年度までの8年間で23.8%増えております。令和2年度には、新型コロナウイルス感染対策で接種券の発行、接種会場の設営など様々な業務が発生したため、前年度に比べ34.3%と大幅に増え、令和3年度も9.2%の増となってございます。決算額に占めた割合も委託費の費用の割合が19.68%と平成24年度には11.93%だったものが約倍近くになっておりますが、令和2年度・令和3年度においては、新型コロナウイルスの感染防止対策という特別な理由があったため、このような結果になったと認識しております。

業務を外部に委託することについては、財政的な効果への期待もありますが、専門性や技術力が求められる業務の対応や、業務の効率化を図るなど、様々な理由があります。業務を外部に委託するに当たっては、それぞれの業務特性や採算性など、様々な面から可能性を検討し、職員が担うか、外部に委託するかを判断してまいります。

なお、業務を受託している民間企業においては、従業員を雇用する場合、関係法令を遵守し適切な雇用関係を構築しているものと考えております。業務委託については、それぞれの所管の業務を外部に委託しているため業務内容に精通している部署がそれぞれ管理監督するのが効率的であると考えております。次に、新型コロナウイルス感染防止対策での緊急事態宣言などに よる休業要請により事業収入が大幅に減少した施設につきましては、補填する形で委託料を増額しておりますので、市の指定管理施設では、従業員の収入は確保されていると伺っております。

 

◆総務部行政改革・DX推進課長

私から神代委員の御質問のうち、ただいま契約課長が答えた、それ以外の部分について私からお答えいたしたいと思います。労働人口減少社会において、市役所においても限られた職員数で、より効率的かつ効果的な業務を行う、そういう組織へ変容する必要があります。行政改革大綱2026においても、取組に当たっての共通の視点の一つとして、人的・財政的資源は有限で将来的に減少することを前提とした取組を考えるとお示ししております。効率的かつ効果的な業務を行うための取組として、具体的には、業務工程の見直し改善を行う、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を実施した上で、提携業務、大量処理業務など、改善を要する業務については、AI及びRPA(ロボットによる業務自動化のことです)といったデジタル技術を活用する。ほかには工程の集約化をする。そして、外部組織へ委託するといった手法からより効果的な手法の導入を検討することとなります。民間でできるものは民間でという考え方に加えて、今後はデジタルでできるものはデジタルでという考え方も加え、それらを両輪として、個々の事業につきましては、業務の特殊性、専門性、採算性等も考慮しながら、指定管理制度、業務委託、請負など、企業・団体へのアウトソーシング手法を検討されるべきと考えております。

 

◆神代知花子

それぞれお答えいただきましたが、現状では、正規職員以外の公務に関わる仕事を把握する総括部署がないということが、大きな問題だと考えています。行革としてアウトソーシングを考えていくのであれば、行政改革・DX推進課となりますし、職員の適正配置の観点であれば職員課で、契約関係であれば契約課と、バラバラになっています。また、市役所で働く非正規職員、そして公務民間の従事者の処遇の基準は、どちらか上げればどちらが下がるものではなく、正規職員の処遇が引っ張り上げていくものだと伺っています。今後の市役所の在り方の検討を進めるうえで、会計年度任用職員と公務民間の総括的な状況把握に取り組む考えを伺います。

 

◆総務部長

市では、これまでも、いわゆる小さな市役所を目指して、児童館、道の駅、ふれあいの杜子ども館の業務委託など指定管理者制度も含めまして、アウトソーシングを進めてきてございます。当然、この背景には、極めて厳しい長期にわたる財政難というものに対しまして、財政の構造改革という面に加えまして、先ほど担当課長から申し上げましたように、専門分野は専門家に、つまり民間でできるものは民間に任せたほうが、これは最終的に市民益につながるというような判断のもと、現在に至っていると思っております。御質問のございました職員の育成というのは、重要な視点でございますので、絶えず研修を行ってまいりますが、委託をすることのメリットとしまして、やはり専門的ノウハウを生かせるということがありますので、市の職員がその専門的スキルを上げることが難しい状態に仮になったとしても、その点は補えると考えております。

次に、受託者が適切な給料・報酬を支払っているかどうかにつきましては、これは、やはり受託者側に労働基準法、それから最低賃金法などの法令遵守の義務がございますので、その点は受託者側の判断を尊重すべきだと考えております。また、全体を統括すべきとの御質問でございますが、全ての委託業務を統括する部署はありませんが、指定管理者制度に限って言えば、その選定から評価・確認まで外部の有識者を交えた委員会をつくりまして、その中で御議論され、決定していくというようなプロセスを経ておりますので、指定管理者は200何十事業あると思います。こういったものについては一元化していると捉えても構わないかと思っております。

また、最後に、近隣自治体の例をお示しされていましたが、市といたしましては、基本的に先ほどの考えで取り進めてまいりたいと思いますが、なかなか相手方への関与というのは非常に難しいと思っています。ただ、その中でも市が出資している9月の議会に法人の報告をしているような四つの法人、こういったものについては予算の段階から市が関与するという部分につきましては、関わり合いを持てるのかと思っています。今後につきましても、様々な業務において専門性や特殊性が高まる中にありまして、コスト面のみに捉われず、やはり市民サービスの向上というものが図れるというのを大事な目標にして、その場合はDXの活用がいいのか、自前がいいのか、それとも通常委託か指定管理か、そういった個別の判断をさせていただきたいと思います。

 

◆神代知花子

基本的な考え方と方向性というかどこに課題を感じているかというのは分かりました。

ただ、今回、初めてこのような形で指定管理者制度も含まれた外部委託量という数字で出していただいて、今後市が外部発注をどうしていきたいかという考え方のベースは数字を根拠にしていってもらいたいと思いました。そうでなければ市民に根拠が説明できないですし、外部委託をどんどん進めることでコストカットという側面だけが進んでいるのではなく、サービス面でも充実しているか評価しなければなりません。また、公務民間の仕事は、働く方の生活を支えている側面もありますから、契約の段階でどういうふうな契約をしていくかというのは市の思いでもあると思うのです。重要な事業を今後も継続して請け負っていただきたいという事業者に対する思い、そういうものが契約内容に入ってくるのだと思います。先進で公契約条例などを結んでいる自治体がどのような設定をして、契約をしているかということを研究し、発注者と受注者、サービスを受ける市民がウィンウィンの制度をつくっていかなければならないと考えます。

 

 

2022年第1回定例会(2月24日)/一般質問/次世代の行政サービスに対する職員の採用と非正規職員の活かし方について

【コメント】

制度開始寸前の質問で、現時点で5年目を超える職員が55名いることを聞き出せているのに、公募や雇止めについて触れもせず、再質問で、職員課が各所管の職員情報を管理分析するようにと言ってしまっている。何も引き出せなかった失敗質問。

 

◆神代知花子

次世代の行政サービスに対する職員の採用と非正規職員の活かし方について伺います。

2000年代の地方財政の健全化で大幅に削減された地方公務員は、その業務を非正規化することで人件費を縮小しましたが、社会情勢は少子高齢化が進む一方で、行政課題は多様化し、依然として職員一人当たりの業務負担は増大しています。

自治体DX元年を掲げた2022年度は、行政改革大綱の改定年でもあり、大綱案では真に市民サービスの向上につながることを第一義とし、そのためには既存の仕組み・考え方をリデザインしていくことが必要としています。

しかし、業務のオンライン化は、職員が幸せに働くための一手段でしかありません。

既存の古いスキームから脱却し、若い職員の発想や、民間が持つ技能、知見を活かしながら、真に市民が求めるサービスを提供するための再構築を期待し、次世代の行政サービスに対応する行政職員の採用と、正規職員の活かし方について2つ伺います。

一つ目、現在、一般行政職のうち情報技術の資格職である正規職員は5名いるとうかがいました。それぞれの技能をこれまでどのような事業に発揮されているか伺います。

次に、次々と新しく出現するテーマ、例えば、脱炭素の取組、新型コロナウイルスの蔓延など、テーマ別で正規職員待遇と同じ任期付職員の採用を行う必要性についてどう考えているか伺います。また、経験を積んだ任期付職員が正規職員として貴重な人材となっていくことを希望しますが、そのような考えについて伺います。

二つ目、会計年度任用職員制度の移行に関しては、目的とされた処遇改善がしっかりとなされるよう、職員組合と協議しながら、条例策定、運用に御尽力いただいたこと、他市と比較しても、しっかりとした制度運営に非常に感謝しております。しかし残念ながら、移行後も正規職員との格差を絶対づける諸課題は依然として根深く残っています。

その一つが雇い止めです。全職員数の3分の1に及び、資格職採用など市民窓口や福祉、教育現場で活躍する会計年度任用職員について、同じ職に5年以上を超える任用されている職員は何名いると把握されているか伺います。

ほとんどが5年を超えても、勤めるための再応募をしないという現状なのであれば、それは貴重な人材をみすみす手放しているとも言えます。ある部署の会計年度職員は新年度も勤める希望を持っていても、職場もそのような期待を持っているけれども、毎年一律の公募にかけられるとうかがっています。4回までは内部の人事評価で再任用を行える中で、そのように毎年度一律公募採用など不必要なストレスにさらすことのないようにしてほしいと切に願うところですが、そのような取り計らいになっているか伺います。

最期に、再度の任用のための採用方法や、何年目の職員が任用されているか、雇い止めとなったかなどは、所管の裁量とされ、職員担当課として把握できていないことが非正規問題の課題と考えます。

会計年度任用職員の今後の処遇改善の課題を見いだすために、このような管理体制を変え状況把握すること、また、個別なアンケートなどを実施することを求めますが、いかがでしょうか。

 

◆総務部長

初めに、情報技術の資格職についてでございますが、本市では、市の業務への情報処理システムの導入により、情報処理に関する資格や民間での実務経験を持つ情報処理技術者を、随時採用し、基幹システムや事業系システムの運用やメンテナンスなどの業務に配置を行っているところでございます。

社会の様々な分野での変革が、急速に進んでいる現状においては、このような情報処理に関する業務に限らず、新たなテーマに即した業務が市役所に求められ、これらに対応する人的資源の確保も必要であると認識してございます。

このような新たな業務につきましては、正職員による対応を基本としてございますが、業務の緊急性や必要とされる期間、業務量、専門性などに応じて、これまでも外部委託、会計年度任用職員や任期付職員の採用などにより対応してきているところでございます。

次に、任期付職員から正職員になる場合についてでございますが、石狩市一般職の任期付職員の採用等に関する条例に基づく任期付職員につきましては、一定の期間内に終了することが見込まれる業務、または一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務について、公務の能率的運営を確保するために必要とされる場合において採用するものでございまして、正職員とは別の任用形態になりますことから、正職員としての採用試験を受けていただく必要があるものでございます。

また、これまでも試験区分ごとの年齢要件や試験方法などにつきましては、毎年度見直しを行っておりまして、特に社会人経験者の採用試験につきましては、面接や適性検査に重点を置くなど、採用機会の拡充に努めているところでございます。

次に、同じ職に5年を超えて任用されている会計年度任用職員についてでございますが、会計年度任用職員は、原則として、各部局の業務の状況に応じて従事させる業務や任用者数を検討し、募集、任用、勤怠管理等を行う必要があり、個々の会計年度任用職員の任用年数を総務部局において一元的には管理してございませんが、本年2月末時点では55人となっているところでございます。

また、公募によらない再任用の取扱いにつきましては、これまでも事務に関する手引きを毎年度見直しをし、周知しているほか、適宜注意喚起してございますが、市全体で統一的な取扱いができるよう、周知方法を工夫するなど、徹底を図ってまいります。

最後に、アンケートの実施についてでございますが、会計年度任用職員制度の創設前の非常勤職員の任用制度では、法的な位置づけが不明確なこともあり、地方自治体ごとに処遇に違いがございました。

しかしながら、現在は、会計年度任用職員として地方公務員法に明確に位置づけられ、本市としましても国のマニュアルにのっとり、これまでなかった期末手当の支給や新たな休暇の創設などを行ってきたところでございます。

また、昨年の人事院勧告において国の非常勤職員の育児休業の取得要件の緩和が勧告されたことを受け、本市といたしましては、本定例会に関係条例を提案させていただいてございます。今後も民間雇用情勢などを考慮した勧告が適宜示されるものと考えております。

このように、会計年度任用職員の処遇改善を判断する機会は広がってきており、現時点でアンケートを行うことは考えておらず、今後、必要に応じて検討してまいります。

以上であります。

 

◆神代知花子

ワンテーマ任期付職員というところが行革の資料の中にあったのですが、市としてどういう意図でそれを入れていったのでしょうか。

一昔前は考えられなかったように思うのですけれど、新たなテーマに挑む大きな計画策定に際して、市民参加手続とか成果物まで、全て外注するということが目につくのです。自治体の独自性とかメッセージ性がかなり薄れていくことが心配されています。ですから、外部委託などの専門性に頼るのではなくて、時代の変化に応じて求められる専門性にどのように応えるのかというところを改めて伺っておきたいと思います。

次に、会計年度任用職員の問題です。

これまで国が求める適正な定員というのを正規職員で人数を減らしてきましたが、それを果たすために増員してきたのが非正規職員ではないですか。ですから、非常勤職員というものも、今回、地方公務員法の関係で正規職員と同じ身分になりました。この同じ身分に移行した会計年度任用職員に対して、どういった処遇改善が行われていくかということをしっかりと目標を持つべきだと考えています。

制度移行後、先ほどお話ありましたが、国と同等の処遇とするための条例改正などが行われていることは分かっています。石狩市としても、処遇改善の歩みを止めるつもりはないことも分かっています。

しかし、その前提となることが、まず一つ大きくどの職に対し、どのような採用と任用がなされているかという把握をするのは、所管から毎年度末報告してもらう事項に追加すればいいだけで、比較的安易にできることと考えます。

あとはなぜできないかと言いますと、やはりその処遇改善に取り組んでいくという総務部としての覚悟の問題なのかと考えていますが、その把握、所管の裁量で決められていることを職員課として把握していくこと、そのことについてどのように取り組んでいくか、そこの部分だけでいいです。

その取組を今回していくということがはっきりすれば、今回の質問は意味がありますので、そのことについて前向きな答弁を要望いたします。

以上です。

 

◆総務部長

まず、初めに、ワンテーマ任期付職員ということでございますが、本市の次期行政改革大綱を検討する際に、高度化・複雑化してきている多様な行政課題に対応する手法の一例として、審議会資料の中で取上げているものでございます。

市としましては、先ほども申し上げましたとおり、新たな行政需要に的確に対応するためには、必要な知識を持った外部人材を活用することも必要と考えてございます。

今後も業務の内容に応じて、最善の手法を選択してまいります。

外部委託につきましては、単純的なもの、定型的なもの、そういったものについては、やはり外部委託ということもあり得るのではないかと考えているところでございます。

次に、個別の会計年度任用職員の詳細情報を総務部局で把握すべきという件につきましては、先ほどもお答えしましたとおり、ただ、今後、個別詳細にそういった情報が必要となった場合につきましては、都度、各部局にそのことを照会することで対応してまいりたいと考えております。

 

◆神代知花子

個別ではなくて、全体として把握する必要があると言っています。それがなぜかというと、既にルール化されている再度の任用は、4回まで公募によらない採用が可能ということです。所管課長がしっかりと把握する中で、執り行われているかどうかを確認するには、全体としてどのような再度の任用が行われているかということの把握をしていただきたいということです。

その認識がない中で毎年度公募するのであれば、所管の負担も大きいことですし、また、会計年度任用職員に無駄な心労を相当にかけていると思います。ここの部分が、すぐに徹底されるか再度質問させていただきます。

 

◆総務部長

取扱いの徹底ということでございますが、この件については、既に各所管に対して11月と12月にそれぞれ取扱いの周知を行っているところでございますが、改めまして取扱いについて遺漏がないように、周知を図ってまいりたいと存じます。

 

 

 

 

神代知花子の配信記事

神代知花子「『公募』をなくそう!~会計年度任用職員に関する議会質問の取り組み~」『NAVI』2024年6月7日配信

神代知花子「増やそう!つながろう!非正規公務員問題に取り組む自治体議員」『NPO官製ワーキングプア研究会レポート』第39号(2022年9月号)

神代知花子「石狩市の非正規公務員問題と問題解決に向けた議員活動(2022年度反貧困ネット北海道連続学習会)」『NAVI』2022年7月7日配信

神代知花子「石狩市非正規職員待遇改善に関する取り組み」『なくそう!官製ワーキングプア北海道集会(2016年2月20日開催)の「記録」』所収

 

 

>北海道労働情報NAVI

北海道労働情報NAVI

労働情報発信・交流を進めるプラットフォームづくりを始めました。

CTR IMG