『(書籍)お隣の非正規公務員』プラットフォーム(2025年6月3日作成、最終更新6月8日)
本書の紹介
総勢14名で執筆した北海道の非正規公務員問題をテーマにした書籍が、6月21日に北海道新聞社から発行予定です。
14名は、労働組合(自治体労組、教職員組合)、自治体議員、弁護士、新聞記者に研究者など、この問題に関心をもち、それぞれの立場で問題解決に取り組む、多彩な顔ぶれで、かつ、全員が北海道で活動する人たちです。
タイトルは、『お隣の非正規公務員──地域を変える、北海道から変える』。
メインタイトルにつきましては、同社から2022年に出版された『お隣は外国人──北海道で働く、暮らす』を意識しました。外国人労働者・技能実習生と同様に、まだまだ十分に知られていないけれども、私たちにとって身近で、なおかつ、私たちの暮らしを支える労働者(非正規公務員)の存在に光があたることを願ってつけました。
サブタイトル(地域を変える、北海道から変える)につきましては、この非正規公務員問題は、言うまでもなく国・国政の問題を背景にしていますが、同時に、地域(地方自治体、地方政府、地方政治)で起きている問題でもあります。公務・自治体リストラを進める国を変えるためにも、地域を変える/地域から変えることが求められています。その仕事を、執筆者はもちろんのこと、読者である皆さんと一緒に進めて行けたら、という思いを込めてつけました。
本の出版は、それ自体が重要な仕事であることは言うまでもありませんが、もっと大事なのは、問題を実際に解決していくことです。
本書をお読みいただければ分かるとおり、この非正規公務員問題は、非情に「奥行き」があり、根本的な解決のためには多くの力が必要です。
この「ページ」は、そうした取り組みに役立つ情報発信・交流の場として整備していきます。ぜひご活用ください。

本書の目次
序 非正規公務員問題への実践的・多角的なアプローチ / 川村雅則
第1章[実像]非正規公務員の姿
1 会計年度任用職員制度とは / 川村雅則
2 北海道の非正規公務員のあらまし / 川村雅則
3 私のみた非正規公務員問題 / 市村信子コラム① 差別の構造と向き合う / 伊藤誠一
第2章[背景]公務の非正規化はどのように進められてきたか / 川村雅則
コラム② 民間化の何が問題か / 川村雅則
第3章[法律]憲法・労働法・行政法からみた問題点 / 山本完自
1 非正規雇用者の権利保障の現状
2 民間にも劣る会計年度任用職員制度
3 労働基本権の制約という問題第4章[議員]自治体議員にできること
1 非正規職員の身分差別解消へ / 神代知花子
2 自分らしく働くために / 江川あや
3 労働の価値を決めるのは誰か / 柏野大介コラム③ 図書館員の質が保てない / 斎藤仁史
第5章[組合]労働組合にできること
1 自治労北海道本部の取り組み / 吉田雅人
2 北海道自治労連の取り組み / 東原 勉コラム④ 教育の先が見えない / 佐野和孝
コラム⑤ 本当の先生じゃない? / 道端剛樹
コラム⑥ 「イヤイヤ学童保育」でいいの? / 林亜紀子第6章[提言]ディーセントワーク実現のために / 川村雅則
コラム⑦ 日本語教師の8割が非正規とボランティア / 藤原安佐
相談窓口
日本労働弁護団北海道ブロック ※北海道ブロックの箇所を参照
非正規公務員関連データ
※Googleスプレッドシート上での作図の手法をまだマスターしておりません。そのためひとまずは表データでの提供となります
本書関連図表データ
※以下の図表を提供しています(適宜、追加予定)
表 地方公共団体の職員数の推移(全国、各年4月1日現在)
表 自治体×部門別にみた正職員の人数 ※ここから北海道のデータ
表 団体区分×任用形態別にみた正職員の人数、非正規職員(臨時・非常勤職員)の人数及び非正規職員割合
表 自治体×任用形態別にみた非正規職員の人数
表 団体区分×任用形態×男女別にみた非正規職員の人数及び女性割合
表 自治体×任用形態×男女別にみた非正規職員の人数及び女性割合
表 団体区分×勤務期間・勤務時間別にみた会計年度任用職員の人数
表 団体区分×勤務期間・勤務時間別にみた特別職非常勤職員及び臨時的任用職員の人数
表 自治体×任用形態×勤務期間・勤務時間数別にみた非正規職員(臨時・非常勤職員)の人数
※ここまで。適宜追加予定
図書館関連図表データ
表 雇用形態等別にみた「大学図書館(計)」における職員数の推移
表 雇用形態等別にみた「公共図書館(計)」における職員数の推移
表 北海道/札幌市/市群/町村群/一部事務組合別にみた図書館職員(会計年度任用職員)の人数、うち女性の人数、女性割合及び賃金(「地域手当込みの1時間当たりの平均給料額」)の平均値
表 自治体別にみた図書館職員(会計年度任用職員)の人数、うち女性の人数、女性割合及び賃金(「地域手当込みの1時間当たりの平均給料額」)
各自治体の情報
※情報は最新のものとは限りません(調査当時から状況が改善されている場合もある)のでご注意ください
※現行の制約下で、よりよい条件・制度を設けている他の自治体の経験などにも学んでいきましょう
川村雅則「【未定稿】江別市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告」『北海学園大学経済論集』第73巻第2号(2025年11月号)掲載予定
川村雅則(2025)「広島市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)広島市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.107-132
川村雅則(2025)「高松市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告(1)高松市からの聞き取り調査に基づき」北海学園大学開発研究所『開発論集』第115号(2025年3月号)pp.83-106
川村雅則「旭川市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告──制度と労働条件の概要」『北海学園大学経済論集』第71巻第3号(2023年12月号)pp.37-54
川村雅則「札幌市非正規公務員(会計年度任用職員)調査報告──公募制と離職に関する情報の整理」『季刊北海学園大学経済論集』第71巻第1号(2023年6月号)pp.17-37
川村雅則「札幌市の会計年度任用職員制度の現状を調べてまとめました」『NPO官製ワーキングプア研究会Report(レポート)』第37号(2022年2月号)
川村雅則「札幌市の会計年度任用職員制度の現状──二〇二一年調査に基づき(非正規公務労働問題研究会レポート)」『北海道自治研究』第634号(2021年11月号)pp.2-21
川村雅則「道内の会計年度任用職員等の臨時・非常勤職員の任用実態──総務省2020年調査の集計結果に基づき」『北海道自治研究 』第626号(2021年3月号)pp.2-19
北海道新聞による記事
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<検証 北見市プラン>③非正規職員減員 声出せぬ立場に狙い撃ち【全5回】/水野薫 有料記事/2025年1月31日 18:49(2月6日 15:42更新)
<社説>非正規公務員 安定雇用と処遇改善を/2025年1月30日 4:00
増える非正規公務員 処遇改善進めるには/市村信子 会員限定記事/2025年1月15日 9:59(1月16日 9:06更新)
非正規公務員の雇用安定化なるか 北海道内8市、再任用の公募試験廃止 札幌も見直し検討/市村信子 会員限定記事/2024年10月29日 4:00(11月4日 18:09更新)
会計年度職員の再任 市「2回まで」変えず 江別・後藤市長、市議会で表明/土門寛治 有料記事/2024年9月13日 21:47
満期の非正規666人雇い止め 北見市24年度末 事務補助職の採用大幅減へ/水野薫 有料記事/2024年9月13日 18:46
非正規公務員の処遇改善へ議員ネット 全道から超党派の10人参加し発足/市村信子 会員限定記事/2024年8月9日 22:43(8月9日 23:38更新)
「使い捨て」年収150万円届かず 非正規公務員の女性、待遇に嘆き/市村信子 会員限定記事/2024年7月1日 4:00(7月1日 12:10更新)
非正規公務員「賃上げ差別」町村4割 23年度分、専門家が道に開示請求/会員限定記事/2024年7月1日 4:00(7月1日 8:10更新)
非正規公務員の賃上げ、道内8市で昨年度実施せず 9市は勤勉手当少なく 専門家「差別に当たる」/市村信子 会員限定記事/2024年6月21日 13:16(6月24日 19:06更新)
その他の情報
■川村雅則「北海道の公立学校を支える非正規教職員(非正規公務員の教員と職員)の人数、職種など──北海道教育委員会の資料に基づき」『NAVI』2024年12月9日配信
■川村雅則「図書館雇用・図書館問題に関する教材庫」『NAVI』2025年3月30日(最終更新)
■非正規労働問題全般、公務非正規問題に関連する様々な投稿