東京集会実行委員会有志「総務省、厚生労働省との懇談会(2024年12月9日)の議事録等」

本資料は、なくそう!官製ワーキングプア集会東京集会実行委員会有志が2024年12月9日に行った総務省、厚生労働省との懇談会の議事録と、事前に送付していた要望書・質問事項です。ご覧/ご活用ください。〔NAVI管理人〕

 

 

省庁懇談会議事録

日時:2024年12月9日(月) 14:00~15:20

会場:衆議院第一議員会館第5会議室

 

【参加者】

衆議院議員 大河原まさこ

 議員秘書

都議会議員 鈴木烈

総務省   自治行政局公務員部公務員課 理事官

 自治行政局公務員部公務員課 公務員第四係長

厚生労働省 大臣官房国際課国際労働・協力室 国際労働第一係長

 労働基準局労働関係法課 法規第二係長

 職業安定局総務課首席職業指導官室 課長補佐

 職業安定局総務課首席職業指導官室 職業紹介第三係長

非正規公務員の雇用安定を考える懇談会(8人)

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

連帯労働者組合・杉並 

連帯労働者組合板橋区パート

学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)

NPO法人官製ワーキングプア研究会

大河原議員:皆様お久しぶりでございます。改めて戻ってくることができました。この問題は日本の一番のウィークポイントで、懇談会の皆さんがずっと課題にしてこられたことです。私たちも重く受け止めて取り組んでいきたいと思います。短い時間でも省庁の皆さんには、しっかりと受け止めていただいて、総理も非正規から正規労働へと雇用を守ることが大事だということはご認識があるようですから、そこは周りから堀を埋め、しっかりと政府が率先して正しい労働政策を持てるように、後押しをしていきたいと思います。どうぞ本日もよろしくお願いいたします。

 

司会:先ほど議員もおっしゃいましたけれども、総理も踏み込んだお話をしていただいていますので、今日は建設的なお話ができればいいと思っております。

事前質問を出していますので、総務省の方から順番に回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

大河原議員:私がご紹介を忘れてしまいましたが、今日は都議会で東京都に対してこの会計年度任用職員制度など望まない非正規労働をなくせと論陣を張り、また具体的に東京都に働きかけをしております立川市出身の鈴木烈都議会議員にも同席いただいておりますので、省庁の皆さんもぜひ、自治体から地域から大きく声が上がっていることを受け止めてください。

ではよろしくお願いいたします。

 

総務省:質問の1-2になりますが、離職の実態など会計年度任用職員等の雇用管理を人事当局が統一的に把握しないことについてどのような考えかという質問をいただきましたけれども、離職者の総数の集計の把握などにつきましては、各自治体でその必要性についてご判断いただくものと考えております。結果として複数回の任用が繰り返された後に再度の任用を行わない場合におきましては、事前に十分な説明を行うとか、他に応募可能な求人を紹介するなど配慮することが望ましいということにつきまして、各団体に対しては、助言しているところでございます。

 

懇談会:質問の1-1については、答えていただけたのですか。

 

総務省:この後、厚生労働省から答えていただきますので、総務省は、1-2から答えさせていただいた次第です。

 

懇談会:事前質問に書いてある通り、総務省と厚生労働省からお答えいただきたいという趣旨で、1-1に総務省の名前も入れさせていただいております。ですから、1-1に回答できないということであれば、これは省庁把握としては厚生労働省という認識ということでよろしいですか。

 

総務省:そうです。

 

懇談会:この大量離職通知が実際に出されていないという点について、総務省としての見解というのは、何か出していただけますか。

 

総務省:各省庁で一緒にやっていることですので、厚生労働省と同じ見解でございます。

 

懇談会:総務省独自で大量離職通知書を出してくださいねという通知を出しているわけですから、その立場からどの程度の自治体から提出があったのかということについては、私たちからすれば回答があるべきだと考えています。

 

総務省:質問の2についてです。東京都の特別区人事委員会に情報公開請求をされたところ不存在となっていたということで、総務省が2023年末に発出した通知の検証に必要となる調査結果を任命権者及び人事委員会または公平委員会に伝えておられますかという質問です。こちらにつきましては、総務省において、1日あたりのフルタイム勤務との勤務時間の差が15分以内であるパートタイム職員の状況につきまして毎年度調査を行っており、各自治体にご回答いただいているところです。その集計結果につきましても、各自治体に共有をした上で、ホームページにもアップして公表しているところでございます。

 

総務省:続きまして、3の質問に移らせていただきます。まず会計年度任用職員につきましては、制度上、一会計年度を超えない範囲で任用する必要がありまして、その任用に当たっては、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義の原則を踏まえまして、できる限り広く募集を行うことが望ましいと考えております。

各自治体に対しては、公募を行う場合であっても、客観的な能力実証を経て再度任用することがあり得ること、それから、選考において前の任期における勤務実績を考慮することも可能であることなどにつきましてこれまでも通知しております。これについて引き続き丁寧な情報提供をしてまいりたいと考えているところです。

それから、本年6月に、国の期間業務職員について公募によらず従前の勤務実績に基づく能力の実証により再度の任用を行うことができるのは、「同一の者について連続2回を限度とするよう努めるものとする」という取扱いが廃止されました。これを踏まえまして、総務省におきましても、会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルにおきまして国の取扱いを例示していた箇所を削除するなどの改正を行いまして、その旨、自治体に対しても通知しております。

また、国における見直しの概要や、人事院が今年の11月に各省庁向けに出したQ&Aについても各自治体に対して周知しているところです。

その上で、実際の具体的な任用の方法につきましては、各自治体が地域の実情などに応じて適切に判断いただくべきものだと考えております。

なお、任期を定めない常勤職員として採用する場合の能力実証に際して、会計年度任用職員であった時の人事評価による勤務実績を、必要に応じて一定程度考慮することは可能であります。しかし、その任用に際していかなる優先権をも与えるものではないことは、従来からお伝えしているところでございます。

 

総務省:4の質問につきましては、先ほどの3の回答と重複するところもありますが、やはり前提として会計年度任用職員として任用する場合には制度上一会計年度を超えない範囲で任用する必要がありまして、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義の原則を踏まえまして、できる限り広く募集を行うことが望ましいと考えておりますけれども、各自治体に対しては公募を行う場合であっても、客観的な能力の実証を経て再度任用されることがあり得ること、それから選考において前の任期における勤務実績を考慮することも可能であることなどにつきまして、これまでも丁寧な情報提供をしております。その上で、実際の任用につきましては各自治体におきまして、平等取扱いの原則や成績主義を踏まえて地域の実情などに応じて適切に対応をいただくべきものであると考えております。

なお、会計年度任用職員の公募選考につきましては地方公務員法に基づきまして当該会計年度任用の職にふさわしい人物を採用することを目的で行うものであり、均等な機会の付与の考え方を踏まえつつ客観的な能力の実証を行うことが必要だと示しているところでございます。

 

総務省:質問5について、総務省の範囲でお答えできるという前提で、採用時に適用法令を明示することにつきましての考え方をお話しさせていただきます。

地方公務員にも適用されます労働基準法第15条によりまして、使用者は労働契約の締結に際しまして、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないとされています。自治体においては任用に際しまして勤務条件等の明示をするものと考えております。ただ、適用法令の明示は労働基準法に義務付けられている事項には含まれていないので、各自治体の判断によって実施いただけたら、というふうに考えております。

 

総務省:続きまして、質問6は、ILO勧告について今後どのように検討、協議を進めていくのでしょうかというご質問をいただいております。

こちらにつきましては、ILO憲章に基づきまして加盟国は、批准した条約の実施状況等について、定期的に年次報告を提出しておりますけれども、条約の実施状況を監視する専門家委員会から指摘があった場合につきましては、その条約に係る年次報告において、政府意見を提出しているところです。

ご指摘いただいた第122号条約につきましては、現時点で2026年に年次報告を行うこととなっておりまして、その際に今回の指摘に対する意見を提出する予定とされております。

また、2024年のILO総会における議長集約については、ILOからの要請に対しましてどのように対応していくのか、検討しているところでございます。総務省からの回答は以上となります。

 

厚生労働省:質問1-1、大量雇用変動が生じている自治体においても、大量離職通知の提出がなされない点については、30人以上の離職が発生しているのであれば大量離職通知書の提出の必要があるということになります。このため、引き続き大量離職通知制度の周知に取り組んでまいりたいと考えております。

質問1-3の通知書の中にある再就職の援助のための措置、また再就職先の状況についてはどのように周知を実施しているのか、という点ですけれども、通知書の裏面にもその内容が記載されております。また、リーフレットも配布しておりまして、例えば講じている措置、再就職援助の具体的な方法などを記載してくださいというふうに周知は実施しております。

 

厚生労働省:質問5のうち苦情処理に関する事例について厚生労働省から解説いたします。

地方公営企業等の労働関係に関する法律第13条第1項は、地方公営企業等及び組合が職員の苦情を適当に解決するため、地方公営企業等を代表する者及び職員を代表する者、各同数をもって構成する苦情処理共同調整会議を設けなければならないと定めています。

苦情処理共同調整会議は地方公営企業及び組合の間において設置することとされており、労働組合を組織している地方公営企業においては設置が義務付けられていますが、労働組合を組織していない地方公営企業においては同法第13条第1項の適用はなく、設置は任意とされています。また、同条第2項により、苦情処理共同調整会議の組織その他苦情処理に関する事項は団体交渉で定めるものとされています。

 

厚生労働省:質問6-2、9月1日までに提出を要請されていた日本政府の報告書を開示してくださいとのご質問に対するお答えですけれども、こちらの報告書は、本年6月に行われたILO総会において日本政府が本年9月1日までにILO条約勧告適用専門家委員会に提出することを求められていた報告書であると理解しております。

こちらの報告書ですけれども、今後ILO条約勧告適用専門家委員会において審議される可能性がございまして、審議に先立ってこれを公にすることとした場合、未だこれを公としていない国際機関との信頼関係が損なわれる恐れがあるほか、この委員会の自由な心証形成に影響を与え公正な審議の妨げとなる恐れや、国際関係事務の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあることから、現時点でこれを開示することはできないこととなっております。

 

司会:懇談会から、省庁の回答に対し質問をお願いします。

 

懇談会:質問1の大量離職通知について、厚生労働省の方から周知をしていきたいということで、総務省は、厚生労働省と同じ見解だという話でした。実際私どもが106自治体に調査したときに、ほとんど出していない、出しても非常に不十分であり大量離職通知の趣旨に沿って提出されていない。これは事実として明らかになっていますが、それについて周知だけですか。総務省は、2023年6月28日に厚生労働省からから通知が出ましたと事務連絡を出していますが、それが実施されてない。また不十分だということですから、改めてどうするのかっていうことが問われると思いますが、これについてはどうでしょうか。

 

総務省:先ほど厚生労働省からご回答いただいたとおり、引き続き大量離職通知の周知につきまして、厚生労働省と連携して取り組んでいきたいということでございます。

 

厚生労働省:先ほどご説明したとおり、そもそも、しっかり制度を知ってもらうということですとか、記載内容が誤解されないように正しく知っていただくということが大事だと考えております。まだそこが全ての自治体に正しく理解されていないというところで引き続き周知をしていきたいと考えております。

 

懇談会:両方の省庁にお伺いします。実際どうだったかということを点検して、そして再度周知徹底する通知等は出す予定があるのかどうかお聞かせ願いたいと思います。

 

厚生労働省:周知するための方策についてはどういったことが適当かということを引き続き検討して実行に移していきたい、と考えております。

 

懇談会:今回、大量離職通知というのが全く機能していないという現状を私たちの調査で皆さんのお手元の方にもお示ししていますけれど、そういった実態が今あるということ。この実態把握ということに関しては厚生労働省、そして総務省も、どういうふうにされているのか、またこの実態ということは承知されているということでよろしいですか。知らない自治体があるというよりも、ほとんど機能していないということが、今回私たちがやっている情報公開でも明らかになっているわけですけれど、そのような現状についてどのような理解をされていますか。

 

厚生労働省:調査いただいた内容を踏まえて、我々として周知の必要性があるという課題認識はしております。ですので、これまでもやってきてはおりますけれども、十分だとは考えておりませんので、今知らないとか、知っていても、誤った理解をしているような自治体に

どんどん知っていただくという課題を解決するために周知していくということが王道ではありますけれども、必要性を感じてやっていくということを考えております。

 

懇談会:総務省にも聞きたいことですけれど、まず、大量離職というのは望ましくないことですよね。雇用安定が必要であるということで、大量離職をやむを得ずやる場合はそのことをちゃんとサポートせよ、という法律ですよね。私たちは、大量離職通知というのが今後たくさん出されていくということを望んでいるわけではないのです。

その上で、防波堤であるはずの大量離職通知が全く十分に機能してないという現状を本当に深刻に受け止めていかないといけないということです。このような現状、つまり本当に自治体がやりたい放題ですよということです。

多くの人が雇用が続かないかもしれない不安な状況で、年度末もう間もなく迎えるような状況です。なので、本当にこの大量離職も含め、現状把握ということをどういうふうにされていかれますか、総務省さん。

 

総務省:大量離職通知自体につきましては繰り返しますが、厚生労働省さんとも連携しながら対応していきたいと思っております。また、先ほど冒頭でも言わせてもらいましたが、我々自身は結果として、複数回の任用を繰り返された後に再度の任用を行わないときに、丁寧な情報提供をしてほしいと言っているので、結果として複数回の任用を繰り返された後に再度の任用を行わない場合については事前に十分な説明をしてくださいねとか、他に応募可能な求人を紹介することは望ましいですよということを引き続き自治体に助言していきたいと思っております。

 

懇談会:情報公開をするときに、直接人事担当者に電話等で照会し、いろいろ話をしましたが、大量離職通知を出すに当たってのバックデータすら集めてない。例えば、男女の賃金格差について公表することになっていますから、そことリンクしていれば男女比がわかるのにも関わらずそれも出していない。何人離職したのか十分把握していない、ほとんど担当課任せになっているところが多い。この事実が今日お示しした106自治体の中に多く現れています。そこで、担当に「総務省が2年に1回ぐらいずつ調査する時に調査するでしょ」と聞いたら、ほとんどのところは「その時にデータを集めていて、毎年やっていません」ということでした。ですから、バックデータすら統一的な把握ができてない。これについてどういうふうに総務省としては理解されるでしょうか。これがなければ大量離職の通知すら出せなくなりますが、どう思いますか。

 

総務省:冒頭にお答えした中でも、離職者の総数の集計把握については、各自治体で必要性についての判断するものと考えております。

 

懇談会:統一的に把握できていないというのは総務省マターじゃないですか。常勤職員は毎年公表しているわけですね。でも、会計年度任用職員については統一的把握ができてないという事実が散見されるわけですよ。これに対して総務省としてはどういうふうに助言をしていくのかという問題ですよ。

 

総務省:事前に十分な説明だとか、募集可能な職の説明をするということを引き続き助言している状況です。調査につきましては、令和2年と令和5年に行っておりますが、今現在も調査しているところなので、調査を各団体にしていく中で把握いただくのかな、というふうに思っております。

 

懇談会:情報公開で求めても、出さないところがたくさんあります。ぜひ、私たち106自治体で集約したものを見ていただきたいと思います。そして、総務省でこれからどうするのかということをぜひ検討していただきたいと思っています。

 

懇談会:今日添付した資料「首都圏106自治体離職状況集計表から読み取れること」の中の1.基本的な人事関係情報のほとんどが把握されていないという中で、①「人事行政の運営等の状況」は正規の職員についてはきちんと公表されていますけれども、会計年度任用職員については除くというところがほとんどです。これをまず一緒に出してくださいということを言うだけでも全然違うと思うので、そういう取り組みをしていただきたいと思います。

 

懇談会:質問2について、総務省が去年全国に通知を出しています。会計年度任用で適正な運用してくださいと。①不必要な空白期間を設けていないか、②無理やり15分短くして退職金を払わないためにパートにしていないかと。ここでは、総務省が何度言っても是正しない自治体があるので、ここまで来たら人事委員会と公平委員会も検証に入ってくれとなっているわけです。

そこで、特別区の人事委員会にどんな検証を行ったのかと情報公開をしたところ、「総務省から何ももらっていません。手の付けようがありません」「(検証記録は)不存在」と言われました。先ほどのお答えだとホームページを見てくれってことですよね。通知は公平委員会や人事委員会宛てにもなっていて、自ら依頼した人事委員会や公平委員会にホームページを見なさいですか?ちゃんと資料を送ってください。それから前段の大量離職の問題に関わりますが、不適正な運用は正していく総務省として、それは人事委員会や公平委員会も一緒にやってくれと言うなら、大量離職通知だって重大な法違反ですから、調査項目に入れて全自治体に大量離職通知を出しましたかとすれば、自治体は是正に向かっていきます。総務省が見逃すべきじゃない不適正な運用は大量離職通知も同じです。自治体が自ら直すことは無理で、ほとんどしません。人事委員会や公平委員会が検証できるような調査の資料提供というシステムを作っていただきたいと思います。少なくともインチキなパート会計年度任用職員については、公平委員会と人事委員会に資料提供してください。ホームページを見ろはないと思います。

 

総務省:各自治体にメールで通知しています。人事委員会にもです。東京都の特別区人事委員会の見解については我々から答える立場にはないですが、県の人事課、市町村、指定都市の人事課、それから各人事委員会、公平委員会に対してはメールで通知していますし、人事委員会からいただいた報告をもとに集計しているものもあります。各自治体に共有した上で総務省のホームページにも掲載しているということでございます。失礼しました。

 

懇談会:先ほど再就職の援助のための措置とか再就職先の確保の状況について厚生労働省としてはリーフレット等を配布しながらこれからも周知する。総務省は、再就職とか、求人募集等についてきちっと丁寧に説明してくださいということでした。大量離職通知の中に①再就職援助のためにとった措置及び再就職支援体制と従事した職員数、②再就職先確保の状況の2項目があるわけです。先ほど私どもがお配りした資料に出ているように、埼玉県内の2つの自治体を比べたときに、大量離職通知にもそぐわないというか、総務省が言っている助言に沿わない実態があります。要するに40名以上の人が再就職支援なしで労働市場に出ました。そういうことは厚生労働省としてもあまりいいことではないわけですね。ハローワークの事務につながっていくわけで、基本は、雇用安定にしていくという法の趣旨にも反することです。今後、総務省なり、厚生労働省が考えるに当たっての具体的な例です。見解を教えていただけますか。

 

総務省:先ほど何度かお伝えしているとおり、事前に十分な説明や他の求人を紹介するなど、各自治体に助言しているところでありまして、こちらの助言通知については、まさに毎年調査に合わせて年末に出しているものですから、これから自治体に対して助言内容を検討したいと思っています。

 

懇談会:この項目は、少なくとも大量辞職通知に書かれているわけですから、事務通知に、具体的に各自治体でやってくださいというようなことが入るということで理解してよろしいですか。

 

総務省:中身につきましては、今こちらでどうとは難しいですが、いただいたご指摘を踏まえて、厚生労働省と連携して対応する必要があると思います。

 

厚生労働省:大量離職通知書は、そもそも地域の中で大量に離職が発生した場合に迅速に再就職支援を行っていくというのが一番の趣旨ですので、この2つの項目が入っていないからといって、受理しないということはやっていませんが、周知していきたいという話をしておりまして、去年も通知をさせていただいておりますが、それを踏まえて、各所においては、自治体とのやりとりですとか直接お会いする機会を通じてお伝えしていけるところについては周知の仕方を考えていきたいと思います。

 

懇談会:雇用主としての最低限の責任として、少なくとも大量離職通知に書かれているようなことはやってほしいと思います。ただこの場合は、完全に市の方の都合なので、もっときちっと対応しなくては、雇用主としての責任があるのではないかというふうに思いますが、そこは厚生労働省としてどういうふうに理解していますか。この通知書を出せばいいということではなくて、雇用者としての最低限の責任を取ってくださいよという意味に、法の趣旨はそういう風になっていると思いますが、どうなんでしょうか。

 

厚生労働省:おっしゃることは理解できますが、我々としては離職されてしまった方の再就職を迅速に行うための大量離職通知書というところで制度運用しておりますので、ちょっとそこについて答えは、難しいと考えています。

 

懇談会:ですから、総務省に厚生労働省から言っていただければありがたいです。大量に離職が出てしまうと、それはハローワークの仕事が増えるわけですよ。総務省の方から各自治体に助言してもらうということではどうでしょうか。

 

厚生労働省:我々としては先ほど申し上げたように、個々の雇用主である自治体とハローワークのやり取りの中で適正な制度運用がされるというところで取り組んでいきたいと考えています。

 

懇談会:質問3の回答は、会計年度任用は年度内の任用だから正式任用ということは予定してないという趣旨だったと思います。そうならば臨時職員も同じで、あえて禁止する必要がないわけです。でも、臨時職員にはあえて禁止明文があり、会計年度にはないわけです。それから、会計年度は条件付き採用をくぐっているわけですよ。

次に、総理大臣の発言についての11月29日付の報道には、「会計年度任用職員のうち、本人の意欲や能力がある人は、正規職員化を促すような仕組みを検討します」とありました。これは、今働いている人ですよね。本人の意欲や能力に基づき実証されているということで、つまり正規職員化ということは、正式任用優先ではないですか。総務省は否定されるが、総理大臣はこういうことを意欲的に語っています。

質問したのは、「会計年度任用職員については明文で正式任用の優先権を禁止していませんね?」です。自治体がやろうと思えばできる。これは無期転換と同じで、別に禁止はされてないはずです。

 

総務省:繰り返しになりますけれども、常勤職員になる場合には、常勤職員になるための能力の実証が必要だという見解です。

 

懇談会:会計年度任用職員は1ヶ月の条件付き採用を超えたら正式任用です。そして、臨時職員には禁止される常勤職員への正式任用も禁止されてはいないですよね。

 

総務省:常勤職員については常勤の仕事がありまして、会計年度任用職員の方については会計年度任用職員の仕事があります。

 

懇談会:まず答えてください。禁止されてないですよね。

 

懇談会:禁止されている条文はないというふうに私どもは思っていますが、そういうことでよろしいか? それから、[会計年度任用職員にも]優先権を与えるものではない、というような文書があるのであれば、ぜひ勉強したいのでお示しいただきたい。

 

総務省:任期の定めのない常勤職員の場合は、常勤職員に必要な能力実施が必要になります。

 

懇談会:会計年度任用の条文に必要ないのなら、臨時職員の条文にも必要はないですよ。

 

総務省:臨時職員につきましては一時的に欠けた職員ですので、能力実証は必要ないと整理しています。その違いが条文の書き方の違いとなっています。

それから、「いかなる優先権も与えるものではない」については会計年度任用職員のマニュアルでお示ししているところです。

 

懇談会:優先雇用はないというページ数だけ教えてください。Q&Aのいくつですか。

 

懇談会:時間がかかるなら、回答は後日でもいいです。

 

懇談会:二つ質問です。首相が発言されたわけですから、いわゆる会計年度任用職員を正規化するための仕組み作りみたいなものを検討されていらっしゃるのかどうか、これが一つです。それから、もう一つは、国の障害者雇用の場合の常勤職員化、いわゆるステップアップと言われていると思いますが、それは現に働いている非常勤職員に募集を限定した上で正規常勤職員に転任するという形を作っておられるわけですね。それと同じように、自治体でなぜできないのか? その2つについて教えてください。

 

総務省:総理の発言に関する報道ですけれども、当日の実際の発言につきましては、会計年度任用職員の方々の処遇改善に取り組んでいきたいと発言されていると承知しておりまして、先ほどご紹介いただいたものは事前の報道だったので、実際に総理がフォーラムで発言した内容に沿って検討していく、というところです。本番では会計年度任用職員の処遇改善に取り組んでいきたいと発言されていると承知しておりますので、我々は勤勉手当とかの処遇改善をしていますし、昨年度から遡及改定についても通知しているところなので、そういったところを引き続きやっていきたいと思っているところです。

 

総務省:二つ目については、ちょっとこの場ですぐ答えすることが難しいですが、会計年度の問題というか、本体のたて付けとしては先ほどお答えしたとおりです。一会計年度毎に任用という原則は同じなのですが、ご指摘の中身についてはすぐそのまま答えることは難しいです。

 

司会:後で構いません

 

【後日確認内容】

○ 国の障害者雇⽤におけるステップアップの枠組みについては、⾮常勤職員として勤務する者が選考を経て常勤職員となる場合に、広く募集を⾏うことや筆記試験等の能⼒実証をするという原則的取扱いの例外として、障害者である職員が⾮常勤職員としての勤務を経て常勤職員としての勤務を希望する場合には、それまで培われた職務能⼒や勤務環境への適応の状況を考慮した任⽤となるよう、選考において⾮常勤職員としての勤務実績等を着実に反映できること等に配慮した枠組みを設けているものであると承知しています。

○ 上記の取組については、総務省から各⾃治体に対しても周知し、各団体の実情に応じて、必要な措置を講ずるよう要請しているところです。令和4年3⽉31⽇時点で、全体の2割程度の団体で導⼊されています。2025/1/6メール回答

 

懇談会:今言われたテレ東の報道ですけれども、報道は勇み足、もしくは間違っているということでよろしいですか。

 

総務省:報道の担当が内閣官房でして、報道内容について答えることはできませんが、実際に当日の発言を確認したところ、報道されている内容とは異なっていたと認識しております。

 

懇談会:会計年度任用職員の正規化ということについては言っていない?

 

総務省:総理本人は当日、処遇改善に取り組んできて処遇改善は大事、といった趣旨の発言をされたと理解しております。

 

懇談会:マスコミはここまで書いているので、総理周辺からそういう話が出ているのではないかと考えますが、総務省としては検討していないということですね。

 

総務省:総理の発言に沿って、引き続き処遇改善をやっていきます。

 

懇談会:処遇ではなくて、正規雇用化については現段階では検討しているのか、していないのかというのを聞きたい。

 

総務省:検討していません。今日説明しているとおりでございます。総理の発言は、会計年度任用職員とは言っていません、短時間正社員制度については民間企業の話なので、厚生労働省の方で検討されているように聞いております。

 

懇談会:会計年度に触れたところはあったのですよね。

 

総務省:当日、総理が会計年度任用職員に触れた発言をされたというのは承知していますけれども、中身自体は正規化ではないと聞いております。

 

懇談会:会計年度任用職員制度が発足するときに衆議院も参議院も附帯決議を出しています。この時に雇用のあり方について検討していくということではなかったですか。

 

総務省:附帯決議が出ていることは承知しております。我々としても会計年度任用職員の方々が重要な業務に従事していることは事実ですので、処遇改善を順次やらせていただいていると思います。

 

懇談会:処遇改善は当然やっていただきたいのですが、一番問題なのは任期を定めてしまっているということからハラスメントだとか様々な問題がおこるという根本問題です。1年任期と決めたことによって、ものが言えなくなっている。言うといつ切られるかわからないという声が、はむねっとのアンケートに出てくるわけです。そこで、この報道を見て前へ進むかと期待しました。総務省はそうであっても検討はしないということですか。

 

総務省:総理の発言についてはお答えするのが難しいですが、従来からお答えしているとおり、制度上一会計年度となることはあるけれども再度任用があり得ます。引き続き、そこを

丁寧に説明をしていきたいというところでございます。

 

鈴木議員:東京都でスクールカウンセラーの大量雇い止めがあったことは総務省の皆さんもご存知だと思いますが、そのことについて今東京都の担当者とも議論をしています。「5年ルールをやめれば、あんなことが起こらない。国もやめられたわけで、都内の自治体もやめているので、東京都もやめるべき、毎年の勤務評定で選別すればいいではないか」という趣旨の質問をさせていただいていますが、東京都が言うのは「都としての合理性を考えると、毎年人を入れ替えなくていい。国が会計年度任用職員はあくまで平等取扱いの原則で毎年公募が原則だから、5年でなくていいよとは言っているかもしれないが、7年なのか10年なのか、やっぱりどこかで公募にさらさないといけない」と担当者はずっと言い張っています。ただ、人事院が11月にだした期間業務職員の採用に関するQ&Aとかでも、その能力があって業務上実績から判断できる場合は原則外でいいと書いてあると私は思います。総務省としてはどうなんですか? こういう質問は多分、各自治体からも来ると思いますが。

 

総務省:制度上は一会計年度になっていますので、その趣旨からはできる限り公募するのが望ましいという考え方は基本としてあります。ただ、公募する場合であっても客観的な能力実証をして再任用はあり得ますとか、前の任期における勤務実績を使うことが可能ですとしています。

それからマニュアルの改正につきましては、元々我々は国の取扱いを例示として示しているところでございまして、最後は自治体の地域の実情で判断いただきたいと。今回はもともと例示していた2回を限度とする記載を削除した上で、改めて自治体に通知しているというところです。なので、いろんなご意見があるかもしれませんが、我々としては自治体の地域の実情で判断いただけるという中で、Q&Aだとか人事院の改正趣旨についても説明会で周知しているので、最後はそのあたりを踏まえて自治体の方で判断いただきたい。

 

鈴木議員:ありがとうございます。そこを確認に来たので、Q&Aに書いてある通り東京都自体がこの公募が必要か、勤務評定の方がスクールカウンセラーについてはいいという判断を下した場合は原則外で問題ないですよと。5年をなくしたから、今度は7年とか10年とかまた考えなさいということはないですよね。原則外でそれはそれで構いません、ということですね。

 

総務省:我々自身は元々一会計年度なので公募が望ましいと言っています。自治体で検討された上で公募をしないということを判断されるというスタンスであれば、その結論に対しては止めるということはありません。

ご覧になっているかもしれないですけれども、「期間業務職員の採用等に関するQ&A」では、公募によらない再採用の上限回数を各省で独自に設定してもよいのかというQがあってそれについては各府省がそれぞれの実情に応じて独自に設けることも否定されるものではないという答を合わせて示しているので、人事院自体も各省の判断で公募することもできる、一定の年数を設けて公募することもできるとされています。

 

鈴木議員:東京都自体が自分たちの業務上合理的にここは例外にしますと判断したら、国からはやっぱりどこかでまた公募を入れなさいとかということを言わないということですか。

 

総務省:考え方自体は、平等取扱いの原則等を踏まえてくださいねと言っているので、検討された結果なら、最終的には止めるものではないですけど、全く非公募でいいですよ。という話ではありません。

 

鈴木議員:はいわかりました。ありがとうございます。

 

懇談会:今のところに関連してなんですけれども、やはり会計年度任用職員という制度そのものがまず、国が不安定雇用を推進する制度になってしまっているという面があるということに加えて、非常に長期で人も少なかったりする中で実際に働いてもらっているような現状というのもある。中には20年とかそういう長期にわたって現在でも働いている職の人たちというのがいるという現状があってなので、この制度そのものと現実の間に非常に大きな開きがあるというふうに、私自身ははむねっとの調査などをやっても感じています。それ以前も10年以上働いている人が一定いるということを把握した上で、会計年度任用という形の制度づくりをしたということが、やはり実情に合っていないと私自身は非常に強く思っています。ですから、会計年度任用職員制度とは違う新たな仕組みというかそういうものを検討してもらいたいと思いますし、実態、それがその実態ということではないかなというふうに思うので、制度に合わせて現実を変えていくのではなく、現実に合わせたより良い制度を作っていくべきではないか、ということを強く思っています。質問というより意見です。

 

総務省:会計年度任用制度の導入以前から、任用は一会計年度毎ということになっており、これは変わっていません。そのうえで、毎年我々も調査をして、それからヒアリングも行っているので、例えば先ほど話があった15分短い勤務形態とかについては引き続き適正な運用が確保できるようにしていきたいと思っております。

 

懇談会:質問5の、略称「地公労法」適用の問題ですが、採用時の明示は労基法第15条で義務ですか、それとも義務ではないですか。義務ではないと聞こえましたが。

 

総務省:労働基準法の15条の明示事項には入っていません。

 

懇談会:では、「労働組合がある場合は苦情処理共同調整会議の設置は義務で、なければ任意」というときの労働組合は過半数という制約とかありますか?また、混合組合の場合はどうカウントするのか?ユニオンはどうか?いろんなケースがあると思いますが、労働組合がある場合というのをもうちょっと細かく教えください。

 

厚生労働省:まず、過半数組合に限るということではなく、法律上組合としか書いていないので組合の規模や対象は問わない、ということになります。それから、混合組合の場合どうなるのかということですけれども、それはつまり、職員以外の外部の方と法律適用の違う人たちが作る労働組合ですか?

 

懇談会:混合組合は適用法が異なる職員で作る組合です。

 

懇談会:混合組合を具体的に言うと、地方労働委員会に訴えることができるかどうかについて争いがずっとあって、以前は過半数要件がありました。いわゆる現業職員と非現業職員とか一緒に作る職員団体の場合です。その過半数要件で、最高裁判断が変わりまして、過半数の要件がなくなり、混合組合が労働委員会に訴える権利が確保されました。ですから混合組合はどうですかと訊いています。

苦情処理共同調整会議について、いわゆる現業とか地方公営企業勤務のみで労働組合を作らなくてはダメなように聞こえたので、そうではなく、混合組合も苦情処理共同調整会議開催を求められると確認したかったのです。

 

厚生労働省:それは地方公営企業の中にそういう組合が存在している場合というご質問ですか。

 

懇談会:現業職員です。地公法の単純労務職員です。

 

厚生労働省:地方公営企業に勤務する単純労務職員?

 

懇談会:違います。地方公営企業でない部局の地方公務員で単純労務職員とその他の非現業の人が一緒に作った組合の場合どうですかという質問です。回答が難しければ後日でもいいです。

 

懇談会:ちょっと入り組んだ話になりますから。例えば町役場で100人の職員がいて、その中の10人の地公労法適用の現業職が、他の90人と一緒に労働組合を作ったときは混合組合と言います。その職員団体が労働委員会申し立てすることができるかです。以前は10人で過半数を超えていないからだめだったのが、今は最高裁判断が変わって、10人についての申し立てをする権利を職員団体でできますよとなりました。最高裁判例をご存知でなければ、後日回答でいいです。

 

厚生労働省:この地公労法の13条は地方公営企業等及び組合はとなっていますが、ご質問は、混合組合の場合もこの組合に含まれるか? ということですね。

 

懇談会:そうです。

 

厚生労働省:そのもう一方の当事者の方が地方公営企業等なんでしょうか。

 

懇談会:それは、地公労法の適用と準用の違いです。準用の話をしています。

適用は例えば地方公営企業は病院だとか水道なのだけれど、自治体にはそれ以外に本庁舎などに現業職の人たちがいます。その人たちは準用、地公法第57条の単純労務職員です。その人たちが職員団体に一緒に入った場合が混合組合です。その場合の苦情処理共同調整会議の取扱いは、どうですか。要は、その単純労務職員を念頭に置いています。

 

厚生労働省:繰り返し申し訳ないですけども、地方公営企業に勤務している単純労務職員の方?

 

懇談会:地方公営企業では、現業に関係ない職員全員もこの法律適用ですが、地方公営企業ではないところで準用になる人たちがいるわけですよ。

 

懇談会:なぜ質問しているかというと、この地方公営企業以外の現業の人たちは人事委員会や公平委員会に訴えることできないんですよ。不利益取扱いだとか措置要求ができません。総務省は常に「一般職の地方公務員は、公平委員会や人事委員会に、不利益取扱いや措置要求をできるから労働基本権制約の問題はクリアされている」というような言い方をしますが、実際は、そこに訴えることができない人たちがいるわけです。単純労務職員は人事委員会や公平委員会に訴えられないという仕組みになっていて、その代わりの苦情処理共同調整会議が機能していないと困るのです。

 

懇談会:東京の特別区人事委員会の例を挙げれば、人事委員会もこの問題を分かっていませんでした。後で、またやり取りして教えていただきたいということで・・・

 

【後日確認内容】混合組合については、労働組合法が適用されない非現業の一般職公務員と同法が適法される公務員(単純労務職員等)とをともに組織している組合であると承知しておりますが、地公労法第13条の「組合」には混合組合も含まれると考えられます。12/12メール回答

 

懇談会:質問6について、一つだけ、審議される前に公開はできないということでしたが、9月1日の報告について、見通しとしてはいつごろ公開されるんでしょうか。

 

厚生労働省:実際に最終提出した最終版というものは、過去も公表しているものはないですけれども、例年行っていることとして、報告書の提出前に政労使の三者で行っているILO懇談会というものがございまして、そちらの配付資料として用いられた報告書の素案ですね。

実際最終提出した内容はほぼ同じになるかと思いますけれども、それは従前から委員会による審議が終了した後、委員会の報告書が公表された後、ILOからの意見等と合わせて、厚生労働省のホームページに掲載してどなたでもご覧いただけるようにしております。

 

総務省:回答の補足で、常勤になる場合は能力実証をするということについては先ほどのQ&Aの9-1に記載しています。

 

懇談会:それは正確に言うと優先権の有無とは別の話で、常勤職員になるためには、常勤職員の競争試験もしくは選考を経なければならないという一般原則を言ったに過ぎないわけでは。

 

懇談会:選考で大丈夫なんですね。

 

懇談会:人事委員会・公平委員会に通知した日付を教えてください。質問2で、メールで出していますとの回答でしたので、一番直近の通知の日付を教えてください。

 

総務省:2023年12月27日に通知を出して公表しているので、その同じ通知を各所に通知しています。

 

懇談会:同日付けですね。わかりました。

 

司会:後日回答となっているのは、3で質問した「国の障害者雇用の場合の常勤職員化、いわゆるステップアップ」と、質問5ですね。

司会:要望事項について、2つお願いしています。時間も時間ですけれどもお願いします。

 

総務省:要望ですのでお受け止めさせていただきますものですが、1の会計年度任用職員の任用につきましては先ほどもご紹介しましたけれども、自治体に対するヒアリング等を行っているところでございます。2のこの非正規公務員制度といった立法については、国と連携しないと動けないなというふうに思っているところでございます。以上です。

 

懇談会:2の労働弁護団の提言については

 

総務省:国と連携してというところです。

 

厚生労働省:我々の部門でお答えするものではないと理解していますが、確認をさせていただきます。

 

【後日確認内容】総務省から回答と判断しており、今後、総務省から問い合わせがあれば厚生労働省としても対応する。12/10電話回答

 

大河原議員:今日はありがとうございました。なかなか噛み合わなかったのは残念ですけれども、宿題も出たということがありますので、ぜひこの要望書の2番のところ、5番など、整理をしてそれぞれ次に活かしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。本日は総務省、厚生労働省、皆さんありがとうございました。(所要時間:1時間20分)

 

 

要望書

2024年11月15日

厚生労働省 ご担当者さま

総務省 ご担当者さま

 

要望書

 

お忙しい中、一昨年より、意見交換の場を設けていただいていることに感謝申し上げます。

10月6日に開催された「第16回 なくそう! 官製ワーキングプア集会 反貧困集会2024」(主催:なくそう!官製ワーキングプア集会実行委員会)では、雇用年限(公募を経ない再度の任用の回数制限)について、様々な検証が行われました。その中で、同会が行った首都園106自治体への情報公開請求結果[i]が報告されましたが、会計年度任用職員の雇用実態や離職者の実態を当該自治体が取りまとめて把握していないこと、大量離職通知を提出していないこと、離職者に対する支援が行われていないことなどが明らかになりました。

同会の情報公開請求活動は当懇談会メンバーが中心になって行ったことから、今回、改めて、私たちで把握している会計年度任用職員制度運用の実態をお伝えすると共に、そこで見えてきた課題解決に向け、意見交換をさせていただきたく、下記の事前質問を作成いたしました。

ご多用のなか、お時間をいただくことになりますが、ご対応いただければ幸いです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

非正規公務員の雇用安定を考える懇談会

(主な構成団体) 公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

                                          東京公務公共一般労働組合

連帯労働者組合・杉並

                                                   連帯労働者組合板橋区パート

                                       学校事務職員労働組合神奈川

NPO法人 官製ワーキングプア研究会

 

懇談日時:2024年12月9日(月)14時~15時

懇談場所:

 

 

【質問事項】

(1)総務省は2023年6月28日に各自治体あてに厚生労働省の通知を添えた事務連絡「大量雇用変動が生じる場合の対応について」を発出されました。「各地方公共団体においては、同条第2項に基づく大量離職通知書を提出いただいているところですが」とありますが、「地方公共団体からの大量離職通知書の提出」は、ほとんど実施されておらず、首都圏の労働局に行った情報公開請求では提出は39自治体のみでした。

そこで、私たちは首都圏106の自治体に大量離職通知書やそのバックデータ等の情報公開請求を行いました。その中で、2023年度末の会計年度任用職員の離職総数等を集計把握していない、会計年度任用職員の雇用について人事当局が十分把握していない自治体が多く散見されました。2024年7月末までに通知を提出したのは51自治体のみでした。(法的には2月に提出しなければなりません)

厚生労働省、総務省が、大量離職通知書の提出について自治体に周知を図られていることは、雇用安定・確保に関して雇用者としての責任を促したものと評価しております。ただ、上記で示した通り、現実には、大量離職通知書の提出は進んでいるとはいえません。特に、公開された大量離職通知書でも離職者への再就職支援等はほとんど記入されておらず、実施されていないのではないかと危惧します。

  • 質問1-1:大量雇用変動が生じている自治体においても、大量離職通知書の提出がなされていない点については、どのようなお考えか、お聞かせください。 (回答していただきたい省庁:総務省・厚生労働省)
  • 質問1-2:離職の実態など会計年度任用職員等の雇用管理を人事当局が統一的に把握していないことについて、どのようなお考えか、お聞かせください。 (同:総務省・厚生労働省)
  • 質問1-3:通知書にある「再就職の援助のための措置」「再就職先の確保の状況」についてはどのように周知を実施しておられるのでしょうか、内容や具体的な指導をお聞かせください。(同:総務省・厚生労働省)

 

(2)総務省は、2023年12月27日に発出した「会計年度任用職員制度の適正な運用等について(通知)」で、「フルタイムよりわずかに短い勤務時間を設定することについては、財政上の制約を理由として行うことは改正法の趣旨に沿わないことを前提に、任命権者及び人事委員会又は公平委員会は、人事機関として、一般的に理解を得られる相当の合理的な理由があるのか改めて検証の上、慎重に判断する必要があることに、十分留意すること」と通知しています。

しかし、[東京] 特別区人事委員会に検証状況について情報公開請求を行ったところ、「(総務省調査結果情報の提供を受けていないので検証不可能のため)不存在」と回答がありました。

  • 質問2:総務省は、上記通知の「検証」に必要となる調査結果を「任命権者及び人事委員会又は公平委員会」に伝えておられますか。(同:総務省)

 

(3)総務省の2024年6月28日付け「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)の改正について(通知)」の発出により、私たちの把握した限りでもいくつもの自治体が継続任用年限と再公募選考を廃止[ii]しました。そして、同日発出の人事院事務総局人材局企画課長名による「期間業務職員の適切な採用に当たっての留意点等について(通知)」には、「『仮に公募を行った際に、(中略)公務の能率的な運営に相当程度資することが想定され、公募への応募者よりも、むしろ職場内の職務経験を有する者を任用することが適当であると任命権者が判断する場合』等が考えられる。なお、任命権者が公募によらない再採用を行うに当たっては、採用しようとする者の期間業務職員としての従前の勤務実績の他、当該者に就かせようとする業務の必要性、当該業務に求められる知識及び経験、労働市場における人材確保状況等も考慮すること」とあります。 私たちは、この動きを、(総務省が国の期間業務職員の扱いに準ずるとする)会計年度任用職員にも、人事評価による職務経験を重視されて継続任用される道が開かれたものだと受け止めています。

更に、この職務経験の重視は、地方公務員法第22条の2に禁止規定がないことから(同第22条の3には禁止明文がある)、条件付採用を経る会計年度任用職員に「正式任用に際しての優先権」を得る道を開くものだと受け止めています。

  • 質問3:総務省としてのお考えを、お聞かせください。(同:総務省)

 

(4)はむねっと2023調査及び2024調査[iii]では、理不尽な雇い止めや「公募機会の公平性」の空洞化、選考の恣意性が浮き彫りとなりました。単年度不安定任用を前提とする会計年度任用職員制度は、公募機会の公平性、選考における恣意性を排除できないという点からも大きな問題があると考えます。

  • 質問4:この点については、どのようなお考えか、お聞かせください。 (同:総務省・厚生労働省)

 

(5)地方公営企業等の労働関係に関する法律(地公労法)が適用・準用される会計年度任用職員が多くいます。しかし、適用法令の違いによる労働関係の権利(労働基本権や苦情処理等)が、職員自身に十分伝わっておりません。また、多くの自治体で地公労法第13条に基づく苦情処理共同調整会議の未設置が散見されます。

採用時に適用法令を明示すること、自治体に対して「苦情処理共同調整会議」(地公労法13条)設置は、法定義務であることを促す必要があります。

  • 質問5:この点については、どのようなお考えか、お聞かせください。(同:総務省)

 

(6)今年のILO勧告に関して、 専門家委員会から、「雇用政策を改善することを目的とした評価を実施する意向があるかどうか」、「影響を受ける人々の代表と協議されること」を要請されています。

また、総会委員会からは「地方公務員が条約に定める権利と保障を享受できるよう、地方公務員法その他の関連法を見直すこと」が求められています。今後の見直しについて教えてください。

  • 質問6-1:今後どのように検討・協議を進めていくのでしょうか? (同:総務省・厚生労働省)
  • 質問6-2:9月1日までに提出を要請されていた日本政府の「報告書」を開示してください。 (同:総務省・厚生労働省)

 

【要望事項】

(1)「社会の変革に対応した地方公務員制度のあり方に関する検討会」での地方公務員制度の検討が進んでいます。地方公務員の採用難や若年退職者の増について議論されているようですが、今後の地方公務員制度のあり方を考える上で、4割以上を占める会計年度任用職員は、避けて通れない課題だと考えます。この秋から始まった検討会の「働き方分科会」に注目しています。会計年度任用職員制度の問題について、関係団体・当事者等へのヒアリング・アンケート等を含めた検討の機会を是非設けてください。 (総務省への要望事項)

 

(2)2024年11月8日付で、日本労働弁護団が「非正規公務員制度立法提言」[iv]を取りまとめました。「入口規制」、「無期転換」、「雇止め制限」など、現行制度の欠陥を補う貴重なものです。ぜひこの提言に沿って法改正を行ってください。 (厚労省・総務省への要望事項)

 

以上

 

(連絡先)hiseiki.koumu@gmail.com

〔携帯番号、略〕 (はむねっと・渡辺)

 

 

 

[i] 首都圏106自治体離職状況集計表 2024/10/20現在【資料①】

[ii] 人事院・総務省からの新たな通知を受けた対応 2024/10/9現在【資料②】

[iii] 2023調査 https://nrwwu.com/%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%a0%94%e7%a9%b6/2383/

2024調査 https://nrwwu.com/survey-2/2702/

[iv] 「非正規公務員制度立法提言」 https://roudou-bengodan.org/topics/13661/

 

 

 

(関連記事)

山下弘之「地方公務員法の条文対照表:労働弁護団提言VS現行法(労働弁護団提言学習会資料)」

渡辺百合子「首都圏106自治体情報公開請求の報告~大量離職通知を使って会計年度任用職員の離職状況を調べてみました」

 

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