中川てつや(滋賀県大津市議会)「憲法を生かす」

滋賀県大津市議会 中川てつやのページです(作成2024年8月18日)

 

 

2024年第2回定例会(6月14日)/本会議一般質問

 

映像資料🎥

質問の内容や背景など

大津市が過去最高の待機児童(184名 (内、0歳児6名、1~2歳児169名)、隠れ待機児童含めると516名)を生みだしたことへの対策として、公立保育園の大量定員割れ(100名定員の公立保育園5.7園分が消滅したに等しい571名(うち0歳児108名、1~2歳児269名)が保育士不足のため受け入れできないでいる異常事態)解消と、そのための保育士確保へフルタイム保育士の2割を占める会計年度任用職員の賃金改善と公募制の廃止を質問しました。(他に養護老人ホーム、地方自治法の計3点)

再質問、再々質問もしましたが、市当局は会計年度職員の賃金改善や3年・5年の公募をなくすことは、総務省マニュアルに沿ってやっていくため実施しないと拒否。公募は法律で定められていないのに、なぜマニュアルにしがみつくのかついての問いへの明確な回答もありませんでした。

ただ、公募制廃止の質問はどうも初めてだったようで、複数の自民党議員から「経験が必要な職種なのに5年限りはたしかにおかしいよな」の声かけもありました。

大津市では専門職は5年なので、来年度大量の雇い止めが発生する恐れがあります。今後も追及します。

 

質問と答弁

 

質問 中川てつや

2点目、定員割れの原因は保育士不足であることは、衆目の一致するところです。その解消に努めている執行部・職員の皆さまのご努力に敬意を表しつつ、さらに集中的・重点的な取り組みをしていくべきとの観点から伺います。

(略)

二つ目、フルタイムで働く公立保育園の保育士の2割を占める会計年度任用職員の待遇についてです。フルタイムの会計年度任用職員保育士を毎年25名程度募集しても、応募は過去4年間5名から7名です。今年度も当初募集で6名しか応募がない状況です。募集しても、応募がないのは、待遇が良くないからです。

フルタイム職員で正規職員とまったく同じ仕事をしても、処遇改善加算、時差加算及び地域手当込みで5年目で最高額になったとしても、令和6年度で月額249,480円で年間約411万円で、国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査での民間平均給与458万円に比しても低い額です。また、専門職でも公募によらない採用は4回まで(最長5年間の雇用)で、常に雇止めになる不安を抱えており、「安くて不安定で、子育てをしていては生活がやっていけない」との声を聞きます。この待遇では、募集に対して思うように応募がないのはあたりまえではないでしょうか。

保育士は、子どもを相手にする、いわば非定型のコミュニケーション労働でスキルを向上させながらの熟練労働というべきものです。0歳児など3歳未満児の担当保育士は相応の熟練度とスキルが必要とされると聞いています。子どもの心身の健やかな成長、発達を保障する保育園の保育士不足は、本来は正規職員を充てるべきですが、やむを得ず有資格の会計年度任用職員を採用して充てる場合、待遇改善を行うことが必須であると考えます。

本市として、募集数に対して応募者自体が少ない原因はなにか、またどのような対策をするのか見解を伺います。

三つ目、二つ目で申し述べたように、保育士等の資格をもつ専門職の会計年度任用職員の待遇について、市独自の施策として、会計年度任用職員の給料表の改定による民間平均給与なみに引き上げるなどの改善や、安定雇用へ向けて公募せず採用を継続していくことが必要と考えます。

採用に当たり、公募を行うことは法律上必須ではなく、自治体の考え方ひとつで独自でできることです。2023年の総務省調査によれば、政令指定都市の広島市をはじめ全国で225の市町が公募を行なわず採用を継続しています。

本市として給料表の改定や安定雇用へ向けて公募せず採用を継続していくことなど、待遇改善についての見解を伺います。以上で1項目めの質問を終わります。

 

答弁 総務部長

次に、2点目の次に2つ目の会計年度任用職員の保育士の募集に対して応募者が少ない原因及びその対策についてでありますが、応募者が魅力を感じる要素は、働きがい、勤務条件、勤務地の利便性、給与等の処遇など、様々であると考えております。

これまでから、保育士の会計年度任用職員においては、処遇改善加算を行い、会計年度任用職員全般においても、有給の特別休暇の範囲を拡大するなど、処遇の改善を図っております。

次に、3つ目の給料表の改定や、公募によらない任用などの処遇改善についてでありますが、給料表の改定については、令和5年、人事院勧告を踏まえ、令和5年4月にさかのぼり増額改定を行っております。

また、賞与の支給対象となる会計年度任用職員には、本年6月分より、従来から支給している期末手当に加えて、勤務園手当の支給を開始することとしており、さらなる処遇の改善に努めているところです。

公募によらない再度の任用については、総務省から示されたマニュアル等を参考に、専門職の会計年度任用職員は4回としております。

同マニュアルでは、再度、同一の職務内容の職に、任用されることはあり得るとしつつも、同一のものが長期に渡って任用されることにより、会計年度任用職員としての身分が固定化するなどの問題が生じないよう留意することとしております。

そのことを踏まえ、会計年度任用職員の制度の趣旨と、任用されるものの、雇用の安定化の両面を考慮し、上限回数を設定しているものです。以上、私からの答弁といたします。

 

質問 中川てつや

様々な改善をして、国の勤勉手当支給もあって全体の賃金が増えているのは承知しています。しかし私がその質問の中で申し上げた、フルタイムで時差加算もあってすべてのものが加算された最高額の保育士は、あまりおられないと思うのです。しかも、私言ったこの金額は、会計年度任用職員の給料表の5年目で到達する金額ですよね。1年目では、月額22万6,000円です。やはり民間賃金との差の開きは大きいのです。しかも常に雇い止めの不安がある。そんな中で、同じような条件だったら正規職として雇われる民間へ行きます。或いは、京都に行きます。そういった声は本当に聞きます。もちろん部分的に勤めたいとか、勤務地や働きがいなど様々問題あるのは承知してます。

しかし、私が、いろいろな方に聞いた中で一番の問題は、賃金なのです。やはりお金がないと暮らせないですから。その面を独自で改善をする必要があるのではないですか。

それと、公募によらない採用なのですが、総務部長にご答弁いただきましたが、なぜ総務省マニュアルにこだわるのでしょうか。225の自治体が公募によらない採用をして、総務省からペナルティを受けたという話は聞いたことがございません。そして、同一の方が長期に雇われて、固定化するのを防ぐというふうなことがありましたが、しかし、ここで問題にしてるのは専門職、特に保育士です。長期に固定されて、同一の職につかなければ、保育士資格があっても、熟練度を増さないとスキルはまず上がりません。新規採用1年目からゼロ歳児の主担当にすることはないですよね。

専門職であるからこそ、固定し、長期に働いていただくことによって、スキルを向上させて、園の保育のスキルを全体に継承していく、これは公立保育園が、ずっとやってきた本当にすばらしい伝統なのですよ。少なくとも今、会計年度職員のフルタイムさん、2割以上おられてその方がいないと成り立たないわけですから、そこは別に考えるべきではないですか。法律違反でもないし、他の自治体でもやっている。総務省マニュアルになぜこだわるのか。再度ご見解をお伺いします。

 

答弁 総務部長

再度のご質問にお答えいたします。まず1点目会計年度任用職員の給与についてご質問いただきました。初問でもご答弁申し上げました通り、保育士の会計年度任用職員におきましては、処遇改善加算を行っているところです。また、令和5年4月にさかのぼって人事院勧告を踏まえて増額改定を行い、また本年6月から、従来から支給をしている、期末手当に加えて、勤勉手当を支給することとしているところでございます。会計年度任用職員の給与決定にありましては、総務省からの通知にございます通り、地方公務員法の定めによります。職務給の原則、或いは均衡の原則を給与、給与決定原則にのっとって、適切に決定する必要があるという通知がございます。今後もそれに基づいて、給与を決定して参りたいというふうに考えております。

それとあと、会計年度任用職員の長期継続のことについてのご質問でございました。総務省のマニュアルのお話をしていただきましたけれども、その前に、地方公務員法においてですね、会計年度任用職員の採用の方法等について規定をされているところでございます。その中においては、会計年度任用職員は、その任期を1会計年度内としていること。

そして総務省のマニュアルにおきましては、会計年度任用の職は、1会計年度ごとにその職の必要性が吟味される新たな職と位置付けられるべきものと、いうようなことが記載されております。その制度の趣旨と、任用される者の雇用の安定化の両面を考慮して、現在、上限回数を4回としているところでございます。以上でございます。

 

質問 中川てつや

もう1つは、先ほど最後に部長からお話になられた点なのですけれども、会計年度職員は、言葉通り会計年度ごとの雇用であるというのは私も重々承知をしております。しかし、それを例えば、大津では3年、それから5年という定めをされていると思います。これはマニュアルに書いてあるのですけれども、でも一方で、会計年度ごとに任用ではあるけれども、それを5年と決めずに、10年にしたって、何の問題があるんでしょうか。

しかも蓄積したスキルがその公立園のよき保育の作風となって、本当に公立園ではこれまで死亡事故も重大事故も起こしていません。これは本当やっぱり誇るべき内容なのです。これは、本当にそのスキルを大事にして各園で研修も行い、取り組まれてきた結果です。それを壊さないでやっていくためには、会計年度任用職員がすでに5分の1を占め、それ以上になってくると思いますが、その方たちをしっかりと雇用していくということが前提になるのではないでしょうか。再度見解を伺います。

 

答弁 総務部長

再度のご質問にお答えいたします。会計年度任用職員の雇用に関する再質問でございました。中核市への調査におきましては、会計年度任用職員全体でありますが、4回以下の市が約7割という結果になっておりまして、現状では、概ね適正な上限回数と考えております。

またマニュアルの話しを持ち出すわけでございますが、このマニュアルにもですね、地方公務員の任用における成績主義、また、平等主義の平等、平等取り扱いの原則を踏まえれば、繰り返し任用されても、再度任用の保障のような既得権が発生するものではないと書かれおります。今後もこのマニュアルに沿って運用して参りたいと考えております。以上、答弁とさせていただきます。

 

 

 

 

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