第2回「アップデートすべきは、誰なのか」
労働者の雇用と生活を守るため、何とか現状を変えようと労働組合でがんばっているみなさんへのエールと、自分自身の経験や挑戦で学び気がついたこと、これからの課題などについてのあれこれを「コラム」として書か出していきます。第2回目は、「役員こそが常に学び、変わり続けること」の重要性についてです。
役員・幹部こそ、自らが変わる勇気を持つことが大切
労働組合におけるパワーの源泉は「現場」にあります。その現場の多様な声が活かされるようにするためには、従来の方法こそがベスト・ベターだとの固定観念を払しょくすること、多様な視点や発想を歓迎すること、建設的な批判を受け止めること、新しい挑戦を歓迎すること、役員・幹部が自ら変わる努力をし続けることなど、そういう組織運営が重要だと思います。
会議のやり方ひとつとっても、否定的であったり、反対意見を言い出しにくい雰囲気や運営になっていないか、常に心掛けることが大切です。執行委員会などででも、提案側の「圧力」が強すぎるせいか、提案内容についてあまり意見が出ないこともあります。
そんな時には、何が原因なのか、どうすれば改善できるのかを、率直に出し合う時間を持つことが必要です。
私自身の経験でも、「提案側の運営に問題があり、意見が出しにくい状況になっているのではないか。率直に反省し、改善する機会にしたいので思っていることを出してほしい」と伝えたところ、「議題の詰め込みすぎで全体の時間を気にしてしまう」「もっと早い時期に議題と資料が送られてくると、事前に考える余裕が生まれる」「自分の組織でなかなか実践できていないと意見を言いにくい」など、いくつかの課題が見えてきたことがあります。
それは、とある本部役員が集まる会議に参加していた時、自分が感じていた「もやもや」と共通するものでした。
参加する側で見える、感じる問題点は、運営する側になった時に「負の再生産」をするのではなく、しっかりと改善していくことが大切だと実感しました。
チャレンジを歓迎し、肩書やポジションに関係なく参加できる組織へ
私のライフワークであるボディビルには、「ノーペイン、ノーゲイン(痛みなくして、成長なし)」という格言があります。長年、労働組合の役員・専従などをやっていると、これまで培ってきた「自分のやり方」を変えることは、とても勇気がいるし、エネルギーも使います。
それでも尚、労働組合としてバージョンアップするために、役員・幹部こそが、自らが変わる勇気を持つことが大切だと思います。
- 若者や女性のチャレンジを歓迎し、肩書やポジションに関係なく参加できる。
- 今までとは違う変化を楽しみ、良い部分をドンドン吸収しあえる。
- 積極的な批判や提案意見にもっと耳を傾け、大胆に一回試しにやってみよう!と受け止める。
私たち道労連は、今後もそういう活動スタイルを大切にしていきたいと思います。
筆者:北海道労働組合総連合 副議長 出口 憲次
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